アトム


+ 担当声優
清水マリ
1963年アニメ版、『宇宙の勇者』『地球防衛隊』、1980年アニメ版
『海底超特急 マリンエクスプレス』(アダム・ナーゼンコップ名義)、『第5回 おめでとう!!日本テレビ番組対抗かくし芸大会』
『この人 手塚治虫ショー わが夢はるか アトムと飛んだマンガの青春』『手塚治虫が消えた!? 20世紀最後の怪事件』
三輪勝恵
『巨人の星対鉄腕アトム』
田上和枝
1963年アニメ版(97~106話)
津村まこと
『ASTRO BOY』『アトム誕生の秘密』『イワンの惑星~ロボットと人間の友情~』『輝ける地球(ほし)~あなたは青く、美しい…~』
『ROBOT~夢のアストロボーイへ~』『~月面基地・消えたロボットの謎~』『10万光年の来訪者』『ROBOT TOWN SAGAMI 2028』
上戸彩
『ATOM』
村川梨衣
『ろぼっとアトム』
沢城みゆき
『アトム:時空の果て』
朴璐美
『GO!GO!アトム』
日笠陽子
『PLUTO』

比較動画

+ 歴代OP集
全ての原点
80年代版
『ASTRO BOY』版その1
『ASTRO BOY』版その2
『GO!GO!』版
『PLUTO』版
衝撃の実写版

言わずと知れた手塚治虫氏の漫画『鉄腕アトム』の主人公。
また、日本初のロボットアニメでもある。この後に『エイトマン』、そして『鉄人28号』と偉大なロボットアニメ達が続いていく。
その割には『スパロボ』未参戦。手塚プロが許可しないのだろうか
なお、DCユニバース小さくなれるヒーローでは無いし、ア「トゥ」ム及びア「テ」ムだとファラオになるので注意。

科学省長官の天馬博士が危険運転で自爆死した亡き息子・飛雄(トビオ)の代わりとして、
「絶対に死なない息子」をコンセプトに省の力を総動員して作ったロボット。
当初は目的通り「トビオ」と呼んで溺愛していたものの、
やがて成長しない事に腹を立てた天馬博士はロボットサーカスに売り飛ばしてしまう
このサーカスで団長に「アトム」と名付けられ、見世物として過酷な日々を送っていたが、
サーカス団の「ロボット対人間」という見世物に奇妙な子供が連れてこられた事から運命が変わっていく。

彼の初登場した漫画『アトム大使』では、物語はロボットと人類の交流ではなく、
地球に移住してきた見た目や名前、経歴まで瓜二つの宇宙人と、地球人との間に発生した軋轢を、
地球人でも宇宙人でもない第三者「ロボット」の大使として収める物語であった。
なお瓜二つといっても、例外として宇宙人の天馬博士は、アトムを作らなかった代わりに生物を細菌レベルまで縮小してしまう薬剤を開発、
それを宇宙移民による人口の激増問題を解決する為、地球人の天馬博士が強奪、
縮小薬の入った銃で武装した部隊で邪魔な宇宙人を片っ端から縮小(実質的な抹殺)するという過激な宇宙人狩りを行った。
だが、ロボットであるアトムに縮小薬は通じず、追い詰められた末に味方から撃たれて消滅した。
……が、死を偽装して生き延びており、以後は影に日向にアトムを見守るポジションに収まった

アトムはこの事件を解決した事で、新たに科学省長官に就任したお茶の水博士に引き取られ、めでたく自由の身となった。
さらにお茶の水博士からロボットの両親「エタノール(父)」「リン(母)」を贈られ、
「アトム大使」事件で知り合った友人達と一緒にお茶の水小学校に通うようになる。
後にアトムへの誕生日プレゼントとして妹の「ウラン」が製作された。
また水爆探索中に消息を絶ったアトムの捜索および援護のために急遽製造された、「コバルト」という弟も存在する。
兄に比べて呑気だがひょろっとして背が高いせいか、一部作品ではアトムの試作機(=兄)扱いされる事も。

かくして「日本一のスーパーロボット」として認知されるようになったアトムは、
お茶の水博士の庇護のもとで数々の冒険を繰り広げていく事になるのだが……。

原作鉄腕アトムの世界ではいまだロボットは発展途上であり、やっと人間並みの知性を持ったロボットが出来たばかり。
そのためロボットの権利というものについても課題が山積みで、「ロボット法」の下でその権利は著しく制限されている。
+ ロボット法一例
  • ロボットは人間に尽くすために生まれてきたものである。
  • ロボットは人を傷つけたり殺したりしてはいけない。
  • ロボットは作った人間を父と呼ばなくてはならない。
  • ロボットは何でも作れるがお金だけは作ってはいけない。
  • ロボットは海外へ無断で出かけてはならない。
  • 男のロボット女のロボットは互いに入れ替わってはいけない。
  • 無断で自分の顔を変えたり別のロボットになったりしてはいけない。
  • 大人に作られたロボットが子供になったりしてはいけない。
  • 人間が分解したロボットを別のロボットが組み立ててはならない。
  • ロボットは人間の家や道具を壊してはいけない。
作中では海外渡航制限が頻繁に取り上げられており、アトムが海外の事件解決に思うように動けないといった描写が多い。
また史上最初のロボット議員コルト氏の尽力により一ヶ月に一度の休日「ロボットの日」といった権利が認められているが、
逆に言えば彼の働きがなければロボットに休日はなく、また手に入れてもやっと一ヶ月に一日だけという状況なのだ。

まぁ渡航制限については、(保護者がお茶の水博士であるという点を差し引いても)許可が貰えれば問題無いようで、
アトムが長期休暇中のアルバイトとして宇宙旅客船のボーイ役に゙なった事がきっかけで始まるエピソードもあれば、
逆に科学省が緊急事態に際して招聘した各国諜報機関のスーパーロボット達とアトムが協力するというエピソードもある。
とはいえ「許可がもらえなければ絶対に日本から出入国する事はできない」という意味で、やはりロボットの権利は制限されている。

他には後述のカラーアニメ版『鉄腕アトム』最終回などではアトムの目の前であるロボットが解体されてしまうのだが、
これもやはり「人間が分解したロボット」であるため、どんなにアトムが望んでも彼の手で修復する事はできないのである
(尤も、これは人間並みの頭脳を持ったロボットが誕生してから歴史がまだ浅い『鉄腕アトム』作中であるからこそで、
 逆に「寿命で死に、蘇らない」事を条件にロボットが人権を手に入れる『アンドリューNDR114』という海外作品もあったりするが)。

とはいえ、これでもアトムの活躍やお茶の水博士の尽力の成果であり、ロボットサーカスにいた頃は、
「団長が入院中で興業ができない間はアトムの電源を切ってロッカーにしまっておく」など完全にモノ扱いで、
ロボット法成立直後には不快に思う人間から自由に出歩くロボットへのテロ事件まで起こっていた。

さらに言えばこれらは比較的ロボットの権利が認められた日本での話であり、世界には一切ロボットの権利を認めない国も多く存在する。
そういった国ではほとんど理由らしい理由も無く、ごく普通に暮らしていたロボットが破壊されてしまう事件が日常茶飯事で、
渡航した際には逆にアトムをヒゲオヤジ達大人が傍について守ろうとするほどの、深刻な状況となっている。
やがてアトムと同等のスーパーロボット「青騎士」がロボット独立を志すのも、無理からぬ事だろう。

ロボットを道具として扱う者、ロボットを憎む者、あるいは逆に人を見下すロボット、人を憎むロボット……。
アトムは様々な科学技術を悪用した犯罪や超常現象を防ぎ、そしてロボットと人の間を取り持つために戦い、
多くの苦しみ、悲しみ、喜びを受け止めながら、世界の平和を守るために尽力していく事になる。

「もしぼくが人間のように涙を流すことができたら
 きっといまぼくの目は涙でいっぱいで見えないでしょう」

+ 七つの威力
鉄腕アトムと言えば「七つの威力」と呼ばれる特殊装備である。
……なのだが、漫画作品に限っても合計すると10以上ある。原因は「力」や「頭脳」といった基本的なものをカウントするかどうかで変わるため。

原子力(後に核融合)を動力としており*1、「10万馬力(後に100万馬力)の力を」誇る。有事の際にはこの力で戦う。
その他、各種媒体や作品によって変わるが、
  • 高度な電子(人工)頭脳(これも頭脳で一括だったり判断能力と計算で別カウントだったりする)
  • サーチライトとしても機能する目
  • 非常に優れた聴力
  • 足に内臓されたジェットで空を飛ぶ
  • 60あるいは160ヶ国を理解し会話できる
  • 尻にピストル(あるいはマシンガン)
といった具合。

2003年の『ASTROBOY』や2009年の映画『ATOM』では、「腕のアームキャノン砲」が事実上の必殺技として追加されていた
(原作では腕にもジェットエンジンがあり、これの噴射炎で物を溶かしたりするのに使用した事はある)。
『ATOM』ではそれに加え、内蔵された完全クリーンエネルギーの動力源「ブルーコア」が七つの威力に数えられている。
他、作品によってまちまちだが「鼻がアンテナ」「指先からレーザー」「空気からおいしい飲み物を作る」など。
基本的に徒手空拳で戦う事が多いが、意外と重武装である。

実は『アトム大使』では1京ダイン五百万ダイン(50㎏を1秒で1m/s加速する)程度の出力しか持っておらず、
これはニュートンに換算すると50ニュートン、馬力にしてわずか0.067馬力といった、あまり強力とは思えない数値である。
やっぱダインって単位が強そうに聞こえるせいだろうか
そこから連載継続に伴って徐々に強化されていき、10万馬力を始めとした七つの威力を使いこなすようになっていった事から、
『アトムハートの秘密』では心の成長によって出力制限が解除されるという設定がなされ、
人との出会いを通じて人間を理解して成長していく心=「アトムハート」こそが七つの威力の一つとされた。

しかし、誤解されがちだがアトムの心は人間のそれとは全く異なっている。
アトムには「悪い心」「弱い心」が無いよう、意図的に機能が外されているのだ。
故に不完全だと負け惜しみ指摘する悪漢が登場した他、お茶の水博士ですら悪心回路オメガ因子のあるロボットより下等だと評した事もある。

だが人間と同じ心をロボットが持つ必要はないという事も繰り返し作中で指摘されている。
実際に一度アトムがその感情機能を組み込んだら人質にされた両親が壊される恐怖から戦えなくなった事件があり、
また一方で人にできない冷静で的確な判断を期待されて、火星探検隊の隊長に任命された事もある。
その上で、純粋すぎるが故に複雑な警察の捜査を理解できず結果的に妨害してしまったり、
悪漢の罠に嵌まった所をヒゲオヤジ先生に助けられたり、タマちゃんやケンちゃんやシブガキといった友達に助けられたり、
それこそ件の火星探検でアトムの窮地を救ったのは、反目していた部下ケチャップ大尉の自己犠牲であったり、
決してアトム=ロボットが人の上位互換ではない事も繰り返し描かれている。
ロボットが人間と同じになる必要は無いのだ。

人と共に歩む人でないもの、人にできない事をしてくれる人の友達。
それが手塚治虫の描いた「鉄腕アトム」というロボットの理想、科学の子なのだろう。

「もう人間をうらやんだりなんかしないよ」
「ぼくはロボットらしく生きるんだ!」

なお原作版の電子頭脳(2TB程度の容量らしい)は真空管で動いている。そのためよく真空管が切れて活動不能になったりもしていた。

+ 派生作品でのアトム
手塚治虫の代名詞とも言えるキャラクターのため、様々な作品に登場している。
まずスターシステムとしての客演は基本としても、印象深いのは『ひょうたんなまず危機一髪』である。
これは第二次世界大戦の超人兵士として開発された力を使う正義の味方ビッグXと対決し、
誤解が解けた後は一致団結して事態の解決に向かうが、その危機というのが「正義の味方製造機」という代物で……。
「こうウジャウジャ作られると、なんだか安っぽいね」という自虐ネタまで飛び出す始末。

また、カラーアニメ版の『鉄腕アトム』では誕生経緯がやや異なっている。
人間並みの心を持ったロボットの開発に難儀していた天馬博士は、
トビオ少年のアドバイスで「子供のロボットを作って心を成長させれば良い」事に気付く。
しかしそのプランを実行に移すためにトビオと遊園地に行く約束を「また今度に」と延期しようとした所、
泣きながらロボットカーに飛び乗って一人で走り出したトビオが事故に遭って死んでしまう。
「今度作る子供のロボットを格好良くて、強いロボットにして、トビオって名前をつけて、僕のかわりに可愛がってね」
そのトビオの遺言を聞いた天馬博士が周囲の反対を押し切って開発したのが、本作のアトムとなっている。
まあ冷静に考えて十万馬力で空を飛び、レーザーブラストとマシンガン搭載のロボットを作るのはヤバいからね
ちなみに本作の天馬博士はアトムを見捨てておらず、サーカスに攫われたアトムを必死に探し回る中で失踪、消息不明となってしまった。
アトム(この時点ではトビオ)も最後まで天馬博士を父として慕っていたため、シリーズ系列では最も親子愛が深い関係となっている。
しかしアトムとなってからはこのトビオ時代の記憶を失っており、どうもサーカス団でなにかされたようだ

『アトムキャット』では、猫の「アトム」が登場する。
いじめられっこのツギオ少年に拾われたアトムであるが、しかし二人は交通事故に遭って瀕死の状態に。
この事故を起こした宇宙人が責任を持って二人を蘇生させる際にツギオくんの記憶をもとにした結果、
漫画のアトムと猫のアトムが混同され、アトムは鉄腕アトムの力を持ったサイボーグキャットとして蘇ったのだった。
その後アトムは本物の鉄腕アトムさながら、ツギオくんを助けるために奮闘するのだが、雑誌廃刊のため未完に。
お察しの通り、英語圏特にアメリカにおいて、古典的な雄猫の名前である「トム」(トムジェリーとか)と、
人物名の「トム」とを区別する際に使用される「トムキャット」を踏まえたセルフパロディである。

後述の白黒TV版後日談としては『アトム2世』というギャグマンガも登場。
アトムを基に残ったパーツを組み合わせて作った2世が登場するが、
裏の仕事に役立てる目的もあって「アトムより人間に近付ける」条件で予算が下りたため、
政府の目論見をも下回る、およそヒーローらしからぬダメ人間もといダメロボットであった。

浦沢直樹氏が同作のエピソード「地上最大のロボット」をリメイクした作品『PLUTO』では、
ゲジヒト(原作のサブキャラ)が初期はメインに置かれたため、準主人公的なポジションで登場している。
デザインはリアル寄りになっているが、オリジナルのツノに似た癖毛の髪形をしているなど、原典の尊重が見られる。
7体の世界最高水準のロボットの中でも特に優れた人工知能を持ち、ロボットらしからぬ豊かな感情を持っている事が強調されており、
世界屈指の分析能力を持つゲジヒトですら、その言動故に分析機能が何度もアトムを人間と誤診しかけた程であった。
次々と巻き起こるロボット科学者連続殺人事件の謎を追いかけるうち、地上最大のロボットとの戦いが幕を開ける……
というストーリーは原作通りだが、浦沢氏ならではのサスペンス、そして手塚作品へのオマージュがなされた傑作である。
2023年10月にNetflixオリジナル作品としてアニメ化もされた。

ゼルダの伝説』のコミカライズで有名な姫川明氏も、『ASTRO BOY』版のコミカライズを担当している他、
「青騎士」をもとにしたコミカライズ『青騎士 鉄腕アトム 青騎士 より』を発表している。
姫川氏の繊細なタッチで描かれるアトムとロボット達の心理描写は、原作とはまた違った形でアトムの掘り下げに成功している。

他には2021年現在進行形で連載中の『アトム ザ・ビギニング』という作品も存在している。
本作は若き日のお茶の水博士、天馬博士の友情を中心に、アトムが生まれるまでを描く物語だ……と思われていたのだが、
数十年前に現れた謎の少年、ベトナムで発見された謎のロボットなどの存在が示唆されだし、
クライマックスに近づくにつれ、より密接にアトム本編との関係性が描かれるようになっている。

この他、山下達郎が「アトムの子」という歌を制作、ロボットを題材とした映画『ジュヴナイル』の主題歌に用いられたり、
海外映画『リアルスティール』の主役機に「アトム」の名がつけられたり、アトムがロボットに与えた影響はとてつもなく大きい。

ちなみに、今でこそ日本のアニメは世界に誇れる一大コンテンツとなっているが、ここまで世界的になったのは実は実写版アトムのお陰でもあったりする。
1959年に実写版鉄腕アトムが放映されたが、そのあまりにも原作とかけ離れた出来に作者が激怒し、
「俺がアトムのアニメを作ってやる」と意気込んだ結果、赤字覚悟で*2アトムのアニメ化を実現させるために「虫プロ」の設立に至ったと言われるほど。
こうして日本初の連続テレビアニメーションと第一号となった鉄腕アトムは日本のサブカル史に偉大な足跡を残し、今に至っている。
また、現実世界でも、アトムのようなロボットを作りたいと夢見てロボット工学の道に進んだ人物は多数存在し、
彼らが「アシモ」等を製作したのである。
ただ、「友人としてのロボット」であるアトムよりも「自分で操縦できる巨大ロボット」である鉄人28号の方が受けが良かった、なんて話もあるが*3

一応誤解なきように付け加えておくと、実写版アトム自体は当時の探偵活劇ドラマに則った作品であり、
低予算ながら円谷プロ監修のもとジェット噴射での飛行などさまざまな特撮が試行錯誤の末に行われ、
全6クール1年以上にわたって放送された、良作かつ高評価な番組の部類に入る。鉄人の実写が打ち切られたのとは大違いだ
所謂原作レイプではなく、当時の技術と需要に合わせて実写化する上でのアレンジが強すぎた、とすべきだろう。

+ ゲームにおけるアトム
手塚作品の代名詞的キャラクターでもあるため、都度都度ゲーム作品も発表されている。
漫画内容的にもアクションゲームとなる事が多く、アトランチスに光を取り戻すジェット噴射の難易度が異様に高いFC版を筆頭に、
オーソドックスな原作再現アクションのSFC版、傑作と名高いGBA版スーパー手塚大戦『アトムハートの秘密』、
そして3Dアクションとしてアニメさながらのグラフィックで動き回るPS2版などが存在している。
他にも『ブラックジャック火の鳥編』などでも登場しており、ゲームへの登場回数はやはり多いキャラクターと言える。

SFC版アトムはカラーアニメ版の鉄腕アトムをベースにしたアクションゲームとなっている。
攻撃手段はリーチの短いパンチのみというストロングスタイルなアトムなのだが、
LRボタンを押しっぱなしでチャージしたホバーゲージ分だけ足のジェットでホバーする能力を有しており、
さらにこのホバー状態中に必殺の突進攻撃「ジェットパンチ」を繰り出す事ができる。ジェットって言ってるけど宇宙空間でも撃てる
これが発生中は無敵の上に当たり判定が異様に強く、ボスの攻撃とかち合っても問答無用で一方的にダメージを与えられるため、
ステージ構成もアトムがホバーできる事が前提で、敵もジェットパンチで突破する事を想定して配置されている場面もあるので、
ホバーゲージを慎重に調整しつつ、ここぞという場面では積極的にジェットパンチをぶち込んでいくのが攻略の要となっている。
また、ウランがサポーターとしてアイテムを持ってきてくれたり、無敵アイテムが100万馬力電子モーター、残機アップが真空管だったり、
一部の暗いステージではアトムの目がサーチライトとして機能する演出がなされたり、
10万馬力、ホバー、ジェットパンチ、サポートウラン、100万馬力、真空管残機、サーチライトで七つの威力……ってコト!?
各ステージもアニメ版のストーリーを元にしており、EDのスタッフロールがアニメの再現になっているなど、積極的な原作再現が行われている。
さほど難易度も高くなく、ややボリュームは少ないながらも手堅く遊べる一本である。でも尻のマシンガンか指のレーザーは欲しかったな……
10万馬力で新登場!

ニコニコ動画ではやはり『アトムハートの秘密』の知名度が高い。
本作はアクションゲームとしての面白さやはもちろん、作品中に点在する有名無名の手塚キャラクターと出会う事で、
単なるキャラクター図鑑に留まらない、極めてマニアックな名鑑を作成できるというやり込み要素に加え、
後述する鉄腕アトム最終章の構想を組み込んだ完成度の高い実質『マリンエクスプレス』ストーリーでも有名なため、
興味のある人、アトムファンの人、手塚治虫作品ファンの人には是非とも遊んで頂きたい名作ゲームとなっている。
本作のアトムはハードがGBAという事もあって、基本的にはSFC同様のAジャンプとBパンチの2ボタン操作となっているのだが、
Bボタンと十字キーの組み合わせで吹き飛ばし攻撃のキック、低威力ながら長射程のフィンガーレーザー、十字キーの左右二度押しでダッシュを繰り出せる他、
過去作に対してジェット噴射がジャンプ中に再度Aボタンを押すだけで発動できるなど、かなり直感的に操作しやすい。
さらにジェット噴射中および必殺技のパンチを繰り出しながら突進する「EXダッシュ」中は当たり判定が消失するという、
SFC版のジェットパンチを彷彿とさせる高性能ぶりを誇る。
加えて画面全体攻撃のマシンガン、強力なビームを発射するアームキャノンも必殺技として使用可能で、七つの威力を縦横無尽に発揮できる。
特にマシンガンに関しては『アストロボーイ』版には登場しないにも拘らず、『アストロボーイ』準拠の本作に実装されているという気合の入りっぷり。
アニメしか知らない子供達は分かんないんじゃないかなこれ
また、前述通り各地に配置されている手塚作品キャラと出会う事でアトムハートが成長、ステータスが上昇する機能が備わっており、
さらにそれに伴ってかなりマニアックな情報が記載されたキャラクター名鑑を完成させていくという、やり込み要素も存在している。

実は、カプコンが『鉄腕アトム』のゲーム化を企画した事があり、やがてオリジナルの『ロックマン』に落ち着いたという変遷を辿っている
(正確には最初からアトムのゲームだったのではなく「等身大ロボットが主人公のゲーム」という前提で始まり、
 それを版権キャラゲーにする案が推された際にアトムが候補だった)。
このような経緯があるため、『ASTRO BOY』版でアームキャノンが追加された際、「アトムにロックバスターが逆輸入された!」と喜んだファンもいたとか。

+ アトムの最後
実の所、原作漫画の鉄腕アトムは連載雑誌休刊のため終了となり、明確な最終回は存在しない。
そのため様々なメディアミックス作品で鉄腕アトムの最終回が描かれる事になった。

  • 『少年』版鉄腕アトム
前述通りあくまで雑誌休刊のための最終話だが「火星から帰ってきた男」が最終回となる。
アトム誕生から18年目のクリスマス。
このままずっと子供でいたいと語るアトムの前に、火星から帰還した凶悪犯ユダ・ペーターが現れる。
ユダ・ペーターを逮捕しようとした刑事や、彼を警察に密告した女性教師ロボットなどが次々と殺害されていくが、
火星人の末裔から授かった超能力を行使しているせいで、現代科学ではその殺人を立証できない
自分の前に立ちはだかるアトムを唯一対等な存在だと認めたユダ・ペーターはそうした自分の来歴を明かし、
アトムもまたユダ・ペーターの秘密を守ると誓う一方、レコーダーで彼の自供を録音することでその犯罪を告発する。
北極で決闘する事になった二人だが、ユダ・ペーターの超能力を受けてアトムは一撃で大破する。
しかし破壊されながらもアトムはお尻のマシンガンでユダ・ペーターの両腕を撃ち抜いていた。
ユダ・ペーターは行動不能に陥り、アトムの残骸とともに流氷の上へ取り残されてしまう。
もはや死を待つばかりとなったユダ・ペーターは敗北を悟り、アトムはまだ修理すれば生還できる可能性がある事から、
自らの命を文字通り全て燃やすことで発光、上空を行く飛行機にアトムの位置を報せ、爆発四散する。
救助された後、何故ユダ・ペーターが最後に自分を助けたのか分からないと不思議がるアトムに、
お茶の水博士は「彼のような悪魔の中にも、神の心が宿っていたのだろう」と語るのだった。

  • 実写版鉄腕アトム
第65話「ガス人間全滅」が最終回となる。鉄腕アトム大勝利!
ガス人間によって破壊されてしまったアトムだが、修理を待たずしてガス人間の全面侵攻が地球を襲う。
世界を救うため、アトムに部品を差し出すパパとママ。お茶の水博士は懸命にアトムを修理し、復活させる。
さしものアトムも部品を抜き取られた両親の姿にショックを受けつつ、二人のためにもガス人間との決戦に赴き、
世界を救った後、お茶の水博士に修理してもらった両親と共にハッピーエンドを迎える。

  • 白黒版鉄腕アニメ
最終回「地球最大の冒険」では、太陽の異常高温による人類滅亡を防ぐため宇宙に飛び立つ事に。
冷却装置を太陽に向けて発射した後で地球へ帰る予定だったのだが、隕石との衝突で自動操縦装置が故障。
やむなくアトムは冷却装置にしがみ付き、自分諸共太陽に突入する事で世界を救うのだった。
この最終回は当時の子供達にとって衝撃で、大反響を巻き起こしたのだとか。

  • 海底超特急マリンエクスプレス
24時間テレビ内スペシャルアニメ(約90分、全一話)でのラスト。「アダム」という名義で登場。
当初は人間と思われていたが、マリンエクスプレスを破壊するために作られたロボットである事が発覚する。
アダムを開発したナーゼンコップ博士はマリンエクスプレスの開発者でもあったのだが、
ポリネシア人であった彼はアメリカで受けた人種差別へのコンプレックスからマリンエクスプレス開発に従事した一方で、
これによって故郷の自然と文化が破壊される可能性に気づいて深く後悔し、マリンエクスプレスの爆破を決意したのだった。
アダムは皆の説得を受けて自爆を辞めたものの、マリンエクスプレスごとタイムスリップに巻き込まれて古代ムー帝国に漂着してしまう。
ムー帝国を支配するシャラクからマリンエクスプレス、そして愛する人々を守る事を決意。
同い年くらいの容姿で自らもロボットだと主張する少女のミリーとは絆を結びつつあったが、
自分もついていくと言い張るミリーを押し留めた際に彼女が転んで擦りむき、傷口から出血。
それを見たアダムは「君は過去の怪我でサイボーグ化しただけの、ちゃんと赤い血の流れる人間なんだ」と教え、
「長生きして可愛い赤ちゃんを産んでね」と言い残して単身でシャラクに立ち向かい、
ナーゼンコップ博士の後押しを受けて自爆シーケンスを起動、その身を犠牲にしてシャラクに勝利した。

太陽の使者 鉄人28号』などの旧作リメイクブーム、前作が白黒アニメのため再放送されないなどの諸事情に加え、
本作が好評だった事が続くカラーアニメ版の製作に繋がった。
そのためアダムとナーゼンコップ博士、即ちアトムおよびお茶の水博士の声優は、一作目から継続してそのままカラーアニメ版でも続投している。

  • カラー版鉄腕アトム
こちらでの最終回は「アトムの初恋」というもの。
アトムの足が何故女の子みたいな色っぽくてセクシーな形状なのか教えようと手塚氏本人が語り出し、あなたのフェチじゃないのか
天馬博士が秘匿した設計図を強奪した他の科学者によって作られた、アトムと同等の少女ロボット、ニョーカとの初恋が描かれる。
ある独裁国家に悪用されようとしていたニョーカを救うために潜入した事でアトムは彼女と出会うのだが、
脱出の過程でニョーカは体内に内蔵した中性子爆弾の起爆スイッチを押されてしまう。
世界とアトムを救うには自分を解体する事しかないと悟ったニョーカは、自ら解体される事を申し出て、
彼女の手を握りしめるアトムの目の前で、原型を留めない部品の山に分解されてしまう。
アトムは最後に残されたニョーカの両足を持ち帰って自分の足と交換する事で、彼女との愛に報いたのだった。
なお、この回の脚本は手塚氏自身によるものだったりする。やっぱりあなたのフェチじゃないか

マリンエクスプレスあるいはスーパー手塚大戦『アトムハートの秘密』では、
この新旧アニメ最終回と原作「地球最後の日の巻」を組み合わせたものがラストステージで、
トレジャーお馴染みラスボス後の耐久面を、爆弾の姿をさらけ出したニョーカを抱えて太陽へ突き進んでいく事になる。
なお本作の主題歌はおなじみの旧曲をアレンジしたものが採用されているのだが、
これは完全新曲を作ったところ「どこがアトムなんだ」という反発を受けた事が原因で、
にも関わらず視聴者からは「なぜ原曲を使わなかったんだ」という批判が届いたという逸話があり、
昨今のリメイクやリブート系列の作品にも見られる難しい問題が確認できる。どっちも良い曲だと思うんだけどね

  • ASTRO BOY版アトム
最終回は「最後の対決」。
ロボット達を救うために爆弾で大破したアトムは天馬博士に修理されるも、「トビオ」としての記憶を与えられてしまう。
しかしやがてアトムは記憶を取り戻し、これに絶望した天馬博士は科学省を占拠し、アトムと二人きりになる事を要求。
そこは天馬博士とトビオが最後の日に喧嘩をした因縁の地でもあった。
壊れたロボットを処分して新しいものを贈ろうとする天馬博士に反発し、トビオは科学省を飛び出して事故にあったのだ。
(原典のトビオはエアカーでの暴走運転を楽しんでいた人物なので別人といえる)
また本作のアトムは天馬博士によって封印されたものをお茶の水博士が再起動したという設定なのだが、
ロボットとして作られたトビオ=アトムもまた、トビオと同じ言動で天馬博士を否定したばかりか、
人間に反発して暴れたため、博士はアトムを危険視して封印したのだった。

ロボットは人間の道具なのか、進化し続けてやがて人間に反逆するのか、それとも人間を支配するのか。
その選択をアトムが拒否し、人間と共に歩むと告げた事で、天馬博士は安堵。
これまでの責任を取って自ら死を選ぼうとするが、逆にアトムに救われ、とうとう二人は和解する。
天馬博士は自首して罪を償う事を選び、この事件をきっかけにロボットの人権が認められる事に。
アトムは友人達と一緒に、人とロボットが手を取り合う新しい世界を生きていく。
鉄腕アトム諸作品の中では一番文句無しのハッピーエンドだと言えるだろう。

  • アトム今昔物語
旧アニメ版のその後を描いたサンケイ新聞版の鉄腕アトム。
太陽に突入したアトムは異星人オハラによって救われたが、しかし50年前までタイムスリップしてしまう。
そこで残されたエネルギーを駆使してロボット学者を志す大きな鼻の若者や、トムとあだ名される少年と交流し、彼らの危機を救っていく。
だがベトナム戦争への介入などの無理が祟り、とうとうエネルギーを使い切ったアトムは力尽きてしてしまう。
やがてトムこと天馬博士は成長し、科学省長官にまで上り詰めるが、そこで最愛の息子を事故で失うという悲劇に見舞われる
(単行本の版によってはトムが出てこず、若い頃のお茶の水博士やヒゲオヤジの親父との交流のみなものもある)。
彼はかつての友人をモデルに自らの息子を再現した最高のロボットを作り上げるが、しかしそれは何故か起動しない。
もはやエネルギーを使い果たし野晒しとなったアトムの傍らに侍るオハラは、それが同じ時代に二人のアトムが存在するせいだと気付き、
アトムを生誕させるためにアトムを破壊するという、苦渋の決断を実行する。タイムパラドックスだ!
こうして新たに鉄腕アトムが生まれたが、アトムの介入によってこの世界線は異なる歴史を辿り出している。
このアトムは太陽に突入せず、全く異なる冒険を繰り広げていく事になるだろう……と示唆されて物語は終わる。
なお明言はされていないが、『アトム ザ・ビギニング』はこの世界線から分岐した物語であるらしい。

  • アトム還る
旧アニメ版のもう一つのその後を描いた小学四年生版の鉄腕アトム。
時が経ち、宇宙を漂う溶けたアトムをルルル星人が回収する。
ルルル星人の科学力によって復元されたアトムは、ルルル星のロボット少女・スピカを連れて地球へ戻り、
新しく与えられたタイムマシン機能のある第三の目で自らの時代を目指す。
文明崩壊後とも古代エジプトのスフィンクスの過去ともつかない時代や、アトム自身の残骸のある時代など奇妙な時代を巡る旅の中、
スピカがロボットを迫害する地球人を報告した事でルルル星は彼女に地球の破壊を命じる。
しかしアトムがスピカの起爆装置兼アンテナを破壊した事で和解し、二人でアトムの家族を捜す旅に出る所で物語は終了している。

実はこれ、1970年代に実写版(第二作目)の構想があり、それの原作になる予定がお蔵入りになってしまった物。
演者は旧作と違い女性が想定されていたので、胸の膨らみを隠すため旧作に無いチョッキのような部位が付けられたらしい。

  • アトムの最後
問題作。
鉄腕アトムの活躍から遥か未来。そこはロボットによって人間が支配される、暗黒の時代となっていた。
恋人と手を取り合って脱走した主人公は、唯一人間に味方してくれるロボットだと信じて、博物館に眠るアトムを再起動する。
追手を迎え撃ってくれという二人の頼みを聞いたアトムは、それを快く了承する。
何故なら「人間とロボットである二人が仲睦まじく愛し合っている」からだと。
恋人がロボットであった事にショックを受ける主人公をえ、知らなかったの?で済ませて置いて、アトムは「いくぞーっ!」と出撃。
そしてあっさり撃破され、ショックのあまり恋人を破壊した主人公もまたロボット達に殺害されてしまうのだった。
おまけにそもそもかつて人間だった恋人を悪戯で殺害したのは幼少期の主人公であったというオチ。
手塚氏も「描いてて嫌な気分になった」というが、さもありなんである。

  • 火の鳥
手塚治虫氏のライフワークとも言われる傑作、その最終章「再生編」が、なんとアトム編だったと言われている。
過去、未来、過去、未来と描かれてきた『火の鳥』の物語がやがて手塚治虫のいる現代に近付いていき、
最終章となる21世紀の物語が、我王の末裔であるお茶の水博士がアトムの最後を見届ける「再生編」であり、
その後に描かれる「現代編」が鉄腕アトムの誕生で幕を閉じるというものであったらしい。
「再生編」「現代編」については制作される事はなかったものの、小説『火の鳥アトム編』や『アトムハートの秘密』に生かされている。

  • FC版鉄腕アトム
本編ストーリー中でアトムの最期が描かれるわけではないのだが、ゲームオーバーになると明確にアトムが死亡した事になり、
「アトランチスのために、死んでいった者の名をここに記す。その名は、アトム……」という言葉の刻まれたアトムの像を前に、
お茶の水博士がアトムの事を思って涙するという演出が流れる。
かなり細かい事にステージごとにこの死亡時に流れるメッセージは異なるため、
ゲームオーバーになった各ステージの物語が、いずれも「最終回」になると言えるだろう。

また、頭のツノのような部分は角度によって両サイドから出ていたり頭頂部から出ているように見えたりするが、
これは手塚氏の寝癖がモデルで両耳の上あたりから出ている設定。
前髪の形は『マイティ・マウス』というアニメに登場する同名の主人公の影響らしく、タイトルも『MIGHTY ATOM』と併記される事がある
(何らかの事情で実際に海外に輸出される際には『ASTRO BOY』となったのは有名な話)。
アトムが飛ぶ時に手を握り拳にして片方だけ突き出すのもマイティ・マウスの影響である。
ちなみにマイティ・マウスは明らかにスーパーマンの影響下にあるが、
手塚氏はスーパーマンの飛び方を「理にかなってはいるがお行儀が良すぎて芸がない」と思っていたそうな。

余談になるが、俳優・ナレーションでお馴染みの下條アトム氏の下の名前は芸名ではなく本名である
鉄腕アトムと被ったのは単なる偶然の一致(下條氏の生誕の方が早い)であり、
アトムが人名に使われるのは今でこそ珍しくも何ともないが、下條氏は少年時代鉄腕アトムと同じ名前で話題となり、実際に手塚氏と対面した事があるそうな。
また、同級生にウランという名前の子がいた事も話している。


トビオよ、見ているか。
アトムだ。
あれが、おまえのアトムだ。

アトムよ、人間を越えろ!
国家や民族を!
思想や宗教を!
飢餓や貧困を!
戦争を!
人間の産み出した、くだらないものすべてを、越えて飛べ!

おまえは飛ぶのだ、人間が超えられなかった高みへ!
おまえは行くのだ、人間が行けなかった未来へ!


MUGENにおけるアトム

+ KenshinHimura氏製作
  • KenshinHimura氏製作
GBAソフト『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』のドットを用いて製作されたちびキャラ
下記の非表示大会に出場していたのはこちらのアトムである。
現在公開されている物は誤ってサウンドファイルを上書きしてしまったらしく、効果音が出ない動作も多い。
AIは搭載されていない。

+ Brucewayne74氏 & Yolomate氏製作
  • Brucewayne74氏 & Yolomate氏製作
MUGEN1.0以降専用。
現在はコンプゲー『Dynamic Super Robot Wars - THE GAME』で知られるGIANNI from PARTINICO氏のサイトにて公開されている他、
海外サイト「The Mugen Multiverse」からも入手可能。
ボイスが津村女史であり、指先からのビーム等からして『ASTRO BOY』を基準に製作されている様である。
ストライカーとして『ジャングル大帝』のレオを呼ぶ事が出来る。
AIは搭載されていない。


ちなみに前述の妹・ウランもTosho氏による手描きキャラが存在していたが、現在は入手不可。


「ぼく…いまにきっとロボット同士仲よくして
 けんかなんかしないような時代になると思いますよきっと……」

出場大会

  • 「[大会] [アトム]」をタグに含むページは1つもありません。
非表示大会

出演ストーリー



*1
この設定のせいで誤解されがちだが、手塚氏は本来原発反対派の人間である。
原発のCMにアトムが起用された事に関しても、チェルノブイリ原発事故後のインタビューの際に、
「描いた覚えも許可出した覚えもない」「ぼくも原発に反対です」と関与をハッキリ否定している。
後の作品では敢えて動力源が明言されていなかったり、原子力以外のクリーンエネルギーが動力源のアトムも登場している。
これは手塚氏の思想ももちろん、現実での原子力エネルギーを取り巻く世相の変化も反映されていると言えよう。

*2
このせいで「アニメーターが薄給なのは手塚治虫のせい」と言われる事もあったが、
虫プロ自体は赤字(手塚氏の個人財産の切り崩し)であっても、スタッフ(アニメーター)への支払いは良かったとされる。
そもそも虫プロが赤字覚悟でアニメ版『アトム』を開始しなければ、
日本のアニメ業界はアメリカの下請に留まり、世界に誇るジャパニメーションも存在しなかったであろう事は想像に難くないわけで…。
滅多な事では人を褒めない富野由悠季氏でさえ「男が夢を叶えるのに後先まで考えていられるか」と擁護したぐらいである
(ただし富野氏は虫プロ出身。他のスタッフとの軋轢で虫プロを去る事になったが手塚氏の事は尊敬している)。

……まぁ「あの虫プロより高いとか舐めているの?」というTV局側の脅し文句に利用されたのも事実ではあるが。
なお、アトム関連商品の著作権収入は虫プロにあり、
更には初代アニメ自体も人気が出てからは十分黒字になるだけの製作費をTV局から貰えるようになったそうである。
尤も、赤字のままで終わっていたら他の会社が新規参入する訳が無いので当然とも言えるが。

*3
余談ではあるが、実は『鉄腕アトム』においても搭乗型巨大ロボットが重要な役割を果たしたエピソードがある。
『火星探検の巻』(1953年12月-1954年5月 「火星隊長の巻」とも)に登場するロボットがそれで、
行方不明になった第一次火星探検隊のレンコーン大尉がエイリアンの脅威に備えて開発した、ロボット軍団の指揮官機である。
サイズ感としてはATに近く、この指揮官機から大量の無人機に命令を飛ばして戦闘を行うというシステムで、
操縦方法もパワードスーツ的なものではなく、ロボット胴体内部に操縦席が備わっている、名実共に搭乗型ロボットといえる機体となっている。
エイリアンの侵攻に際し反目していたケチャップ大尉がアトムの身代わりとなって本機に乗り込み、人類を守るため単身エイリアン軍団を迎え撃つも、
機内からの狭い視界を嫌ってかターレットを開けて上半身を露出して指揮を取っていた所を上空から攻撃され、壮絶な戦死を遂げた。
しかしアトムも認めるほどの戦闘指揮官だったケチャップ大尉が事前入力していた作戦に基づき、ロボット軍団は見事エイリアンを撃退。
火星から立ち去るアトムは、エイリアンとロボットの残骸が累々と広がる戦場を前に、ケチャップ大尉へと敬礼するのだった。
……と、描写的にはスーパーロボットではなくリアルロボットであり、映像化されれば本機も元祖アニメロボットの仲間入りだったろうが、
残念ながら指揮官機と量産機が同じビジュアルでは演出上問題があると判断されたのか、あるいは単純にロボット軍団の作画コストを考慮してか、
1963年1月15日のアニメ版では巨大なロボット戦車1両という形に変更されてしまった。
1981年1月21日のカラーアニメ版では一応レンコーン大尉の操るロボット軍団は登場するものの1シーンで全滅、
アトムは単身でエイリアンを迎え撃ち、アトムに庇われたケチャップ大尉が戦闘機で敵母船に特攻する形となっており、
現時点で本作に登場するロボット達が原作通りの活躍を見せる映像化作品は存在しない。


最終更新:2025年08月15日 08:15