ローランサン


Bon soir(こんばん1001)

ローランサンとは、幻想楽団「Sound Horizon」の楽曲「Roman」に登場するキャラクター。ロランさんではない。
「少年は剣を…」の黒き剣を持った少年ともされている。綴りは”Laurencin”。台詞担当は保志総一朗

+ Romanとは
「其処にロマンは在るのだろうか?」

Sound Horizonの3番目のメジャーアルバムにして5作目のStory CDである。
繰り返される朝と夜。廻り続ける生と死。『物語』の名を冠した第五の地平線──

この曲の歌い手兼語り部には、ヴォーカル7人、声優13人が起用されている。
声優陣も大塚明夫氏、緑川光氏、田村ゆかり氏、能登麻美子氏、若本規夫氏、飛田展男氏、皆口裕子氏、日高のり子氏などかなり豪華。
Sound Horizonの主宰であるRevo本人…に似て非なる方が本格的にヴォーカルとして参加したのも本作からである。

収録曲の多くに、過去に発表された楽曲との繋がりが暗示されている。
例えば「見えざる腕」で名前を叫ばれている“将軍”は「Chronicle 2nd」に登場する英雄アルヴェール・アルヴァレスと思われ、
「歓びと哀しみの葡萄酒」はABYSSが登場する「Elysion ~楽園幻想物語組曲~」収録の「エルの天秤」のアナザーストーリーであるとする説が有力で、
天秤の"娘"とロレーヌ・ド・サン・ローランとの関連性が窺われる。
また、「黄昏の賢者」の“賢者”クリストフは、屋根裏シリーズの「檻の中の花」に登場する、
“自称天才心理学者”クリストフ・ジャン・ジャック・サン・ローランと同一人物だとも言われている。
その他にも凝った仕掛けもたくさんあり、現在も多くのファンを悩ませている。
各楽曲の中心登場人物の多くが「Laurant」(tが付いているが、フランス読みなので「ローラン」と発音する)の名前を持ち、
この記事のローランサンもその一人。

漫画化もされており、ウルトラジャンプで連載された。作者は『AIR』も手掛けた桂遊生丸氏で全2巻。

+ 漫画版あらすじ
悩めるイヴェールの代わりに世界を廻ることになった二人の姫君・菫姫(ヴィオレット)紫陽花姫(オルタンス)
彼女達が目にする"物語"とは…?

第一回『朝と夜の物語』
第三回・第四回『星屑の革紐』
第五回・第六回『見えざる腕』
第七回・第八回・第九回『緋色の風車』
第十回・第十一回『天使の彫像』

+ 少年は剣を…とは
だからこそ → 少年は大きく翔たくだろう ...

Sound Horizon初となるマキシシングル。
少年と剣をキーワードに紡がれる3つの幻想譚……

全3曲中2曲はゲーム作品とのタイアップ楽曲で、残る1つはRomanの先行収録曲になっている。
特に「終端の王と異世界の騎士~The Endia & The Knight~」はニコニコでも人気が高く、MADなどによく利用されている。
タイアップゲームの知名度は低いままだが

このCDのジャケットの裏に描かれている少女は「Chronicle 2nd」に登場するクロニカと言われており、両作品の関係も考察されている。

直接ローランサンの名前が登場するのは「見えざる腕」のみ。「緋色の風車」と交差する物語であるとする解釈があり、
風車の"少年"とローランサンは同一人物だと言われている。
また「緋色の風車」は歌詞のフレーズから「天使の彫像」と繋がるとされることもある。「呪われし宝石」にも名前が出てくるが同一人物かは不明。
「緋色の風車」が先行収録された「少年は剣を…」に登場する少年であるともされる。
なお、Sound Horizonの曲の解釈の仕方は人それぞれであり、ここに書かれたものはあくまでも一説にすぎないことを明記しておく。

漫画版「Roman」でも登場しており、「見えざる腕」「緋色の風車」「天使の彫像」が関係している解釈になっている。

+ 漫画版Romanでは
誰が加害者で... 誰が被害者だ... 犠牲者ばかりが増えてゆく...

初めて登場するのは「見えざる腕」の終盤である。赤髪のローランことフランボウ・ローランを刺した第三のローラン。
黒い剣を持ったその男こそローランサンである。また、走り去る彼を追いかける鳶色の瞳の少年もまた、この後の物語に関わってくる。
余談だが、「見えざる腕」の主役である金髪のローランことレイヨン・ローランは「星屑の革紐」のエトワールの父親と同一人物だと思わせる描写がある。
また彼が復讐劇の舞台を降ろされた後に味わう葡萄酒の銘柄は、「歓びと哀しみの葡萄酒」の主役ロレーヌ・ド・サン・ローランと同じ名を冠している。

廻る回る《緋色の風車》綺麗な花を咲かせて
躍る踊る《血色の風車》綺麗な花を散らせて

「緋色の風車」ではローランサンの少年時代および「見えざる腕」の後の話が語られている。
少年時代、修道院にいたローランサンは悪魔の子と呼ばれており、他者に触れられるのをひどく恐れていた。
だが、彼と同じく修道院にいた少女シエルには心を開いていたようだ。

襲撃の夜、シエルの手を引いて逃げるローランサン。しかし、隠れていた二人の前に赤髪の男──フランボウ・ローランが現れる。
捕まったシエルを残して逃げ出してしまうローランサン。その背中に灼き付いた瞳を彼は忘れることができなかった。

成長したローランサンはフランボウを刺した後、故郷へと戻る。彼が見付けたのは見覚えの無い天使の彫像。
シエルの面影を天使に見出すローランサンは後ろから刺される。
そこにいたのは鳶色の瞳の少年──フランボウとシエルの息子だった。
その事実を知ったローランサンは少年に何も告げることはなく追い返すのであった。

彼は日々独りで描いた 我が子の笑顔も知らずに……

「天使の彫像」でも少しだけ登場。出生について明らかにされた。
「天使の彫像」の主役である彫刻家オーギュスト・ローランの息子。本名はソレイユ=ローラン。綴りはSoleil=Laurant。
母親が彼を出産後死亡し、オーギュストに憎まれ殺されかける。
しかしオーギュストは思い止まり、いつまた殺そうとする衝動が起こるか分からないため幼いローランサンを孤児院の前に捨てた。
決して生涯子供に会うことは無かったが、足繁く修道院に通っては壁越しに笑い声を、歌声を聞いていた。
そしてオーギュストの命が尽きる前の最後の作品、それこそが彼の稀代の名作『天使』である。


Au revoir(さようなら)


MUGENにおけるローランサン

リアス式海岸氏によるD4手描きキャラが公開中。主に漫画版が元になっている。
使用するのは3ボタンのみで、それぞれ通常攻撃のA、特殊ゲージ消費攻撃のB、時の流転及び一撃殺技のCとなっている。
また三つのモードがあり、最初の少年モードは「緋色の風車」のローランサンが元になっている。
意図的に弱くなっているが時の流転(ゲージMAX、体力が60パーセント以下の時のみ)を使用することで二つのモードに変化することが出来る。
この際に時の流転を地上で使ったか、空中で使ったかによって変化モードが決定する。
地上で変化した場合は「見えざる腕」のローランサンが元になった青年モードになる。青年モードでは一発一発の威力が高い。
空中で変化した場合は「少年は剣を…」のイメージが元になったと思われる翼モードになる。攻撃力は低めでリーチも短いが多数のストライカーを駆使する。
青年モードと翼モードの両方に一撃殺技があり、どちらもゲージMAX、相手体力33パーセント以下で使用可能。
なお、翼モードの一撃は演出がやたら長いが設定で短縮版に変更することも出来る。

AIはデフォルトで搭載されているが、おかしな挙動を抑えるためだけのもので、コンボなどはほぼ使用しない模様。
蓬莱氏による外部AIも存在したが、現在は入手不可。

この他にG-sho氏による改変版が存在していたが、現在は入手不可。
こちらはモードチェンジしないが、一部の技で一時的に姿が変化する。
歩兵氏によるAIもデフォルトで搭載されている。

出場大会



少年は手に『剣』…背に『翼』…瞳に『未来』を──


最終更新:2023年05月03日 02:06
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