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俺「2996,2997,2998,2999,3000!」ガバッ
俺「うっし、腹筋終わり!!結構なまってんなー」ゴキゴキ
トレーニングの後はストレッチ。ぐいぐい伸ばす。結構くせになるんだなァこれが。
ちなみに体は柔らかい方だ。男だがな!バレエの真似ごとだってできるぜ!
俺(次は井戸で水くみっと)ダダッ
昨日は適当に走って寝た。酒が残ると次に響くものだから汗で流してしまった。やはり体を動かすと落ち着く。
む、井戸に先客あり。ちっこいなァ。昨日カトーの隣にいた扶桑の子か?
俺「チャオ!お嬢さん!」
稲垣「わはあっ!」ビクウ!
俺「おっと、大丈夫かい?お嬢さん、お怪我は?」ソッ
驚きのあまり落としてしまった桶を拾い、渡す。
あーだのうーだの言いながら、しっかりと受け取る彼女は小動物の様に震えていた。
稲垣(わわわ、あの大きい人!…えっと名前名前!早くしないと食べられちゃう!!)
俺(なんだろこの子。イタズラ心がくすぐられる…!)
稲垣「えっと、虎さん…でしたよね?」ビクビク
俺「おう、覚えててくれて嬉しいなァ。…だが、虎さんってえのは誰の事だあ?」ピョコン
稲垣「え、ひゃあ、あ」ブルブル
俺「おまえ、うまそうだなァ」グルルルル…
使い魔である虎の耳を出し、唸り声を上げながら舌なめずりをしてちらっと犬歯見せる。
小さいお嬢さんは、うん、これはやってしまった。怖がりすぎだよな。これ。
俺「あーと、すま「マミから離れろー!!」ドガアッ ぐおおっ!?」ベシャッ
突如、稲妻の様な飛び蹴りが脇腹に入る。そのまま慣性に従いつつ吹っ飛ばされる。
この子は急所を知りつくしてるのだろうか…動きに無駄がまったくなかった。
吹っ飛んだ俺を睨み付け、おちびのマミ?の安否を確認する。
ペットゲン「マミ!大丈夫?食べられてない?この虎…!!」キッ
稲垣「わわ、ライーサ、私は大丈夫だよ。食べられてないよ!」
俺「ハァッハー!なかなかいい挨拶だな!お嬢さん!」ガバァッ!
ペットゲン「わわっ、いきなり起きないでよ!」
俺「すまんな!ついフランカみたいでいじりたくなってなあ!はっはっは!ま、気にすんな!」
ペットゲン「誰よそれ…ってまさか前の…!?」
俺「違う違う。ロマーニャに居るかわいい妹分のことさ。ほれ、手」
そう言って両手をお嬢さん方に差し出す。おずおずと手を出してくれた。ぐっと握って立たせてやる。
ペットゲン「わわっ?」
稲垣「わああっ?」
…身長を計算してなかった。二人はなかなかの高さまで浮いてしまい、恐がらせたお詫びとして
彼女たちの分の水も汲んで差し上げた。この位お安いご用さ、フロイライン。
俺「へえ、滑走路で食べんのか」ザムザム
稲垣「はい!いつもではありませんが、今日は俺少尉の事を皆さんに伝えますので、
身だしなみもしっかり整えてください!」テクテク
稲垣軍曹(あの後教えてもらった。俺を蹴ったあの子はライーサと言うらしい)に連れられ、滑走路へと歩く。
大柄な体躯の男とちまっこい扶桑の少女…正直、そこらの危ないにーちゃんが人攫いをしているようにしか見えない。
俺「へえ、大変だなァ」
稲垣「な、なにを他人事みたいに言っているんですか!早く軍服に着替えないと!」
俺「あー稲垣軍曹。俺に敬語はいらねぇからな」
稲垣「うぇっ?し、しかし私より上の方ですし…」
俺「はー固いなァ。いいんだよ、そっちのが楽だろ?」ニシシ
稲垣「ええっと…その、善処します…俺しょ…俺さん」
おずおずと小さな声で俺の名を呼ぶ。よくできました、花まる!
まだ焦りながら言い訳をする彼女の頭を豪快に撫でる。
俺「ああ。それでいい」ワシャワシャ
稲垣「わわっ///」
俺「っと、ごめんよ。痛かったか?」
稲垣「い、いえ、お父さんより手の大きい人って
初めてだったので驚いただけです//」
俺「そうか。あと、俺軍服は持ってないからな」
稲垣「へえ、そうなん…ええぇえ!!?」
俺「大丈夫だろ!ハァッハッハ!!」
稲垣(ケイさんごめんなさい…私の手には負えません…)
稲垣は、ゆっくりと隣を歩く俺に気付かれないように乾いた笑いをこぼした。
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滑走路
俺「おお、うまい!」モギュモギュ
加東「それは結構。それより軍服は持ってないのかしら?」
俺「あん?これじゃ駄目か?」
加東「大問題よ…」
2mに近い巨躯に日焼けした肌。そして左首筋から左腕までの何かに噛まれた痕と爪の痕。
白のタンクトップに軍パン、膝下までの軍靴。ゴーグルと腰の裏にナイフ、右に銃。これはあれだ…
加東「あなたみたいな人を扶桑のお祭りでよく見かけたわ…」
俺「へえ、褒め言葉として受け取っておくよ。Ms,カトー」
加東「けなしてるのよ!」
加東の怒りをさらりと受け流し、もしゃもしゃと豪快に朝食を平らげて行く。
見ていて気持ちがいい位の食べっぷりだ。怒るのが馬鹿馬鹿しくなるのが腹立たしい位に。
俺「ハァッハー、聞こえんなァ!」
加東「……はあ、真美が諦めるわけだわ…さっさと自己紹介でもしときなさいよ」
俺「okok,えーロマーニャ空軍第3航空団所属特殊戦略飛行隊隊長、俺少尉。
機体はBf 109の戦闘機タイプの改造版タイガーバウムだ。固有魔法は…んー攻撃特化と観察眼ってとこか?」
マルセイユ「なんで固有魔法が二つもあるんだ?」モクモク
俺「あー…説明しづらいんだが、俺はシールドが張れなくてな。その代わりに機銃とか、
肉体強化に魔法力が行ってるんだ。だから攻撃しかできないって事で攻撃特化。
観察眼はまあもともと持ってたし、要は、すごい動体視力、聴力ってとこだ。
ま、本当の事言うと、よく分かってないってこった」
マルセイユ「へえ、すごいな…だから戦闘機乗りなのか?」
俺「ああ、その通りだ。本当なら航空ウィッチ陸戦ウィッチって所だがシールドが張れない。
ウィッチだと瘴気をもろにくらうからなァ、少しでも戦力になれる戦闘機ってわけだ。まあ、魔力がもともと少ないってのもあるんだけどな」
稲垣「え?魔力が少ないってどういうことですか?」
俺「うむ軍曹。なんかこう、じわじわくる感じだ。これ以上は良く分からん」フンス
ペットゲン「はい。なんで虎の唸り声が出せるの?」
俺「おう少尉。あれだ、魔法力発動すると耳と尻尾でるだろ?俺の場合は声帯とか
歯とか体毛とか、まあ変化が激しいんだ。あと舌が猫舌になるし、肉球もでる」
加東「どうして将軍と仲いいのよ」
俺「昔リベリオンのバーで殴り合ったんだよ」
加東「…」
俺「いやぁバーで女の子口説いてたらおっさんと取り合いになったんだよ。二人とも酒はいってたから殴り合っちまってなァ。
で、次の日呼びだされて、軍法会議かなーと思ったら、なんか気に入られちまったみたいでね。
いろんなお偉いさんと仲良く慣れたのも将軍のおかげだな。はっはっは!」
過ぎた事は全て笑い話とでも言う様にまた笑う。それにしてもよく笑う男だと思う。
なんだろう、コイツの人脈は全て女関係なのだろうか…
加東(男って…)
マルセイユ「なんで俺はケイの事を知っているんだ?」
俺「ああ、タヒチに女の子達と遊びに行った時に取材を受けたのさ」
加東「ひどい目にあったわよ」ハア
俺「ハッハ、あの時は面白かったぜ?カトー」
にやっと俺が笑うと加東が頭を抱え、また謎の呪文を呟きだす。
多分扶桑語だと思う。だって理解できないし…こんどマミに教えてもらおうかな…?
ペットゲン(なにしたんだろこの人…)
その後、各将兵からも質問が飛んだが適当に受け流して喧嘩に発展していた。
一体何をどうしたらそうなるのか……少し考えて、ペットゲンは考えるのをやめた。
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――――――――――
俺「こんなもんか?」ムシャムシャ
加東「ええ、今の所はね」
加東「あとあなたの雑用は明日からね。今日はもろもろの準備があるから」
俺「了解。何すりゃいいんだ?」
加東「とりあえず今日は非番ね。砂漠の装備と必要な物でも買ってきなさい」
俺「このままでも大丈夫だぞ?」
加東「ここで生活するんでしょう?砂漠を甘く見ると死ぬわよ。
天幕とかは設営班に任せておくから早くしなさい。車は向こうにあるから」
生返事を返しながら箸を器用に使い、ご飯をもくもくと食べる。
そう言えば納豆も平気で食べていた気がするし…扶桑にいた事でもあるのだろうか?
いつの間にか山盛りのご飯は消え、ぱんっと手を合わせてから返事を返した。
俺「了解!…しかしカトー、ひとりじゃ寂しい」
加東「…誰か連れて行きなさいよ」
俺「いいのか!?じゃあ中尉、一緒に行こう!」ガタッ
最初から狙っていたように眠そうに味噌汁を飲むマルセイユの手を取る。
味噌汁が波打つが、それでも平気そうにマルセイユは味噌汁を飲み、親指を立てる。
マルセイユ「んー、いいぞー」
加東「却下!」
俺「ハッハー、カトー、嘘はいけねえ」ニイ
マルセイユ「そうだぞケイ。私も煙草の葉がきれたんだ。別にいいだろ?」
加東「何をのんきな…ってまさかあなた」キッ!
何故か意見の合う二人に一瞬嫌な予感が脳裏をかすめる。
俺「いやいやいや、俺マルセイユ中尉の天幕知らねえし」
マルセイユ「お、じゃあ今度来るか?バーがあるんだぞ?」フフン
俺「本当か!?絶対行く!」
マティルダ「却下です」
マルセイユ「…マティルダのけちー」
俺「安心しろって!手は出さねえからよ」ニシシ
連合軍将校「それが危ないって言ってるんだ!」ガタンッ
痺れを切らせた将校が立ち上がり、俺を睨みつけながら歩いてくる。
対する俺も楽しそうに口角を上げ、ごきりと関節を鳴らす。
今にも飛びかからんとする将校に周りの兵士達が声援を送る。
ソウダゾー! ショウコウイッタレー! ヤッチマエー!! ワイワイ
俺「ハッハ…言いたい事があんなら拳で語ろうぜ?兄弟」
俺「ただし、レディ達から見えないところでな…!」ガタッ
将校「上等…!」
俺「よっしゃ。中尉、ハンガーで待っててくれ。…なあに、10分で迎えに行くさ」ザムザム
マルセイユ「おー」パタパタ
加東「ここはいつからこんなに血生臭くなったのかしら…」ハア
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…数分後
俺「カトー!カトー!」ドタドタ バタン!
加東「執務室まで入って来ないでちょうだい。あら、怪我はないのね」
ちらりと書類から顔を上げ、俺の様子を素早く確認する。戦闘への支障は無し…と。
血で軽く汚れたタンクトップ姿の俺がこちらへ歩いてくる。…やっぱり服は必要ね。支給品の要請でもしないと。
俺「心配してくれたのか?嬉しいねぇ!よし、金くれ!Ms.カトー!」
加東「…何寝ぼけた事言ってるのかしら。あなたのお給料は一ヶ月なしよ?」
俺「わっつ!?」
加東「わっつじゃないわよ。今この基地は大変な金欠なの。あなたに上げられるお金なんかないわよ」
俺「なんだって!?女の子と遊ぶのに金も出してくれねえのか!?」
加東「あら色男、女の子と遊ぶお金を女性にたかるのは、言い男のする事かしら?」クスクス
俺「…俺とした事が取り乱したな」
俺「そうだよな!必要な金くらい現地で集められなくてどうする!」
俺「おっと、40秒前だ!ありがとなカトー!今日もきれいだぜ!」ダッシュ!
ああ、やっぱり馬鹿だ。それもどうしようもない位の……
加東「相変わらずのお気楽ぶりで…さて、俺の処分は雑用一ヶ月に給料一ヶ月なし。随時追加っと。
黙っていれば、いい男なのよね…ほんと、世話が焼けるわ…」ハァ
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『総員、退避ぃいい!!』
突然ハンガーの外―通路の方―から叫び声響く。それに続くエンジン音。ひょっこり顔をのぞかせてみれば…予想通りだな。
マルセイユはふわりと顔をほころばせた…整備兵達が ぶっ倒れたのは言うまでもない。しかし現実は恐ろしい。
俺「どけどけどけぇ!!オラァ!ミンチにされて晩飯に出されてぇのかァ!?」
テント脇からでキューベルワーゲンが姿を現す。それもハンガーに向かって、人をジグザグに避けながらの猛スピードで進みながら。通路にいた兵士達はたまったもんじゃない。 全力で避ける。 ―腰が抜けた奴の横2mmを通過した時はネウロイが来た時よりも肝が冷えた― これは後の整備兵の証言である。
マルセイユ「俺ー!あと、10秒ーー!!」
ぱたぱたと中尉が手を振ってこっち見て叫ぶ。
俺「ハッハー!上等だァ!!待ってろ!!」ガコォッ! ガォウウウウウ!!!
エンジンペダルを思いっ切りべた踏み。エンジンを唸らせ車体を横滑りさせながら全開で走らせる。レースじゃねえって?なーに安心しろ!俺はミッレミリアを獲った男だぜ?
整備兵A「ちょ、中尉!避けてください!!あいつ突っ込んできますよ!!」
整備兵B「そうです!早く!せめてハンガーの中に!!」
マルセイユ「やだ!」キラキラ
整備兵A「なぁっは!!?中尉死にますよ!!!?」
整備兵B「やばい、中尉が女神すぎて俺が死ぬ!!」
整備兵C「お前ら早くしろぉ!!マジでミンチになっちまうぞ!!?ああもう中尉がまぶしい!!」
俺「これが、ドリフトだぁああああ!!!」ギキキィイイイイイ!!!
中尉まで約100mの地点からサイドブレーキを引き、瞬時に車を真横に向けドリフトで減速。
行ける、これは行ける!!タイヤが爆ぜるがンなもん知るか!車は丁度中尉の真正面に止まった。決まった、ナイス駐車!
車から飛び降りて中尉のもとへ走る。
俺「ハッハ!どうだ!」エッヘン
マルセイユ「俺、すごいじゃないか!」ダキッ
中尉が俺の腹辺りに飛びついてくる。オウ、幸せの感触が…!!
俺「ハッハー!俺に出来ない事はないんだぜ?」
マルセイユ「ふふ、ははは!お前とならどんなことだって出来そうだ!」ギュウ
俺「惚れたか?」ニィ
マルセイユ「…ばか、そんなわけあるか」
俺「手厳しいなァ…でも、嫌いじゃないぜ?」
マルセイユ「…お褒めの言葉と受け取るよ。少尉」
俺の言葉を切り捨てるなりさっさと車に乗ってしまった。…悲しくなんかないやい。
マルセイユ「ほら、早く乗れ。」
俺「それもそうだな。GO!キューベル!!中尉とデートだ!!」ガッロロロ!!!
言われるや否やキューベルワーゲンに飛び乗りエンジン全開のロケットスタートをかける。
俺「いざ行かんトブルク!……中尉、トブルクってどっちだァ?」
マルセイユ「~っぅ…急に発進するな、このばか!…西にまっすぐだ」
急な発進でおでこをぶつけながらもしっかりと教えてくれる中尉に乾杯!
俺「はっはっは!了解した!」グイッ
マルセイユ「うわあっ!?進路を変えるなら先に言え!」
俺「すまんすまん!っしゃあ!飛ばすぜ!!ウーイエァーーー!!」ガロロロ!!
マルセイユ「待て馬鹿!…こらぁ!!」
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トブルク市街
ガヤガヤ…
マルセイユ「…なんで優雅に休憩なんかしてるんだ!金は!?」
現在トブルク。大通りのカフェのテラス席でマルセイユが叫ぶ。そのおでこに氷嚢を当てながら。
…虎てめえ何しやがった!俺らのマルセイユ中尉によお!って感じで行き交う人々が目で訴えるが残念、この男、飯に夢中である。
俺「おお!このパンケーキうまい!中尉も喰えよ、ほら!」グイッ
マルセイユ「お前…んむ、…うまい。俺、もう一切れ!」パク モキュモキュ
パンケーキから引っぺがそうとした途端に、綺麗に切った小さめのパンケーキが差し出される。
蕩けたバターに零れそうなほどの黄金のハチミツが甘く、マルセイユを誘惑する。思わずもう一切れ貰った。熱いエスプレッソに良く合っておいしい。
俺「だろ?はっは、あーうまい」モギュモギュ
マルセイユ「って違う!お前無一文じゃなかったのか!」
俺「ハッハー、安心しろ中尉。金のアテならあるし、それに疲れたろ?トップレーサーの助手席は」ニシシ
マルセイユ「…頭をぶつけただけだ。それに、世界最高のレーサーの助手席だ。世界で一番安全なはずだろ?」
俺「ハァッハ!嬉しいねェ!そうこなくっちゃな!」
マルセイユ「…はぁ、お前に心配は無用か」
俺「そういうこった。よし、行ってくる」
マルセイユ「ふふん、あまり私を待たせるなよ?」
俺「はっは、俺を信じて待ってな!」ザムザム
そう言って俺は数件離れた店に入って行った。まて、あの看板は…
マルセイユ「……パブ?」
マルセイユ(信じろと言ったからには、信じるしかないか)ハァ
マルセイユ「マスター、パンケーキセットを一つ!」
マスター「…ただいま」(払えなかったら基地に連絡すればいいか…)ハァ
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パブ内
ザワザワ…
朝から賑わうパブの中、酔っぱらい共を避けつつ一番奥に進む。俺を見るなりざわめきが少し大きくなる。ハッハー、人気者は辛いね!絡みに行きたいところだが今日は我慢だ。
なんたって、今日中尉と遊ぶ金と俺の1ヶ月の生活費がかかってんだからな。
一番奥のテーブル…はっは、予想通りだ。
俺「よう将軍方。今日は休みかい?」
ロンメル「…そういう貴様も休みだろうが」
モンティ「それにしても良くここが分かったな」
パットン「そこんとこ、さすが虎と言った所だな。ほれ、お前も飲め」トポポ
三人とも三者三様の返事をする。パットンも空きグラスに酒を注いでくれるし、モントゴメリーが良く分かったと言ってたが、
あんたらが知ってたんじゃねえか?って位準備がいい。さすがアフリカを支える名将達。最高だ。
俺「ありがとよ将軍。今日は中尉とデートだってのにカトーが金をくれなくてね。一銭もないんだなぁこれが」
モンティ「それはいかんな。パットン、ロンメル!」
パットン「分かってるよ。ほれ」バサバサッ
そう言うと三人ともポケットからわさわさと札束をだす。
ロンメルが獲れと言ってから鷲掴みにし、ポケットにねじ込む。
どのくらいかと言うと、高級娼婦と3回ほど遊んでもお釣りが来るぐらいだ。
俺「にしし、ありがとな」
ロンメル「いつもの礼だ。それよりも…分かってるよな?」
俺「はっは、心配すんな!あいつまだ14だぜ?」
モンティ「やってみろよ虎、儂が直々にオアシスに沈めてやるから」
パットン「そりゃ無理だモンティ、虎は泳ぎが得意だからな。まあその前に儂が射殺するが」
ロンメル「だったらその前に我が輩がネウロイの巣に放り込んでやる」
俺「はっはっは!大丈夫さ、夢見る乙女に俺は早すぎるからな!」
パットンに注がれた酒を一気にあおる。暑い室内の中なものだからひんやりとした酒が心地よい。
モンティ「はぁ、そういう所は変わらんな。この律儀者」
俺「はっはっは!自分に正直に生きなきゃなぁ!それに、これが女と遊ぶモンの礼義ってもんだろ?」
パットン「まったくだ。その礼儀の最低限の心得が16以下には手を出さないってやつか」
俺「そういうこった。っとそろそろ行かねえと」
ロンメル「何だと?馬鹿者、早く行かんか」
俺「ああ、行かせてもらうぜ。礼はそうだな…俺特製ミートスパゲッティなんてどうだ!」
モンティ「異論はないな。早めに作れよ」
ロンメル「うむ。あれはうまいからな」
俺「ハッハ、ありがとよ!また基地でな!」ダダッ
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ドダダッ ザザッ
俺「よう中尉、待ったか?」
マルセイユ「全然」
俺「…?なんか変なもんでも食ったか?」
マルセイユ「あのなぁ…男に遅刻の理由を言わせないのも女の手…違うか?」
俺「ワオ、誰がそんなことを?」
マルセイユ「ふふん、母様だ」
俺「是非お会いしたいもんだ」
マルセイユ「手は出すなよ?」
俺「はっはっは!さすがにそこまで馬鹿じゃないさ!」
マルセイユ「安心したよ。ほら、行くぞ」
俺「……了解しました我が女神…どちらへ?」スッ
マルセイユ「ちょっと向こうの煙草屋まで」
俺「っく、ははは!よし行こう!今すぐ行こう!」トタタ
コラ、テヲヒッパルナ! ハッハッハ!オ、アノフクニアウンジャナイカ? バカヲイウナ! ホラ、ソコノ カドヲミギ!! テレルナ テレルナ…イダッ!
フン、ホラ、イソグゾショウイ! ハッハー、リョウカイダ!
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煙草屋
俺「へえ、水煙草ってこんなんなのか」クンクン
マルセイユ「どうだ、少し違うだろ?」
俺「ああ、甘くって良い匂いだなァ…お前んとこ行くの楽しみになってきたぜ」
マルセイユ「そうだろ?あれ、お前は吸わないのか?」
俺「パットンの親父に貰うさ。ま、モンティかロンメルでもいいけどな」ニシシ
マルセイユ「またたかる気か…」
俺「違うぜ。頂きに行くのさ!」
マルセイユ「はいはい…店主、いつもの」
服屋
俺「どのパンツがいいと思う?」シンケン
マルセイユ「…めでたいのがいいんじゃないか?……~ッ先にカフェに行ってるからな!」タタッ
俺「おう!なんか食って待っててくれ!…よし!じゃあこの『一富士、二鷹、三茄子』だな!親父!」
店主「あいよ!いやー虎、あんた扶桑が好きなのかい?(中尉…無理しなくてもよかったのに…あ、顔赤い…マジ女神…)」
俺「ハッハー!命の恩人がいる国だからな!」
店主「へえ、義理堅いんだなぁ…それにしてもあんたが来てくれたんなら安心だよ。なんたって
『一匹支援隊』の俺隊長。通称『パスタ配りの虎』有名じゃないか」ハイ、オツリ
俺「正式名は『ロマーニャ空軍第3航空団所属特殊戦略飛行隊』だけどな」アイヨ
店主「長い長い!一匹支援隊の方がよっぽどマシさ!」
俺「はっはっは!そりゃそうだ!」
朗々と買い物袋にパンツを詰めながら俺が笑う。
買い物袋は5つ。店に寄るたびに中尉に似合いそうだーと言って買うものだからどんどん増える。
そして酒瓶もどんどん増える。
店主「あんた…ほんと噂通りの人だなぁ…」
俺「やりてえ事をやるってのは最高だぜ?人生楽しまないとなァ!」
店主「はあー…あんたがもてる理由が分かった気がするよ……」
俺「ハッハー!我慢は心を貧しくするぜ?」
店主「はいはい、あんたみたいに唯我独尊を貫ければ俺も悔いはないよ」
俺「にしし、本能に忠実なだけさ。おっと、女の子を待たせちゃいけねえ。ありがとな、親父!」ダダッ
店主「はいよー、あっ、忘れてた!虎!!」ガタッ
俺「なんだー!?」ダダダ
店主「アフリカを頼むぞー!!」
俺「ハッハ!任せとけ!!」
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俺「ん?あれは…写真屋か」ダダダッ
カフェに向かって走ってると写真屋が目に入る。おっ、兄弟発見。休憩かな?
なんで兄弟かって?拳で殴り合って酒を飲んだ仲だからな。なに、知らねえ奴でも盃を交わせば兄弟なのさ。
俺「よう兄弟。休みかァ?」ザムザム
哨戒兵1「あれ?虎の兄貴じゃないですか」
哨戒兵2「大将も休憩ですかい?」
俺「いや、マルセイユ中尉と買い物だ…ハッハー、羨ましいだろォ?」ニヤ
哨戒兵2「ぐぅっ…!おのれ…次の闘いは負けんぞ!虎!!」
哨戒兵1「そうですよ兄貴!次こそ全兵死力を尽くして倒しますからね!」
哨戒兵2「おうよ!そしてあんたを倒して!」
哨戒兵1・2「「女の子達から離れてもらうぜッ!!!」」
俺「はっはっは!男なら口より拳、文句があんなら俺を超えてからにしやがれ!!
…分かってんじゃねぇか、てめえら」
哨戒兵1「そりゃ身体に叩きこまれましたからねぇ…あだだ」サスサス
哨戒兵2「なんたってあの乱闘の中、アフリカの全兵を全員を拳一つで黙らせたんだからな!」ワハハ
俺「ハッハー、俺の相手すんなら軍隊一つじゃ無理ってこった!」
哨戒兵1「さすがロマーニャの生ける伝説にして誇り…敵わないなぁ」ハフウ
哨戒兵2「だよなあ…って大将、何しにこの写真屋に?」
俺「ん?ああ、お前らがいたからな。あと大将って呼ぶの無しな」
哨戒兵2「へ?なんでだ?カッコいいじゃんか」
俺「ほれ、こいつと呼び名が被る」ピラッ
哨戒兵1「ドミニカ・ジャンタイル…え、お知り合いですか?」マサカネ…
俺「当たり前だろ。いやーリベリオンでは世話になったなぁ」
哨戒兵1「兄貴…ちょっと拳が疼きませんか?」ピキピキ
1が拳を握り、俺を睨む。写真屋が慌てて2に緊急事態を知らせに走る。
俺「…ハッハ、来いよ兄弟!!」
哨戒兵2「え?お、おい1?…まさか!?」
哨戒兵2が気付く、しかし時すでに遅し…!すでに二人は店の外、通りに出ている!
哨戒兵1「俺の、ジェンタイルさんに何しやがったああああ!!!」ヒュオォ!!
哨戒兵1が助走をつけて拳を振りかぶる。傍から見れば哨戒兵1の方が有利に映るだろう。
なぜならば俺の両手は買った物でふさがっているのだから。
しかしそんなことは問題でもなかった。
俺「甘い!」ガッ!
哨戒兵1「あだあああああああ!!?」
顔面に上段回し蹴りを叩きこむ。それも手加減なしの全力蹴り……これは痛い。
1が軽く吹き飛び地面に転がる。
哨戒兵1「がぁッ!はっは…ぐあぁ……!!」
俺「手が使えなくても足があんだぜ?兄弟」ニイ
哨戒兵1「ぐぅっ!今だ!2!!」ボタボタ
哨戒兵2「オウ!友よ!!」ダッ
哨戒兵2「後ろからなら動けまい!!アンタの伝説もここまでだ!虎ぁ!!」
背後から2が突っ込んで来る!完璧な死角からの攻撃。そして1を蹴り倒した事への満足感、
1だけしか敵がいないという安心、一瞬の気の緩みを狙った最高の波状攻撃!
そしてまだ虎は反応しきれていない!
哨戒兵2「(もらった!!!)」ブンッ
―読みが、己が甘かったと気付くのは一瞬後―
俺「俺の後ろを、取れると思うな」
一瞬、辺りに金色の風が走る。突然の光に驚き、右腕で繰り出したストレートを残したまま2は薄く眼をつぶった。そして次の瞬間、己の背に当たる拳の感触。
哨戒兵2(マジかよ…これが、虎の…!?)
俺の拳に弾き飛ばされながら、2はとある噂を思いだした。
『ロマーニャの俺少尉は、使い魔である虎と契約を結んだ時に、身も心も喰い尽くされてしまったのではないか』
戦闘や結構な喧嘩の時にたびたび言われてきた事だ。そして『一匹支援隊』の噂がここまで広がったのもこの噂、そしてこの戦い方によるのだろう。
―いきなり辺りに黄金色の光が広がる。眩しいものではなく、炎のように揺らめく光だ。
そして、次の瞬間には少尉の戦闘機―タイガーバウム―が現れ、敵を薙ぎ払っていく。
その動きまさに虎の如し。前にいたと思えば背後からの一撃で。軽い動きに重い一撃。
敵の弱点を的確に見抜き、その動きまでをも見抜いてしまうその眼。
一瞬にして機動力を上げ一気に後ろに回り、仕留める。その鍛え抜かれた筋力とほんの少しの魔法力。
それによって生み出される驚異の動き。己の弱点である『魔法力不足』を完璧に補う戦法。
―決して背後は取らせず、後ろを守る者も無く。その様まさに孤高の王者、虎―
俺「ハァッハッハ!俺の後ろを取ろうなんざ100年速いぜ!!」
ゆらりと炎のような金色を両腕に纏わせた俺が腕組みをしながら笑う。
よく見ればその腕にはもふもふとした毛、胸にもふさふさした胸毛。あ、背中ももふもふしてる…。
哨戒兵1・2
地べたに這いつくばりながら1、2は思った。だって超ふさふさしてるし…
俺「はっはっは!派手に飛んだな!お前ら!ほらよ」スッ
そう言って俺が手を差し出す。せっかくなのでありがたく握らせてもらう。
哨戒兵1・2ニギニギ
そう、俺のもふもふ化はなんと掌まで、それも肉球までをも形成していたのだ!!
俺「おらよっと!」ヒョイ
哨戒兵1「あ、ありがとうございます!(もふもふが…うう、我慢だ、俺!)」ポワー
哨戒兵2「っとすまねえ…(虎の肉球…いいなぁ…)」ポワー
俺「どうしたァ?お前ら。アタマん中まできちまったか?」コンコン
哨戒兵1「ち、違います!そ、そうだ、少尉殿!ブロマイド買ったらどうでしょう!!?(えっ!?爪まで生えてる!うわぉ…)」アセアセ
哨戒兵2「そ、そうだな!マ、マルセイユ中尉のブロマイドなんてどうだい!?(絶対これ人殺せるよ…あ、戻った)」アセアセ
俺「ブロマイドかぁ……おっ!!」キュピーン! ヒョイ
哨戒兵2「どのブロマイド…って、自分のォ?」
哨戒兵1「兄貴…さすがにそれは…」
俺「いいのいいの!親父ィ!これくれ!あとペンも!」ヒラヒラ
代金を店の親父に渡し、ペンを受け取るとさらさらと何かを書きだす。
俺「ふっふーんふーんと…っしゃ!完璧だな」ニシシ
哨戒兵2「何書いたんだ?」ヒョコ
俺「秘密だ!」ササッ
哨戒兵1「ん~…ロマーニャ語ですか?読めない…」
俺「ハッハ、ご名答!よし、俺はもう行くぜ。任務がんばれよ!!」ダダッ
哨戒兵1「はや…やっぱ敵わなかったな…」ハア
哨戒兵2「ああ…もっと鍛錬だな…」
…敵わない。俺少尉に喧嘩で負かされた奴が拳に惚れてその下についたって噂もよく聞いた。
しかし、自分は正直負かされた奴について行くほどの下衆ではないと確信していたし、俺少尉には少なからず軽蔑の念を持っていた。
でも少尉の拳を叩きこまれた時に全て吹き 飛んでしまった。その偏見も、常識も。
闘い事での無類の強さ、そして色に狂ったとまで言われる程の女好き。
英雄、色を好むとはよく言ったものだ。本人から言わせれば本能に忠実なだけらしいが。
そして個人のもつ経歴、大胆、豪快な性格。好かれてるんだか嫌われてるんだか分からないような人柄。
俺も自由に生きれば、あんな風になれるのかな?…でも、きっと俺はあんなに堂々と、曲がらない生き方は出来ないだろうがな…
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カフェ
俺「中尉、見ろ見ろ!」タタタッ
マルセイユ「遅いぞ俺、貸し一つだな」フフン
なかなかの量の荷物を抱えてマルセイユのもとに走る。結構こんでるな。あ、ごめんよお嬢さん。
ん~かわいいねえ…アフリカも美人が多い。
荷物をテーブルの下に置く。ついでに銃もホルスターごとテーブルに置く。
俺「ほらよ、中尉。あー腹減ったなァ…おっ!ミルク一口もらうぜ!」ゴックン
マルセイユ「こら全部飲むな!で、なんだこれ?ブロマイド?」パシッ
俺「そっ!俺だと思って大切にしな!」ミルクツイカー
マルセイユ「…もっとマシな物はなかったのか?」
さっとブロマイドに目を通す。バシリと軍服を着て、カメラに向かって笑みを見せている俺の姿。
笑いかける目は鋭さを保ったままで、なんだか不思議な写真だった。
その下に走り書かれた流れるようなロマーニャ語。意外と字はうまかった。
俺「ハッハッハ!お前に似合うプレゼントが無かったからなァ!」
マルセイユ「っふ、はははっ!なるほど!だったら次はもっといいものをくれるのか?」
俺「ああ、とびっきりのな」
マルセイユ「はいはい。期待して待ってるよ、俺」
俺「にしし、任せな」ナデナデ
マルセイユ「こら、なでるな」
俺「さらさらで気持ちいなァ」スイスイ
マルセイユ「少尉?」ガチ
ホルスターから銃を外し、胸部に突きつける。
たとえウィッチだろうが一通りの士官教育は受けている身だ。それに射撃は何より心得ている。
俺「おう、そりゃ俺のマテバ。弾入ってねえし、競技用だぜ?」
マルセイユ「…見たことないぞ?こんなの」カチャカチャ
俺「そりゃそうさ。最高の特注品だからな」モグモグ
マルセイユ「ずいぶん使い辛そうだな。リボルバーだし…」
俺「銃使うのは趣味じゃねえからなァ。思いっ切りピーキーな奴を作ってくれって頼んだら作ってくれたのさ。
まあ脅し位にしか使わないし、使うとしても遊びぐれぇだな」ニシシ
マルセイユ「へえ……そんなことより、あれをどうにかしてくれ!」ズビシッ
俺「あん?」
マルセイユが示す場所を見ると…こちらをチラチラリと見てくるお嬢さん方。あ、2人倒れた。
うん視線があれだな。てか野郎達からの視線もだいぶ厳しい事には気付かねえのか?…これは、あれだ、ちょっと遊んでも構わねえよなァ?
俺「で?あれが何だってんだ?」ニヤリ
マルセイユ「はっ、ナンパでもしにいったらどうだ?撃墜王」
俺「ハッハ!こんなにいい女が隣にいるのに、そんなことすんのは野暮ってもんじゃねェのかい?」
マルセイユ「…そういうのは、他の女に言ってやれ、少尉」
俺「俺は本気だぜ?中尉」
俺「それとも中尉殿はもっとお熱いのがお好みで?」スッ
マルセイユ「…?」
密かに買っておいたばらの刺をナイフで取る。
中尉は俺の方を見たまま微かに首をかしげている。
俺「知ってるか?中尉。紅色のばらは愛を示す。そして刺は不幸中の幸いを、刺の無いばらは、誠意と、友情」
言葉のままに刺をとった紅色のばらを中尉の右耳にかける。落ちないように、髪で緩く固定して。
俺「よろしく、中尉。ほら、刺もやるよ」
硬直した中尉の手を取り刺も渡す。大丈夫。手が傷つかないように紙ナプキンで包んである。
渡して数秒。状況をやっと飲み込んだ中尉の顔が紅に染まり行く。
俺「どうした中尉?ばらの色でも映ったかァ?」ニヤニヤ
マルセイユ「~~~っぅ!…お前は!」ガタッ
俺「ほら、これで元通りだ」
今度はひょいと小輪の白ばらを手渡す。もちろんこちらはしっかりと包んである。
俺「こっちの方がお前らしいと思ってな」
今度こそ完璧に真っ赤だ。もう思考停止の行動停止。白ばらを両手で受け取りストンと椅子に落ちる。
マルセイユ「…帰るぞ、少尉」ボソッ
俺「あん?まだ時間―――」
マルセイユ「こんな所、一秒だっていられるか!!」ガタッ!
真っ赤になって立ち上がるマルセイユ。うん、恥ずかしいなァ。でも恥ずかしいからって一人で走っていってしまうのはちょっと酷いぜ…悲しくなんか…ないって…
でも、しっかりと贈り物を持って行ってくれたみたいだな。
俺「って早!?マジかよ、店主!勘定は置いてくぜ!!まてぇ!中尉!!」ダッシュ!
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車が置いてある所
マルセイユ「っく、私の…負け、だと!?」ゼエゼエ
俺「イヤッハァーー!!勝ちも勝ったり2連勝っと!」ポイポイ
両手の荷物を後ろに詰める。意外と買っちまうもんだなぁ…なかなかの量だ。
俺「よし!帰ろうぜ、中尉!ほら乗った乗った!」
マルセイユ「次は負けないぞ!俺!」
俺「ハッハー!いつでも受けて立ってやるよ!」ガロロン!
マルセイユ「…今度はスピード出したり、変なテクニックとか決めなくていいからな」
俺「あれ、嫌だったのか?」
マルセイユ「あたりまえだ!」
俺「はっはっは!すまんな!だが安心しろ、俺はスピード狂じゃないからな!」
マルセイユ「嘘じゃないだろうな?」
俺「嘘はつかねえさ。あれだ、砂漠に感動しただけだーっと」グイッ
マルセイユ「おわっ!…お前!」キッ
俺「ハッハー、違うぞー!今のは地面が窪んでたんだ。こんな所で死にたくねえだろ?」
マルセイユ「…お前、分かるのか?」
俺「ああ、観察眼で危なそうなでこぼことか、まあ、戦闘とかだったら敵が次どう動くかが見えるんだ。
だから少しの振動とかは我慢してくれ」
マルセイユ「……そういう事は早く言え…」
俺「ははっ、すまねえな………なんだァ?」
すい、と俺の目が鋭くなる。
マルセイユ「ん?どうした、俺」
俺「…聞いた事ねえ音だ。…四足…高速移動型…距離は約40kmってとこかァ?数は…
4,8,20…6体」
マルセイユ「まさか…!」グッ
俺「おい、転ぶぞ!」
マルセイユ「―ッ!敵機確認…3時の方向から6体、来るぞ!!」
俺「…なあ中尉」
マルセイユ「なんだ?こんなときに!」
マルセイユが敵の進路を確認しながら俺を見遣る。
前も見ずにその目を捉えた俺が出発前のマルセイユの言葉をそのままに言った。
俺「俺達に出来ない事は何もない」
マルセイユ「…!」
俺「違うか?」
マルセイユ「…そうだったな。その通りだ、俺」
俺「ハッハー!そうこなくっちゃな!!楽しくいこうぜ!中尉!!」
To Be Continued...
次回予告!
男には逃げられぬ闘いがあり、それに立ち向かわなくてはならない時が来る。
そう、奴は勝利の可能性が0に限りなく近くとも力ずくで勝利をもぎ取っていった男だった。
野生のカンで計算され尽くしたリスクを犯し、勝利へとその身をねじ込んでいく!
たとえ武器が有らずとも、己の拳と、女神の腕を信じて勝利を目指す!
『安心しろケイ。こいつは馬鹿だ!』
『ハァッハー!馬鹿でイカれたいい男!まさに俺の事じゃあねェか!!』
恐怖心など元より不要!俺と女神のタッグの前に、掴めぬものは何もない!!
たとえ、砂漠に深紅が散ろうともッ…!!
次回、変態パイロット
第一話『デスレース1942』!
虎ぁ!勝利とは危険の中にこそ存在する!さっさと勝って儂のエンジェルちゃんを開放しやがれ!!
最終更新:2013年02月02日 12:58