前回までのあらすじ!
ペロペロ大好き変態教授・私の、501でのぶっ飛んだ日々は続いていく……。
新開発のアイス製造機で一攫千金を狙う私。しかし製造機がネウロイ退治の犠牲となり、計画は頓挫してしまったのだった。
私「……重いわね、バケツって……」
父「罪の……重さが……よく…分かるだろ……」ガクガク


――501基地、滑走路――

ブゥゥゥゥ――――――ン……!

私「よーし、じゃまずは一発、軽ーく撃ってみて!」

エーリカ「オッケー! …シュトルム!」ビョオオオッ!

ヒョオオオオオッ……

私「…うん、気圧が下がった! オッケー、もっと下げてみて! 雨を降らす感じで!」

エーリカ「はーい! えいっ!」ビョオオオッ!!

……サァァァァァァ……ッ

私「! 降った! よーし、次は温度調整を加えて! 雪を!」

エーリカ「雪だね! そーれっ!」ビュオオオッ!

サァァァ…パラパラパラパラ……チラ…チラ…

私「……うーん、やっぱり途中で雹になるか。最初から雪は問題無かったのに……
オッケー、エーリカちゃん! ありがと、もう終わっていいわよー!」

エーリカ「はーい」ブルルルロロ…

私「お疲れさま。どう? 使い心地は」
(おお! 濡れとる濡れとる…!)

エーリカ「うん、あんまり問題ないと思うよ。でもちょっと温度調整が難しいかな」

私「やっぱりそこね……重点的に直さなくちゃね」
(次からは白無地のシャツで飛んでもらおっかなー、こう…うまく透ける感じに…)

エーリカ「でもすごいなー、私って! 普通思いつかないよ、私のシュトルムで天気を操ろうなんて……」

私「ゴメンね、戦闘から帰ってきたばっかりなのに実験に付き合わせちゃって……」

エーリカ「いいよいいよ、私にはいっつもお世話になってるもん。それに、お礼もくれるんでしょ?
……それにしても、よく思いつくよね」

私「え? あ、ええ……」

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――数日前、ハンガー――

整備兵2「だからぁ! やっぱ雷だって! いきなりドガシャーンと光る稲妻! 
『きゃーこわーい!』と怖がって俺の胸に飛び込んでくる女の子!」

整備兵3「お前なぁ……ないない、そんな頻繁に雷とか。やっぱ雨だろ。なんたって透けるんだぜ?
ゲリラ豪雨に襲われる通学路! あーヤベえ傘持ってねえよ! ふと見ると同じく傘を忘れたあの子が立ちつくしてる!
そしてその瑞々しく濡れた白いシャツの内側には、まだ少女っぽさの残る水色の……」

整備兵1「お前らホント素人な…。やっぱ霧だろ霧。急に自分の周りも見えないくらいの深い霧が!
しめた! この霧に隠れてこっそりあの子の胸を……!」

整備兵2「うわっ……」

整備兵3「うわっ……」

整備兵1「おい! 何だよその反応!」

整備兵2「だってお前それ一歩間違ったら犯罪よ? 痴漢よ? 引くわー」

整備兵3「お前外見も行動もスゲー真面目そうなのにな……やっぱそういうやつほど中身は変態なんスかね、教授」

私「霧……うーん……霧か……ゴメンちょっと無いわ……」

整備兵1「そ、そんな! じゃ、じゃあ! 教授はどんな天気がいちばんエロいとお考えなんですか!」

私「そりゃアンタ……決まってるでしょ」

整備兵達「…………」ゴクッ

私「風よ、風! とくにこう、サーニャちゃんみたいにベルトしてる子が、急な突風でベルトがめくれて……とか!
あの一瞬だけ見えるズボン……なんかこう……グッと来るものがさぁ……!」

整備兵3「無いわ」

整備兵2「無いわ」

整備兵1「無いわ」

私「どちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!」

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私(その後悔しくなって…見返そうと…でも他の天気も捨てがたかったから作った……なんて言えないわね)

私「ネウロイに水とか氷が有効だってのを、この前改めて感じたからね。もし自由自在に雨を呼んでネウロイにぶつけたら、
あいつらの動きを鈍らせられるかもしれないし……ゆくゆくはペリーヌちゃんみたいなこともできるかもよ?」

エーリカ「稲妻も落とせるってこと?」

私「ま、理論上はね」
(何でよ…? ズボチラ…エロいじゃない…そもそもズボンからしてよく考えたらスゲーエロいじゃない……)

エーリカ「へえ……すごいんだ、この……ええと……」

私「気圧コントローラとしての内蔵式硬質アンテナ、Integral Solid Antenna as a Controller of Air pressure。
縮めて<ISACA>って呼んでるわ」

エーリカ「イサカ?」

私「ええ。エーリカちゃんの固有魔法を応用して、気圧や気温を変化させて天気を変えることができるわ。
雨、霧、雪…まあ、今のところはそんなもんだけど」

エーリカ「ただ風を送るだけで天気を変えられるの?」

私「天気ってのは風の動きだからね。上昇気流、つまり下から上へ風が吹けば、気圧は低くなって雨が降るわ。風が冷たければ、雨の代わりに雪が降る。
逆に下降気流、上から下へ風を送れば、高気圧になって天気はよくなる。まずは風ありきなのよ、天気ってのは」

エーリカ「へーえ……でも、じゃあなんでこんなポニーテールの付け毛みたいな形してるの?」

私「え? そりゃまあ、頭に直接付けるものだし」(……形のモデルは扶桑の『チョンマゲ』なんだけど……黙っとこう)

エーリカ「あ、そうなんだ。…へへ、なんか可愛いかも」

私「エーリカちゃんの方が何倍も可愛いわよー!」

エーリカ「はいはい。……で、えーと、お礼だっけ? どーしよっかなー……」

私「何でもいいわよ。……あ! 何ならマッサージとか! 戦闘後の疲れを一気にリフレッシュ!
新手法の舌式マッサージは現在絶賛特許申請中で――」

エーリカ「とかなんとか言って……結局ペロペロするんでしょ?」

私「あ、やっぱ分かる?」

エーリカ「まーね。でも、いいよ?」

私「そうよねーやっぱりガード堅…………へ?」

エーリカ「別にいいよ? ペロペロしても。その……と、トゥルーデが…どんな感じだったのか…とか、ちょっと……興味あるし…」カァァッ

私(……え? ウソ、あれ? え? 目覚めちゃった? え?)

エーリカ「それで…その……どういうふうにするのか、とか…さ、よければ……教えてほしいな、なんて……」

私(あれ? これお礼? ホワッツ? え、私の? なにこれご褒美?)

私「え、えーっと……え、いいの? ホントに? ペロペロしても?」

エーリカ「あ! だ、ダメならいいよ!」

私(……は、初めてや……初めて女の子の方から……え、マジ? 夢?
いや違う! リアル! まぎれもないリアル!! ついに! ついに春が! 春が!! キャホオオオオウ!!)

私「ダメなわけないじゃない!! むしろウェルカム! ユアウェルカム!
それじゃ遠慮なくいっただきまぁ―――す!!」ガバッ!

エーリカ「あっ…わ、私……」

シャーリー「おーい、私、いるかー? 中佐が呼んで――って……」

私「」

エーリカ「……え? シャーリー?」

シャーリー「え……お、お前ら……何……」



私「どちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


――廊下――

シャーリー「……ったく…お前はホント、目を離すとロクな事しないな」

私「なんであんなタイミングで出てくるかねー……いい雰囲気だったじゃない。甘ったるーい空気だったじゃない。
気を利かせて黙っとくとかの選択肢無いの?」

シャーリー「しょうがないだろ、中佐に頼まれたんだから……でもなあ、私…流石に無理矢理ってのはよくないと……」

私「え? あれエーリカちゃんに頼まれたのよ?」

シャーリー「え!? ウソ、マジ!?」

私「なんか興味出てきたんだって」

シャーリー「そ、そうなのか……」

私「……しっかし、ウィッチってのはみんなああなのかしら?
そりゃー男との関わりなんてそうそう無いけど…多かれ少なかれ、こーいう環境じゃ目覚めるもんなのかしらね?」

シャーリー「どうかな、さすがにそれは……」

私「あら? この基地見てれば丸分かりよ? 至る所にカップル成立してるじゃない。
芳佳ちゃんとリーネちゃん、エイラちゃんにサーニャちゃん。中佐とペリーヌちゃんはガチで坂本少佐に惚れてるし……
エーリカちゃんも話を聞く限りじゃバルクホルンと……ああ、あとそれからあんたとルッキーニちゃんもね」

シャーリー「!!!? なっ! ち、違うぞ! 私とルッキーニはそんな……!」

私「いーじゃない。恋にも愛にも、決まった形なんて無いんだから。
シェイクスピア曰く、『心にありて美しき物は、優しき愛』……。同性同士、結構じゃないの?」

シャーリー「お前といっしょにするな! る、ルッキーニはその、アレだ! な、なんかこう……む、娘、みたいな……?」

私「へーえ、母性愛ってわけ?」

シャーリー「母性愛……うーん…まあ、こう…何かほっとけない、って言うのかな……
目を離したら、何をしでかすか分かんない、って言うか……すっごいマイペースなのに、ときどき不安そうな所も見えたりさ……」

私「……ふーん……」

シャーリー「だ、だから! その…恋とかそういうんじゃないからな! ……たぶん」

私「…そっか。ま、いいんじゃない? 気の合う友達、それが一番よ」

シャーリー「え? あ、ああ…そうかな」

私「恋とか愛とか…要するに誰かを好きになるってことは…難しいものよ。
誰かを好きなのか、それとも誰かを好きな自分が好きなのか……それを自分で見極めなくちゃ。
"恋に恋している"って状態が、いちばん危ないのよ。相手だけならまだしも、自分まで客観視できなくなっちゃうからね……」

シャーリー「……難しいな」

私「……ま、見た目は大人、頭脳は子供なリベリアンには、ちょっとレベルが高――」

シャーリー「……」パッ

私「あああああんおかああさあああん!! 油断したああ! 油断しちゃったよおおお!!!」ガクガク

シャーリー「……なんか久しぶりだな、これ」


――ハンガー――

ミーナ「あ、私教授。待っていたわ」

私「どうも、中佐。ところで近所にいいベッドのあるホテルが出来たんですが……」ジュペロッ
(ブラバー! 今日もハードに食い込んでるゥー!!)

ミーナ「ちょうど訓練用の的が足りなかったのよね」チャキッ

私「失礼。それで、お話とは?」

シャーリー(……やっぱ中佐には敵わないか)

ミーナ「……先の戦闘で、我々が交戦したネウロイについてはご存じかしら?」

私「さっきの? えーっと……ああ、エーリカちゃんから聞きました。なんかデカいタワーみたいな奴でしたっけ?」

ミーナ「ええ。全長は3万メートル以上。しかもコアのある天辺は大気圏外に存在し、通常のストライカーでは行くことも敵わないわ」

私「大気圏外…要するに……」

シャーリー「ああ。宇宙だよ」

私「ウィッチもついにアストロノーツの時代か。そのうち月まで行きそうね。……では、そこまでどうやって?」

ミーナ「あれよ、教授」

私「ん? ……ああ、あのブースターみたいな奴ですか?」

ミーナ「ええ、ロケットブースター。カールスラントで開発されたフリーガーハマーの技術をさらに応用させたものよ。
今回の作戦では、3段階の打ち上げでネウロイのコアを目指すわ。一番下の5人が、まず1万メートルまで上昇後、離脱。
次にその上の4人が、ロケットブースターに点火、2万メートルにまで突撃班の2人を運んだ後、離脱。
突撃班が3万メートルにまで上昇して、ネウロイを叩くという計画よ」

私「1945年、宇宙の旅…か。随分と壮大な作戦ですね」

ミーナ「そこで、私教授。あなたを含む技術班に、このロケットブースターの調整をお願いしたいの」

私「調整……ねえ。そりゃーやるけど、タダじゃあね……。ブースター1基につき5万……あ、それか中佐のおし――」

ミーナ「久しぶりに撃ちたくなっちゃったわ、このワルサー」チャキッ

私「タダでやらせていただきまーす」ガクブル

シャーリー「……中佐、中佐」ヒソヒソ

ミーナ「あら? どうしたのシャーリーさん」ヒソヒソ

シャーリー「タダでやらせるのか? ほら、この前王女様からもらったのがあったじゃん」ヒソヒソ

ミーナ「ああ、あれは部隊の予算に回したわよ」ヒソヒソ

シャーリー「えっ!? い、いいのかよ……?」ヒソヒソ

ミーナ「渡しても碌な使い方をしないでしょうし。それよりは古くなった武器の新調に使う方が有意義でしょう?
それに、あんな大金を渡したら調子に乗って、今みたいに安く仕事してくれなくなるかもしれないし……」ヒソヒソ

シャーリー「まあ……言われてみれば……」

ミーナ「あまり調子に乗らないように、たまには念を入れておかなきゃね」

私「中佐ぁー、燃料は例の奴でいいんですよねー?」

ミーナ「ええ。あ、あとそれからストライカーの調整も一通りやっておいてくれる?」

私「ええ!? それもタダで? ……ちくしょう足元見やがっ――」

ミーナ「もうすぐお給料日ねぇ……不用意な発言は……」

私「なんなりとお申し付け下さい中佐! わたくしめはクソでございます!」ヘコーッ!

シャーリー(扱い手慣れてるなぁ……)


整備兵1「ひい、ふう、みい……計5機ですか。けっこうありますね」

私「魔力の伝達経路に、ジェット口の耐久性確認、その他諸々……おまけに通常ストライカーの点検までと来たわ」

整備兵2「まあ、みんなで分担すれば早く終わるでしょ」

私「それよりももっと早い方法があるわよ……お父さーん!」

整備兵3「……ああ、お父さんに全部やらせる気か……」

整備兵2「でもあれ使うと疲れちゃうんでしょ? いいんですか?」

私「利用できる物は最大限利用しなきゃね。機械であれ、人間であれ」

整備兵1「ひでえ」

私「お父さーん! ……? お父さん! どこー? いるならとっとと……」

ミーナ「ああ、お父さんだったらアレッシアさんと出かけたわよ」

私「……へ?」

ミーナ「アレッシアさん、今日は非番で、ローマに買い物に行くらしいの。で、一人だとなんだか不安だから、お父さんと一緒に行くことにしたらしいわ。
きちんと外出許可はとってるわよ、2人とも」

私「……あんのオヤジがぁぁぁ!! 一丁前に色気づきやがって! 帰ってきたら全身の駆動機関という駆動機関にナメクジを……!!」

シャーリー「ま、まあ……お父さんにもたまの休日はいるんじゃないか?」

私「ロボットに休養なんているわけないでしょ! 飲まず食わず、そして眠らず! それでも大丈夫なのがロボットでしょうが!
……ちくしょう、お父さんいないと全部手作業じゃない、コレ……」

シャーリー「あ、ああ……ま、その、頑張ってくれ。じゃあな、私」スタスタ

ミーナ「…というわけで、お願いね。私教授。……分かってるとは思うけど、手は抜かないようにね。もし抜いたら……」ゴゴゴ

私「……了解……はぁ……」


整備兵2「教授、呪符生成機関への魔導線連結は……」カチャカチャ

私「基本は12番線ね。この辺りは繊細だから」カチャカチャ

整備兵3「教授、特殊燃料のタンクはどこにあるんですか?」

私「ああ、一応危険物だしね。危険物倉庫にまとめて置いてるわよ」カチャカチャ

整備兵1「…よし、と。こっちは終わりましたよー、教授!」

私「はーい、どれどれ……あーっと、右の上から2番目のボルト、ほら、これね。ちょっと緩いわ」

整備兵1「え、マジですか!」

私「上昇中に外れてポーン! なんてことになったら事だからね。きちんと締めとくよーに!」

整備兵1「了解!」

私「よし、じゃ、こっちも……えーと、これでラストよね……」

ドォォォン!! ドォォォン!!

私「!? 銃声!?」

整備兵2「対戦車ライフルの音っスよ! ってことはビショップ曹長……!?」

私「リーネちゃんが? なんだって一体……?」

整備兵3「ああ、なんかエイラさんと特訓やってるんですって」

私「特訓?」

整備兵3「ほら、例のタワー型ネウロイ、あれの天辺にいってコアを叩くのは、最終的には2人だけでしょ?」

整備兵2「ああ、そういう話だったな」

整備兵3「その2人のうちの攻撃役に、リトヴャク中尉が選ばれたらしいんですよ。で、攻撃中にリトヴャク中尉をシールドを張って守る役目が、
宮藤軍曹になったんですって」

私「……なーるほど。サーニャちゃんを守るのが自分じゃないのが、エイラちゃんは不満だと」

整備兵3「ええ、たぶん」

整備兵1「それでユーティライネン中尉もシールド張りの訓練を……?」

整備兵3「ああ。……ほら、見てみろ。やってるぜ」

ドギュウウウウン!! ヒエエエッ! ア、アナタサッキカラヨケテバッカリジャアリマセンノ! エー、オマエガサーニャァー? ウチマース!!
ドギュウン! ドギュウン! ドギュウウウン!! ヒャァァァッ!!

私「……あっちゃー……全部避けちゃってる」

整備兵2「ユーティライネン中尉って、たしかシールド張ったことないんだろ?」

整備兵3「ああ、未来予知のおかげというべきか、"せい"というべきか……」

整備兵1「クロステルマン中尉も大変だよな。……あ、今度は全弾顔を狙ってきたぞ」

整備兵2「心なしかイキイキしてるな、曹長」

私「"相棒をとりもどせ!"か。……いいわねー、けなげで好きよ、そういうの」

整備兵1「教授は可愛い女の子なら誰でもいいんでしょう?」

私「あ、やっぱ分かる? ……ま、そんな中でも、必死に頑張る女の子ってのは、やっぱ格別なモンよ」

整備兵2「努力は美徳、ですか」

私「努力自体じゃなく、努力に甘んじないことが、ね。……はーい、休憩終わり。作業に戻るわよ」

整備兵達「うーっす」


――数十分後――

私「……よし、ストライカー整備も完了。終わっていいわよ」

整備兵2「はー……やっと終わった……」クターッ

整備兵1「流石に疲れたな……今回は…」

私「…………」

整備兵3「…? どうしたんですか、教授?」

私「……いや…何と言うか……足りないのよ」

整備兵3「は?」

私「こんな優れた発明なのに……! 足りない! AIが! 圧倒的に!」

整備兵3「え、AI? べ、別に無くても……」

私「いいえ! 私が関わった以上…何らかの形でAIを載せておかなきゃ我慢ならないわ!」

シャーリー「なんだよその理屈……」

整備兵3「あれ、大尉?」

私「? シャーリー? 何しに来たのよ?」

シャーリー「いや、どんな調子かって思ってさ。…ま、でも心配なかったな。もう全部できたみたいだし」

私「あ、そうなの。ごくろーさん。……そんなことよりAIよAI。どうしよう……姿勢制御とかのバックアップは……」

シャーリー「全部マニュアルで出来るぞ」

私「じゃ、じゃあ……ブースターの出力調節とか……」

シャーリー「それもAI無しで出来たな、確か……」

私「…あ! そ、そうだ! 声! 出力変更、姿勢その他諸々への注意を声で……」

シャーリー「それこそ人間の声で出来るだろ? それに、大気圏外じゃ声聞こえないしな」

私「……ちっくしょおおおお!!」ダッ!!

整備兵2「あっ、わ、私教授!? どこ行くんです!?」

私「なんかいいの無かったか探してくる! 何が何でもAI載せてやるからね!」

ダダダダダッ……

シャーリー「……あーあ、行っちゃった」

整備兵1「まあ、そのうち戻ってきますよ」

シャーリー「そうだな……なぁ」

整備兵1「? どうしました?」

シャーリー「私のやつ……なんであんなAIにこだわるのかな?」

整備兵1「…さぁ…あんまりそういう話はしませんが……やっぱり、お母さんの影響があるんじゃありませんかね……」

シャーリー「……そっか……」


――私自室・研究室――

私「どっかになかったかなー、いいの……」ガサゴソ

私「録音するにはしたけど使ったことないのが結構……」ガサゴソ

私「……あっと、そろそろ舐めないと……」

パリッ ペロッ
コロコロ…

私「この“飴”も少なくなってきたな……また作――」

私「……ん? 何かしら、これ」ズボッ

私「『火炎放射機用・1943年録音』……ああ、昔作ろうとしたっけね、火炎放射機」

私「でも軍の援助をもらえなくて…結局お流れになったんだった」

私「……ま、これでいいか。声だけだし。改造にはそんなに時間は……」

コンコン

私「? 誰よもう…今から忙しいのに…。はーい、どうぞー」

ガチャッ…

エイラ「え、えーと……ここでいいんだよナ……?」

私「あれ、エイラちゃん? どうしたの?」
(うーん…今日もそそる白さね…あのタイツ……)

エイラ「あ、いや、そのさ……ちょっと相談があって……」

私「ああ、なんだ……そんなことか。いいわよ」

エイラ「そ、そうカ! ありが……あれ? おい、まだ何も……」

私「いーのいーの、皆まで言わなくて! ……やっぱね、エイラちゃん、基本は舌よ」

エイラ「……は?」

私「舌ってのは人間の自由に動かせる器官の中でいちばん柔らかいの。だから舌を上手く扱えることは、これ即ち女性を上手く扱えることになるわけ。
かの扶桑出身の好色家、ホーク・カトー氏も、まずは舌の熟練を薦めているわ」

エイラ「お、おい、ちょっと待て……何の……」

私「で、具体的なテクニックだけどね、まずは乳首――」

エイラ「ちょっと待てええええええっ!! な、ななな、なんでそーいう話になるんダ――!!」カァァァッ

私「え、悩みってそういうアレじゃないの? サーニャちゃんとの夜の生活がマンネリだとか……」

エイラ「なっ!? ち、ちちち違うに決まってんダロ――!! どーしてそういう発想しかできないんダ!」

私「え、あー…違うの…。あ、そう…なーんだ……」

エイラ「だ、大体な、そ、その…よ、夜のナントカって…! わ、私とサーニャはな、そんな爛れた関係じゃないぞ!」

私「なんだ、違うなら先に言ってよー。勘違いしちゃったじゃない」

エイラ「言う暇を与えてくれたら言ったさ……」

私「ゴメンゴメン。エイラちゃんがサーニャちゃん絡みのこと以外で悩んでるなんて思いもしなくて……」

エイラ「い、いや……必ずしも、サーニャと無関係ってわけでもないんダ……」

私「へえ?」


――説明終了――

私「……なるほどね。シールドを張れるようになりたいと……」

エイラ「ああ…」

私「サーニャちゃんを守る役目が自分じゃないから、気に食わない。でも自分はシールドを張れない……」

エイラ「…そりゃ、宮藤はいい奴だよ……でも…なんか…その……癪で……
サーニャの隣に…あいつがいると思うと……」

私「…そんなの、エイラちゃんがシールド張れるようになれば一発解決じゃない」

エイラ「それができないから来てんだよ……」

私「あれ? 特訓とかやってなかったっけ? さっき見たけど……」

エイラ「……ダメだった。張ろうと思っても…先に体が動いちゃうんだ。
……仕方ないよ。努力はしたんだ。でも、ダメだった。それだけだ……」

私「……ふーん……」

エイラ「な、だから私! シールド張れるようになる機械とか無いか!? なんでもいいんだ、なあ、何かあるんダロ?
こう……ワンタッチでシールドがブォンって出るみたいなさ。何の才能も無くってもできるような……」

私「…………」

エイラ「……? 私?」

私「……あるにはあるわ。えーと…ほら、これ」ドサッ

エイラ「…? なんだこれ、ランドセル……?」

私「軍本部にいた頃、上層部に頼まれて作った試作品よ。ほら、肩ベルトのこのボタン。ここを押すことで、疑似シールドが展開できるわ。
……それ、ポチっとな」ビュオン!

エイラ「! し、シールドが……!」

私「半径2メートルほどのシールドを形成できるんだけど……流石に構造に無理があってね…一回の魔力チャージにつき一回しか
張れないのよ。実用的じゃないってんで、量産には至らなかったんだけど……」

エイラ「こ、これを使えば、私でもシールドが……」

私「……レンタル料は、作戦終了後にまた改めて貰うわ。……サーニャちゃんにでも見せてきたら?」

エイラ「…や、やった…これで…これで! よーし! じゃあな、ありがとナ、私!」ダダダダッ

私「……ええ、じゃあね」

私(……“努力はしたのに”……ね。……全く……)


――エイラ・サーニャ自室――

エイラ「ふ…ふふ…これさえ、これさえあれば、私がサーニャを……」

エイラ「サーニャ……おまえは私が守って……」

ガチャッ…

エイラ「!?」

サーニャ「! え、エイラ……」

エイラ「な、なんだ、サーニャか……ん? なんだ、そのマフラー……」

サーニャ「私とエイラと…芳佳ちゃんの。成層圏は寒いから……」

エイラ「……そっか」(……宮藤……)

サーニャ「…で、どうだったの?」

エイラ「え?」

サーニャ「ペリーヌさんの特訓…うまくできた?」

エイラ「な、何だ…知ってたのか。……ハハ、無理…ダメだった…」

サーニャ「……そう……張れるようになるといいね…シールド」

エイラ「……無理だよ。やっぱ、慣れない事はするもんじゃないナ」

サーニャ「! エイラ……あきらめるの?」

エイラ「……できないことを頑張ったって…仕方ないじゃないか。
……あ! そうだ、それより、私のやつからすごい物をもらったんだ! 見ろ、この機械!」

サーニャ「……? かばん…?」

エイラ「シールド展開機だよ。ボタン一つでシールドが張れるんだってさ! いやーすごいよナー。
なーんだ、こんな便利な物があるんだったら、最初から特訓なんてするんじゃなかったナ」

サーニャ「…………」

エイラ「そうだ! 宮藤にも見せてやろう! サーニャを守るのにふさわしいのはやっぱりこの私だってことを……。
サーニャ、安心しろヨ、お前は必ず私が守って――」

ボスッ!!!!!

エイラ「!!!?」

サーニャ「エイラのばかっ!! なんで…? なんでやる前から出来ないなんて……!」

エイラ「! し…しょうがないダロ! だって……だっていくらやっても……」

サーニャ「だからって…どうして諦めちゃうの!? おまけにこんな機械に頼って……!」

エイラ「だ、だって…! こうでもしなきゃ、サーニャを……!」

サーニャ「……今のエイラ…すごくかっこ悪いよ……」

エイラ「!! さ、サーニャ…! わ、私はただ……!」

サーニャ「私…そんなのに頼るエイラなんかに守って欲しくない……!」

エイラ「! だ、だったら宮藤に守ってもらえばいいだろっ!! サーニャの分からず屋っ!!」

サーニャ「っ! エイラなんか…エイラなんか、もう知らない!」ビュンッ!

ボスッ!!!!

エイラ「!!??」

サーニャ「……っ…!」タッタッタッタ…

バダン!!


エイラ「……二回も…投げる事ないじゃないか……」

エイラ「…………ひぐっ…えぐっ……」

エイラ「じゃあ……じゃあ…どうしたらいいんだよぉ……?」グスッ

エイラ「なあ……サーニャぁ…………」


エイラ「…………サーニャぁぁぁ…………っ」
最終更新:2013年02月07日 14:23