特に変わったことも無く、撃墜や戦闘を繰り返し、数ヵ月後……

俺「あー……書類、書類、書類、書類、書類……だるいー」
ミーナ「ちゃんと手を動かしてください、書類が終わりませんよ」
俺「ネウロイより、最近は書類が怖いよ……」
ミーナ「はい、コレで終わりです」
俺「ハイ、は・ん・こ……よし!終わり!」
ミーナ「今日は新人が来るそうですよ」
俺「へー……新人ねぇ……」
ミーナ「資料をどうぞ」

手渡された書類を覗くと、リネット・ビショップ階級は軍曹、固有魔法は射撃弾道安定。
……あれ?撃墜数0?

俺「珍しい、新人じゃないか、一体どういう風の吹き回しだ?」
ミーナ「多分、政治の問題ね」
俺「ああ……なるほどね」
ミーナ「……解ってると思いますが、変なことしないでくださいね、この前の美緒みたいに……」
俺「あれ?何時の間に美緒、なんて呼ぶくらいにステディな関係になったの?」
ミーナ「ゲホッ、ゲホゲホ……誰がですか!誰が!」
俺「冗談だよ……けど満更でもなさそうな」

次の瞬間、ペンの鋭い先端が目の前に突き出ていた。
私は貝のように黙ることにした、今日はミーナさんが、ヤケにコチラを笑顔で見ている気がして。
非常に、非常に……背筋が寒かった。
こういう日は、ペリーヌに頼んでお茶会をするに限る。
だが紅茶に砂糖を入れようとすると、睨みつけてくるのはヤメテ欲しい。

俺「別に良いじゃないか、砂糖を入れても」
ペリーヌ「ハァ……まあ、今更どうこうとは言いませんわ、アナタも賢い人間ですから理由ぐらい知ってるでしょうし」

そうなのだ、ガリアでは紅茶とは、ゆっくりとお菓子と食べるものであり。
砂糖を入れてガバガバ飲むのは、ブリタニアの低賃金労働者方式なのだ。
そのみっともなさを知っているので、諌めようとアレコレ手を尽くそうとしたものの。
結局、諦めて折れてくれたようである。

俺「甘党だからな、たとえ甘い洋菓子でも甘い紅茶で食う」
ペリーヌ「抹茶には、砂糖をいれませんのにね」
俺「和菓子は洋菓子より甘いからな、特に砂糖を固めたお菓子を食べた後に飲む緑茶は、とても良いものだぞ?」
ペリーヌ「はぁ……よくわかりませんわ」
俺「今度煉り切りをご馳走してやろう」
ペリーヌ「あら、有り難く承っておきますわ」

さて、紅茶を飲み干し、ペリーヌに一言礼を告げた後、椅子から立ち上がり、そろそろ新人が来るであろう自室に戻る。
廊下にも何か寒さ対策をするべきだろうか、足元が少し寒い。
部屋に入り、ボーっと虚空を眺めていると、ドアをノックしミーナと気弱そうな髪を後ろに纏めた女の子が入ってくる。

ミーナ「ミーナです、新人を連れてきました」
リーネ「リネット・ビショップ軍曹です、あの、よろしくお願いします」
俺「ああ宜しく、それと聞くがうまい飯は好きか?」
リーネ「は……?えっ、はぁ、好きですが……」
俺「よし、晩ご飯は俺が今日は作ろう、基地の案内と機械の操作とかはミーナ宜しく」
ミーナ(呼び捨てちゃ駄目でしょ!)
俺(細かいこと気にすんなよ……どうせもっさんと同衾の癖に)
ミーナ「ゲッホ、ゲフッゴホッ、どうしてそれを……」
リーネ「あの大丈夫ですか?」
俺「それじゃあ行ってらっしゃいミーナ中佐」
ミーナ「……後で少し相談がありますからね……?」

ミーナ中佐が、引きつった笑顔を浮かべたときは用心せい。
最悪むーざんむーざんされます。

俺(……暇だ)

そう言えば、今日は軍港等に扶桑からの船が着ているそうだ、何か物資でも探せるだろうか。
この星と元の場所では、歴史の流れ上の理由から、微妙に違った物が生まれる時がある。
故に珍しい珍品を見ることもあるらしい、という訳で私は近くの軍港にやってきたのだった。

俺「……」

なんだろうこれは……口にするもおぞましく、見るには耐え難きソレ。
うなぎゼリー、正式名称:うなぎのゼリー寄せ。
見た目はグロく、ゲル状の半透明の液の中に、ブツ切りのうなぎが浮かんでいる。
味は曰く悪くはないらしい、おすすめはチリビネガーをぶっ掛けてね!とのこと。

俺「材料だけ買って、帰って蒲焼にでもするか……」
俺「然しアレだな、結構交通網は確りしてるんだなこの国は、まあ流石鉄道発祥の国ってだけは、あ……」

ふと、町の食堂に眼を向けると、三人の少女が食事を取ろうとしていたのがみえた。

菅野「メニューを教えてくれ」
店員「卵にベーコン、卵・ソーセージ・ベーコン、卵・スパム、卵・ベーコン・スパム、卵・ベーコン・ソーセージ・スパム」
店員「スパム・ベーコン・ソーセージ・スパム、スパム・卵・スパム・スパム・ベーコン・スパム」
店員「スパム・スパム・スパム・卵・スパム、スパム・スパム・バイド・スパム・豆、スパム・スパム・スパム・スパム」
店員「伊勢エビのグラタントリュフと卵添えのスパム載せです」
クルピンスキー「スパムがないのはどれです?」
店員「なら、スパム・卵・ソーセージ・スパムですね、少なめです」
クルピンスキー「全く、少しもないのは?」
菅野「卵・ベーコン・スパム・ソーセージを」
クルピンスキー「入ってるじゃないか」
菅野「スパム・卵・ソーセージ・スパムよりは少ない、というか好き嫌いすんなクルクル」
クルクル「じゃあ、卵・ベーコン・スパム・ソーセージをスパム抜きで」
店員「うえぇえぇ…!」
クルクル「スパムは本当にだめなんだよ……性質的に」
ニパ「スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、スパム(ry 素晴らしいスパ(ry」
店員「うるさい!黙れ!」
店員「卵・ベーコン・スパム・ソーセージの、スパム抜きはないです」
クルクル「嘘だろ!?」
店員「卵・ベーコン・スパム・ソーセージは?!」
クルクル「嫌いだってば!」
菅野「落ち着け、しょうが無いオレが食ってやる」
菅野「好きなんだ、スパム・スパム・スパム……スパム・豆・スパム・スパム・スパムを」
ニパ(スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・スパム……)
店員「豆はない」
菅野「じゃあ替りにスパムを」
店員「つまり、スパム・スパム・スパム・スパム……」
菅野「そうそう」
ニパと愉快なヴァイキング「スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・スパム・スパム!」
店員「うるさい!静かにぃいいい!」
下原「ゴホン、かわいいお嬢さん、彼女の腸はスパムでいっぱい」
下原「卵・スパム・ベーコン・スパム・トマト・スパム」
店員「うるさい!」
アレクサンドラ「この馬鹿共、何やってんのよ、早く帰るわよ!」
下原「ムラムラしてきちゃった……」

私は直ぐ様何も見なかったことにして、その場を離れる必要性があった。
それも可及的速やかに。
分かりやすく言うならば、アナタ彼女たちの知り合い?(笑)とか言われたくない、という事である。
そのままロンドン市街を練り歩き、途中花売りから金貨一枚で造花を買い、胸ポケットにさす。

俺「……帰るか」

このまま街にいてもする事はない、遠くからの喧騒を聞き流しつつ、歩いて基地にまで帰る。
飛んでもいいが風情がない、たまには寒く風吹く、街並みを眺めながら帰るのもいい。
右腕に抱えたうなぎの重さ、そして密かに買った造花たまにはこんな休日も悪くない。

俺「ただいまー」
ミーナ「おかえりなさい……何ですか、ソレ」
俺「お土産」
ミーナ「あら素敵な造花ですこと……けど誤魔化されませんよ?」
俺「あ、やっぱり?」

あの後こってり絞られた俺は、ふと訓練場の方に目を向ける。
海の上に的を置いて、今日来たばかりのリーネが、射撃の試験をしている。
……射撃の腕は良いようだが……あの自信のなさは何なんだろうか……?
それだけが非常に不安に思われる、一体どうしたものだろうか。
そして私はできるだけ早く、正座用の座布団を拵えなければ……死んでしまう……
その直後、ネウロイの襲撃が報告された。
相手は超大型機1、中型機4機の計5機で、大型を囲むように中型機が動き。
大型機は悠々と爆撃し、中型機は主に迎撃の役割を果たしている、と思われる。

俺「ふむ、緊急連絡だ、と言っても今回の作戦の振り分けはこうだ」
俺「まず、シャーリー、ハルトマン、バルクホルン、ルッキーニ、坂本が一撃離脱戦法で攻撃を逸らし、坂本がリネットに指示して遠距離から攻撃してもらう」
俺「その他の隊員は今回の作戦が失敗した際、もしくは緊急に別のネウロイが波状で来た際、出撃してもらう」
ミーナ(……大丈夫かしら……)
リーネ「は、はい!頑張りますっ!」
俺「まあ、ソコまで気張らなくてもいい、最悪今日は暇な俺がまとめて吹き飛ばす」
リーネ「……」
俺「まぁ、気楽にやってくれて構わんよ、誰だって出来ること、出来ないことがある、出来ないなら上司の判断ミスだ」
リーネ「……はい!」
俺「うん、よし、良い返事だ」
坂本「誰だって初めは新人なんだ、落ち着いて行動すればいい」
ルッキーニ「にしし、楽しくやろうよー!シャーリーほどじゃないけど大きなおねぇちゃん!」
シャーリー「気楽にやろうぜー新人!」
ハルトマン「そうだよー、取り敢えずリラックス、リラックスー」
リーネ「は、はい!」
バルクホルン「フラウ、貴様は気を抜きすぎだ!」
シャーリー「ソレぐらい、いいじゃないか堅物ー」
バルクホルン「リベリアン貴様はソレだから……!」
坂本「ハッハッハッ!」
ミーナ(……本当に大丈夫かしら……)

その後、滑走路から5人が飛び立ったのを見届けた後、アンコールに乗り込み3秒でエンジン始動。
4秒目で超速で移動し、5秒目でバルクホルンを戦闘に、両脇をハルトマンとシャーリー。
そしてその二人の後ろに、ぴったりとくっつく、リーネとルッキーニに付いていく。
最初リーネは驚いて少し列が崩れたが、偏光ガラスを開けて手を振ってみると、安心したのか前を向いてまた付いてき始めた。
そして20分ほど飛行し、ネウロイのレーダーが映る場所にまで飛行する。

俺(……コイツらの読み込みの速さ半端ねぇ、がまあ、良いか)
俺《残り数分でネウロイが見えてくる、と思われる》
バルクホルン《?見えてくるとはどういう事だ》
俺《コチラは出発前から既にレーダーに敵影を見つけれど、目視できず》
バルクホルン《……相変わらず呆れたレーダー技術だ》
シャーリー《所で、一体何処でその技術を身につけたんだ?》
俺《ソレは機密事項です》
シャーリー《チェッ》
坂本《然し本当に何処の出なのやら……》
俺《リーネは取り敢えず、問題があったらインカムですぐに伝えてくれ、出来うる限りすぐに対処する》
リーネ《は、はい!》
ルッキーニ《見えてきたよ!》
俺《あいわかった、リーネ以外は散開し、最高速を維持したまま一撃離脱戦法を取れ!》
俺《リーネは俺の機体に隣接し、坂本の指示する場所を狙って撃て》
全員《了解!》

リーネと俺以外が全員散開し、前方のHo229型の大型に付きそう、He219型中型機へ攻撃を加え。
それぞれに攻撃が分散し、尚且つ狙いが逸れるように高速で一撃離脱する。
四方八方からの攻撃を受け、ネウロイが雄叫びを上げるも、伊達では無いというのだろうか。
攻撃を受けてもびくともせず、逆にレーザー光線で反撃、だが流石エース達ということか、皆スレスレを避けて回避。
もしくはバリアを張って回避している。

坂本《リーネ!中型機は羽と羽の間にコアがある!》
リーネ《は、はい!》
俺《まて、先に深呼吸三回しろ》
リーネ《え!?あ、はい!》

隣で銃器のスコープから目を離し、呼吸を三回整えるようにゆっくりとさせる。
そして他の事を脳から追い出させ、戦闘に集中させる。
リーネは先ず、バルクホルンの狙っている中型機を狙う。
一撃目、羽と羽の間に当たるも、装甲が剥げるだけでコアが露出せず。
続けて二撃目、三撃目、を続けて撃ち、胴部分と羽に当たりネウロイが悲鳴を上げる。
ソコをバルクホルンが帰ってきつつ、MGを連射しコアを露出させ、ソレをリーネが打ち抜き撃破。

バルクホルン《一機撃墜を確認!》
ルッキーニ《うぇぇ……早くこっちも撃ってー!》
リーネ《は、はい!》
俺《……!》

次の瞬間コチラを狙って大型機がレーザー光線を射出、だがミスティレディのレーザーを拡散させる霧を急いで噴出。
レーザーは周りに拡散し、無害化、だがリーネはかなり驚いた様子でコチラを見ている。

俺《撃てリーネ!次はルッキーニのヤツだ!》
リーネ《は、はい!?》

次はうまく当たったのか、3撃目でネウロイが光の粒子へと変化し消えていった。

俺《2機目の撃墜を確認、バルクホルンとハルトマンは大型機に攻撃を!坂本は戦闘とリーネに情報のフィードバックを!》
俺《残りは中型機に攻撃を加えつつ、一撃離脱を持続、各員奮闘せよ!》
全員《了解!》
俺《……リーネ、いやリネット軍曹、先程のレーザーは気にするな》
リーネ《!……はい》
俺《誰にだって失敗、特に新兵には良くあることだ、次は気をつけろ》
リーネ《はいっ!》

続けて残りの中型二機を無事に撃破、残すは大型機だが……
かなりの丈夫さとタフさを兼ねており、ある程度打ち込んでも、すぐに修繕してしまうようである。

俺《坂本、コアの位置はわかるか?》
坂本《前方の、先端部分付近ですがかなり装甲が厚く、復元速度も早いです》
俺《……よし、俺とリーネ以外は一撃離脱戦法で装甲を崩せ》
俺《俺はリーネを連れて、こいつの向かう先から狙撃する、各自散開し被弾を避けつつ交戦せよ》
全員《了解!》
俺「乗れ!」
リーネ「え!?」
俺「R-9プロトの二人乗り式なら入るだろ……」
リーネ「お、お邪魔します?」
シャーリー《あ、ずるいー!後で私も乗せてくれよー!》
俺《わかった、わかったよ!》
シャーリー《頼んだぜー》
リーネ「あの、ストライカーは……」
俺「履きっぱなしで構わん」
リーネ「はぁ……」

乗り込んだのを確認し、毎秒1kmで前進し、相手が1分後に通過する地点に到達。
リーネは目をぱちくりしたまま、何が起こったのか分からず、されるがまま空中に下ろされた。

俺「よし」
リーネ「こ、こんな遠くにまであっという間に……」
俺《前方12時距離40000だ構えろ》
リーネ《は、はい!》

遠くに小さく、だが徐々に大きくなりつつあるネウロイの姿。
……当たるかな?一応準備しておくべきか……まあ逃したら逃したあとで考えよう。

俺《有効射程まで残り10秒、リーネよく狙えよ》
リーネ《はいっ!》
バルクホルン《クソッ硬い!まだ装甲は全部剥げていない!》
俺《……構わん、取り敢えずやるだけやってみろ》
リーネ《行きます!》

インカム越しに聞こえる深呼吸の音、そして銃を構え、水平射撃姿勢を保ち。
大きな射撃音と共に、鉄が風切り音を上げ、真っ直ぐにネウロイに吸い込まれていき。
着弾音とともに赤く輝く、多面体のコアが出現、そしてそれはもう一発の射撃音がしたと思うと。
甲高い金属同士を叩きつける甲高い音を響かせ、炸裂し、ネウロイは白い雪へと変わっていった。

俺《……任務完了、コレより全機帰投する》
ハルトマン《ヒュー、やるじゃん新人さん》
バルクホルン《新人にしてはやるじゃないか、だがな……》
シャーリー《まったく、また説教か堅物ー》
バルクホルン《なっ》
ルッキーニ《こういうの新人いじめ、って言うんだよね!ダメだよートゥルーデー》
バルクホルン《貴様らー!》
坂本《ハッハッハッ元気だなぁ!》
リーネ《……》
俺《今日のハイライトはリーネ軍曹だ、帰ったら飛びっきりの飯で歓迎するぜ》
リーネ《……はい!》
俺《RTB、全機帰投する》
全員《ヤー!》

全員を先導するように基地に向けて飛行、空中で旋回しネウロイの巣の方を向き。
内部でどのようにネウロイが生産されているのか、不思議に思いつつ全員の着陸を確認し自身も着陸。
急いで食堂に向かい、うなぎに目打ちをしエラに刃を入れ、優しく背中まで引きぬく。
身を開き、骨と内臓をリサイクルシステムに投下、血を洗い流し、キッチンペーパーで軽く水抜き。

坂本「おや……今日は蒲焼ですか」
俺「ええ、新人の撃墜祝です」
坂本「……普段から思うんですが、材料は何処から調達してるんです?」
俺「まあ、些細な事ですよ」
坂本「ふむ……まぁ、貴方の場合そうなんでしょうね」
俺「ええそうですとも」

一人一尾手際よく捌き、三つに切って串を刺し、タレにつけて七輪で焼く。
じっくり火にかざし、タレが七輪に落ちて香ばしい匂いを立てる。
早くご飯でこの蒲焼を掻きこみたいものだ……


今日はポッキーの日だというので、上司の俺元帥が皆にポッキーと、板チョコを配っているのだそうだ。

俺「チョコは古来から滋養強壮剤として、幅広く愛飲されてきました」
俺「本来はカカオを発酵させ、栄養価を高め、焙煎し、粉砕したものにコーンミールや、唐辛子を入れて飲んでいました」
俺「コレは元来、アメリカ先住民の飲み物であり、メキシコからコロンブスによって紹介されたと言われています」
俺「やがてスペインからヨーロッパに伝わり、やがて苦味を打ち消すため、ミルクやバニラをいれたのが」
俺「今日ホットチョコレート、今日ココアと呼ばれる飲み物になりました」
俺「そして近代ヨーロッパ、オランダのバンホーテンさんがより飲みやすく改良し」
俺「現代的な、チョコレイト・バーを作ることを可能にしたそうです」
俺「後に、イギリスのジョセフさんが固形化に成功し、近代のチョコを形作ります」
俺「コレが大体のチョコの歴史です」
ミーナ「長々と説明ありがとうございます、そしてはっきり言ってどうでも良い知識ですね」
俺「少しへこむわ!」

――――――

部屋に充満するチョコの甘ったるい匂い。
先程まで、あったクラッカーは既に食べ終え、残ったのはカスと皿のみ。

サーニャ「あーん……」
エイラ「あ……あー……」

此処はエイラとサーニャの自室であり、机の上には湯煎で溶かしたチョコがあった。
サーニャの人差し指の第二関節まで、チョコがどっぷりと浸かっている。
対するエイラは口を開けて、少し頬を赤く染めてサーニャの方を向いている。
徐々に指先がエイラの口に近づき、そっとなぞるように、エイラの舌にサーニャの指が当たる。
少しエイラが顔を歪めたのを見て、こそぐようになぞる。
少し背筋がゾクゾクした……気がした。

エイラ(な、なんか変な感じナンダナ……)

指先を一度引きぬき、銀糸が細く伸びたのを見届け、また指にチョコを漬ける。
次は歯茎をなぞるように、優しくチョコを塗りつける。
指で歯をなぞっていくと何となくエイラの舌が、ビクビクとおっかなげに動いているのがわかって、可愛らしかった。

サーニャ「……」
エイラ「ふぇっ!?」

何となく、エイラの舌を指で引っ張ってみる、ピンク色の柔らかいソレは可愛らしく。
思わず舌を離して、顎を持ち上げ残り少ないチョコを口に含み、口移しをしたくなるには十分だった。

エイラ「……キョッ、キョウダケダカンナー!?」
サーニャ(…少し欲求不満なのかしら?)

何となく、もう一度エイラの顎を指先で持ち上げ、真っ赤に染まった愛しい端正な顔を見つめる。
エイラは何が何だか分からず、目をぱちくりしていたが。
取り敢えず今日はもう一度だけ、甘くないキスを口直しに貰っておくことにした。
最終更新:2013年01月28日 15:20