326 自分:主人公っぽい俺 それじゃ投下開始であります[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 01:56:24.87 ID:dd33SOZP0 [3/15]
前回のあらすじ
作戦は失敗。宮藤が殿に残る。
ウィッチは全員魔力切れ。
全員の魔力をかき集めて俺が宮藤を救いに行く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
推奨BGM
俺「遅れてすいません!宮藤は!?」
リーネ「俺君!芳佳ちゃんが!」
真っ赤なコートをはためかせながらウィッチ達のもとへ駆け寄る。
そこには少佐の他、
シャーリーさんとバルクホルン大尉、リーネにハルトマンさんがいた。
他の人達はどこだろう。
坂本「来たか!急いでくれ、宮藤はあそこだ」
坂本少佐が指し示す先で、火線と光線が飛び交っていた。
あそこに宮藤がいるだって?
くっそ、俺にも分かるくらいに絶望的な状況じゃないか!
小型ネウロイに囲まれて、中型も一機いるし、なによりその後ろの馬鹿デカいネウロイはなんなんだ!?
俺「俺のユニットは!?」
シャーリー「こっちだ、ほら、今すぐにでも飛べるぞ!」
手を振るシャーリーさんの腕には包帯が巻かれていた。
走りながら靴を脱ぎ捨て、勢い良くジャンプする。狙いどおりに脚はユニットへ吸い込まれていく。
327 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 01:58:29.12 ID:dd33SOZP0 [4/15]
整備俺『ユニットは履いたみたいだね。今からそのコートの役割を説明する。発進準備をしながら聞くんだ』
俺「飛びながら聞きます!」
MG42と弾倉を受け取りながら言う。エンジンは唸り、呪苻がエーテルを掻く。
目指すは俺の大事な女の子。
俺「俺軍曹、発進!!」
滑走路を駆け抜け、空へ飛び立つ。小型ネウロイがうじゃうじゃいるな。
こいつらはどこから来たんだ?
シャーリー『お、おい!大丈夫なのか?』
整備俺『いいよ、時間が無いのも確かだ。よく聞け俺、説明は省く。今から指示だけを出すから』
俺「了解っす!はあっ!」
空母に接近してきた小型ネウロイを撃ち落とす。
くそ、放っておく訳にもいかないけど、数が多い。宮藤の軌道はさっきよりもフラフラしている。
俺「宮藤、聞こえるか!?今から俺が行く!」
坂本『駄目だ、アイツはインカムを切っているんだ!アイツは、みんなを守ると言って……!』
バルクホルン『宮藤は、お前にありがとうって伝えてほしいと言ってインカムを捨てた。私達が不甲斐ないばかりに!』
328 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:00:41.56 ID:dd33SOZP0 [5/15]
なんでだよ、なんだよありがとうって!別れの言葉のつもりなのか、死ぬ気なのか!?
そんなの俺は嫌だからな、そんな別れがあってたまるか。
もし死んでも守るなんて言うなら、そっちがその気なら俺も手段なんか選ばないからな、宮藤。
体が灰になるまで魔力を流してやる。
整備俺『聞いてるかい、俺君』
俺「……整備俺さん、俺、オーバーブースト使います!」
シャーリー『馬鹿、止めろ!』
整備俺『あ、いいよ。いやあ、指示する手間が省けたなあ』
俺「もうこれしか……え?いいんすか?」
坂本『ふむ、じゃあ使ったらいいんじゃないか?』
俺「あ、はあ。それじゃあ……」
シャーリー『待て待て待て待て!!』
バルクホルン『整備俺!貴様、俺を殺す気か!今、俺が墜ちても救出する手立ては無いんだぞ!少佐も少佐だ、そんなあっさり勧められては困る!』
飛び交う声。俺はどうすればいいんだろう……。オーバーブースト使っちゃっていいの?
整備俺『あー、聞こえるかい俺?いいよいいよ大丈夫だから』
えー……?なんか、えー……?
330 自分:主人公っぽい俺 ※『』内は無線です[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:07:23.71 ID:dd33SOZP0 [6/15]
リーネ『キャー!芳佳ちゃん!?』
悲鳴にハッとする。宮藤を見ると、片方のユニットから煙を噴き出している。まさか、被弾した!?
俺「くそ、どうにでもなれ!」
シャーリー『あ、コラ!』
ハンドルを思いっきり回す。機体から痺れるような熱い魔力が俺の体に流れ込む。
体が焼かれそうだ。うわ、意識が……。
俺『ぐう、あっ、がはっ!』
シャーリー「俺!?おい、整備俺!どういう事だ!」
インカムからは俺の苦しそうな声が聞こえてくる。
全然大丈夫じゃないじゃないか!
整備俺『大丈夫。そろそろ始まるよ』
坂本「む、あの魔方陣は……。ほう、やはり完成してたんだな整備俺!」
整備俺『上手くいったみたいですね。ギリギリでしたけど、なんとか間に合いました』
シャーリー「はあ?何の話を……」
バルクホルン「お、おい。俺の背中を見ろ!」
シャーリー「?」
332 自分:主人公っぽい俺 >>329支援どもです![sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:13:32.66 ID:dd33SOZP0 [7/15]
空を見ると、俺の背中にシールドが張られた。いや、シールドより小さいし式も違う。あれは魔方陣か?
整備俺『見えたかい?その魔方陣は、オーバーブーストにより体内で処理仕切れない魔力を吸収、熱と光に変換して放出するための物だ』
坂本「魔力はコートに編み込まれた魔法糸を介して、背中に刺繍された魔方陣に伝わる。そして、魔法糸が発熱、発光するというわけだ。そうだろ?」
少佐は何でそんな事を知ってるんだ?
あ、そうか。私が整備俺に、少佐に聞けってアドバイスしたんだっけ。
あのズボンの時の……。
うわ、少し恥ずかしいことも思い出した。
整備俺『そうです。少佐のおかげでどうにか形に出来ました。これで、アイツが気絶する心配は無くなった。その代わり、魔力を駄々漏らしにするわけだから飛行可能な時間は3分しかない』
バルクホルン「3分だと?それでまともに戦えるはずないだろ!」
リーネ「お、俺君がネウロイに囲まれました!」
シャーリー「しまった!おい、避けろ俺!」
光と熱に誘われたのか、四機のネウロイが俺に迫っていた。
叫びは届かない、俯いた俺に四方からビームが直撃した。
直後に爆発音が響いた。
シャーリー「なっ!?」
攻撃したはずのネウロイが砕けた!?
しかも、四機全てがだ。もう何が起きてるのか、さっきから全然分かんない。どうやら、俺は咄嗟にシールドを張ったみたいだけど……。
一体なんだよ、あのシールドは。
整備俺『大丈夫さ。今のアイツを落とすには、中型ネウロイが100は必要だ』
334 自分:主人公っぽい俺 >>329 >>333 支援ありがとうございます[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:19:26.88 ID:dd33SOZP0 [8/15]
俺の前後左右には、四枚のシールドが輝いていた。
俺の身に、何が起きてるんだよ。
私の混乱なんか知りもしないだろう重傷人は、呑気な声でこう言った。
整備俺『さあ、3分間のショータイムだ』
――これは凄いよ、今ならどんな事でもできそうだよ。
俺「俺にも分かるよ。今ならどんな事でもできそうだな」
――じゃあ、何からやろうか。
俺「そんなの決まってる。俺の全ての力を使って、宮藤芳佳を助けだす!」
――了解、ご主人。全魔法回路、解放。魔力過流導(オーバードライブ)、いけるよ。
宮藤、俺は絶対君を助ける。そのための翼と力を、みんなに貰ったんだ。
俺「オオオオオオオオオバアアアアアアアアアアアッ!ドラアアアアアアアアアアアアアイブ!!!」
336 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:25:32.14 ID:dd33SOZP0 [9/15]
――Ya(了解)。固有魔法、
――『空間把握』
――『魔眼』
――『怪力』
――『超加速』
――『疾風
――『雷撃』
――『広域探査』
――『未来予知』
――『光熱』
――『弾道安定』
――平行制御開始、全固有魔法式を同時に展開。
その瞬間、魔力に込められていたみんなの想いが、俺の中に一気に流れ込む。
みんな宮藤を心配し、希望を俺に託してくれていた。
体から溢れる魔力は、全てコートに吸い取られていく。
コートは光輝き、光はネウロイの破片のようにキラキラと零れた。
最高の舞台衣装だ、カッコ悪い真似は出来ないよな。
337 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:31:12.51 ID:dd33SOZP0 [10/15]
ネウロイが周りを囲もうとする。けど、それら全ての位置も軌道も、未来さえ分かる。
右手にMG42を構え、左手で予備武装の拳銃を取り出す。
――4時下方から8、10時上方、下方からそれぞれ5。3秒後に一斉射撃が来るよ。
俺「了解!うおおああああ!」
全ての敵のコアを捉えた。坂本さんの魔眼から逃げられるわけがない!
引き金を引きながら、両腕を振り開く。
弾道補助を受けた弾丸は、外れる事無く目標を貫いていく。
爆発音がネウロイの数と同じだけ鳴り響いた。
――撃墜18確認。5時、8時からそれぞれ6、どうしようか。
俺「一気に振り払う!正面を突き抜けるぞ!」
――むちゃくちゃだね。そうこなくっちゃ。
宮藤の魔力が少なくなってるのを感じる。
モタモタしてる時間は無い。
最も敵が密集する敵陣中央へ向けて飛び込んでいく。
敵はこちらのすることを察したのか、ますます中央へ集まってくる。
――正面敵機、およそ80。内一機は中型だよ。
俺「構うもんか、全力で突っ込む!」
338 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:37:18.36 ID:dd33SOZP0 [11/15]
待ってろ宮藤、絶対に助けるから。
俺、君に伝えたいことがあるんだ。
その返事を聞くまで、俺は君を死なせるわけにいかないんだ。
――前方にシールドを多重展開。シールドに雷撃、光熱を付加。疾風、高速を発動。さあ、いこう。
俺「行くぞネウロイ!俺の突撃、止めれるもんなら止めてみろ!!!」
無数のネウロイが作る黒い壁に、俺は真正面から飛びこんだ。
宮藤「はあ、はあ。せめて、あのおっきいネウロイの大砲だけでも……」
みんなはちゃんと逃げ切れたかな。後ろを振り向く暇が無いけど、きっと大丈夫だよね。
目の前には私の何十倍もある大きなネウロイ。
坂本さんの話だと、一つのネウロイじゃなくて三つのネウロイが合体してるものなんだっけ。
エイラさんとサーニャちゃんが頑張って一つはやっつけたけど、それでもまだ十分大きい。
怖い。凄く怖い。だけど……。
340 自分:主人公っぽい俺 こんな時間まで支援、すまぬ…‥!すまぬ……![sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:43:51.53 ID:dd33SOZP0 [12/15]
坂本『止めろ!戻れ宮藤ぃ!』
リーネ『駄目、芳佳ちゃん!戻ってきて!』
ペリーヌ『あなた一人で、無茶ですわ!』
バルクホルン『宮藤、よせ!くっ、私が連れ戻す!』
ミーナ『駄目よトゥルーデ!あなたは魔法力が底をついてるじゃない!』
エーリカ『芳佳、戻れー!戻れってばー!!』
ルッキーニ『ふ……じゅ?よし……か?』
シャーリー『ルッキーニ!?
衛生兵、早くルッキーニを!宮藤、馬鹿な真似すんなよ!』
エイラ『や……めろ、みや……ふじ。くはっ』
サーニャ『やだ、エイラしっかりして!芳佳ちゃん、お願い、戻ってきて!』
みんな、ごめんなさい。ほんとにほんとに、ごめんなさい。
でも、このままじゃみんな死んじゃうかもしれない。
そんなの、嫌だよ。だから、私がみんなを助けるんだ。
お母さん、お婆ちゃん、みっちゃん。
お手紙も残さないで、ごめんなさい。
先に、お父さんのところにいってきます。
お父さんに怒られちゃうかな。
341 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:50:05.53 ID:dd33SOZP0 [13/15]
宮藤「……俺君に、さよなら、って言えなかったな」
私の、大好きな人。大好きで、私を守ってくれた人。
俺君に、もう一度だけ会いたかったな。
会って、ちゃんと、お別れ、言って。
俺君。
俺君。
きっと、無事に逃げ切ってね。
これからも、怪我とか病気とかしないでね。
それで、綺麗な人と結婚して、幸せになってね。
俺君。
私、俺君のこと、こんなに大好きになれて本当に良かったよ。
きっと、もう会えなくなっちゃうけど、もし私のこと、覚えていてくれると、とっても幸せだな。
俺君と、もっとお話したかったな。
もっと、お料理作ってあげたかったな。
一緒にご飯食べて、一緒に訓練して、お話したり、笑いあったりして。
もう一日だけ、一時間、一秒でもいいから、俺君に会いたいよ。
もっと、ずっと、この先もずっと、大人になっても、一緒にいたかったよ。
俺君、ずっと、大好きだよ。
いつの間にか溢れてた涙を、袖で拭う。
手に持つ烈風丸に、私の最後の力を全てあげよう。
全部の魔力を込めた烈風斬なら、この大きなネウロイも倒せるかもしれない。
そうしたら、本当に死んじゃうんだろうな。
嫌だよ、凄く怖いよ。
でも、やらなくちゃ。
さっきから、後ろで大きな音がしてる。きっとネウロイの攻撃だ。
今私がこのネウロイを止めなきゃ、一発で艦はやられちゃう。
俺君、私に勇気をください。
あなたを、みんなを守るための勇気を。
343 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 02:56:39.50 ID:dd33SOZP0 [14/15]
宮藤「私の魔法力を全部あげる。だから、お願い、烈風丸。私に烈風斬を撃たせて!」
私のお願いが届いたのか、烈風丸から光が吹き出す。体から、力が抜けていくのを感じる。
最後の力を振り絞り、刀を上段に構える。
これを振り下ろせば、全て終わるんだ。
目を瞑り、勢い良く振り下ろす。
宮藤「…‥さようなら、みんな。俺君」
俺「宮藤の魔力を独り占めなんて、ちょっと欲張りすぎだろ烈風丸」
烈風丸は、振り下ろされなかった。
振りおろそうとした私の手を、あたたかい手が包んでいた。
聞き覚えのある声に、知っている手の感触に、心臓がトクンと跳ねた。
俺「おまたせ、宮藤。迎えに来たぞ」
345 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 03:04:17.80 ID:dd33SOZP0 [15/15]
リーネ「お願い、俺君。きっと、芳佳ちゃんを助けてね……」
俺「宮藤、俺に力を貸してくれ。二人でなら、きっとできる」
宮藤「俺君となら、大丈夫だよ」
俺「これが、『ストライク・ウィッチーズ』だあああああああああああああああ!」
最終更新:2013年01月28日 15:47