『まもりたいもの』 その2

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520 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/20(木) 19:33:39.27 ID:1at2KLLQ0

俺「はっ!そう来なくっちゃあ!」 ニッ

そう言って手を握り返し、バルクホルンを引っ張り立たせる。
片足を怪我をしている為、あくまで優しくだ

ザザァァァーン・・・・・

海水がいつの間にか、膝下まで迫って来た。勢いも増してる気がする

俺「さてっ、俺と一緒に脱出して貰うぞ。バルクホルン」

バルクホルン「ああ勿論だ。こんな所で朽ちるつもりは無い。クリスに会う為にもな」

俺「よし!さっさと掴まった!時間無いぜぇ?」

バルクホルン「ああ!」 ガシッ

バルクホルンが俺の背に負ぶさり、両腕を俺の首に絡めてしっかり密着する

俺「うおわっ・・・」 グラッ

バルクホルン「す、すまない。・・・重いよな」

俺「いーや全然?軽いモンさ」 ハハハ

俺(どっちかってーと、水着越しの感触の方が気になる・・・)

バルクホルン「そ、そうか。なら良かった」 ホッ

俺(なるほど。あの時のエイラはこういう事ね)(※11話)

俺「これで無事に助かっても、もし助からなくても2人一緒だ」

バルクホルン「正しく運命共同体だな」

俺「ははっ。あんたとなら、悪くないな」

バルクホルン「私もお前となら、・・・いいぞ」

俺「そりゃあ光栄だ。・・・でも、そうそう死ぬ気はねぇってな!」

ザザァーン・・・

徐々に波が強くなってきた。心なしか先程よりも強くなる速さも上がってきたような気がする。あまり時間は無いようだ

俺「さてっ・・・」 スッ

目の前に聳える巨大な岩壁と、その上にある脱出地点となる穴を見据えると、意識を集中させて魔法力を開放する

ピョコン

使い魔である烏の黒い羽が、側頭部と後ろ腰から生えた

俺(チャンスも体も一つしか無い。ミスは許されない・・・)

俺(俺を信じてくれた、バルクホルンの為にも・・・!)

俺(邪念を捨てろ。集中だ。集中・・・・・ッ!)

俺(”牙”・・・!)

俺は戦闘中常に変換能力で弾に破壊力を込めている為、一般のウィッチと比べると銃撃の威力が非常に高い。
”牙”は物体に破壊力を宿らせる。それで上がる銃弾の威力が他のウィッチよりも高いのだ

しかし”牙”は物体の破壊力を著しく向上させるのと引き換えに、耐久性が低下して壊れやすくなる
攻撃力の代償として寿命が縮まってしまうのだ。使い捨ての銃弾とかならばそれも問題ないだろう

しかし剣などではそうはいかない。敵に大ダメージを与えるのはいいが、毎回剣が壊れてしまっては堪まった物じゃないだろう。(バスターソードは例外)

”牙”は銃弾のような使い捨ての物にこそ使うべき能力であって、本来繰り返し使用する物に使うべき能力ではない

───ましてや、それが自分の肉体となると尚更である───

ザザァーン・・・

俺(意識を両手足に集中・・・・・よし!)

俺(大丈夫、出来る。やった事ねえけど・・・)

俺(バルクホルンが一緒だからか・・・?何か出来るような気がする)

俺(あー・・・。なんか今なら”何チャラ波”とか撃てそう)

”牙”を手足に使い、魔法力を注ぎ込む

破壊の魔法力が宿り、両手を薄い青白い光が包み込んだ

俺(集中しろ。力を込めすぎても駄目だ。砕きすぎて下に落ちたら元も子もない・・・)

俺は聳え立つ岩壁に手をかけ、登り始めた

ガッ!

俺「くっ・・・」 ズキンッ!

俺(この程度ならっ・・・何とか・・・!) ガッ、ガッ

岩壁を砕き、自ら手足を引っ掛ける場所を作る。
これなら岩が多少湿り気を帯びていたり、ぬめっていたりしたとしても問題ない

ズキッ!ズキン!

両手足の先に激痛が走る。岩を砕いて登るなんて普通じゃない。故に手足への負担も大きいのである

それでも激痛に耐え、どんどん順調に登って行く

俺「へへっ、なんだよ。余裕じゃねぇか」

ズキンッッ!!
俺「ぐっ・・・」

バルクホルン「どうした、大丈夫か?」

俺「・・・大丈夫だ、問題ねえよ。むしろ順調。このままならすぐに───」


┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!!!!

俺・バルクホルン「!?」
524 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/20(木) 19:49:34.35 ID:1at2KLLQ0
俺「オイオイオイオイ!マジかよ!」
バルクホルン「急に水の勢いが・・・」

先程とは比べものにならない程の勢いで海水が、この地下洞窟に轟音と共に流れ込んで来ている。まさに激流だ

俺(なるほど。あの岩の削れ方はそう言う事ね───って、それどころじゃねえ!!)

流れ込む水量が急激に増した為、水嵩がどんどん増して行く。このままではそう遠く無い内に流れに飲み込まれるだろう

俺「ちょっとばかし荒っぽく行くぜ!?しっかり捕まりなぁッ!」

バルクホルン「あ、ああ!」 ギュウ~!

俺「行くぜええええええエエエッッ!!!」 ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!

先程よりも速く岩壁を登って行く。手足に激痛が走るが、そんなの気にしてなんていられない

しかし水嵩は、2人のすぐ下まで迫っていた

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!!!

俺「死ぬかよ・・・っ!」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!!!!

俺「死なせるかよっ!!!」

だが無慈悲にも荒れ狂う流れは2人に迫り来る。岩壁を削り取る激しい水流の魔の手が、2人を飲み込もうと手を伸ばした

俺(くそっ!くそ─────)

896 :試作な俺-14話 支援ありがとう[sage]:2011/01/22(土) 12:46:22.03 ID:5Nh+7fPY0

俺「・・・?」 ガッ!ガッ!ガッ・・・

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"!!!

水嵩の上昇が止まった。思わず周囲を見渡す

どうやら夢中になって激流から逃げ登るうちに、中腹を越えていたようだ。水嵩の上昇は止まっている

俺「に、逃げ切れた・・・」 ホッ

バルクホルン「今のは危なかったな。まさかこんなにも急激に流れの勢いが変わるとは・・・」

俺「でも、そのおかげでもう中腹越えたぜ。あと少しだ」 ガッ、ガッ・・・

俺(手足・・・やべえな。特に手)

暗くてバルクホルンには見えないが、俺の両腕は”牙”を使って酷使した為、酷く傷付いて出血している。
既に両手の平の皮膚は剥がれ落ち、赤い肉が剥き出しだ。体力もかなり消耗した

バルクホルン「すまない。大丈夫か?」

俺「・・・余裕余裕。ホント大丈夫だから、しっかり掴まってなよ」

バルクホルン「・・・わかった」

ガッ・・・ガッ・・・

――――――――――――――――――――

ガッ、ガッ・・・

897 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 12:48:26.96 ID:5Nh+7fPY0

俺「なぁ。こっから出たらさ、今度休日取って脱出記念でローマに行かないか?」

バルクホルン「ローマに?」

俺「ああ。2人っきりでだ。勿論任務とかじゃないぞ?観光に行くんだよ」

バルクホルン「観光・・・」

俺「だってこの前行った時はあんた何かの任務持ちだったし、ずっと上の空だったし。俺は1人で楽しんじゃってたし。ネウロイ出たし」

バルクホルン(確かに観光どころでは無かったな・・・)

俺「だからさ、また2人で。今度は一緒に遊ぶ為にだ」

バルクホルン「しかし・・・・・」

俺「たまには肩の力抜いて休もうぜ?あんただって、24時間年中無休で軍人してる訳じゃないだろうし、そんなんじゃ疲れて倒れちゃうだろ?」

俺「だからさ、気を締める時は締める。休む時は休む。それでいいじゃないか」

バルクホルン「・・・・・・・」

俺「ダメ、か・・・・・?」

バルクホルン「ふふっ、いいな。行こう」

俺「・・・・・!」 パアァッ

俺「ああ、行こう!絶対だぞ?約束だからなっ」

バルクホルン「ああ。約束だ」 ニコッ

898 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 12:51:14.99 ID:idSyq0+o0
支援支援

899 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 12:51:44.04 ID:5Nh+7fPY0

――――――――――――――――――――

バルクホルン(もう直ぐ頂辺だ・・・。脱出できる・・・)

下の方で激流が渦を巻き、ゴウゴウと音を立てている
だが自分達の足元より遙か下の出来事。もう脱出する自分達には関係の無い事だ

自分を担いでいる少年を、じっと見つめる

バルクホルン(あんなに虚弱だった俺が・・・懸垂の一回も出来なかった俺が・・・私までも背負っているのに、この巨大な壁を登り終えようとしている)

普段から飄々としていて、自由気儘な少年

とんでもない虚弱体質で、腕力でも自分の半分にも満たない少年

どこか危なっかしくて、寂しがり屋で放っておけない少年

自分に頼って貰えない事を嘆き、憤りを感じていた少年

だが今その少年が、怪我した自分を諦めないでくれている

自分を闇から連れ出してくれようとしている

自分の事を大切な人だと言ってくれた。守りたいと言ってくれた。

ギュッ・・・

自然と彼に抱き付く腕に力が籠もる。

彼の背中は、いつもよりも大きく見えた

900 :試作な俺-14話 支援感謝です[sage]:2011/01/22(土) 12:54:26.41 ID:5Nh+7fPY0

バルクホルン(もう、私が教える事なんて無いのかもな……)

トクン・・・、トクン・・・

バルクホルン(俺の心臓の動く音が・・・・・、俺の音が聴こえる)

バルクホルン(何故だろう?すごく聴き心地がよくて、安心する・・・)

バルクホルン(暖かい・・・) ギュッ・・・

――――――――――――――――――――

痛みに耐えながら登り続け、ようやく出口直前にまで辿り着き、穴の縁に片手を付いた

俺(よっしゃ!これで・・・!)

―――――脱出成功―――――

俺が心の中でそう確信した時────


< ド ゴ ン ッ !

その音が聞こえた

俺「何だ・・・っ?」

奥の方から。脱出地点となる穴を越えたもっと向こうから、振動と共に轟音が聞こえた。まるで、何かが床を砕いたかのような音が

バルクホルン「今のは一体……」

901 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 12:56:25.76 ID:5Nh+7fPY0

ガラッ・・・

バルクホルン「!! 俺!危な───」

俺「は?」

ドゴッ!
俺「がっ・・・・」

突如頭を襲う激しい痛み。一瞬視界が眩む

先程の轟音を伴った衝撃で、俺の直上の天井の一部の岩石が落ち、俺の頭部に直撃したのだ

 ガ ク ッ !

俺「! しまっ───」

バルクホルン「きゃっ!?」 ズルッ

俺「ぐっ!」 ガシッ!

ガラガラガラ・・・

岩の直撃を受けたショックで体制が崩れ、バルクホルンが背中からずれ落ちる

とっさに腕を伸ばして彼女の腕を掴み、もう片方の手は縁を掴む

穴の縁に片手でぶら下がり、もう片方の手でバルクホルンの腕を掴んで宙吊りになっていると言う状態になった

遙か下方では相も変わらず激流が、轟音を立てて渦巻いている

902 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 12:58:27.43 ID:5Nh+7fPY0

ビキィッ!

俺「ぐっ・・・!」

ブチッ、ブシュッ、グシュッ・・・

”牙”を使って腕を酷使し過ぎたせいか、バルクホルンの腕を掴んでいる左腕の肉がミシミシと裂け、嫌な音と共に激しく出血する

バルクホルン「!! おまえ、腕が・・・」

俺(くそっ・・・。力が入らねえ・・・!)

今俺は傷付いた腕、特に酷い状態の左腕一本で人1人の全体重を支えている
バルクホルンを助ける為には、その左腕でバルクホルンを縁の高さまで持ち上げなければならない。だが力が入らない。体力ももう限界だ

俺(くそ!何で動かねえんだよ!!)

バルクホルン「・・・・・俺、私を離せ。その腕で私を引き上げるのは無理だ」

俺「!」

バルクホルン「おまえはよくやってくれたよ。こんな所まで運んでくれたんだ。・・・もう、十分だ」

俺「っ・・・・・!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『出来損ない』  『失敗作』  『なり損ない』  『廃棄寸前』  『濫造品』  『消耗品』  『試作品』  『使い捨て』


《結局、おまえに誰かを守る事なんざ出来ねぇんだよ》


《おまえには誰も 救 え な い 》


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


俺「・・・・・・・」 ギリッ・・・

バルクホルン「腕がちぎれるぞ!早く!!」

俺「・・・ああ。そうだなぁっ!!」


ギ ュ ッ ! ! 


バルクホルン「な!?」

俺は手を離すどころか、バルクホルンの腕を力強く握りしめる

俺「約束しただろうが!2人で一緒に助かるって!!」

バルクホルン「だが、おまえの腕が────」

俺「はぁ?腕ぇ!?そんなモンどうって事ねえんだよ!」

俺「俺はなぁ!あんたが居てくれなかったら!あんたと出会えなかったら!もうとっくに死んでんだよ!!」

バルクホルン「!!」

俺「”人”としても! この”体”もなぁ!」

俺「だから! あんたを助ける為なら! 腕の一本や二本くらい─────」

904 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 13:01:56.83 ID:idSyq0+o0
流石に一本や二本や三本とか言い出したらどうするかと(ry

905 :試作な俺-14話 >>904ワンピースだっけ?[sage]:2011/01/22(土) 13:05:42.17 ID:5Nh+7fPY0

俺「安いモンなんだよおおおおおおオオオオオおおおっ!!!」 グィッ!!

叫びと共に、俺は全身全霊の力でバルクホルンを引っ張り上げる

一気に縁の高さまで引っ張り上げ、遂にバルクホルンは自らの手で縁を掴んだ

バルクホルン「! 着いた!」 ガシッ

バルクホルン「やったぞ俺─────俺!?」

 ズ ル ッ ・ ・ ・

俺「あっ・・・」 ガクン

どうやら今のが残された最後の力だったようだ
力が抜けて縁を掴んでいた手が離れ、俺はゆっくりと闇に吸い込まれて行く


一瞬が永遠に感じられる


(あっ・・・。これ・・・死ぬな……)


(溺死か・・・苦しいんだろうなぁ)


(くそっ・・・!一緒に行きたかったな。ローマ・・・)


(でも、今度こそちゃんと守れたよな?バルクホルン・・・・・)

906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 13:07:50.36 ID:idSyq0+o0
いや、むしろ某洋画だけどね
支援

907 :試作な俺-14話 それかジョジョかと思ったんだがどっちも違ったか・・・支援感謝[sage]:2011/01/22(土) 13:09:47.81 ID:5Nh+7fPY0

ガシィッ!


俺「!」

すんでの所でバルクホルンが、俺の腕を掴んだ

先程とは立場が逆で、全く同じ状態になる

俺「バ、バルクホル─────」


バルクホルン「つおりゃあああああああああああぁぁぁッッッ!!!」


 グ イ ッ !


俺「うおぁっ!?」


 ブ ン ッ !


 ド サ ッ !


バルクホルンが片腕で、俺を体ごと穴の上に放り投げ上げた。俺は地面に尻餅を着いたが、無事穴から出れたのだ


俺「さっ、さすがだな・・・・・」

そしてバルクホルン自身も穴から這い出て、無事上の洞窟に戻れた

今度こそ、無事に2人で脱出に成功したのだった

908 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 13:11:55.74 ID:5Nh+7fPY0

俺「・・・・・俺達、生きてるよな」 ゼェ……、ハァ……

バルクホルン「…………ああ」

俺「脱出成功・・・だよな?」

バルクホルン「・・・そうだな」

俺・バルクホルン「~~~~~~~!!!」

俺「よっしゃあ!やったぜコンチクショウ!!」

バルクホルン「そうだ!脱出成功だぞ!!」

互いの怪我の事も忘れ、2人は身を寄せ合って生還を祝う

俺「あっははははははは!!やったぜ!あんたが居てくれたからだよっ。最高だぜあんた!」

バルクホルン「何を言う。おまえが諦めないでくれたおかげだっ」

俺「いやいや。それもあんたのおかげだって。あんたが居てくれて良かったよ本当ッ」

バルクホルン「私だって、おまえが居てくれたから今生きて居るんだ」

バルクホルン「これでまた戦える。守れる。クリスにも会いに行ける」

バルクホルン「全部おまえのおかげだ、俺。本当にありがとう」 ニコッ

俺「っ・・・・・///」

909 :試作な俺-14話 ちょっと加速[sage]:2011/01/22(土) 13:15:32.42 ID:5Nh+7fPY0

俺「じゃ、じゃあ脱出成功は2人のおかげって事にしようぜ?」

バルクホルン「2人の?」

俺「どっちのおかげでもあるなら2人のおかげだ。それなら公平だろ?」 ニコッ

バルクホルン「っ・・・・・///」

バルクホルン「そ、そうだな///」

俺「んじゃ、2人のおかげで脱出成功って事で」 スッ

バルクホルン「……ああ!」 スッ

 グ ジ ャ ッ !

俺「Σ っ!!いってぇー~~~ッ!!!」 ジタバタ

バルクホルン「お、俺?」

脱出成功!って事で2人はハイタッチをしたのだが、手がぶつかって聞こえたのは乾いた音では無く、肉が潰れるような音だった

俺(手の状態忘れてたーッ!!超痛えぇーっ!!) ゴロゴロ

バルクホルン「俺。手を見せろ」 ガシッ

俺「あっ───」

バルクホルン「……!!」

バルクホルンは俺の両手を見る。
皮膚は剥がれ落ち、肉が剥き出しになっており、傷だらけだ

洞窟の中は薄暗くてよく見えなかったのだが、酷く出血している
痛々しくてとても直視出来た物ではない

バルクホルン「何でこんな・・・。ここまで酷く・・・」

俺「・・・体に使う技じゃないからな。本来」

バルクホルン(こんなになってまで、私の事を・・・)

ギュッ・・・

バルクホルンは両手で傷付いた俺の手を包み込み、自分の胸元で優しく包み抱く

俺「バ、バルクホルン・・・?///」

バルクホルン「・・・すまない。私のせいで、こんな」

俺「な、何言ってんだ!あんたの為なら腕の一本や二本、安いモンだって言ったろ?こんくらいどうって事無いって!」

バルクホルン「・・・・・すまない」

俺(あ~~~!もう!さっきまで笑ってたのによ!俺の大バカヤロー!)

俺(何か・・・・・・) チラッ

俺(・・・・・そうだ!) ピコーン!

911 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 13:18:26.57 ID:2JAmrKws0
俺「パリィ!」

912 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 13:18:28.27 ID:5Nh+7fPY0

俺「悪い。ちょっと離して?」(かなり名残惜しいけど)

バルクホルン「・・・?」 パッ

俺(よし) スタッ、クルッ

ゴソゴソ

俺はバルクホルンに背を向け、ゴソゴソと何かをしている

バルクホルン「俺・・・?」

俺「(・・・よし。)バルクホルンバルクホルン」

バルクホルン「何だ?」


 ク ル ッ 


俺「胸毛ーーっ♪」 ←海藻

バルクホルン「・・・・・・・」

俺「・・・・・・・」 ←ワカメ

バルクホルン「・・・・・・・」

俺「・・・・・・・」 ←ワカメ

913 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 13:19:29.34 ID:klLNxhzNI
試作さん来とるやないですか
超支援

914 :試作な俺-14話-まもりたいもの[sage]:2011/01/22(土) 13:20:17.14 ID:5Nh+7fPY0

バルクホルン「・・・ぷっ」 クスッ

バルクホルン「はっははははは。何だそれは(笑)」 クスクス

俺「そう。それだよそれ」

バルクホルン「え?」

俺「その顔。俺に気を使うくらいなら、そうやって笑っててくれ。あんたには笑っていて欲しい」

俺「俺、あんたの笑顔が好きなんだから」 ニコッ

バルクホルン「っ・・・・・///」

バルクホルン「あ、ありがとう・・・///」

俺「へへっ、どういたしまして」 ニコッ

こうして俺達は、激流の地下洞窟から無事に脱出した。
すぐに宮藤達にも合流し、怪我の手当てをしてもらった

その時少佐がまだ酔っ払っていて俺に飛びついて来たので、とっさに隣に居たペリーヌを盾にしてしまった

そして何かまた少佐がペリーヌに、その…………例の凄いキ、キスをして、ペリーヌは恍惚の表情を浮かべて身悶えしていた

悪い事したなと思ってすぐに謝ろうとしたのだんだけど、本人が思いのほか満足気だったのでやっぱりそっとしておいた

バルクホルンが無事で本当に良かった。少しは借りを返せたかな……

とりあえず、もう洞窟は懲り懲りだ

95 :試作な俺-14話 あ、ミスった。前スレ>>914からの続きです[sage]:2011/01/22(土) 23:20:04.16 ID:tbXpzbe60

<その日の夜・医務室>

俺「───そんで、どんくらい掛かるって?」

バルクホルン「・・・全治一週間だそうだ」

部屋の中央のベッドに、バルクホルンが寝かされている。右足は天井から吊った状態だ

俺はベッド脇の長椅子に座っている。左腕には包帯が巻かれ、三角巾で首に吊られて固定されていた

俺「いやー。ひでえ目に遭ったけどさ、それで済んで良かったじゃん。歩けなくなるとかじゃなくて良かったよ本当」

バルクホルン「・・・これでは訓練も、戦闘も何も出来ない」

俺「いいじゃねえか。たまにはゆっくり休めよ。あんたの居ない間の基地防衛は、俺に任しときな」 グッ

バルクホルン「・・・ふふっ、そうだな。頼んだぞ、俺」

俺「っ・・・・!」 パアァ

俺「お、おうよ!任せとけ!」 ビシッ!

バルクホルン「・・・そう言えば”約束”、ちゃんと守ってくれたな」

俺「約束・・・?」

バルクホルン「あの時のだ」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 23:20:50.96 ID:3eC/8iN6O
午後のシエンタ
97 :試作な俺-14話 >>93服は着てくれww支援感謝です[sage]:2011/01/22(土) 23:22:34.11 ID:tbXpzbe60

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔バルクホルン『のぼせて倒れるなんて・・・、まったく仕方のない奴だな』〕

〔俺『こ……、この借りはすぐに返すぜ。あんたが倒れた時は、俺が運んでやるよ』〕

〔バルクホルン『ふふっ、軟弱なおまえでは無理だ』〕

〔俺『』 カチン〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


俺「約束ってアレか・・・?よく覚えていたな」(※8話)

バルクホルン「まぁな」

バルクホルン(ちゃんと実行してくれたな・・・)

俺(そういえば宮藤達はあそこで何やってたんだ・・・?聞くの忘れてたな)

バルクホルン「・・・・・俺」

俺「・・・ん?」

バルクホルン「聞いてもいいか?」

俺「何を?」


バルクホルン「地下洞窟で言っていた、”昔大切な人を守れなかった”ってのは、どういう事なんだ・・・?」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 23:23:09.81 ID:eb/m/n+RO
おいおい!本スレでは試作、避難所では忍者…… 今夜も豊作だぜ!!! 支援だ!!

99 :試作な俺-14話 おおっと忍者さんktkr。支援多謝[sage]:2011/01/22(土) 23:26:05.73 ID:tbXpzbe60

俺「・・・・・そのまんまの意味だよ。俺は昔、大切な人を守れなかった」

俺「・・・・・俺が弱かったせいでな」

バルクホルン「家族、か・・・?」

俺「記憶喪失だから家族の事は覚えてねーつーの」

俺「そうだな・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔『ねえねえ!あなた昨日の夜のウィッチでしょ?』〕

〔『昨日は助けてくれてありがとう♪名前を教えてくれると嬉しいなぁ~』〕

〔『な、無いって事はないでしょっ。教えてよぉ・・・』〕

〔『”ゼロ”・・・?かっこいい名前だねっ♪』〕

〔『あっ。私の自己紹介がまだだったよね』〕

〔『私はアンジェ。アンジェリーナ・エクステルミ。”アンジェ”って呼んでね?』〕

〔『ちょっ、名前負けしてるとか言わないでよー・・・。気にしてるのに……』 シュン〕

〔『それじゃあ、よろしくねっ。ゼロ♪』 ニコッ〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


俺「親友・・・・・かな」

バルクホルン「その人は・・・?」

俺「死んだよ」

バルクホルン「!」

俺「……俺の目の前でネウロイに体の半分を消し飛ばされて、な」

バルクホルン「・・・・・すまない」

俺「いや、いいって別に」 ハァ

軽い溜め息。2人の間に沈黙が流れる

やがて、俺が口を開いた

俺「・・・この前、あんたの言った通りだったんだよ」

バルクホルン「え?」

俺「そいつが死んでからさ、俺は憎しみだけで戦ってたんだ。ネウロイ共に怒りをぶつける事で、色々忘れようとしてた」

俺「だけどそれも長続きしなかった。怒りは消え、残っていたのは絶望だけ。”俺には誰も守れない。誰も救えないんだ”ってな」

俺「だからあの時はローマであんたが言った通り(※6話)、俺は自暴自棄で戦ってたんだよ。”どうにでもなれ”って思ってた」

俺「文字通り、ただ命令に従って壊すだけの歯車だったんだよ」

バルクホルン「・・・・・・・」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 23:32:38.32 ID:DxesO4ca0
エクステルミ!

103 :試作な俺-14話 >>102我ながらもうちょいマシな名前は思いつかなかったのかと[sage]:2011/01/22(土) 23:35:05.17 ID:tbXpzbe60

俺「……でも、だからこそだ」

俺「過去はもういい。俺はあんたやみんなを守りたい。守る為に戦いたい」

俺「だからあんたの事と・・・・・あんたの守りたい物を守る」

俺(それが、俺に出来る精一杯だ・・・)

バルクホルン「・・・・・・・」

俺「・・・・・・・」

バルクホルン「・・・・・駄目だ」

俺「!?」

俺「ど、どうして!」

守る事が出来なかった。救う事が出来なかった。だから憎んだ

俺は壊す事しかしなくなった。憎しみの示すままに殺し続けた。そして憎しみすら忘れ、何も残らなかった。戦う理由なんて…………、とっくに失っていた

戦えと言われたから戦っているだけ。逃げる事も出来ないから戦ってるだけ。自分が死にたくないから戦ってるだけの歯車だった

でも、そんな俺でも仲間を見つけられた。また、誰かを守りたいと思えた。守りたい人が出来た

命令されたからじゃない。歯車だからじゃない。”人”として、自分の意志で守りたいと思った。生きる意味を見つけられた

それなのに─────

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/22(土) 23:38:27.83 ID:DxesO4ca0
うんにゃ、いいと思う。
エスペラント語ってなんか語感が不思議ですよね。

105 :試作な俺-14話 >>104どもです。でも所詮オリキャラ()なんだよね・・・[sage]:2011/01/22(土) 23:40:42.47 ID:tbXpzbe60

俺「なんで・・・なんでだよバルクホルン」

俺「アレか?やっぱり俺が弱いからか?そんな奴が守るだなんて烏滸がましいって───」

バルクホルン「違う!」

俺「っ!」

バルクホルン「・・・一緒にだ」

俺「えっ・・・」

バルクホルン「私達は守られるだけじゃない、お互いに支え合ってこその仲間なんだ。一人では駄目なんだ」

バルクホルン「だから、一緒でなくては駄目だ。自分が守られる事も考えろ。仲間が共にいれば、可能性は無限に広がる筈だ」

俺「!」

俺「守られる、か・・・・・」

バルクホルン「ああ、そうだ」

俺「・・・・・・・」

俺「ははっ・・・。やっぱり強いよな。あんた」

バルクホルン「そうか?」

俺「ああ、強すぎ。俺なんかよりもずっと・・・ずっとな」

106 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/22(土) 23:44:46.20 ID:tbXpzbe60

俺(・・・でも、出来ればやっぱりあんたやみんなには戦って欲しくない)

俺(戦場じゃあ命なんて安いモンだ。一瞬で失われる。……一瞬でな)

俺(みんなには、そんな危険な所に出向いてなんか欲しくないんだよ)

俺(あんたは…………あんた達は強い。俺なんかよりもずっと・・・。眩し過ぎるんだよ、あんた達は)

俺(でも、そんなあんた達だからこそ守りたい。傷付いて欲しくない)

バルクホルン「俺?」

俺(それに─────)

俺(多分きっと・・・・・これが俺の”役目”何だろうからな)

俺(俺の事はいいんだよ。無意味だった歯車としての戦いの中に、戦う意味が出来た。見つけられた。それで…………十分だ。十分な筈だ)

俺(だから、どうせ流れが変えられないというのなら、せめて─────)

俺(俺はみんなの為に、みんなを守る為に─────)

バルクホルン「俺、どうしたんだ?」 ヌッ

俺「へっ?」(顔近ッ!///)

いつの間にかバルクホルンが体を半分起こして、黙って考えこんでいた俺の顔を覗き込んでいた

バルクホルン「急に黙ってどうした?」

俺「あ、イヤ別に。何でもない・・・」

109 :試作な俺-14話 [sage]:2011/01/22(土) 23:51:40.53 ID:tbXpzbe60

バルクホルン「?」

俺「と、とにかくだ」 コホン

改めてバルクホルンに向き直り、じっと目を見る。バルクホルンも俺の目を見つめる。

俺「守るだけじゃなく、共に支え合ってこそが仲間だというのはわかった」

俺「だからあんたと、あんたの守りたい物を守る。いや、共に守らせてくれ」

バルクホルン「・・・ああ、勿論だ。共に戦おう」 ニコッ

俺「あ、ああ!」 パアァ

バルクホルン「それなら、お前も私ももっともっと強くならないとなっ。私も自分より弱い者に守られるつもりはない。
       怪我が治ったら、すぐに特訓再開だ!」 ビシッ!

俺「よっしゃ!やるぜ!」

俺「待ってろよ?めっちゃ強くなって、模擬戦とかでもすぐにあんたに勝てるようになってやるからなっ」

バルクホルン「私にか?」

俺「そうだ。そんでもって、テウルギストだとかバスターライフルだとかが無くても、みんなを守れるくらい強くなってやる」 キリッ

バルクホルン「ふふっ、そうか。・・・だが、私も簡単には負けるつもりはない」

バルクホルン「私に勝てるようになる日を、楽しみしているぞ?」

俺「へへっ、楽しみにしててくれ」 ニッ

110 :試作な俺-14話 [sage]:2011/01/23(日) 00:00:05.49 ID:Efxw1Qg00

スッ

バルクホルンは、俺に右手を差し出す

俺「バルクホルン?」

バルクホルン「トゥルーデだ」 ニコッ

俺「えっ・・・」

バルクホルン「これからは公儀の場で無い時には、トゥルーデと呼んでくれ」

俺「…………いいのか?」

バルクホルン「いいも何も、お前と私の仲だろう?」

俺「・・・!」

バルクホルン「仲と言っても同郷の好みだとかでは無いぞ?(おまえの出身不明だし)その、私はおまえの事を家族・・・いや、家族なのはみんな同じなんだが、その・・・、何だ」

バルクホルン「おまえを、背中を預ける事の出来る戦友(とも)だと、掛け替えのない仲間だと思っている」

バルクホルン「おまえと出会ってそこまでの時間が経った訳では無いが、様々な事が沢山あった。今更他人行儀な呼び方をする必要もあるまい」

俺「だが・・・・・」

バルクホルン「イ、イヤか・・・?」

俺「・・・・・・・・」

111 :試作な俺-14話 sage]:2011/01/23(日) 00:03:47.43 ID:Efxw1Qg00

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔ダルシム『あの小娘共が余計な首を突っ込んでくると、こちらとしても困ります』 〕

〔ダルシム『だから、馴れ合いはほどほどにする事ですね』 〕

〔俺『………………』 〕

〔ダルシム『それに、あなたの為でもあるのですよ』 〕

〔ダルシム『あなたは彼女らとは『違う』。あそこに在る物は……、あなたには二度と手に入らないものだ』 〕

〔俺『二度とも何も……、一度でも手に入れてた記憶なんてねえよ』 〕

〔ダルシム『……そうでしたね』 〕

〔ダルシム『とにかく、中途半端に光に当たってしまう事はお勧めしませんよ』 〕

〔ダルシム『あなたは自分が生きる事だけを考えていれば良いのです。自分の命以外に執着しない方がいい』 〕

〔ダルシム『必要が迫られた時、自分が死にたくなければね……』〕

〔俺『………………』〕

〔ダルシム『ま、そんな可能性は杞憂でしょうけどね』〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/23(日) 00:09:07.93 ID:Rve+J7A/O
支援

113 :試作な俺-14話 支援マジ感謝です[sage]:2011/01/23(日) 00:11:56.45 ID:Efxw1Qg00

俺(・・・・・でも)

俺(呼び名くらいなら、いいよな・・・・・?)

俺「そんな事無い。嬉しいよ」 ニコッ

バルクホルン「・・・///」(良かった・・・!)

俺はそう言って差し出されたバルクホルンの手を握り締める

俺「改めてよろしくな。トゥッ…、トゥ・・・・」

俺「トゥルーデ///」

バルクホルン「あ、ああ!よろしく。俺///」

2人は固い握手を交わし、改めて共に戦う事を誓う

しかしお互いの間の距離は、以前と比べて大きく縮まっていた

――――――――――――――――――――

俺「・・・っと、そろそろ消灯か。部屋に戻らなくちゃな」

バルクホルン「もう行ってしまうのか・・・?」 シュン

バルクホルン「・・・仕方ないか。軍規だ」

しばらく他愛の無い話で盛り上がっていたが、消灯時間が近付いたので俺が切り出す
バルクホルンは少し寂しそうな顔をする

115 :試作な俺-14話 支援感謝ナンダナ[sage]:2011/01/23(日) 00:15:54.44 ID:Efxw1Qg00

俺「そ。とりあえず今日はもう戻るけどさ。その・・・」

俺「明日も・・・来ていいか?」

バルクホルン「・・・!」

バルクホルン「ああっ!勿論だとも」

バルクホルン「じゃ、じゃあさ。怪我が治るまでは、毎日トゥルーデに会いに来てもいいか?」

バルクホルン「当然だ。待っているぞ///」

俺「っ・・・」 パアァ

俺「よっしゃ!じゃあ、また明日も来るよ」 ニコッ

バルクホルン「ああ。また明日」 ニコッ

俺「それじゃっ」 スタッ

テクテクテクテク・・・

バルクホルン「あ、俺ッ」

俺「ん?」 ピタッ、クルッ

長椅子から立ち上がり、医務室から出ようとした俺を、バルクホルンが呼び止める

俺「何だ?」

116 :試作な俺-14話 ギリギリ終わりそうだしさっさと終わらせるかー[sage]:2011/01/23(日) 00:17:40.55 ID:Efxw1Qg00

バルクホルン「ローマ。楽しみにしているからなっ」 ニコッ

俺「・・・!」

俺「そうだな。怪我治して、休暇がとれたら行こうぜっ」

バルクホルン「ああ。おやすみ、俺」 ニコッ

俺「おやすみ、トゥルーデ」 ニコッ

ガチャッ、キィッ・・・、ガチャン

ポフッ・・・

1人になったバルクホルンは起こした体をベッド寝かせ、目を閉じて今日あった事を思い出す

バルクホルン(俺と2人でローマか、楽しみだ・・・♪)

バルクホルン(足が治ったら、ミーナに休暇を貰おう。何時がいいかな・・・)

バルクホルン(この前みたいに俺に車を運転して貰って、2人で街を巡って色々な物を見て、2人で食事をして、それから・・・)

ガバッ!

眠りかけていた意識を、体を起こして再覚醒させる

バルクホルン(ちょ、ちょっと待て!何をこんなに浮かれているんだ私は?カールスラント軍人たる私がこんな……)

117 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/23(日) 00:19:00.91 ID:Efxw1Qg00

バルクホルン(いくら何でも気を抜き過ぎだぞゲルトルート!自重しろ!)

バルクホルン(我が祖国は依然、ネウロイに占領されている。奴らはロマーニャにまでもその手を伸ばそうとしている)

バルクホルン(それなのに、私がこんな体たらくでどうする?浮かれ過ぎだ!)

バルクホルン(全員が全員私のように考える必要は無い。だが、私まで気を抜いては────)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔俺『たまには肩の力抜いて休もうぜ?あんただって、24時間年中無休で軍人してる訳じゃないだろうし、そんなんじゃ疲れて倒れちゃうだろ?』〕

〔俺『だからさ、気を締める時は締める。休む時は休む。それでいいじゃないか』〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


バルクホルン(・・・・・・・)

ポフッ・・・

起こした体を再び寝かせ、枕に頭を沈めて再度目を閉じる

バルクホルン(まぁ、今回ばかりはいいか・・・)

バルクホルン(俺、か・・・・・)

バルクホルン(いい奴だよな。初めて会った時は、とんだひねくれ者が入隊して来たと嘆いたものだ・・・)

118 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/23(日) 00:20:31.90 ID:Efxw1Qg00

バルクホルン(でも、それは違ってた。あいつは迷っていただけなんだ。話せばちゃんと分かる奴だった)

バルクホルン(「守りたい」か・・・。過去に親友を亡くした恐怖が、あいつにそう思わせているのか?)

バルクホルン(一体何があったんだ・・・?いつか話してくれないのだろうか)

バルクホルン(しかし、改めて言われると恥ずかしい・・・というか、くすぐったいものだな)

バルクホルン(さっきも私の事を守りたいって・・・。大切な人だって・・・・・///)

バルクホルン(・・・・・/////)

地下洞窟で自分に頼って貰えない事に嘆き、己自身に憤慨していた俺の事を思い出す

バルクホルン(まさか私の行動が、あそこまで俺を追い込んでしまっていたとは・・・)

バルクホルン(あいつは、私やみんなに助けられた事に負い目を感じていたのか)

バルクホルン(馬鹿者が・・・。家族なんだから、助け合うのは当然じゃないか)

バルクホルン(守りたいのは私も・・・いや、私達も同じだというのに・・・)

バルクホルン(本当にわかっているのか?俺・・・・・)

私を運んでくれていた時のあいつは、とても頼もしかった。

守ると言っていた時は、心から決意しているように見えた。

そこには明確な、とても強固な意志が感じられた。覚悟を決めた物の目をしていた

初めて会った時とはまるで違う。あいつなりに思い悩んで、決意した結果なのだろう

119 :試作な俺-14話[sage]:2011/01/23(日) 00:22:44.15 ID:Efxw1Qg00





─────でも、何故だろう?




あいつの事が時々、とても脆く、儚く見える




まるで・・・、目を離していたら、今にも消えてしまいそうに────────





――――――――――6日後――――――――――

<D特殊実験戦闘部隊専用船・ラオホウ>

研究者A「───強化型魔導エンジン、両機とも良好です」

研究者B「リミットシステム、正常な動作を確認。テウルギスト、オールグリーン」

助手「い、以上で調整は終了です……」

ダルシム「・・・ふむ、ご苦労様です」

助手(ね、眠い・・・・・)

ダルシム「さて、ようやくテウルギストの全調整が終了しましたので、これで全ての準備が整った事になります」

研究者A「・・・・・では?」

ダルシム「・・・ええ」


ダルシム「明後日、テウルギストの最大加速実験を行います」


ド  ン  ッ  !  !  
最終更新:2013年01月29日 15:17