最上の空陸両用
前ページからのあらすじ
オペレーションサラマンドラ実行中
みんながピンチだ!急げ<俺>少尉!と言ってみるテスト
88 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 20:47:26.39 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊
………
……
…
宮藤「<俺>さん!坂本さんたちが!」
俺(目標までは…ここだと最大射程ぎりぎりだし、ノーマークで撃てる貴重な一射目だけど)
俺「わかった!ここで一射する、あと少しまって…!」走行止め、片膝をつく。
ペリーヌ「あと少しって、どれくらいですの!
いい加減、もう少佐たちももちませんわよ!」
俺「あと少し。近づくと危ないですよ」背中から砲身引き出し、肩上で構え。
ペリーヌ「だから、あと少しって…!」
俺「あとちょい。もういい耳塞いで!」弾種、榴弾。照準あわせ。 上すぎるとダメ、味方がいる。直射でいく。
中段あたりの枝ふりのいいあたりを狙う。うまく当てられれば。
ペリーヌ「あなたねえ!!」
俺「、い、ま!」70mm戦車砲、発射。
GABBOMMB!!
ペリーヌ「んきゃあ!」
89 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 20:50:55.18 ID:3kHHo4Qo
妖樹上空
………
……
…
サーニャ「…妖樹に向けて高速で飛来する物体を検知!」
坂本「なにっ!?」
DoDOM!!
ルッキーニ「うっひゃああああ!」
エーリカ「な、なんだあ!?」
坂本「これは…ヤツか!
ミーナ!」
ミーナ『ええ、坂本少佐。これは俺さんの火砲による攻撃よ』ザザー
バルクホルン「これは…なんて破壊力、それに爆発半径なんだ。
ふっ…なるほど、あいつめ。 大口を叩くだけの事はあったようだな」
坂本「そうか…そうか!
はっはっは、ヤツめ、やっと来たか…!
よぉし!みんな、支援砲火も到着だ、このまま一気に攻め落とすぞ!」
90 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 20:55:58.22 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊
………
……
…
宮藤「すごい。大砲…」
俺「……ああクソッタレ、微妙にずれた。
やっぱこの距離じゃ狙った場所に当てるのは無理だ」
ペリーヌ「あうう…耳がぐわんぐわんいいますわ」
俺「あ…すいません」
ペリーヌ「お、お気になさらずとも結構です!
それより、進むんでしょう?行きますわよ。
<俺>さん、ここから先は完全に妖樹の防衛圏内ですし、あのど派手な砲撃のあとじゃ
さっき射撃したときみたいにノーマークとはいきませんわよ」
俺「ノーマークどころか…ネウロイがうじゃらうじゃら来ていますね。
陸に何体か、空に…いっぱい」
(まだ建造中だったせいか、陸戦ネウロイが少ないのはラッキーだなコレ)
宮藤「大丈夫です、私とペリーヌさんで守りますから!
<俺>さんはさっきの大砲で妖樹を!」
ペリーヌ「空のネウロイはわたくしたちにお任せなさい。
だから、地上のネウロイの対応はお願いしてもよろしくて?」
俺「了解。それじゃ、行きましょう」
91 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 20:59:30.92 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊、進撃中
………
……
…
ペリーヌ「…この、落ちなさい!」ガガガガッ
ペリーヌ「上は安全を確保しましてよ、<俺>さん!」
俺「くたばれっ!」ドドドドドッ
俺「こっちは対空砲タイプを落としました!
もうこっち来ても大丈夫です!」
宮藤「すごい…。
私たち、すっごいいいケッテ(三機編隊)じゃないですか!
これだったらもう絶対勝てますよ!」
ペリーヌ「一機は地上機ですから、正確にはケッテとは言えないような気もしますわね。
…しかし、ずいぶんな火力ですわね」
俺「今日の俺は戦車砲にサブマシンガンと手榴弾、それに12.7mm重機関砲装備ですからね。
普段よりかは火力高いですよ」
ペリーヌ「…でも、やっぱり地上を走らなきゃならないせいか、
予想以上に進行速度が遅いですわね」
俺「あう。そうですね、すいません。もっと急がないとまずいですね」
宮藤「だ、大丈夫ですよ!頑張りましょう!」
92 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:02:10.00 ID:3kHHo4Qo
ミーナ、シャーリーペア(空中司令部)
………
……
…
シャーリー「こいつでトドメ!」ドンッドンッ
ミーナ「ありがとうシャーリーさん」
シャーリー「いいってことさ。
それにしても、ここにまでネウロイが来るなんて、
もう完全に混戦になっちまったな」
ミーナ「作戦開始からすでに60分以上が経過…
みんなの気力も、弾薬も限界に近いはず。
今日はそろそろ撤退を考えないといけないわね」
シャーリー「でも、アレを壊しきれてないのに、いいのか?」
ミーナ「みんなが頑張ってくれたおかげで、破壊率は50%を超えているわ。
これで少なくとも橋頭堡としての【戦力の保存蓄積】は出来なくなったはず。
今日の戦果としてはそれだけでも充分よ」
ミーナ「坂本少佐、聞こえる?これ以上は危険よ、撤退を…」ガガピッザー
ミーナ「駄目だわ、通信が通じない…。
シャーリーさん、悪いけど、坂本少佐たちのところへ行って撤退準備の伝達をお願い。
私はペリーヌさんたちの所に行きます」
シャーリー「オッケー、全速力で行ってくるよ」
93 名前:以下、
三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 21:04:18.71 ID:5RDtBq60
しこしこ支援
多分最上さんは今後もズボンを汚さずにお楽しみいただける作品になるとおもうんだ、ヘタレだし…
94 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:05:19.12 ID:3kHHo4Qo
妖樹上空
………
……
…
サーニャ「……!もう、魔力が…」ドシュッドシュッ
エイラ「坂本少佐、サーニャが、もう…!」
坂本「わかった、サーニャを一旦後退させろ。エイラ、お前が直掩に付け」
DOOMM!!
坂本「<俺>の2射目か、確かに心強いが…しかし、もうこれ以上は」
ミーナ『坂本…佐、聞こえる?これ……はきけ……』ザザ、ガガッピッ
坂本「ミーナ…?ミーナ!
くっ、駄目だ、通信が…」
(だが、多分ミーナもそろそろ限界を感じているのだろうな…頃合いか)
坂本「バルクホルンッ!!
撤退準備だ、私が他のメンバーを取りまとめる。
お前はハルトマンと共に敵の包囲網を破ってくれ!」
バルクホルン「了解した、いくぞ、ハルトマン!」
ハルトマン「ん、オッケー。
いこう、トゥルーデ」
95 名前:最上の空陸両用 >93支援あり。しかし今日はズボン下ろせる場面はないのじゃ、すまぬ[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:07:26.09 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊
………
……
…
宮藤「<俺>さーん!あたりましたあ!」
俺「りょうか…ぶふぉ!?」
ドカーン
俺「やりやがったな、消し飛べクソ野郎!」ズガガガガ
ペリーヌ「だから、汚らしい言葉遣いはおやめなさい!
それにしても、かなりの威力ですけれど、もう少し早く撃てませんの?」
俺「はぅ!す、すいません。
…でも弾数少ないし、こいつは構えないと発射できないんでコレが限界です。
それに撃ったら移動しないと敵のマトになっちゃいますし。
それより、もう少し近づきたいんですけどいいですか?」
ペリーヌ「これ以上進むのは危険な気もしますけど…仕方ありませんわね、もう。
守って差し上げればよろしいんでしょう!?」
俺「ありがとうございます!
じゃ、行きましょう!」
宮藤「<俺>さん、張り切ってますね!私も頑張らないと」
ペリーヌ「もうちょっと上品に張り切ってほしいものですわね!」
96 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:12:03.44 ID:3kHHo4Qo
◇◇◇◇◇◇
疾走、跳躍、そうして進めば進むほどに戦闘ごとの間隔が狭まる。
それを繰り返しているうちに、いつしか妖樹が作る陰に入り、
いつしかのっぺりとしか見えなかったオブジェの、その金属製の皺や罅が見れるようになり、
そしてもはや、今は見上げるには首を大きく曲げないとならないほどになった。
三射目はまだ撃てないでいる。
敵が撃つようなスキを与えてくれないのもそうだが、弾があと2発…榴弾が1、徹甲弾が1、それだけしかない。
次撃つときは「必殺」の攻撃として撃ちたい、そうじゃないと意味がない。
俺は次に撃つ弾を「必殺」にするための、妖樹への適切な射撃ポイントを探してひた走る。
正直な話、この九四式70mm戦車砲は俺のFw61で装備するには少々荷が重い装備だ。
本来の陸戦ストライカーであれば、あるいは走行中の砲撃すら可能でさえある戦車砲を、
俺は、Fw61は「停止して、構える」という野戦においては致命的な手順を踏まないと発射できない。
でも、この装備ならば妖樹を撃てる。俺でも戦果を挙げられる。この隊の力になれる。戦果だ!
戦果、それがあればミーナ中佐が与えてくれた「根拠のない信頼」に、根拠を裏打ちすることができる!
そして今、俺は「そこ」を見つけた。この砲弾を「必殺」にするための位置を。
その場所に居座り、俺を砲撃してくるクソ野郎の攻撃をシールドで撥ね飛ばし、
両手のサブマシンガンをありったけぶち込み、この世から叩き出す。
予備含め全弾を消費したサブマシンガンを投げ捨…てるのはきっと輜重や整備に怒られるので
ハードポイントに差し戻しつつ、滑りこむようにその場所を占拠し、構え。
「必殺」用に取っておいた、たった一発の徹甲弾を装填。
坂本少佐に教えられ、頭に叩き込んだ妖樹のコア目がけて砲口を向ける。
戦車砲は重い、照準にも時間がかかるのが厄介だ。
もたもたと、教官が見ていたらケツを蹴り飛ばされるほどの時間をかけて、急いで照準合わせ…よし。
いい感じ、これなら…これなら…。
発射。
97 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:17:00.41 ID:3kHHo4Qo
妖樹上空
………
……
…
坂本「…!?」
DZGGOOW!!
バチュン!
ビシ、ビシビシ…
ルッキーニ「にゃ!?」
リーネ「砲弾が、コアごと妖樹を、貫通…しました」
シャーリー「うっはぁ…たまげたなあ。
撤退指示を伝えに来たのに、遅かったかあ?」
坂本「シャーリーか!? そうか、ミーナの指示だな。
…そうだな、どうやらこれで…」
ゴゴゴ…ゴゴ…
バルクホルン「妖樹が、崩れていく…」
98 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:18:43.67 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊
………
……
…
ペリーヌ「妖樹が…崩れていきますわ!」
宮藤「や…やったあ!<俺>さん、やりました!」
俺「…マジで?
い……い、いいいいいやっほ」ズズゥン!「うぎゃああ!」
宮藤「<俺>さん!大丈夫ですか!?」
俺「だ、大丈夫です…って、落ちてきたのは…こ、これわ…
妖樹の、枝、ですか…?」
ゴゴゴゴゴ…ゴゴゴ…ガガゴゴゴン…
ペリーヌ「よ、妖樹が崩れてるせいで構造物が落っこちてきているんですわ!
というか…こ、これは…」
宮藤「わたしたちのほうに?」
俺「倒れてきてるうううううぅぅぅ!!!???」
ペリーヌ「…逃げますわよ、二人とも!!」
99 名前:最上の空陸両用 今思ったけど、この木何の木倒したら[ピー]立に怒られるよね・・・[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:22:31.18 ID:3kHHo4Qo
陸上攻撃隊、退避中。全力退避中!
………
……
…
宮藤「ね、ネウロイまで来てるー!」ガガガガッ
ヒュィン
ペリーヌ「わたくしたちを追っているのか、それとも妖樹から逃げてるのか
よくわかりませんわね。まあ撃ってくる事には変わりありませんけど!」ドガガガッ
バシュッ
俺「あわわわわ!
あの、お二人は上空に退避してください!
上に逃げればアレに潰されることはないですから!!」
ペリーヌ「おバカな事を言うのはおよしなさい!」
宮藤「もう、ダメですよ!一緒に逃げればきっと逃げ切れます!」
俺「ありがたいっす!ぶっちゃけ一人で死ぬのはちょっと怖い!いや死なないけど!
っていうかなんでアレ崩壊しないんだよおおおお!!
コア撃っただろおおおお!!」
ペリーヌ「そんなの知りませんわよ! 文句いってないで、走りなさい!」
……
…
宮藤「こ、ここまで来れば、さすがに妖樹が倒れてきても大丈夫でしょうか…?」
俺「…でも、この先進んでいくと、切り立った海岸じゃなかったかな?」
宮藤「え?」
100 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:25:31.89 ID:3kHHo4Qo
ペリーヌ「た、確かにが、崖ですわ!
<俺>さん、お止まりになって!」
宮藤「ど、どうしましょう…<俺>さん…」ガガガガッ
俺(崖の下は海流の荒い海、か)
俺「……。
まぁ、コイツらも俺と同じで逃げ場がなかったって事だわなあ…。
しかしまぁ、地上ネウロイさんが行列作るように追いかけてくるってのもなかなか壮観な眺めですな」ピンッ
ペリーヌ「<俺>さん、何を…?
今更手榴弾などを持ち出して、何をなさろうと言うんですの?
この数では、どれだけ倒しても焼け石に水ですわ!」ドガガガッ
俺「お二人は、坂本少佐たちに合流してくださいね…俺も、ただでやられるつもりはないですから」ポイッ
ドドォン
俺「おうおう、こっち来てるこっち来てる。
そうだ来い、もっと…もっとだ…!」ピンッピンッ
宮藤「<俺>さん!」
俺「下がれ、宮藤!
…くったばれやああ!」ぽぽいっ
ドドォドォン
ペリーヌ「そんな…死ぬ気ですの…!?」
101 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:28:02.28 ID:3kHHo4Qo
◇◇◇◇◇◇
もちろん、死ぬ気なわけがない。
敵は多数だが、それでも生存の公算は十二分にあるのだ、一応。
手榴弾はあと5個あるし、頼みの綱の重機関銃は健在。
最後の武器として、腰には扶桑刀だって差している…いや、剣は使えないけど…それはそれ、これはこれ。
それに…最悪、崖から海に飛び込めばなんとでもなる。波が荒いのが恐ろしいが、それもまたそれはそれ。
防戦しかできないが、防戦し続けていれば他の味方が来てくれるはず。
敵の戦略拠点は潰したんだし、そうなってくれるはず、だから…。
3個の手榴弾の安全ピンを一気に抜いて、「これが武士のぉぉ!!」と投擲。
…3回連続でぽいぽい手榴弾を投げるなんて単純行動を選んだ俺がバカだった。またはアホか?
手榴弾を投げたその次の瞬間に、目ざといネウロイの一匹(一人?)が射撃。
5メートルも離れていない位置で手榴弾が撃ちぬかれ誘爆する。
ぎりぎりでシールドは張れたが衝撃は殺しきれず、吹き飛ばされる。
揺れる頭を抑えつつ顔を上げたもうその時には、4,5匹のネウロイさんが間抜けな顔をこっちに向けて砲撃寸前。
いや、ひょっとしたら今は俺のほうが間抜け面かもしれんな…。
そんな下らないことを考えた瞬間に、ネウロイのビームの赤光が目を貫く。
…その一瞬後に、俺の名を呼ぶ女の子の声が、聞こえた気がした。
華奢なシルエットと優しい青い光が視線を埋めた。
視線を埋めたそれが弾かれ、そのまま俺の真横を吹き飛び、そして崖の向こうに落ちていく。
宮藤?
あれは。
宮藤!
迷う暇もなく、迷う気もなく、俺は崖に向かって飛び降りた。
102 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:29:58.09 ID:3kHHo4Qo
俺「みやふじいいいい!!」
宮藤「は、はい!」
俺「え?」
俺「え?」ひゅーん
宮藤「<俺>さん!?」
俺「お!」
(まえ無事だったのかよ!?)
俺(吹っ飛ばされたようですがちゃんと飛んでます明らかに無事ですほんとうにありが)
ペリーヌ「<俺>さん!」
俺「……!」
(手を…せめてホバリング…できないいいい)
どぼーん!
宮藤「<俺>さああああああん!!」
ペリーヌ「…経緯はともかく、こうなってはもう勘弁なりませんわ…!
巻き込む相手もいない今、遠慮無くすべて吹き飛ばして差し上げますわ。
…トネール!」
103 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:31:26.30 ID:3kHHo4Qo
全力トネール一発であっさりネウロイ殲滅
………
……
…
ペリーヌ「この豆狸!もう少しだけお待ちなさい!
ごらんなさい、すぐにミーナ中佐がいらっしゃるわ!」
宮藤「でも、早く助けにいかないと、<俺>さんが、<俺>さんが…!」
ペリーヌ「わ、わたくしだって、助けに行きたいですわよ!でも、こんな荒れている海に
あなたが闇雲に飛び込んでいったって遭難者が増えるだけですわ!」」
ミーナ「こんなところにいたのね、ペリーヌさん、宮藤さん。
妖樹の下は混乱状態だったからずいぶん探したわ…<俺>さんはどうしたの?」
宮藤「ミーナ中佐!<俺>さんを助けてください!」
ペリーヌ「<俺>少尉が、戦闘中に崖から落ちて海に…。
このあたりは海流が急で、目算もなく海に飛び込んでも危険だというのに
宮藤さんが潜って助けにいくと聞かなくて…わたくし、わたくし…!」
ミーナ「…!
わかったわ、ペリーヌさんありがとう。
私の空間把握で探ってみるわ。
宮藤さん、坂本少佐たちのところに行ってサーニャさんを連れてきてちょうだい。
彼女の全方位広域探査と一緒に探せば、きっとすぐに見つかるわ」
宮藤「は、はい!」
104 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:32:43.54 ID:3kHHo4Qo
戦闘が終息したのでサーニャと宮藤に全員付いてきました。
………
……
…
サーニャ「…だめ、反応がありません」
ミーナ「海中は空とは勝手が違うわ、私の空間把握でも捉えられないわね…」
リーネ「周囲を飛んで確認しましたけど海上には姿が見えません…どうしたら」
坂本「マズイな、宮藤たちの話では、落ちてからもうかなり経過している…!
ミーナ、もうこれ以上は待てない、私に行かせてくれ。危険は承知だが、見殺しにはできない」
エーリカ「なら私もいくよ。
波が荒くたってシュトゥルムで海を切り裂いてやれば溺れないよ、たぶん!」
バルクホルン「いくらお前でもそんな器用なマネができるものか!
まぁ、心配しているのは私も同じだ、私も行く」
ミーナ「そうね、もうこうなったら…」
サーニャ「…!? 反応、あり…」
宮藤「サーニャちゃん、ホント!?」
坂本「どこだ?どこから反応がするんだ、サーニャ!」
サーニャ「…すぐ近く…あの、真下から…上がってくる?」
105 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:34:26.39 ID:3kHHo4Qo
◇◇◇◇◇◇
もう、これは間抜けとしかいいようがない。
てっきり宮藤は撃ち落されたのだと思いきや、無事だったんだな。普通に飛んでたし。体勢整えてたし。
そして俺は陸戦仕様のストライカーで崖に飛び出して、ホバリングも出来ずアワレ海中に没したわけで。
まあ宮藤が無事だったのはいいけど、これではいかにも格好がつかない。
装備荷重が重すぎるためか、全く浮き上がる気配すら見せずぶくぶく沈んでいき、
遠ざかる海面を眺めながら、運良く海流に揉まれることもなく海底に着地したのがだいたい4,5分前。
とりあえず、焦って3回ほど装備を担いだまま泳ぐのにチャレンジしたが、失敗。
もうこうなったら仕方がない。戦車砲や機関砲をパージして、浮き上がるしかないと判断。
塩辛さを我慢して、水中で深呼吸一回、心を落ち着かせる。
銃火器は全て捨てて、扶桑刀のみ装備して、いざ海底から跳躍。
そのまま、するすると海面に向けて泳いでいき…
◇◇◇◇◇◇
サーニャ「…すぐ近く…あの、真下から…上がってくる?」
俺「ぶふあ!!」
宮藤<俺>さん!よかったあ…!」
俺「いや、宮藤さんも無事でよかったです。
あれ…それに、みな、さん…?あの、あれ、ミーナ中佐…どうかしましたか?」
ミーナ「……。 ええ、まあちょっと。それより…<俺>さん?」にこっ
俺「えっ?な、なんでしょうかミーナ中佐…」 (…え、なにこれコワイ、もう一度沈んだほうがマシかもしれない…)
ミーナ「無事なのは嬉しいけど、ちょっと、いろいろと聞かないといけないことがあるとおもうのよ?」にこにこ
106 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:35:23.52 ID:3kHHo4Qo
島に音もなく雷鳴轟き…
………
……
…
坂本「つまり、お前は水中でも呼吸ができるという固有魔法があるのだな」
俺「ハイ、ソノトオリデス坂本少佐」
ミーナ「そして、いざとなったらその能力を使って海に逃げればいいと思っていた、と言うことね」
俺「ハイ、ソノトオリデスみーな中佐」
バルクホルン「さらに、その固有魔法は人ひとり程度なら体を自分に引き寄せることで
効果を人に分け与えられるから、その能力で宮藤を助けようとして崖から飛び下りたわけか」
俺「ハイ、ソノトオリデスばるくほるん大尉」
ミーナ「なるほど…大体の事情はわかりました。
まぁ、状況としては作戦はあなたの活躍もあって、成功したので
ひとまず一件落着という所だけれど…ヒトコトだけ言わせてもらってもいいかしら?」
坂本「なら、私にも一言言わせてくれ」
バルクホルン「いや少佐、この際三人で一斉に言おう。それでは…」
「「「そういう大切な事はあらかじめ言え!!」」」
俺「ひいいいいいいいっ!!?
す、すみませーん!!」
107 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:36:04.73 ID:3kHHo4Qo
ミーナ「作戦終了、全機帰投!…みんな、よく頑張ってくれたわ、本当にありがとう」
………
……
…
俺「あの…すみません、坂本少佐。わざわざ少佐に背負っていただくなんて…」
坂本「ん?はっはっは、細かいことは気にするな。
本来こういうのはバルクホルンのほうが得意なんだろうが、今日のバルクホルンは重武装だからな。
それより、もうちょっと力を込めてしがみついてこい。振り落とされても知らんぞ」
俺「は…恐縮です」ぎゅっ
坂本「うん、それでいい。
それにしても、今日はお前の大金星だな。
あの大砲の一撃は大したものだったぞ」
俺(む…筋肉はすごいけど、それ以外は意外に普通に柔らかい…)
(て、アホか俺は。溜まってんのか?落ち着けカスが)
俺「あ、ありがとうございます。
ただ、海に落ちちゃったときに戦車砲とか全部落として来ちゃいましたけど…。
うわはははー、艦長たちに文句言われるだろうなぁ」
ミーナ「<俺>さんは今日は大活躍だったんだもの、大丈夫よ。
私からも、最上の艦長さんたちにはお話をしておくから…」
俺「あ、ありがとうございますミーナ中佐。助かります」
108 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:39:02.84 ID:3kHHo4Qo
俺「……ふぅ」
坂本「<俺>? どうした、急にだまりおって」
俺「…いえ、その、なんか、俺はようやく役に立てたと思ったのに最後にどじっちゃったなあ、と」
坂本「ふむ?」
俺「俺、いや私は、501に来てからずっと足を引っ張ってばかりだったので…。
だけど、今日やっと…あの妖樹のコアを撃ちぬいたとき、俺、やっと
今日までの借りを返せたと思ったんですけど、最後の最後に大ポカしちゃって…もうなんというか…」
坂本「? …私からは顔が見えんが、まさか泣いてるのか?」
俺「う、うははは、すいません。いや、泣いてなんてないですよ。
ちょっと自分の情け無さに涙がちょちょ切れるって感じでしょうか」ごしごし
(…なんて無様だ、かっこ悪すぎる)
坂本「こらこら、一体何を泣くことがある。
なんだ?作戦が終わって気が抜けたのか?」
俺「ううう…いや、泣いてるわけじゃないんです。ホントです!ホントですよ!」
(自然反射で涙だけ出てるようなもんだからノーカンだよなこれは)
坂本「?」
俺「いや、海に潜っていたので目が痛いのです、はい」
坂本「ああ、なんだ、そういうことか。
はっはっは。心配したじゃないか」
109 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:40:51.81 ID:3kHHo4Qo
ミーナ「…まあ、固有魔法の件については確かにちょっと困ったし、
あなたが海に沈んでた間はとても心配をさせられたけれど。
でもね、<俺>さん、前も言ったことだけど、私は、とてもあなたを頼りにしているのよ。
それに、今回の作戦の事で、これからはさらに頼りにしちゃいそうね」
坂本「うむ、今回のお前の働きは素晴らしかったぞ。
お前が進言してくれなければ、私たちは火力を欠いて今日中の作戦の完遂は成らなかっただろう。
あんな化物の巣窟にまた行く羽目になったかも知れんと思うとまったく恐ろしい限りだ。
お前の、欠点を含めて自分の能力を正確に測る冷静さと発想の柔軟さ、私も頼りにさせてもらおう」
俺「あう、いやいやそんな、ほんとにたいしたもんじゃないんです。
どうぞお手柔らかにお願いします…」
坂本「はっはっは!
褒めているんだからもっと胸を張っていいんだぞ!」
ミーナ「そうよ、<俺>さん」
俺「は、は…」
坂本「やれやれ。胸を張れと言っているのに逆に萎縮してどうする。
しかし、さすがに今日は私も疲れた…」
110 名前:最上の空陸両用[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:41:19.39 ID:3kHHo4Qo
坂本「みんな、本当にご苦労だった。帰ったら風呂だ!そしてメシにしよう!」
111 名前:最上の空陸両用 今日はこれで終わり。長らく失礼しました[sage saga] 投稿日:2010/12/04(土) 21:42:16.03 ID:3kHHo4Qo
――――
艦長「イイオハナシダッタナー」
副長「いやはや、<俺>少尉もしっかり役に立ったようで、なによりですな」
艦長「うむ…ところで副長。
覚えている人がいるか不安だが、通例なら最後のシメは
エイラさんサーニャさんの役目のはずだが、なぜ今日は我々がここにいるのだろう?」
ミーナ「それは、私からお話があるからですよ」にっこり
副長「おお、ミーナ中佐。今日は大変な一日でしたな。
しかし作戦が成功してなによりで…あの、笑顔がコワイのですが」
ミーナ「まずは、<俺>少尉が作戦上やむを得ず一部武装を破棄したことについての連絡です。
許してあげてくださいね?許してあげてくださいます?はいありがとうございました。
(・ω・;;)イエアノ
そ・れ・と♪
<俺>少尉の固有魔法について、なぜ私に通達がなかったのか釈明を聞きに参りました」うふふ
艦長「…副長、教えてないの?」
副長「……記憶にございません(汗」
ミーナ「さあ、ゆっくりおはなしを伺いましょうか」にこにこ
Nice boat.(巡洋艦的な意味で)終わり
112 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 21:51:46.05 ID:iEqohoMo
乙!
113 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:58:32.46 ID:u5C4VcI0
乙。
続きの気になってたSSの一つでした。
133 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 23:28:29.36 ID:sIDmkZ.o
空陸両用どころか海中もOKとか
なんというオールラウンダーww
スパロボでいうとBAB-な最上さんなんだ…
最終更新:2013年01月30日 14:05