No.9 天蓋星ダイソン・スフィア

登録日:2012/09/18 Tue 15:25:37
更新日:2025/05/06 Tue 17:15:51
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現れろ、No.9!

我が背負いし運命よ、今こそ銀河を飲み込む巨大な大地となりて降臨せよ!

天蓋星(てんがいせい)ダイソン・スフィア!


テキスト

エクシーズ・効果モンスター
ランク9/光属性/機械族/攻2800/守3000
レベル9モンスター×2
(1):このカードより高い攻撃力を持つモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分メインフェイズ1にこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このターン、このカードは直接攻撃できる。
(2):X素材を持っているこのカードが攻撃されたバトルステップに1度、発動できる。
その攻撃を無効にする。
(3):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された時、自分の墓地のモンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。

概要

遊戯王ZEXAL』に登場するNo.(ナンバーズ)の一体。
アニメにおける所有者はカイトトロンフェイカーアストラル

第8期第2弾「ABYSS RISING」にてOCG化を果たし、OCG史上初のランク9モンスターとなった。

V兄様「KONAMIもまたOCG化を望んでいるようだ

(1)でダイレクトアタッカーとなり、殴り返されたら(2)で自衛、(3)でX素材を補充して(1)と(2)を再使用するという、戦闘に特化していて自己完結した効果を持つ。
ステータスは高く、(2)もあるので戦闘には滅法強いが、耐性は一切なく、効果によって簡単に対処されてしまうのが弱点。
登場当時のカードプールでも、いざ場に出てもに噛まれたりに刺されたりしただけで消し飛ぶ醜態を晒す恐れがあった。
しかし、多くのXモンスターが抱える「蘇生や帰還に成功しても、X素材がなく置物同然になる」という弱点を(3)で解消しているのは魅力と言える。

このように決して弱いカードではないのだが、問題はレベル9×2体という重さ。
登場当時と比較してカードプールが充実した第12期現在でも、レベル9・ランク9の層は薄く、サポートも手厚いとは言い難い。
加えて、高速化した環境においては、先攻で用意できる制圧効果の価値の向上が著しく、戦闘に特化した効果しか持たないモンスターはごく一部の例外を除けば軽視されがちである。

このカードと同じレベル9×2で出せるランク9には、まさにそうした制圧・妨害効果を持つカードとして、
  • セットで採用することで、相手のフィールド・墓地のカードをフリーチェーンでX素材にできる《影の王 レイヴァーテイン》《永の王 オルムガンド》
  • カードの種類・形式を問わず対象にも取らない除去や、先攻でのハンデスが可能な《幻子力空母エンタープラズニル》
  • 対処可能な範囲がX素材に左右されるが、効果自体は発動無効+破壊と心強い《神樹獣ハイペリュトン》
  • 条件はやや受動的ながら除去・妨害が可能で、X素材があればその数まで攻撃できる3300打点と、アタッカーとしても優秀な《K9-EX “Werewolf”
などがいる。

こうした時代の流れから、制圧とは無縁で効果での対処もされやすいこのカードは、レベル9・ランク9主軸デッキにおいても採用の優先度は低め。
とはいえ全く席がないかと言えばそうでもなく、1枚入れておけば詰めの一手となり得るため、EXデッキの枠が余っていれば入れてもいいかもしれない。

V兄様ごっこに全力を注ぎ、同パックで登場した《タンホイザーゲート》を発動して出してみるのも一興である。

V兄ト様「私を過労させる者は地獄の業火に包まれる

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》とは相性が良く、相手の厄介なモンスターを退かしながら、(1)の発動条件を満たせる。
こちらからはダイレクトアタックができ、相手の城之内ファイヤーは(2)の効果により届かない。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》のバーンも合わせて、一方的に相手のライフを削っていく事ができるだろう。

バーン効果こそないが、相手の場に高打点のモンスターを用意できるという点では壊獣とも相性が良い。
特に《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》はレベル9なので、相手の場に《怒炎壊獣ドゴラン》か《壊星壊獣ジズキエル》を送り付けつつ場に出せば、《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》のX素材になれる。

先述の通り、第12期時点でもランク9のモンスターはそう多くなく、環境の変化もあり、このカードを率先して使える時は少ない。
だが今後、レベル9・ランク9のカードプールやサポート、レベル9展開に長けたカテゴリが増えた時には、《幻子力空母エンタープラズニル》が活躍できるだろう……あれ?

Vニート様「今はまだ私が働く時ではない

元ネタは吸引力の変わらないただ一つの掃除機……ではなく、「ダイソン球」という仮説上の人工建造物。
恒星のエネルギーを効率よく利用するためにその全体を覆う、バカでかい宇宙ステーションのようなものである。
本来は隙間無く完全に恒星を覆うのだが、このダイソン・スフィアはちゃんと覆っていない。仕事をする気はないのであろう。

関連カード

《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》と同じく、「ABYSS RISING」でOCG化されている。

  • 《タンホイザーゲート》
通常魔法
自分フィールド上の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター2体を選択して発動できる。
選択した2体のモンスターは、その2体のレベルを合計したレベルになる。

アニメでVが使用した通常魔法。
攻撃力1000以下かつ種族が同じモンスター2体を対象に取り、そのレベルを足し合わせる効果を持つ。
Vはこれでレベル4の《惑星探査車(プラネット・パスファインダー)》とレベル5の《太陽風帆船(ソーラー・ウィンドジャマー)》をレベル9にし、《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》をX召喚した。

  • 重力砲(グラヴィティ・ブラスター)
装備魔法
機械族モンスターにのみ装備可能。
1ターンに1度、装備モンスターの攻撃力を400ポイントアップできる。
また、装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、
バトルフェイズの間だけその相手モンスターの効果は無効化される。

同じくアニメで使用された装備魔法。《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》の姿が大きく描かれている。
装備魔法ながら、攻撃力アップが永続効果ではなく、1ターンに1度使える起動効果という変わったカード。
使う度に強化が積み重なり、このカードが場から離れても強化された攻撃力はそのまま維持される。
アニメでは無効効果によって《銀河眼の光子竜》による除外を阻止し、戦闘破壊してみせた。

アニメ・漫画での活躍

今までのアニメの展開やセリフなどから、ニートと呼ばれ続けてきたV兄様の初デュエルで登場。
先攻1ターン目から召喚し、太陽を覆う程でかいから相手にステータスやテキストが分からないという謎ルールでカイトを追い詰めた。*1
しかし、V兄様のニート癖のせいでしばらくデュエルが中断され、その間にカイトが覚醒。
超銀河眼の光子龍》により効果を無効化され、V兄様ごと1ショットキルされた。

この時の《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》の効果が無効化された演出と破壊されていく演出は美しく、一見の価値がある。

しかしそのデュエルに敗北した事によってV兄様は再びニートと化して長い眠りについてしまった。

その後、カイトに回収されカイトVSトロン戦でまさかの再登場を遂げた。
この時にカイトは師匠であるV兄様への敬意を込めるように口上を放っており、絆の表現が上手くできている。

しかし現れてからは《銀河眼の光子竜》の攻撃力上昇に努めただけで、トロンの操る《No.8 紋章王ゲノム・ヘリター》によって効果も攻撃力も奪われて破壊された。
仕事をしているのかしていないのか分からない奴である。

ニート「俺に合った仕事が無い以上仕方あるまい!

ちなみに、アニメではナンバーズ共通の戦闘破壊耐性があり、ダイレクトアタックの効果を発動するのに条件が無かった。
戦闘自体を無効化するのにナンバーズ共通の耐性に意味があったのかは不明である。
あとNo.ではなくこのカードだけを指定している専用サポート《スペースゲート》が存在する。
また、ナンバーズの待機形態である「ニュートラル体」はまんま球体。

漫画版ではアストラルが使用し、《No.93 希望皇ホープ・カイザー》の効果でリクルートされたナンバーズとして登場。
が、一応攻撃に参加した《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》、失敗したもののフィニッシャーを任された《No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス》、その攻撃力アップに貢献した《No.6 先史遺産アトランタル》と異なり、コイツはただ出てきただけで終わり、返しのターンでホープに粉砕された。
まさかいない所でもニート化するとは……



ニート様「分からないだろうな……今の私の追記・修正は君の理解を超えている

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カオス・エクシーズ・チェンジ!
現れろ、CNo.9!

天空を覆う星よ、森羅万象をその内に宿し、今ここに降臨せよ!


天蓋妖星(てんがいようせい)カオス・ダイソン・スフィア!


弟二人のモンスターに続き、カオス化を果たした。
OCGにはPREMIUM PACK 16で登場。

CNo.9 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/光属性/機械族/攻3600/守3200
レベル10モンスター×3
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカードのX素材の数×300ダメージを相手に与える。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(3):このカードが「No.9 天蓋星ダイソン・スフィア」をX素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を任意の数だけ取り除いて発動できる。
取り除いた数×800ダメージを相手に与える。

戦闘を介する吸収効果、素材の数を参照するバーン効果と、ダイソン・スフィアからの進化効果として素材を消費してのバーン効果を持つ。
ナンバーズ耐性以外はほぼアニメそのままの効果だが、2番目のバーン効果の係数がダウン、進化時の雲隠れ効果が消えている。

相変わらず効果への耐性が全くないが、効果を受けないモンスターでなければ戦闘さえできれば吸収してしまう上、回数制限が一切ないので、連続攻撃を付与すれば相手モンスターをまとめて素材に変えてしまえる。
ダイソン・スフィアからランクアップした場合、進化効果を得たうえで素材は3つ。バーンで900、ダイレクトアタックできれば3600、進化効果で2400、総計6900ダメージを叩き込める超攻撃型のモンスターとなる。

ランクアップにこだわらずとも、レベル10は列車をはじめ、出しやすいモンスターが多いため、直接X召喚してしまうのも手。
【列車】ではキーカードの《転回操車》が地属性・機械族のサポートなので若干噛み合わないが、機械族サポートは共有可能。
なので、ランクアップよりも吸収効果を生かすためにダイレクトで呼ばれることが多い。
RUMが不要なため、事故のリスクがないのも利点である。


アニメでの活躍(2)

ミザエル戦で登場。先にIIIが発動し墓地に送られていたアージェント・カオス・フォースを魔法カードで手札に引き戻し、別のカードで蘇生したダイソン・スフィアをカオス化して召喚された。
カオスエクシーズ・チェンジの演出が凄いことになっており、普通は進化前のモンスターエクシーズが暗い穴に吸い込まれて爆発、という共通演出のはずが、コイツだけ地球の周りをオーバーレイユニットと化したダイソン・スフィアが周回し、地平線の向こうからカオス・ダイソンが姿を現す、というものだった。

IIIのカオス・アトランタルでタキオン・ドラゴンを装備した上でミザエルのライフを1まで削り、コイツで削りきるという戦術だったが、ミザエルが自身の魔法カードとのコンボ用に用意していたバーンメタカードで二つのバーン効果を防ぎきられ失敗。

最終的には全容を現したネオ・タキオンに破壊された。

ちなみにアニメではなぜか闇属性だった。




追記・修正は本領を発揮したニートの力でカオス化してからお願いします。


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最終更新:2025年05月06日 17:15

*1 どうもこの時はニュートラル体だった模様。