メタモルポット

登録日:2010/12/19 Sun 08:50:10
更新日:2025/04/01 Tue 07:29:52
所要時間:約 5 分で読めます




メタモルポットとは、『遊戯王OCG』に登場したモンスター。
ポット(ポッド)モンスターの一角でもある。


概要

《メタモルポット/Morphing Jar》
リバース・効果モンスター
星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600
(1):このカードがリバースした場合に発動する。
お互いの手札を全て捨てる。
その後、お互いはデッキから5枚ドローする。

初出は「BOOSTER5」。
お互いの手札を全て捨てた後に5枚ドローという、単純かつ豪快な効果を持つ。

相手にもドローさせるというデメリットを無視すれば、驚異の5枚ドローを実現でき、ドローソースとしては間違いなく最上のものである。
その高い手札交換能力故、現在でも様々なデッキに採用されている。
2004年9月~2024年12月の約20年間に渡って制限カードに指定されており、それにふさわしい汎用性を持つと言えるだろう。

相性が良いのは手札の枚数に応じて攻撃力が上がる《サイレント・マジシャン》や《オシリスの天空竜》、《トラゴエディア》などか。

ハンド・アドバンテージを強引に対等に持っていくため、手札が少ない状況であればある程その効力は大きくなる。
このカードを使う場合は手札を無駄にしないよう、魔法・罠カードはありったけセットするのがベターである。


回転率の激しい【E・HERO】や手札消費の激しいデッキには特に高い利用価値がある。
また、ドローしつつ手札を捨てられるため、【暗黒界】とは大変相性がいい。
ただし、相手にしたときの相性は最悪であるが……


様々な使い方があるが、現在では【デッキ破壊1キル】の主要パーツとしての運用がこの壺が最も輝ける瞬間だろう。

簡単に言うと、

1.《メタモルポット》をセット

2.《太陽の書》や《ADチェンジャー》でリバース、効果発動

3.《月の書》や《皆既日食の書》で再びセット

2.に戻る

…を繰り返してお互いのデッキを削った後に《手札抹殺》を発動、デッキ切れ勝利を狙う。

いわゆるコンボデッキの1つであり、上手いこと回れば先攻1キルも可能であるが、上手く回らなければ何も出来ないという恐ろしく不安定なデッキである。
またルール的にも「1ターン3分以上のプレイは負け」という制約があるため、扱いは難しい。
というか後述の事情からこの方法による1キルはかなり難しくなっている。
しかし、高速で壺がリバースとセットを繰り返し手札とデッキが吹き飛ぶ様はなかなか愉快なので、ソリティア好きな人や性格悪い人は組んでもいいかもしれない。

ちなみにコンボを完成させるために大量の魔法カードを高速で使用しまくるため、デッキの特性を知らない人が見れば、曰わく手品のようにも見えるらしい。


地味に【ライトロード】に強い……ような気がしなくもない。
というか回り始めれば宣告者のような手札誘発、デッキ破壊メタの《ネコマネキング》ぐらいしか止める手段がない。
起動させれば相手に抵抗を許さずゲームセットへ向かう、という点では「遊戯王界のMoMa」とも言える。

もっとも、所定のパワーカードを適当に詰め込めば機能するあちらとは違い、構築難度もプレイング難度もこちらが上回り尚且つ不安定である。


現在ではエラッタにより構築不可能だが、かつてはより凶悪な《サイバーポッド》や《現世と冥界の逆転》(エラッタ前)を使うタイプもあり、環境のトップメタに準ずる立場にあった。


ちなみに相手からすれば何も出来ないのにひたすらドローと手札捨てを繰り返さなければならないため、なかなかイラつくデッキである。
友人相手に1キルなんてした日には友情にヒビが入る可能性大なのでほどほどに。


他にも《神殿を守る者》と併せて使うことで相手の手札を0にして自分だけ手札補充したり、様々な悪巧みができる大変素晴らしいカードである。色んな意味で。

あなたがこのカードを愛用し、かつ上手く使いこなせているならば、人格面はさておきあなたは間違いなく腕の立つデュエリストであるといえよう。


弱点

かように汎用性が高く様々な嫌がらせを実現できるカードだが、弱点もそれなりにある。


  • 発動が読まれやすい(事前にカードを大量に伏せる等の予備動作により警戒されがち)
上記の通り、このカードの効果を活かす際は自分の手札損失を極力避けるため、魔法・罠カードは可能な限りセットするのが望ましい。
ただし、そんなことをすれば真っ先にこのカードの存在が疑われることは言うまでも無い。
逆に言えば、相手プレイヤーがいきなりカードをセットしまくった時はまずこのカードを疑うべきだろう。

対人戦ならこれをブラフにした高度なプレイングもある。
セットカードの中に《スターライト・ロード》や《大革命返し》が紛れているのはよくある話。
ライトロード】でも使われることがある。「諸刃の剣」だが。まあつまり普通に変態である。
第8期終盤以降は【アーティファクト】の存在もあるので、そこら辺を加味したプレイングも必要。
しめしめと《ハーピィの羽根帚》を撃ってしまうと、アーティファクトがまとめて特殊召喚されてえらい事になる。


  • 相手にも莫大なアドバンテージを与える
ハンデスをさせた上でドローをさせるというのは、相手にとってデメリットにもメリットにもなりうる。

相手が何らかのコンボを狙うための手札を揃えていた場合、ハンデスによってそれを潰すことができる。
しかし、相手のデッキが【暗黒界】だと分かった場合、絶対に発動してはいけない。
何せ「相手のカードによる発動」だと見なされてしまうため色々悲惨なことになります。
しかしまぁ前述の通り暗黒界とは相性が良いので、向こうが発動することもしばしばある。
【暗黒界】を相手にした場合、時たま《強制転移》とかで送りつけられてくるのはこれを利用したコンボである。

ゴルドシルバ「ようよう、呼んだかい?」

無論、絶望先生や一部「魔轟神」も同様に華麗に推参されます。

またドロー効果についても、《手札抹殺》と異なり「必ず5枚ドローする」効果なので、デッキを削ると捉える事ができる一方、手札を増強させてしまう事にも繋がる。
相手の手札が少ない時に発動するのはなるべく控えるのが望ましい。


  • 相手の手札誘発に弱い
上でも触れたが、現在メタポ1キルを決めるのはかなり厳しい。
相手のデッキを全て引かせきるということは、デッキ内に手札誘発が入っていた場合どこかのタイミングで相手は確実にそれを引くということである。
昔は宣告者ぐらいしかなかった手札誘発だが、《エフェクト・ヴェーラー》、《幽鬼うさぎ》が出始め、ついに《灰流うらら》まで登場。
罠カードでありながら手札から発動できる《無限泡影》なんていうのも。

1キルを狙う場合は絶対にこれらのカードをどこかのタイミングで引かれてしまうのでケアは絶対条件であり、難易度は格段に高くなった。


  • リバースモンスター共通の弱点
《メタモルポット》の効果を活かすには、フィールドにセットしなければ始まらない。
そのため、《抹殺の使徒》などの伏せモンスター除去や、《ダーク・シムルグ》のようなセットを封印してくる効果は天敵。

しかしそれ以上に問題なのは、高速化が進んだ現環境に対するリバースモンスター自体の遅さ。
ぶっちゃけ、このカードが制限解除にまで至った最大の要因もこれである。
特に現在はモンスター除去の手段も豊富なので、リバース効果を発動できずに除去されるというのもざらな事。
《ADチェンジャー》や《太陽の書》などといった即座にリバースできるカードを多めにするというのも手だが、そうすると今度はデッキの枠を圧迫するというジレンマにも悩まされる。


……等々。


原作での活躍

決闘者の王国編の途中で描かれたアニメオリジナルストーリー、闇遊戯vs闇獏良にて闇獏良が使用。

それぞれのお気に入りのカードに封じ込められた本田、城之内、杏子、表遊戯等を闇のゲームに葬り去ろうと(墓地に送る為に)使用した。

な……なにを言ってるかわからねーと思うが遊戯王ではよくあること

ちなみにこの回で闇遊戯は表遊戯のことを「相棒」ではなく「遊戯」と呼んでいた。
闇遊戯が遊戯を「相棒」と呼び始めるのはこの後の展開なので仕方ないといえば仕方ないのだが、
原作では「相棒」という前には「もう一人のおれ」という言い方をしていたので非常に違和感がある。

また、GB版では通常モンスターとして登場。
その時のモンスター名は《メタモルポッ》になっていた。




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最終更新:2025年04月01日 07:29