ゼク・アイン/ゼク・ツヴァイ

登録日:2011/11/14(月) 18:45:44
更新日:2025/04/01 Tue 16:25:17
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ゼク・アイン/ゼク・ツヴァイとは『ガンダム・センチネル』に登場するMSである。

以下、各機体解説。





《ゼク・アイン》

【性能諸元】

型式番号:RMS-141
所属:地球連邦軍
   ニューディサイズ
   ティターンズ残党
開発:ペズン工廠
生産形態:量産機
全高:20.05m
頭頂高:19.20m
本体重量:37.63t
全備重量:72.55t(第一種兵装)
     80.25t(第二種兵装)
     87.28t(第三種兵装)
出力:2,100Kw
推力:88,000kg
センサー有効半径:15,000m
装甲材質:ガンダリウム・コンポジット


【機体解説】

ジオン公国軍の秘密工場であった小惑星ペズンを接収した連邦軍が、そこに残っていたデータや技術者達に命じて開発させた機体。
「新世代の汎用MS」というコンセプトで計画され、出力に余裕のあるジェネレーターを搭載し、大量のオプションを使用するMSとして開発された。
そのため、機体そのものはオーソドックスな技術の塊となったものの、こうした多数の武装を利用した換装システムは教導団に高く評価された。

ゼクシリーズと呼ばれる発展機のプランが立てられたものの、ペズンの反乱によって計画は破棄されている。


ちなみに連邦系MSにしては珍しく隊長機に角状のブレードアンテナが装備されるが、これはジオンが設計していた頃の名残りであるらしい。


【武装の種類】


[第一種兵装]

グレネード付きビームライフルとランディング・デバイス(降下機能)システムを装備した軽装タイプ。

[第二種兵装]

左肩にディスク・レドームと狙撃用ビーム・スマートガンを装備した砲撃戦特化タイプ。

[第三種兵装]

実弾火器を中心とした、恐らく一番有名なタイプ。大型マシンガン&両肩のドラムマガジン、クラブ(シュツルム・ファウスト)、クレイバズーカなどを装備する。
用途は要塞攻略とされるが、その扱い易さから劇中ではよく登場していた。

ちなみにどの兵装でもビームサーベルは装備されている。


【兵装】


第一種兵装

  • ビームライフル
第1種兵装の主武装。
バーザム改のグレネードランチャー付きガンダムMk-Ⅱ用ビームライフルに似ているが、こちらはその改修モデルとなっている。

  • グレネードランチャー
ビームライフルのバレル下部に装着する。
弾倉もあるので複数回使用可能。
反乱に加わらなかったバーザム改のライフルにも装備されていたあたり、教導団ではオーソドックスな装備らしい。

  • プロペラントタンク / ランディング・デバイス
シールドの代わりに両肩のラッチに取り付けた円筒状の装備はプロペラントタンクと降着装置を兼ねたもの。


第二種兵装

  • ビームスマートガン
第2種兵装の主武装となる長砲身の高出力ビームライフル。
左肩のディスクレドームとの連動により、数万kmもの射程を誇る。

  • ディスクレドーム
シールドを介して左肩に取り付けるレドーム。
こちらにもモノアイが備わっており、高い索敵性能を発揮する。

なお、右肩のラッチにはビームスマートガンとの重量の兼ね合いで何も装備されない。


第三種兵装

  • 専用120mmマシンガン
第3種兵装での主武装。
両肩部にセットしたマガジンドラムとはベルトリンクで接続されており、自動で給弾が行われる。
装弾数はマガジンドラム1基につき約6000発。

この時期に実体弾式マシンガンというの些か時代遅れであったが、
ゼクシリーズのそれはかなりの大型サイズとなっており、バーザム改を容易に蜂の巣にする威力を持つ。

  • クレイバズーカ
実体弾式のバズーカ砲。
エゥーゴで使用されているものと機能的には大差ないと思われるが、ゼク・アインのものは小型でカートリッジ式。

  • クラブ
使い捨ての簡易ロケットランチャー。
大小2種類が用意されている。

ジオン軍のシュツルム・ファウストとほぼ同様のものだが、ジオン風の名前が忌避された為に「Club(棍棒)」と名付けられた。


共用オプション

  • シールド
両肩部側面に装備する。
表面にはバズーカの予備マガジンやプロペラントタンク、上面にはマガジンドラムやディスクレドーム、裏面にはサーベルグリップを装着可能など、どちらかというとマウントラッチに近い。
また、2基のスラスターも備わっている。

  • ビームサーベル
接近戦用のビーム兵器。
グリップはシールドの裏側に2本装備されるが、シールドを持っていない第一種兵装の場合は設定だと持っているがどこに装備しているかは不明。
一応、「バトルオペレーション2」ではリアスカートに装備している。

  • 6連装ミサイルランチャー
肩部上面のラッチに増設するミサイルランチャー。
アインよりもツヴァイかガンダムMk-Ⅴが装備しているイメージが強いか。

  • プロペラントタンク
ふくらはぎや腰部に取り付ける増槽。


その他

ビームカノンやマインレイヤー(機雷)、チャフ/フレアディスペンサー、スモークディスチャージャーなど、上記以外にも多くのオプション装備が存在している。


【劇中での活躍】

NDの主力機として序盤から登場。特にジョッシュ機はSガンダムに弾を当てたり、エアーズ戦でΖプラスを損傷させる、多くの敵機を行動不能にさせるなど十分活躍しており、本機のポテンシャルの高さを示している。

NDが全部持っていた上にデータが消去されたはずだが『ムーンガンダム』ではティターンズ残党が1機運用していた。



《ゼク・ツヴァイ》

【性能諸元】

型式番号:RMS-142
所属:地球連邦軍
   ニューディサイズ
開発:ペズン工廠
全高:27.44m
頭頂高:25.20m
前後幅:40.32m
本体重量:88.2t
全備重量:151.7t
出力:7,330Kw
推力:31,900kg ×3
    7,900kg ×10
センサー有効半径:20,300m
装甲材質:ガンダリウム・コンポジット



【機体解説】

ゼク・アインのバリエーション機。
「重武装と機動力の究極の両立」を目指して開発された機体であり、一言で言えばゼク・アイン全部載せな機体である。

結果、機体は遥かに大型化しており重量も増加し150tを越える。
一応MSに分類されているものの、もはやMAの域に達している。

ここまでMSに拘ったのは「ガンダムの成功」が背景にあり、「MSなら何でも出来る」といったもはや妄信にも近いMS信仰が大きかったことを証明している。

両肩にはそれぞれ二本のサブ・アームがあり、肩一つでMS一機分の作業がこなせるとされ、また大型バーニアを多数搭載しているため機動性もかなりあり「柄に似合わずよく動く」と言われていた。

ただ、重装備およびその巨体で整備性はかなり悪いと思われ、何より巨大過ぎて主力艦であるサラミス改に載せられないという運用上で致命的な欠点を抱えてしまった。
このことから、続く発展機のゼク・ドライはアインのコンセプトに回帰した小型サイズのMS、といったコンセプトになっている。

一応地上での運用も可能ではあるが、足がほぼ動かないため移動は地走である。だがこれが突撃してくる光景は恐ろしいだろう。


【兵装】

基本的にゼク・アインと共用だが、肩部ラッチの倍増やサブアームの増設によって多くの兵装を一度に装備可能。
また、ビームライフルやマシンガンに代わってビームスマートガンが基本装備とされる。


【劇中での活躍】

ニューディサイズがペズン脱出時に本機も持ち出しており、エアーズ戦でまずトッシュが搭乗した。その後は最終決戦でα部隊を手こずらせるも多数が撃破される。
最終的にジョッシュが乗ってSガンダムに挑むもALICEが覚醒したガンダムには敵わず、そのまま地球目掛けて投げられ、大気圏摩擦で燃え尽きた。



《ゼク・ドライ》

【機体解説】

型式番号:RMS-143

あまりにも巨大化し過ぎたゼク・ツヴァイの反省からゼク・アインのコンセプトに立ち返ったゼク・シリーズ第3号。
アイン・ツヴァイとパーツを共用しつつ、小型化とアイン以上のバランス重視を念頭に設計されていたとされる。

しかし、実機の開発が完了する前にペズンの反乱時が発生した為に開発は中断。
その後ペズンが爆破されたことによって開発中の機体と設計データは失われてしまい、ゼク・シリーズの開発自体が終了してしまった。

今のところ設定のみで画稿などは存在しない。


この他にもゼクシリーズ第4号「ゼク・フィーア」の設計も行われていたとする説もあるが、こちらは設計段階で終わってしまったらしい。



【ゲームでの活躍】

Gジェネシリーズ

アイン、ツヴァイ共にGジェネにはZEROで初登場。アインは原作通り換装が可能。ツヴァイは実弾中心だが狙撃が可能である。
…が、魂以降アインは第三種兵装のみで換装できない。何故だ……
ツヴァイは魂ではミサイル持ちなため、強い。
ただ足が遅いのが欠点で、ブースターか弾薬カートリッジどっちをつけるか悩ましいことになる。

WORLDではミサイルが弱体化したため、厳しい立場に。スマートガンを通常武器化してくれたらよかったのに……

OVERWORLDでもほぼ変化は無いが、シュツルムファウストの燃費が改善されているほか、TNT火薬を装備すればPS装甲相手でも凄まじい火力を発揮できる。

ジェネシスでのツヴァイはマシンガンをなくした代わりにスマートガンが通常武装化。貫通効果もあって火力が高く、かなり使い易くなった。

ちなみに、GジェネZERO,Fのエアーズ戦では第二種ゼク・アインが狙撃を連発してくるため、厄介である。

GジェネDSではアインⅠ、Ⅱ・ツヴァイ共に不死身の第四小隊(ベイトモンシアアデル)の面々が駆って登場する。
性能は悪くないが、チーム全体を攻撃できる武器がないため見劣りする。


ギレンの野望

ギレンの野望 アクシズの脅威Vではどちらとも、エゥーゴ系を除く連邦系勢力の機体として登場。
ニューディサイズが登場せず、奪取イベント等も発生しないので普通に生産可能。

アインは全兵装が使用可能だが、第二兵装だけ個別に開発が必要、かつ機体を改造して取り付けなければならない。
手間がかかる分性能は高く、武装換装でIフィールド持ちへの対策や間接攻撃での援護などなんでもできる。
ビーム撹乱幕を使えるパブリク突撃艇とも相性がいい。
開発時期の割には、同期であるバーザムやハイザックと比べて物凄い性能を保有しており、若干バランスブレイカー気味。
ただし、指揮官用ゼク・アインはZガンダムやバイアランと比較するとスペックで大きく劣り、使いにくい。
後述のゼク・ツヴァイに改造できるので、完成するまでは温存しておこう。


地球連邦軍シナリオでは、ティターンズ設立の直後にアクシズが帰還する。*1ズサやらガルスJをぶつけてくる技術がインフした闘いとなる。その中で数少ない、真正面からぶつかれる貴重な機体であり、非常に頼りとなる。圧勝できるからって、量産機を全部ゼク・アインにするなよ!絶対だぞ!
終戦が近い時期でも、ズサブの射程距離外の3から高精度で狙撃できる第二兵装で援護機として活用でき、とにかく優秀の一言に尽きる。このアイン凄いよ!さすがツヴァイのお兄さん!

ツヴァイはモビルアーマーや戦艦並の圧倒的な耐久力を持つ。
頑なにMSと言い張ってくれたおかげか、他のMSとセットで運用可能という利点を持つ。
モビルアーマーは殆どの戦艦に積めれない、スタックできないという弱点があるが、それも見事に解決している。
さらに開発必要な物はアインの開発とMS技術だけ。MS信仰は間違って無かった事を全力で証明してくれる。

移動力と燃費は酷い物だが、華奢な機体が多い連邦では貴重な盾系モビルスーツ。さらにビームスマートガンのおかげで射程も長い。
防御に長けた08小隊や、射撃が高いハヤトやカイ辺りを乗せるとちょっとした砦となってくれる。


機動戦士ガンダム バトルオペレーション2

機動戦士ガンダム バトルオペレーション2にはゼク・アイン[第2種兵装]/[第3種兵装]が2020年12月に同時実装、[第1種兵装]はかなり遅れて2022年5月に実装。その巨体から実装が危ぶまれていたゼク・ツヴァイも2023年3月に実装された。

ゼク・アインはどの形態もコスト550スタートかつ、機体HPや防御補正が高め。ダメージを軽減する緩衝材も脚部など大きい部分についている。

[第1種兵装]は強襲機カテゴリ。
ヘビーアタック可能な二刀流ビームサーベルの火力が非常に高く、強襲機らしく接近戦が得意な機体。
グレネード付きビームライフルも意外と射程が長く、中距離から射撃でよろけさせて高火力な格闘コンボを叩き込むのが主戦法。

[第2種兵装]は支援機カテゴリ。
主兵装の速射型スマートガンが3点バーストかつ長射程なのが特徴。
即よろけではなく3発すべてヒットで蓄積よろけがとれるビームだが、貫通効果があるので遠距離から味方を貫通して敵だけよろけさせるという芸当もできる。
スマートガン3発ヒットはエイム力がないとやや難しいが、支援機としては足が速く自衛手段も多め。

[第3種兵装]は汎用機カテゴリ。
高い威力と連射速度のマシンガンや即よろけのクレイバズーカを軸に射撃と持ち前の耐久で前線を支える。
武装のかみ合わせが悪いがいざというときはマニューバアーマーで強行して格闘を叩き込むこともできる。
主武装がマシンガンと言うこともあり、基本バズ格ゲーと称される同作では扱いづらい機体ではあるものの最近は高レベル向けのカスタムパーツが増え、特にダメージカット強化のオーバーアーマー系を積み込めば鉄壁の盾役として前線を引っ張る拡張性の高さを誇る。

ゼク・ツヴァイは650コストの汎用カテゴリ。
ゲーム中ダントツトップ巨体*2とそれに見合ったパラメータ、豊富な武装と盛りに盛られたスキルが特徴の機体。
武装面で[第1種兵装]の2種格闘、[第2種兵装]の速射型スマートガン、[第3種兵装]のマシンガンを搭載し設定コンセプトを再現。
一方で最も特徴的なのはミサイル・ポッドx3でDPS、よろけ値、リロード時間が優れておりブースト撃ち可能かつ、レティクルに合わせた誘導+ASLで非常に命中率も高い。
射程がやや短い以外に欠点がなく、同コスト帯で暴れているを撃ち落とすのにうってつけ。
とはいえやはりこのゲームにおいて被弾面積の大きさと言うデメリットは無視できず、うっかり突出しようものならその耐久性能が嘘のようにあっさり沈んだりする、非常に味方依存度の高い機体。


【GUNDAM WAR】

収録されても大概デザイナーズデッキ専門。
ガチデッキと当たると厳しいテキストという不遇な機体だったが、23弾のゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)が使い方次第でガンダム並の中コストで場に現れる(本来はサザビーなどと同コスト)。
あるカードとコンボで除外しない限り不死身という壊れ性能でガンダムウォー終盤までメタカードとして君臨した。



ガンプラ

旧1/144シリーズではガンダムタイプしか立体化されなかったためハブられる。
が、それから13年後にHGUCでアイン第3が立体化された。



【余談】

  • ゼク・アインの第三種兵装と、ケンプファーが似ていると指摘するファンも多い。確かに角をつけた顔はそっくりであり、武装にも共通点が見られる。
    ゼクはそもそもジオンの施設であったペズンのデータから作られたので、ケンプファーのデータが存在して参考にしたとしても不思議ではない。

  • 高性能かつ高い信頼性を誇るゼク・アインだが、量産機としては高価で生産性が低かったため、マラサイに次ぐティターンズの主力量産機の座をバーザムに譲っている。

  • 実は開発自体はかなり早く、一年戦争終結直後に開発計画はスタートしていた。
    それにも関わらず完成、ロールアウトまでにかなりの期間を費やしたのは、フレームや装甲材の問題があったため。
    このフレームと装甲材の問題はムーバブルフレーム技術とガンダリウムγを投入されることで解決されることになる*3

  • 00セラヴィーの案にツヴァイのスカートアーマーそっくりの武装を下半身につけた物があった。






追記・修正は第三種兵装でバーザム部隊を蹴散らしてからお願いします。

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最終更新:2025年04月01日 16:25

*1 グリプス戦役より前にどころか、エゥーゴすら決起していない。ハマーン様の気が早すぎる。

*2 同ゲームのそれまでの巨体枠はクシャトリヤ、ザメル、メッサーラ、ドム・ノーミーデスあたりだったが、それらよりも二回りは大きい

*3 この際モデルになったのはマラサイ