登録日:2012/03/16(金) 00:18:45
更新日:2025/04/21 Mon 19:40:48
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デルタガンダム(Delta Gundam)
型式番号:MSN-001
分類:TMS(Transformable Mobile Suit)
宇宙世紀の試作型可変モビルスーツ。
百式の本来の姿であり、
Ζガンダム以降の技術により
可変機として開発される予定だった「真のδガンダム」。
全領域での運用を想定しており、巡航形態「ウェイブライダー」への変形が可能。
大気圏突入能力があるかは不明。
「
MSZ-006-X1/X2/X3 プロトΖガンダム」とは、X1型の頭部とシールドが酷似している。
色的には
デルタプラスがこの機体に近いかもしれない。
金色の装甲は耐ビーム・コーティング効果のあるエマルジョン塗装。
軽量化や「フレキシブルバインダー」の採用で高い機動性と運動性を持っており、総合性能もΖガンダムに引けを取らないという。
2006年末に発売された、サンライズ監修であり『
GUNDAM EVOLVE』のスタッフによるCG等が特徴のビジュアルブック『ガンダムMSグラフィカ』にて姿が明らかとなった。
しかし
アナハイム社のデータには姿が無く、登場したのはマニアのファンサイトのCGだった。
そのため、デルタガンダムは実際には開発されていないことが示唆されている。
詳細は、解説+会話形式の文章・アニメイラストの写真・細かいCGで語られている。
また、シミュレーション内でウェイブライダーに変形させた際に、「ムーバブルフレーム」の強度不足によるエラーが起きている。
結局この問題は解決されず、デルタガンダムは再設計されて「百式」として完成することとなった。
百式の背中にある「フレキシブルバインダー」は翼の名残であり、機動力の確保に繋がった。
デザインは
カトキハジメ氏が担当しており、後にMS・WR両形態の画稿が発表された。
◇武装
頭部に2門装備。
可変機用に用意された。高出力と射程の長さが特長。
ガンダムMk-Ⅱと百式用ライフルのEパックを同時に使用したデュアルサプライシステムを試験的に採用している。
後に
ガンダムMk-Ⅲにも同じ物が装備されている。
シールドの裏に2本マウント。
ビーム・ガンにもなる。
ウェイブライダーの機首にもなる盾。
センサーを内蔵していて、どちらかというと「変形用パーツ」と言った方が正確らしい。
◇バリエーション
〇デルタガンダム弐号機
アナハイムがカラバに対して行ったプレゼンテーションで発表された赤いデルタガンダム。
クワトロ=
シャアの専用機として開発される予定だったが、こちらもシミュレーション上の存在で実機は開発されなかった。
なお、デルタガンダムの性能諸元が殆ど公開されていないのに対してこちらは明らかにされている。
○デルタプラス(Delta Plus)
型式番号:MSN-001A1
『
機動戦士ガンダムUC』に登場する試作型可変MS。
設計を可変機のデルタガンダムまで戻して再設計・開発された。
詳細は項目を参照。
○ガンダムデルタカイ(Gundam Delta Kai or Chi)
型式番号:MSN-001X
PS3版『機動戦士ガンダムUC』に登場する試作型可変MS。
ニュータイプ能力を得ることができる新型サイコミュ「ナイトロ(n_i_t_r_o)」を搭載している。
ちなみにこのナイトロ、使用する度に
脳内を強制的に書き換え、システムに最適化した存在「
強化人間」へ変質させてしまうシステムである。
名前が「改」なのかギリシャ文字の「Χ(カイ)」なのかは不明。
攻撃力を重視しており、プロト・フィン・ファンネルやロング・メガ・バスターなどを装備。
シールドにもメガ・マシン・キャノンやハイ・メガ・キャノン、炸裂ボルトのどれか一つを選択して装着できる。
○
ギレンの野望
『アクシズの脅威V』にデルタガンダムが登場している。
生産可能になる時期としては基本性能は高いが、耐久値が非常に低く、それでいて限界性能が250%という滅茶苦茶ピーキーな機体に仕上がっている。
まさに「当たらなければどうという事は無い」を体現したかのような機体。
地上適正はボロボロなので、運用するなら宇宙がいいだろう。
性能を引き出せるニュータイプかつトップエース、例としてクワトロやカミーユ等を乗せてやらないと簡単に撃墜される。
設計面の問題を解決できたのか、ウェイブライダーに変形出来るのは魅力だが、マイルドな百式に改造した方が活躍出来るかもしれない。
エゥーゴ編では開発する頃にはクワトロどころか人材がおらず連邦軍ではZ計画が次々と進むので置いてかれてしまう。
ネオジオン(キャスバル)がうまく進まない場合や、初期技術レベルが低く主人公が加入するテム・レイ軍ならば出番があるかもしれない。
真価を発揮するのはエゥーゴを敵に回した場合で、アムロやクワトロが乗っているとかなり厄介。
ハマーン&キュベレイとまではいかないが、攻撃は避けてしぶとく立ち回る。
ウェイブライダーで移動中、突出した時に総攻撃を行いなんとか撃墜したい。
○PS3版UC
デルタとデルタカイが
DLCとして登場。
デルタガンダムはゲーム用の画稿が新しく発表され、全体的に細長い。
以前の画稿とは違いビーム・ライフルとシールドが描かれていない分、より百式に近い外観に見える。
○
Gジェネ
『WORLD』にデルタプラスが初登場。
『OVERWORLD』と『GENESIS』には、デルタガンダムとデルタカイも参戦した。
○機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
600コスト
支援機。優秀な足回りに加えて変形機能がありかなり柔軟に立ち回れる機体。
火力自体は並程度だが、最も特徴的なのは耐ビームコーティングによるビームダメージ軽減&よろけ耐性。
HP50%までという限定性能ではあるが、このコスト帯は汎用も強襲も支援もかなりビーム兵器に依存しており、
よろけ耐性によって動きを止められない(=追撃やコンボを貰いにくい)ため数値(25%軽減)以上にしぶとい。
HP50%を切ると効果がなくなりビーム耐性も一気に0になるという弱点はあるが、見方を変えれば前線が崩れたら変に粘らずさっさと落とされて仕切り直しできると言う意味でもある。
変形とのシナジーも高く、本来ならタイマンなど論外の支援機でありながら状況や相手次第では一方的に有利な展開に持ち込むことが可能な画期的な機体となっている、。
…と言うかさすがに画期的すぎた。前述のタイマン優位は場合によっては本来天敵である強襲機相手にすら成立し得るほど。
実装後即座に環境トップに君臨。600~650コスト支援でデルタガンダム以外を出す奴は敗退行為とまで言われかねない程暴れすぎたため、およそ半年後に弱体調整を食らってしまった。
◇漫画での活躍
「ガンダムUCエースVol.2」に掲載された『デルタの鼓動 -U.C.0087~U.C.0096-』に登場。
作者の虎哉孝征氏は、小説版UCの挿絵を安彦良和氏に代わり担当している。
後に虎哉氏が被災したため、応援を込めて「
ガンダムエース 5月号」にも掲載された。
また、氏は現在までに
シャア(と
フル)の機体・ドム・ジム・フルアーマーを題材にしたモノローグ形式の漫画を描いている。
上記5作品は、2012年発売の『機動戦士ガンダムUC テスタメント』に収録されている。
『デルタの鼓動』は副題が無くなった。
本作ではデルタガンダムから百式に変わり、デルタプラスが開発されるまでの経緯が明かされ、意志が゙わたじと表現されたデルタガンダムの視点で話が進む。
「翼」を持つΖガンダムと共に戦い、
アッシマー、
ギャプランといった
可変機や
ジ・O、
キュベレイといった強敵と対峙する中、自分が生まれた意義を考え、「翼」を求め、そしてデルタプラスとして「翼」を得た姿は、どこか切なさがありつつも感動的である。
また、゙わたじの「兄弟」として
百式改系列の4体(改、陸戦型、量産型、フルアーマー)が登場。
コマの中には、過去のガンダム作品で百式改系列が繰り広げた戦いの場面がモチーフのものもある。
終盤、シミュレーション内でデルタプラスがΖガンダムと戦う場面があるが、『テスタメント』の解説によると相手はΖガンダム3号機とのこと。
この"わたし"という存在はHGUCデルタプラスのストーリーにも登場している。
◇ガンダムUC-MSV
新たに企画された『UC-MSV』でも登場。
リディ・マーセナスがデルタプラスで戦闘シミュレーションを行った際の仮想敵として本機が現れた(開発者が遊びで機体のOSにデータを入力していたらしい)。
しかも、パイロットに設定されていたのは「
あの男」だった…。
ちなみにこの話は後述のHGUCの説明書に記載されており、初回封入特典のプロダクトコードは本エピソードを元にしている。
◇商品化
ガンプラがHGUCで発売された。
武器を装備したMS形態とWR形態のパッケージに魅了された人も多い。
付属する装備はビーム・サーベル、ビーム・ライフル、シールド。
変形+金メッキ仕様なためか、
4,410円とかなり高額。
アマゾンで買っても約3,000円もする。近年ではガンプラ需要の高騰で中古価格でも更にお高くなった。
塗装モデラー&プロダクトコード目当ての人涙目である。
百式と同じく、成形色版も出ると思われる。
…が、出ない……!
しかし成型色を赤に変更したデルタガンダム弐号機がガンダムフロント東京限定品として発売され、後にガンダムベース限定品として復活した。
こちらはメッキではない分定価2,750円にまで抑えられている。
デルタプラスがHGUCやMGで発売された時期には、「ホビージャパン」や「電撃ホビーマガジン」にデルタガンダムの作例が掲載されていた。
そしてHGUCデルタガンダム発売後は、金メッキを取った作例やガンダムデルタカイの作例が掲載された。
後にHGUCガンダムデルタカイも発売されている。
◇余談
『
武者七人衆編』では武者百士貴に
シャアのイメージが反映され「父の名は
字音太君」と設定されていたのだが、
後の『天下統一編』で若き日の百士貴の父・百ノ進が登場したため、「
ジオン・ダイクン=デルタガンダム」というシュールな配役となっている。
- ガンダムフロントの映像で赤い弐号機が登場 赤で"弐"って表記だとエヴァっぽく感じてしまう… -- 名無しさん (2016-01-06 02:25:24)
- デルタガンダムのHGだけど、リバイブの百式のメッキ版が4400円なのを見るにメッキにかかる費用が原因でこの値段なのかもしれない -- 名無しさん (2024-03-03 20:43:26)
最終更新:2025年04月21日 19:40