登録日:2014/12/12 Fri 18:53:48
更新日:2025/01/06 Mon 19:31:39
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人間は今では自分たちが地球人だと思ってるけど、本当は侵略者なんだ
概要
『ウルトラセブン』に登場したノンマルト
別名:海底人
身長:170センチメートル
体重:70キロ
グラム
かつて、人間よりも先に
地球で繁栄していた種族だったが、人間に地上から追われて現在は海底で生活している。
その海底にも人間の開発の手が伸びてきたことに怒り、報復を開始した。
蛸怪獣ガイロスを操るほか、人間から奪った原子力潜水艦グローリア号で攻撃を行う。また、手持ちの武器としてレーザー銃を携帯している。
ウルトラセブンの故郷・
M78星雲では地球人のことを彼らの自称する種族名と同じく「ノンマルト」と呼称するが、実際に彼らのことを指しているのかは不明。
本当に彼らの言うとおり現代の人類がノンマルトを海底に追いやったのかについても劇中では明かされていない。
ノンマルトは海底開発に対し、まず謎の少年・真市をメッセンジャーにして、
ウルトラ警備隊に海底開発を中止するように警告。
しかし、開発が止まらなかった事から海底基地開発センターのシーホース号を爆破し、さらにガイロスを出現させて城南大学の海底探検部の船を襲わせる。
そして、グローリア号で海辺の町を攻撃し始めたがウルトラ警備隊のハイドランジャーによって轟沈され、ガイロスもウルトラセブンに倒された。
ノンマルトの海底都市は
宇宙人の侵略基地とされて跡形も無く爆破されてしまった。
これで再び、海底開発の邪魔をする者はいないだろう!
デザインの元ネタは「半分に切った
キャベツ」とのこと。
『平成ウルトラセブン』に登場したノンマルト
別名:地球原人
身長:160センチメートル
体重:43キログラム
演:渡辺典子
自らを地球の先住民族であると自称する女性。
セブンに対してノンマルトは地球人類に侵略されたという事実の宇宙への告発、
地球防衛軍に対してノンマルトへの攻撃の実態が記録されているというオメガファイルの公開を求める。
ウルトラ警備隊はオメガファイルの公開を地球防衛軍に求めるも、地球防衛軍はそれを渋り、
業を煮やした女性は怪獣サバンギを出現させて強引に公開させようとする。
実は「ノンマルトの使者」でノンマルトが言っていた過去の地球人類がノンマルトを侵略したというのは事実であり、
だからこそ地球防衛軍はオメガファイルの公開を渋っていたのである。
そのことを地球防衛軍の管理下にある中国のノンマルトの遺跡で知ったセブンは「侵略を行った地球人類に味方することはできない」と考える。
(宇宙において侵略行為は御法度であり、侵略行為を行った者達だけでなく彼らに味方することも大罪とされているため)
しかし、ウルトラ警備隊の活躍によって宇宙に対してオメガファイルを公開されても女性はザバンギを撤退させず、
公開されたという事実をもみ消そうと発信施設を襲わせようとする。
セブンは迷いつつも、地球人類が要求通りのことを行ったにもかかわらず破壊を続けるザバンギから地球人類を守るために変身してサバンギを撃退。
ザバンギを撃退されたことで女性はセブンに「もはやお前の居場所は宇宙にはない」と辛辣な言葉を浴びせ、撤退した。
ちなみにこの女性、ノンマルトを自称する割には「ノンマルトの使者」で登場したノンマルト本来の姿に変身していないだけでなく、
彼らの同胞が、ノンマルトの遺跡でセブンに過去の侵略が事実であることを告げた人物に見せたという数万年前の侵略行為の光景は、
地球人類(と思しき侵略者)が乗る空飛ぶ円盤がノンマルトを攻撃している場面だけで肝心の侵略行為を行う地球人の姿はまったく映されていないこと、
自分がオメガファイルの公開を要求したにもかかわらず、その要求を受けた人類がオメガファイルを公開してもザバンギを撤退させずそのまま破壊活動を続けさせたこと、
そもそも「ノンマルトの使者」で跡形もなく破壊されたノンマルトの海底都市から生還できたなど普通に考えればありえないこと等から非常に胡散臭い所が多く、
ノンマルトの名を騙って過去の侵略行為を暴露することでセブンを地球から撤退させ、
邪魔者を排除した上で地球人類を滅ぼそうとした別の宇宙人である可能性を指摘するファンもいるが……真相は脚本家のみぞ知る。
平成セブン最終章6部作のノベライズ『EPISODE:0』では、映像作品と異なり若かりし頃のアンヌの姿でダンと接触する心理作戦を試みるも、
逆に姿だけ模倣したはずのアンヌの精神に徐々に引きずられ、最終的にはノンマルトとしての意思では無く
アンヌとしての「置き去りにされた」女の怨恨でダンに対する憎悪を募らせるようになってしまう。
最終的にはオメガファイル公開後、完全にアンヌ側に傾いた暴走状態でこの世の美しいものを滅ぼすようザバンギに命令し、
主の言葉に忠実に従ったザバンギにその身を焼かれるという、
見ようによってはダン=セブンにとっての「かつての愛と青春との決別」とも受け取れる結末を迎えた。
関連人物・怪獣
◆蛸怪獣ガイロス
身長:30メートル
体重:1万トン
ノンマルトの操るタコ型の怪獣で、海上を通る船を襲う。
背中は海亀の甲羅のようになっており、非常に硬い。全身にフジツボ型の吸盤がついているのが特徴。
一度は倒されたかに見えたが実は死んだふりで再び出現。しかし、今度はセブンに阻まれ
アイスラッガーで足を切断されて力尽き、海底へ沈んでいった。
当初はノンマルトの正体が不明だったため、ウルトラ警備隊からはガイロスがノンマルトのことだと思われていた。
桑田次郎の
漫画版では複数個体が出現。
デザインは怪獣デザインコンクールで入賞した「ガイロス星人」が元になっている。
大伴昌司監修の書籍『ウルトラ怪獣入門』のコーナー「ウルトラ怪獣名勝負」では
ゴーガ・
ナメゴン相手の三つ巴の激突が描かれている。
岩を砕いて現れたナメゴンに、砂漠で(何故に砂漠?)待ち伏せていたガイロスが吸血足を絡み付けるも、ヌルヌルしていたために苦戦し、更に鳴き声を聞いてやって来たゴーガのドリルで心臓を貫かれて真っ先に退場してしまった(ちなみに勝者はナメゴンだった)。
◆真市
演:町田勝紀
ノンマルトの使者として、アンヌやウルトラ警備隊に海底開発をやめるように警告する謎の少年。
あくまでも海底はノンマルトの物と主張し、警告を続けたが遂に受け入れられることは無かった。
実は2年前に
海で亡くなっており、その正体は謎のままである。ナレーションでは疑問形で語られているが、
脚本では真市の
霊がノンマルトの使者として現れていたと断定するダンの台詞が存在した。
◆守護神獣サバンギ
身長:59メートル
体重:8万6千トン
ノンマルトを自称する女性の呼び声に応えて出現した、ノンマルトの守護神と言える怪獣。
全身をゴツゴツした鎧のような体皮で覆った正統派怪獣で、
ラスボスにふさわしい強豪。
守護神だけあって非常に強く、オメガファイルを宇宙に向けて発信していた電波研究所に進撃するサバンギを止めようとした
ミクラスと
ウインダムを2対1にもかかわらず逆にボコボコに圧倒して撤退させた。
しかし意を決して変身したセブンにより、アイスラッガーの一撃で喉元を斬り裂かれ、倒された。
『ノンマルトの使者』
本作は『ウルトラセブン』最大の問題作として知られる。
脚本の金城哲夫氏が
沖縄出身であることから、本土の人間と沖縄の関係を元にしているとの見解をよく持たれるが
金城氏本人は特にそういった事に言及しておらず、当時の関係者も否定しているという。
尤も、後年のシリーズにおける扱い(特に平成セブン)を考えると、
少なくとも金城氏の意図とは裏腹に「本エピソードの作風=『セブン』の本質」みたいな受け取られ方をされてしまった側面は否定できない。
ノンマルトの名前の由来は戦いの神「マルス」に否定の「ノン」で「戦わない者」という意味。
ノルマントン号事件がモデルだと思っていた人も多いのでは?
実際はレーザー銃やグローリア号で攻撃してきたり、ガイロスを暴れさせたりと平和種族とは言い難い面が目立つが、
海底開発が行われるまで長きに渡って海底でひっそりと暮らしていたことを考えると、
自分たちの故郷に人間たちの手が伸びない限りは戦うつもりはなかったのかもしれない(もちろん虎視眈々と地上奪還を狙っていた可能性もあるが)。
アンヌ役のひし美ゆり子氏は『ウルトラセブン』でいちばん好きな作品を聞かれた時に、本作を挙げることにしているという。
理由は「アンヌが出ずっぱりで活躍するし、リゾートファッションなど、自由な服が着られたからです」とのこと。
当時はスタイリストという職種はなかったので、アンヌが身に付けている衣装は全て自前だそうで、その中には当時人気だったバンド「ザ・タイガース」のTシャツもあった。
冒頭に砂に埋まるシーンがあり、スタッフから旅館の風呂に入るように勧められて入った所、実はこの風呂は魚が一緒に泳いでいる「水槽風呂」で、外からは丸見えだったという。
TV版の冒頭、シーホース号の通信シーンで二瓶正也氏と会話する隊員は、後に作家となり
『スクール☆ウォーズ』の原作『落ちこぼれ軍団の奇跡』などで有名になる馬場信浩氏である。
シナリオに注目がいきがちな作品だが、リゾートファッションのアンヌや、
真面目に聞き込みをするアンヌの後ろで、キャッチボールの真似をするなど
全くやる気のないダンなど、他にも見所のある作品である。
余談
『ウルトラ怪獣散歩』にも第4期第7回「琉球から来た兄弟~沖縄~」、第8回「ノンマルトのシーサー」(通算だと第31、32話)でまさかの登場。
「元祖」や「初」といった言葉に強く反応して自分達が起源ではないかと主張してウザがらみしたり、おみやげの島ぞうりに「ノンマルト星人」と誤植されてキレたりした。
一方で、もう一人のゲストの
にせウルトラマンのボケに対するツッコミ役を務める場面も。
もちろん金城哲夫資料館にも行きました。
道中では乱闘になる場面もあり、勝利した
メフィラス星人はノリノリで例の台詞を…。
お前人間じゃなくて宇宙人だろ
漫画『
ウルトラマン超闘士激伝』では宇宙のとある星の海底都市で深海怪獣たちと共に平和に暮らしていたのだが、
エンペラ星人の送り込んだメタルモンスに襲撃され逃げまどっていた。
新章ではゼラン星人などと共にスマホで
時代遅れのノタニー博士を尻目に情報収集する姿が描かれた。
また『超闘士激伝』の玩具展開の方では「闇闘士ガイロス」がリリースされている。
追記・修正も我々の物だ。
- 異論がなければ翌日ログ化します -- 名無しさん (2018-08-15 16:21:48)
- ログ化しました -- (名無しさん) 2018-08-17 00:55:49
- 彼らの正体が何だろうと、アカシックレコードに未来を刻んでたのは現人類と新人類の共存だったんだよなあ。 -- (名無しさん) 2019-04-16 04:38:10
- ノンマルトも防衛チームが海底に基地を建てるとは思わなかったろうなあ…MATの基地のことね。 -- (名無しさん) 2019-11-22 05:44:05
- そもそもこんな設定を思いついても実際に作っちゃったのが御法度。どんな解釈だろうと遺恨が残るし…そもそもウルトラシリーズ化しようとしてたわけじゃないからアレだけど -- (名無しさん) 2020-09-16 12:08:25
- 彼らの理屈が全部真実なら、人間って本当はどこから来た何星人なんだろう…? -- (名無しさん) 2021-08-01 08:11:05
- 被害者が加害者面するのは現実世界でもよくある事。 -- (名無しさん) 2021-10-17 05:45:05
- まさか「地球人の先祖はディンギル星人」ってオチじゃないだろうね? -- (名無しさん) 2021-11-09 04:28:06
- 一方的に被害者ぶって「人間より強くないから攻撃しないで」と言いながら何の関係もない場所に自分から一方的に攻撃してる時点で矛盾してる。はっきり言って地底人とかと変わらないし、むしろタチが悪い。 -- (名無しさん) 2021-12-26 15:17:48
- もしノンマルトが津波を発生させて地上の町を攻撃していたりしたら今の扱いはもうちょっと違ったものになっていただろうな -- (名無しさん) 2022-01-16 15:55:48
- ほんとに元地球人なのかはともかく海底に住んでると主張した後も海底の開発やめない人間サイドちょっと問題ないか?これ -- (名無しさん) 2022-01-21 20:16:17
- ↑それこそペガッサ星人みたいにちゃんと声明を発するなりすれば良いのにいきなり攻撃を仕掛けるんじゃ侵略者と変わらないよ。子供をメッセンジャーにしたって信用されない。 -- (名無しさん) 2022-01-21 21:05:17
- 彼らの主張は嘘だ、そんな昔に繁栄していたなら宇宙の帝王バド星人に攻め滅ぼされていたはずだ(錯乱 -- (名無しさん) 2022-02-12 19:50:05
- ノン丸トの事例を見るにウルトラシリーズで度々出てくる地底人も実は宇宙人がルーツなんじゃね?って思う種族がいるよね。 -- (名無しさん) 2022-02-12 20:43:35
- 人間の方が被害者意識強いわ -- (名無しさん) 2022-04-29 08:19:51
- 自分達の縄張りを広げるために罪のない人間を殺し海底に追いやり、海底すらも奪おうと侵略を -- (名無しさん) 2022-04-29 08:21:32
- ↑人間のやった事をノンマルトがやった事のように書いてみた。これで客観的に人間の行いを捉えることができるのでわ? -- (名無しさん) 2022-04-29 08:24:59
- オリジナルの「あえて真相を語らず、視聴者を揺さぶり想像をかき立てる」演出の妙を理解してないで…『現生人類は侵略者でした』と言い切らせちゃった平成セブンの分かってなさは救いようがない -- (名無しさん) 2022-04-29 09:14:10
- 脚本では「ノンマルトは本当に地球人だったのか?」というダンも疑問に思っていて、実は人類が生まれる前に地球にやってきた異星人だったという裏設定があったのかも。それなら先住民がいた事は事実だが、彼らが生粋の地球人であるとは限らない。 -- (名無しさん) 2022-04-29 11:36:05
- ノンマルトを被害者気取りとか言って非難してる奴らは自分がノンマルトの立場だったら怒り狂って喚き散らしたろうな。 -- (名無しさん) 2022-04-29 12:47:13
- ケロロ軍曹で、これを明らかにオマージュした「ノントルマ」が登場してたりする、そこから知ったクチ -- (名無しさん) 2022-04-29 13:46:33
- コイツらの言う侵略者ってオリオン星人じゃないの。オリオン星人に蹂躙されて海底に逃げて、その後オリオン星人は津波からピラミッドに避難、現世人類はその後に誕生したか、オリオン星人がどっかの星から連れてきた奴隷階級が生き残ったとか -- (名無しさん) 2022-06-18 18:41:41
- Pixiv百科事典から転記していた部分を削除。 -- (名無しさん) 2022-06-18 21:27:38
- 「ノンマルト(本当はガイロス)を倒したことを報道しよう」みたいな台詞があえてあることにもきな臭さのようなものがあるかもしれないな。宇宙人を倒して脅威が去ったこと自体は普段から報道はしてるのだろうけど。 -- (名無しさん) 2022-07-30 10:49:37
- 怪獣散歩でノンマルト星人って呼ばれてブチ切れるネタすき -- (名無しさん) 2023-03-01 11:15:09
- ↑6 その線もありだけど、ウルトラシリーズ全体の設定で合わせるなら、初代の地底人の設定を広げて「氷河期以前に地底とは別に海底に移住した古代人が進化した存在」というのが辻褄が合うかも。 -- (名無しさん) 2023-10-05 21:17:22
- >自分がノンマルトの立場だったら怒り狂って喚き散らしたろうな 何故侵略者の立場に立たなきゃならんのだ?はっきり言ってノンマルトは被害者面した侵略者。子供の体借りて言い訳するくらいなら堂々と全地球に対して自己の正当性を宣言すべきだろ。 -- (名無しさん) 2024-05-09 05:55:25
- 幾ら後付しようとノンマルトが「被害者面面した侵略者」と言うのは確定事項。 -- (名無しさん) 2024-07-02 21:42:39
- ノンマルトの言い分が嘘か真か、あるいは実はそこまで考えてはなかったか、結局のところ真相は金城さんの胸の内 -- (名無しさん) 2024-09-13 18:27:02
- ノンマルトが本当に地球先住民だったという前提なら、ガイロスはセブンのテレビシリーズでは唯一の地球怪獣って事になるのかな -- (名無しさん) 2025-01-06 19:48:47
最終更新:2025年01月06日 19:31