タッコング

登録日:2024/07/26 Fri 07:48:38
更新日:2024/12/15 Sun 14:04:20
所要時間:約 8 分で読めます






世界各地が異常気象に覆われている。

日本列島でも、毎日のように起こる小地震が不気味な地殻の変動を告げ、
そして、遂に怪獣達が一斉に目を覚ました…!


オイル怪獣 タッコングとは、『帰ってきたウルトラマン』で初登場した怪獣。
関連の深いヘドロ怪獣 ザザーン、シンジ、凶猛怪獣 ギーストロンについても記述する。

目次

概要


身長:45m
体重:2万3千t

ウルトラセブン改造パンドンを倒して地球を去ってから再び姿を現した怪獣で、モチーフこそタコだが、小さな頭と短い手足がついた丸っこい姿をしている。
オイルを好物としているため、コンビナートや海上油田付近に姿を現すことが多く、出現すると被害は免れない。
戦闘においてはその特異な体型を活かした体当たりや口から吐くオイル、(個体によるが)火炎放射を得意とする。


関連怪獣・関連人物

ヘドロ怪獣 ザザーン


身長:50m
体重:1万2千t

『帰ってきたウルトラマン』1話で戦闘を繰り広げた怪獣。

東京湾の汚水により誕生した怪獣で、体中が猛毒を含む海藻に覆われた奇怪な見た目が特徴。
劇中では未使用に終わっているが、口から吐く毒ガス(資料によっては炭酸ガス)を放つ攻撃が得意と言われている。
タッコングの出現と同時に姿を現し、勝鬨橋付近で激戦を繰り広げるも、タッコングの体当たりで絶命した。

デザイン段階では「ヘドラ」という名前だったが、東宝の映画が公開されたのは1971年7月24日、『帰マン』第1話放送は同年4月2日なので偶然。
『帰マン』のキャラソンである「怪獣音頭」の歌詞では、「なんにもできない おひとよし」「いつもないてる よわいやつ」と散々に言われている。いくらなんでもひどい。
まあ、歌詞中で触れられすらしなかったコイツよりはマシか…

ちなみに存在感が微妙すぎる怪獣のため、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では誤って歴代怪獣の合成であるペリュドラの左腕2か所に造形されてしまい、今更変更できなかったので片方は『ザ☆ウルトラマン』のレッドスモーギだということにされた逸話がある。


シンジ


僕はシンジ。お兄さん、体の中に、何人かの宇宙人を隠しているんだろ?

その力を使って、タッコングを助けておくれよ。おくれよってばさ!

演:横山歩

ウルトラマンタイガ』第22話のゲスト。

昭和風な話し方をする謎の少年で、冒頭ではたこ焼きを粗末にしていた夫婦(「たこがいらない」と言っていたのは妻)に怒りを露わにしていた。
工藤ヒロユキが3人のウルトラマンを宿していることを把握しており、なおかつタッコングが高齢であることもあって助けを求め、ギーストロンとの戦いでは的確な指示を出すことで勝利に貢献する。
エピローグではタッコングの背に乗って去っていったが、その際両腕がタコになっていた。

どことなく『ウルトラセブン』に登場したノンマルトの使者・真市少年を想起させる。


凶猛怪獣 ギーストロン


身長:60m
体重:2万5千t

『タイガ』第22話で戦闘を繰り広げた怪獣。

「大地の使い・大地の怒り」とシンジが評していた怪獣で、かつてはタッコングに封じ込められたと言われるが、人間が大地を壊したことに怒り、出現した。

頭部の角や両手に装備された鋭利な爪が武器であり、頭部から放つギーストロン雷電波、両手の爪から放つ三日月状の光線・ギーストロン超雷電波が得意なほか、劇中では失敗したものの、電磁波・ギーストロン大振波でマグマを活性化させて更にパワーアップすることも可能。

『帰ってきたウルトラマン』第1話で共演したものの、戦闘を繰り広げることはなかったアーストロンと姿及び名前は似ているが、関係は不明(着ぐるみはアーストロンの改造ではなく、新規に作られている)。

ウルトラマンZ』では第11話の回想シーンで登場。ナツカワ ハルキが小学生時代に行ったキャンプ場に出現し、避難誘導をしていた父親のナツカワ マサルを殺害した怪獣であることが判明した*1

元々は「ウルトラマンフェスティバル2019」で先行登場した怪獣だった。


『帰ってきたウルトラマン』での活躍


第1話「怪獣総進撃」・第2話「タッコング大逆襲」に登場。

冒頭から東京湾・勝鬨橋付近でザザーンと激突。
激戦を繰り広げる2体を前に、怪獣攻撃隊 MATマットアロー1号・2号で出撃して2体に攻撃を加え、戦いが続く中でタッコングは体当たりでザザーンを撃破。

一方、坂田自動車修理工場で働く物語の主人公・郷秀樹は鳩と子犬を助けようとした子供を崩れたアパートの瓦礫から救うために命を落としたものの、M78星雲・光の国からやって来たウルトラマンジャックと一体化し命を吹き返している。

再び出現した際は海上オイルプラントを襲うも、マットジャイロの攻撃を受けて撤退。
マットサブ1号・2号の2機でタッコングを挟撃する作戦が立てられ、MATに入隊した郷と南隊員がマットサブ1号でタッコングの姿を目撃したものの、郷は先走って攻撃してタッコングを暴れさせてしまい、同乗していた南隊員は気を失ってしまう。
この事態を受けてウルトラマンに変身しようとするも、変身出来なかった上に命令無視が発覚した郷はMATを除隊させられることになった。

俺は確かに思い上がっていた…。ウルトラマンであることを誇らしく振り回そうとしていた…。
その前に、郷秀樹として全力を尽くし、努力しなければならなかったんだ…。

以降のシリーズ後輩も度々経験する変身出来なかった苦悩をしていた郷を他所に、タッコングは3度行動を開始、海底の石油タンクを襲っていた中で地上に姿を現した。
岸田隊員と上野隊員がマットアロー1号で攻撃を加える中で加藤隊長と丘隊員のみならず、負傷を押して南隊員も出撃、南隊員は襲われた石油タンクの作業室へ向かうも、オイルが漏れ出したことにより危機に陥ってしまう。

この危機に郷は駆けつけて逃げ遅れた人たちを救出し、絶対絶命の危機に陥った時、ウルトラマンジャックへと変身。
口から吐くオイルの前に苦戦を強いられたが、格闘戦で優位に立って右手を引きちぎり、スペシウム光線を放って見事勝利を収めた。

その後、郷は再びMATへの復帰を認められ、坂田から休暇の日には流星2号を作るよう要請されるのであった。


『ウルトラマンタイガ』での活躍


第22話「タッコングは謎だ」に登場。

ベリュドラの構成パーツ・ウルトラマンオーブ完全超全集収録のウルトラマンオーブクロニクル等でも登場していたが、映像作品への登場はなんと48年ぶり。

世田原湾の沿岸に出現、駆けつけた工藤ヒロユキはタイガに変身して向かっていくも、タッコングは戦う気がない上に吸盤が海底に張り付いて動かせなかったためタイタスに交代。
しかしオイルで転倒したところで蛸由来の保護色で姿を眩ましたため今度はフーマに交代しウルトラソナーでタッコングの位置を見破り攻撃するも、カラータイマーが点滅を開始し、またもや吸盤に苦しめられたところでタイムアップ。
その後、タッコングは重油を飲んだところで眠りについている。

日が明けても有効な手立てはなかったところでシンジと名乗る少年がヒロユキの前に現れ、彼からギーストロンという怪獣の話をされ、タッコングを助けるよう要請される。
シンジから話を聞かされる中で凶猛怪獣 ギーストロンが出現、街を破壊し始めた中でタッコングは目を覚まし戦いを挑むも、高齢により劣勢となってしまう。

タッコングの危機にヒロユキはタイガに変身するがギーストロンの戦闘力に押されてしまう。
タッコングがギーストロン大振波からタイガを庇うも、トラウマを思い出したのか、奮起したタイガはトライストリウムへと変身。

タッコング!挟撃作戦だ!挟み撃ちにするんだよ!

シンジの指示を受けたタッコングはトライストリウムがギーストロンと戦う隙に保護色で姿を眩ました上で火炎放射を放ちギーストロンを攻撃。
再び放たれたギーストロン大振波を回ればなんとかなる火炎放射を纏って防いだ上で体当たりし転倒させる。
最後はトライストリウムがタイガブラストアタックを放ち、ギーストロンに止めを刺した。

戦いの後、地球に危機が迫っていることを嘆くシンジだが、ヒロユキに感謝を伝えるとタッコングと共に去っていったのであった。

着ぐるみは今作のために新規造形された。
また、この回は『帰ってきたウルトラマン』ファンと公言する辻本監督の拘りもあってか、随所随所で帰マンのBGMが使用されている。


『ウルトラマンZ』での活躍


第23話「悪夢へのプレリュード」に登場。

特空機4号ウルトロイドゼロの起動実験により、キングゲスラと共に姿を現した。
駆けつけたウルトラマンゼット アルファエッジと戦闘、暴走状態だったため手強いとゼットも評し、タッコングがゼットを海中へと沈め、沈めたゼットをキングゲスラが襲うというコンビネーションを見せ、ウルトロイドゼロと戦うゴメスパゴスデマーガに加勢しようとしたが、復帰したゼットがデルタライズクローへとチェンジすると形成は逆転。
ウルトラゼットライザーとベリアロクの二刀流の前に劣勢となり、キングゲスラはデスシウムクローを、タッコングはデスシウムファングを受けて倒されることなく沈静化した。

また、同話におけるナカシマ ヨウコの履歴書にもタッコングの名前が記載されている。

ウルトラマンアーク』での活躍


第15話「さまよえる未来」にて登場。

過去にオニキスの影響を受けた個体が過去に出没した件についての回想シーン内での出演で、
ニューヨークの自由の女神周辺に出没していた事が判明している。


余談

  • 鳴き声は『セブン』のテペトの流用。

  • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』では、丸い体にタコの触手を複数生やした姿で登場。
    とある星の海上でペスターグビラと共にジャックを襲うが、スペシウム光線で3体纏めて撃破された。
    この戦いにより、ジャックはエネルギーを使い果たした上に一時的に変身不可能になってしまう。

  • ウルトラマンビクトリーの能力であるウルトランスを募集した企画・ウルトランスコンテストではタッコングに由来するタッコングファイヤーボールがテレビマガジン賞を受賞した。
    ビクトリーの腕からタッコングそのものが生えたその姿はインパクト抜群。まあてれびくん賞の「バルタンセンジュカノン」はある意味もっと凄まじかったりするのだが

  • ウルトラマンオーブ』では水ノ魔王獣としてタッコングを起用する案もあったが、着ぐるみが現存していない事に加えて、過去のソフビの売り上げが芳しくなかった事で見送られ*2、その役割はマガジャッパが担うことになった。
    その名残なのかは不明だが、マガジャッパはジャックが封印していた*3魔王獣となっており、『太平風土記』に描かれた「禍邪波」の姿はタツノオトシゴのようなマガジャッパと異なり、タコのような見た目になっていた。



俺は確かに思い上がっていた…。Wiki篭りであることを誇らしく振り回そうとしていた…。
その前に、住人として項目を追記し、修正しなければならなかったんだ…。


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最終更新:2024年12月15日 14:04

*1 また、この回想シーンに登場したこともあってか、応援配信では第11話のメイン怪獣であるレッドキングが登場するエピソードではなく『タイガ』第22話が配信された。

*2 その後、2019年の『タイガ』放送中に「ウルトラ怪獣シリーズ」で再度ソフビ人形が発売された。

*3 ゾアムルチの着ぐるみを改造した縁もあると思われる。

*4 こちらは本物のマダコを使って撮影された。