ヴァルシオン

登録日:2015/05/22 Fri 15:44:00
更新日:2024/07/02 Tue 22:49:46
所要時間:約 6 分で読めます




エイヤム ドゥフカム アナーガタム
絶つべきは、未来の苦しみである

ヴァルシオンは、スーパーロボット大戦シリーズに登場するロボット

スペック

分類:地球防衛用人型機動兵器(ヴァルシオンシリーズ)
異名:究極ロボ
形式番号:EI-YAM-001(旧シリーズ)、SMH-01(αシリーズ)、DCAM-001(OGシリーズ)
全長:57.0m
重量:550.0t(旧シリーズ)、55.0t(EX、OGシリーズ)
全備重量:615.0t(第4次)61.5t(EX)
開発者:ビアン・ゾルダーク
主なパイロット:ビアン・ゾルダーク
メカニックデザイン:守谷淳一

概要

ディバイン・クルセイダーズ(DC)の総帥ビアン・ゾルダークが異星人の襲来を懸念して開発したスーパーロボット。機体色は赤。
地球の先端技術を惜しみなく投入して開発され、圧倒的な性能を持っており、その強さから『究極ロボ』の異名で呼ばれている。

武装はシンプルにまとめているため数は少ないもののその威力は非常に強力。
左手に装備している必殺武器『クロスマッシャー』は威力と射程に優れており、そのインパクトの強さからヴァルシオンの象徴ともいえる武器となっている。
また、重力波『メガ・グラビトンウェーブ』で複数の敵を攻撃したり、大型の実体剣『ディバイン・アーム』で接近戦に用いたりすることもできるため、遠距離と近距離どちらでも対応可能である。

機体から発生する『歪曲フィールド*1』で敵の攻撃を防ぐこともできるため、堅牢な装甲もあって防御力にも優れている。

こうしたワンオフ機では珍しく、DC戦争勝利後にヴァルシオンが主力機として投入されることを想定して設計したためか量産性や拡張性にも優れているのも特徴。
ヴァルシオン改を始めとする後継機の開発の基礎になっているが、DCの大義を失って私利私欲に走った者や、地球連邦軍に復讐を仕掛ける者に利用される要因にもなっており、ビアンの娘であるリューネやビアンの腹心の部下だったシュウはそれを快く思っていない。
シュウは自分でも結構ヴァルシオンを使っているのは見なかった方向で。…ヴォルクルスに操られている時か、こっちが誤った選択肢を選んだ時だけだし

当初は飛行能力がなく、旧シリーズでは地上を歩いていたが、OGシリーズではテスラ・ドライブが搭載されたことによって飛行が可能となっている。まあ可能になっても飛ばない辺りがビアンの拘りであろうか。

知的生命体に対して心理的効果を与えるためか曲線的で非常に刺々しく、派手な外見をしており、その出で立ちはDCの総大将にふさわしいものとなっている。
しかし、この機体デザインでは可動範囲が狭くなるという欠点も生まれているため、戦闘スタイルは激しい動きをするようなものではなく、最小限の動きで行っている。

元々は、娘のリューネ・ゾルダークがヴァルシオンのパイロットを務める予定だったが、リューネがヴァルシオンの機体デザインを見て搭乗拒否をしたため、ヴァルシオーネが開発される事となった。

全長57m・重量550tはコン・バトラーVと全く同じ。これは開発者であるビアン博士がロボットアニメにハマっているためで、わざと同じにしたもの。
しかし『EX』でなんと1/10の55tに変更。55tというのは具体的に言うとフィン・ファンネルを装備していない状態のνガンダム(全長23m)と同じくらいであり、
全長50mオーバーのロボットとしては内部が空洞なのかというほど軽い。
そして『第4次』ではまた550tに戻ったため、誤植だと思われていたが…『OG』でまた55tになり、それ以降55tで統一された。

重量だけでなくカラーリングもややこしい機体であり、『第2次』で初登場した際は赤を基調としたカラーリングで、
『第3次』と『EX』でも同様に赤であり、「改」が青カラーで区別されていた。
『第4次』と『F完結編』では改でないノーマルヴァルシオンが青カラーで登場したが「改」が登場しないため、第3次で言う所の改が標準仕様になったものだと解釈されていた。
しかし『コンプリートボックス』でノーマルしか登場しない第2次、ノーマルと改が両方登場する第3次・EXが復刻された際、
ノーマルが青・改が赤という逆転カラーで実装されてしまった。
『電視大百科』ではさらに迷走し、ノーマルヴァルシオンとヴァルシオン改が両方収録されてはいるものの、
「F完結編のノーマルヴァルシオン」と「EXのヴァルシオン改」のグラフィック、つまり両方とも青カラーで区別が付けられない不思議な図鑑になってしまっている。
『OG』シリーズになってようやくオリジナルの赤カラーが戻ってきてそれ以降落ち着いた。



天才科学者であるビアンの才能もあって総合力に優れているロボットとして仕上がっており、その性能は後のシリーズでも揺るぎないものとなっている。

劇中での活躍

旧シリーズ

第2次』から『F完結編』まで登場しており、『第2次』と『第2次G』ではラスボスとして登場している。
DCの結成後、武力の統一を図るためにDC戦争を起こして世界の8割を制圧しており、最強を歌われていた国連軍もヴァルシオンの強さに手も足も出なかった。
残りの2割も制圧しようとするが、『ホワイトベース隊』の抵抗によってヴァルシオンは破壊され、ビアンのを以ってDCは崩壊した。

HPが3桁の機体が多い中ヴァルシオンは4桁であり、HPは6000と非常に高い。
『第2次G』やPS用ソフトとしてリメイクされた作品ではシステムが大幅に変更され、HPも『第2次G』では65000、PS版では40000となっている。
ただ、FC版や『第2次G』では防御力がそれほど高くないのが唯一の救い(『第2次G』なら、条件さえ整えば1発撃破することすら可能)。

『第3次』(インスペクター事件)ではヴァルシオンが量産されており、終盤でパプテマス・シロッコが作り上げた機体*2が登場する他、インスペクターの戦力として利用されたり、シュウ・シラカワのネオ・グランゾンの取り巻きとして登場したりと出番が多い。
そして、続編である『EX』(ラ・ギアス事件)ではラ・ギアスに召喚されており、カークス軍の戦力として使用されている。

『第4次(S)』や『F完結編』では、青い色(ヴァルシオン改の機体色)の機体として登場しており、武装もディバイン・アームとクロスマッシャーの2つとなっているが、第4次とF完結編のヴァルシオンは性能が少し異なっている。
第4次のヴァルシオンは飛行可能でIフィールドを持っているが、F完結編のヴァルシオンは飛行能力がなく、Iフィールドも装備していない。
第4次では、レベル99の超AIが搭載された無人機がシュウのネオ・グランゾンの取り巻きとして5機登場しており、圧倒的な性能でロンド・ベル隊を苦しめていたが、第4次Sではレベルが58に下がっているため、弱体化している。
なお、ロボット図鑑では「安売り感が漂う」などと辛辣ながらも嘆かれていた。

F完結編ではラスボスとして登場しているがルートによって異なっており、ポセイダルルートではシャピロ・キーツ、DCルートではシロッコが使用している。
シャピロのヴァルシオンはバイオリレーションシステムの影響で『鉄壁』『魂』『根性』の精神コマンドが毎ターンかけられており、すさまじい強さを誇っている。
また、シロッコは自身のニュータイプ能力もあって、LLサイズの機体のくせに回避率が非常に高くなっており、生半可な攻撃では命中させることすら難しい。
一方でラスボスなのに特殊能力が皆無であり、また武器も無改造でこの直前のオージ(アマンダラ)やバラン=シュナイルは武器がフル改造のため、比較すると火力は相当低い(それでも4100あるが)。さらには撃墜エフェクトも一般機と同じ。
これはFのデータ*3ではHP29000運動性100装甲2500、クロスマッシャーは威力2100で射程6と、まるで別物なことから当初はラスボスではなく、リメイク元の第4次のようにネオ・グランゾンの取り巻きなりになる予定だったことがうかがえる*4
ちなみに、バイオリレーションなしでバラン=シュナイルとタイマンした場合、シロッコ版でもジリ貧で負ける
クロスマッシャーの火力が低めなこと、弾数制限があること、何より特殊能力がないことが響いており、HP回復持ちのバラン=シュナイルに対する打点がいずれ尽きてしまうのが理由。


αシリーズ

設定のみ登場。
新西暦184年5月に登場したことが明かされ、人類初のEOT搭載機として君臨している。
『スーパー・マシンナリー・ヒューマノイド』の1号機という設定が追加された。

OGシリーズ

DCの対異星人用人型機動兵器の開発計画『プロジェクトUR』で開発されたロボットとして登場。機体色は赤に戻っている。
OGシリーズのヴァルシオンはαシリーズのヴァルシオンと違ってEOTそのものは搭載されていない。
その圧倒的な強さで地球連邦軍を苦しめていたが、アイドネウス島にあるDC本部での戦いで地球連邦軍のハガネ隊によって撃破された。

OG1のリュウセイルートで登場しており、能力を下げる特殊武器やダメージを半減する『歪曲フィールド』、EN回復(大)を持っているため、総合的に旧シリーズのヴァルシオンを上回っている。また、アタッド・シャムランのトラウマシャドーで偽物も登場している。

アニメ『ディバイン・ウォーズ(DW)』でもその強さは健在だが、イングラム・プリスケンの作戦によってバリアを破られ、最期はサイバスターのアカシックバスターで止めを刺され、破壊された。

余談だが、シュウはこの機体が「尊敬する男の専用機」ということでかなりの思い入れがあるらしく、ヴァルシオーネやヴァルシオーガが、系列機でありながらヴァルシオンに及ばないことに大きな不満を持っているという。

武装

ディバイン・アーム

右手で持っている巨大な実体剣。
『DW』ではディバイン・アームの一振りで衝撃波を発生させ、アヤ・コバヤシの量産型ゲシュペンストMk-II・タイプTTに当てていた。
後にパーソナルトルーパーアーマードモジュール、ヴァルシオーネが使えるように小型化されたものが登場する。

クロスマッシャー

手の甲から赤と青のビームが螺旋状に発射される、ヴァルシオンの代名詞的必殺武器。
命中率・攻撃力に優れ、射程距離もかなり長い。
アニメではフレキシブル・アームを搭載したバックパックから発射されているが、漫画『Record of ATX』ではどちらからでも発射することが可能となっている。
この武器はヴァルシオンシリーズ全ての機体に採用されている。
『第2次G』では無限に使用することができ、一撃で倒せるほどの攻撃力を誇っている。弾数制の武器。

メガ・グラビトンウェーブ


私とヴァルシオンを倒さぬ限り、DCは倒れん!
メガ・グラビトンウェーブ!!

指向性の強い重力波。
威力ではクロスマッシャーに劣ることが多いが、その命中精度はクロスマッシャー以上であることが多い。
特に『第三次』では驚異的な命中率補正を誇り、普通にプレイしていたのではこちらのエースパイロット&ユニットにすら、平気で命中100%を叩き出してくる。
OGシリーズでは全体攻撃可能。
OGs以降の作品は、重力を竜巻のように発生させて敵を引きずり込み、全身から強烈なエネルギーを発射して敵を破壊するものに変わっている。
EN制の武器。

エナジードレイン

OGシリーズに登場する特殊武器。敵のエネルギーを吸い取る効果がある。

アーマーブレイカー

OGシリーズに登場する特殊武器。敵の装甲値を下げる効果がある。

ウェポンブレイカー

OGシリーズに登場する特殊武器。敵の武器の攻撃力を下げる効果がある。


☆関連機体

2号機。
ビアンがリューネのために親バカを発揮して急遽造り上げた専用機で、人間の少女の姿をしている。
何気にビアンの傑作のひとつで、シュウから齎され実地でも観測した「サイフラッシュ」のデータと、ダブルGにも受け継がれたDMLと人工筋肉を採用されている。

ビアン亡き後、覇権を狙う者達が手駒として造り上げた量産型(旧シリーズでは強化型)。
量産型の場合、グラビコン・システムはオミットされている。カラーリングの混乱が激しいが、一応オリジナルの本機が赤、量産型のこっちは青。
地球を守るために生まれたはずのヴァルシオンが、地球の混乱のために使われるという事態はビアンにとっても悲しいことだっただろうが、OGにおいてはあるステージで特定の条件を満たすとハガネ・ヒリュウ改に一機鹵獲されることになる。
その一機はその後L5戦役で活躍する事になり、結果として後述のタイプGFと並んで地球を守るために戦ったヴァルシオンとなった。
加入条件は熟練度獲得条件と被りこそするが知っていればかなり楽な上に、OGでは参戦ユニットが少なくユニット数は常にカツカツなため是非とも入手を狙いたい。



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最終更新:2024年07月02日 22:49

*1 旧シリーズではIフィールドであり、ビーム兵器のみ防げる

*2 しかもシロッコ本人が乗る場合はご丁寧に『改』になっており、普通のヴァルシオンよりも性能が高い。

*3 Fの時点で後半に登場する機体のデータは作られていたが、開発難航に伴い分割が決定し、開発中に機体のデータも作り直され、結果として没となった。例えば完結編で登場するイデオンはFのデータとは運動性が40ほど違う

*4 余談だがそのFのデータではバラン=シュナイル(HP60000運動性160装甲5000)の方がネオ・グランゾン(HP50000運動性135装甲3500)よりかなり強く設定されていたりする