パプテマス・シロッコ

登録日:2011/07/30(土) 13:19:45
更新日:2020/01/21 Tue 21:08:46
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常に世の中を動かしてきたのは

一握りの天才だ!


ハプテマス・シロッコとは、『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士Ζガンダム A New Translation』の登場人物。
CV:島田敏

木星資源採掘船「ジュピトリス」の責任者であり、苛酷な環境である木星圏での長い生活によって自然とニュータイプへと進化した人物。
元々優れた才能を持っており、ニュータイプへの覚醒でさらにそれが増し、人を惹きつけるカリスマを持つ。


オールドタイプ、ニュータイプ関係なく、裏切り者も平然と重用するという懐の広さも見せているが、あくまでも「才能のある人間」に限定されている。
天才的才覚故のプライドから、「才能の無い人間」に対する態度は傲岸不遜そのもの。
ニュータイプの能力がその傲慢さに拍車を掛けたのか、知ってか知らずかその態度は数多くの人間の反感を買ってしまった。



ジャミトフ・ハイマンの命により地球圏への帰還後、ティターンズ内の権力を掌握するべく暗躍する。

女性に対する扱いは非常に長けており、精神的に未熟なサラ、逆に意思の硬いレコアなどの女性を自身の配下に収め、さらに

「女性による世界統治」

を掲げているなど、他の実力者とは違った面も見せる。


特にサラに対しては特別な想いがあったらしく、彼女が戦死した際には実行犯のカツに対して怒りを露にしていた。

劇場版では後にレコアから「権力を手にしたら女は要らなくなる」とも評されていたりはするが、真偽不明。
仮にそうだと思っても、彼のある種執念深いナンパっぷりからそんなことはない気もする。

その他に野卑なヤザン・ゲーブルとは性格がかなり違うわりにはウマが合っていたらしく、彼にハンブラビを与えたりした。
ヤザンは戦争を好む凶悪な人物ではあるものの、非人道的行為は嫌いで部下想いで作戦立案もしっかりするなど軍人としてならば割合真っ当*1
そして勘も良いのでお互いに本質を見抜いて相互理解していたのだろう。ティターンズの理念もどうでもいいと思っているし。


歴史の立会人」と自称する一方で自身もまた「世界統治の野心」を秘めていた可能性も有る。実際、
  • ティターンズの指導者ジャミトフとその腹心バスク・オムを謀殺してティターンズの実権を掌握
  • アクシズのミネバ・ラオ・ザビに対し忠誠を装う形でアクシズの権力をも握ろうとする
  • エゥーゴ・アクシズ・ティターンズの三つ巴の戦いに意欲を持って参加
など、グリプス戦役終盤でのセリフや行動からしてその可能性もある。


もちろん、彼の言動に嘘が少なかったとすれば、シロッコは戦争をしにきたというよりは本当に世界を統治し、
女性の天下を作るという「ゲーム」を自分の実力と周囲の人材を合わせてクリアしにきたのかもしれない。

「グリプス2」劇場内でのシャアハマーンとのニュータイプ同士による主張はまさに作中の全てを物語っていた。
一方で命からがら逃げてきたシャア・私的な用があるハマーンを生身で追いかけて立会人を気取った結果シャアの抹殺にもコロニーレーザー発射阻止にも失敗しており、
このあたりからもよく言えば余裕のある、悪く言えば舐めきった態度が伺える。

技術者としての才能もあるようで、以前から連邦正規軍やティターンズ本隊とは別に独自のモビルスーツの設計・開発を行っており、
メッサーラを始めとした彼が中心になって開発した機体はいずれも高いポテンシャルを有していた。

特に長い期間の開発に次ぐ開発で培ってきたデータと自らの戦闘経験を基にたどり着いた
「モビルスーツに必要なものは大火力や可変機構ではなく、パイロットの操縦技術を追従・反映する優れたインターフェイスと堅牢な機体」
という結論は後の第5世代MSの設計思想に通じるものがある。

この結論に基づいて開発されたはずの専用機「ジ・O」はむしろ第4世代に近い感じがするが。
機動力重視の着想は良いけど、武装面のバランスももうちょっと考えようよという感じもするが。

パイロットとしても非常に有能であり、自身のニュータイプ能力であのハマーン様とタイマンを張ったこともある。
しかしながらプレッシャー対決は、NTならともかく作中のオールドタイプからするとZガンダム屈指の迷シーンとして映っていたことだろう……。

ちなみにハマーン様と同じくパイロットスーツは着ない主義。


最期は、死んだ者の魂を吸いオカルト化したΖガンダムの特攻をモロに喰らったが、
最期の力を振り絞り、カミーユの精神を崩壊させジ・O共々散っていった。
新訳版では精神崩壊できなかったのは秘密

本作でもかなり印象に残るこのシーンなのだが、巷では顔芸だのスイカバーだのと散々ネタにされている。




『可能性』『しれない』と何だか曖昧な表現に終始しているのは、彼の真意が作中のどのキャラからも、視聴者にも分からないためである。
結局の所何がしたかったのかよく分からなかった視聴者は多いだろう…というか完全に分かっている人は居ないと思われる。

特に終盤、ダカールの演説で風向きが完全にティターンズにとって世論&政府内での評価が逆風になったり、バスク達がコロニー攻撃への攻撃を繰り返した結果、スペースノイドへの恫喝による萎縮どころか
各コロニーをエゥーゴ支持に傾かせたりと、もはやほぼ組織としては死に体になっていたティターンズを
わざわざジャミトフを暗殺して乗っ取っている、しかも計画的にではなく、偶然を利用した勢いで、である。
TV版では階級が「大尉」「木星から突然来たよそ者」なのに、バスクを消した後総司令官のように振舞っていたことで残ったティターンズ兵が混乱したのではないかと考察される事もある。
アニメの製作サイドもシロッコの階級が低いとおもったのか劇場版では「大佐」になっている。

カミーユが「ゲーム感覚で戦争している」みたいなことを評していたりするが(シロッコ以外も含めて)、実のところ彼が言うほど遊び感覚だったのかどうかも不明。


とりあえず本音っぽいところをピックアップしていくと……
「女としっぽり楽しく暮らしたい…ので自分の理想に邪魔な勢力は一掃」「MS・MA開発大好き」「凡人は嫌い」「感情的な敵対者は嫌い(味方はケースバイケース)」
辺りだろうか?

要するに実は好きそうではない政治・軍部の実権関連(彼が思うところの面倒な凡人たちの相手)に参入せず、得にならない戦闘も避け、適当に女を引っかけ、
モビルスーツとかをいじりながら生活していれば普通に楽しく思いのまま暮らせていたのではないか?という疑惑が割と強い。
しかし一方で、シロッコは「天才」が世界を引っ張っていき、そして自分はその「天才」であることを仄めかす発言も多く、実際に優れた技術的・政治的才能を有するシロッコは、自らの野心を心中に燻らせていた感が否めなかった。
前述の思想や発言等に関しても、自分の考えが正当な物である事を証明させる為の「詭弁」でしかないとも取れ、彼が戦乱に身を投じた真の理由は、木星という僻地で持て余していた己の才能を、「戦場」という舞台を借りて存分に発揮することであったとする見方もある。

また、サラやレコアについても、「自分にとって有益になる便利な手駒」としか見ていなかったのではないかという見解もある。
実際サラにはグラナダ落としに関するアーガマへの密告や、フォン・ブラウンへの爆破テロといった汚れ役を行わせ、レコアに対してもコロニーへの毒ガス攻撃を止めなかったり、バスクの始末といったやはり汚れ仕事を命じており、あくまでも実行を彼女達にさせる事で、シロッコは可能な限り自身の手を汚さずまた自信の身に起きるリスクも極力減らしていたのではないかと言えば、やはり否定は出来ない。
ただし、ジャミトフの暗殺といった万に一つでも失敗の許されない計画に関してだけは、自身の手で実行している。
もしこれらが真実とすれば、サラが死んだ時の怒りも、「自信の有益な手駒を減らされた事への怒り」とも取れなくも無い。実際、劇場版のカミーユとの決戦時は、霊体になって自身を守ろうとしていたサラを拒絶していたらしく、同じく霊体になりサラを説得していたカツ・コバヤシが、その事実を指摘している。

凡人には理解不能な人物かと思いきや、意外にも俗っぽい感じがしてくる。

能力が高すぎてちょっと手を伸ばせば、大抵のことが思い通りに出来たせいでカミーユみたいなのに絡まれやすくなったのかもしれない…。




SDガンダムのシロッコ
登場キャラがこれ以上ないくらいデフォルメされ、ことごとくキャラ崩壊していく『SDガンダム』。
Zのラスボスである彼も例外ではなく、『転がるコロニー事件』は実質上の主役を張る。
しかしその姿はトロッコに乗った貧乏人という役柄で、ブライト・ノアの経営するストリップ劇場に懇願して入れて貰おうとする、何とも情けないものだった。
金のない者には一切の容赦がないブライトに一蹴されてしまうが、直後に見せた姿は本編の彼が嫌う、生の感情を丸出しで怒鳴る品性の欠片もない姿だった。


【搭乗機】
PMX-000 メッサーラ
PMX-003 ジ・O


【設計・開発したMS】
PMX-001 パラス・アテネ
PMX-002 ボリノーク・サマーン
PMX-004 タイタニア(Gジェネシリーズ)
RX-110 ガブスレイ
RX-139 ハンブラビ
RX-160 バイアラン



【セリフ集】

「落ちろ蚊トンボ!!!」

「道を誤ったのだよ…貴様のようなニュータイプの成り損ないは、粛正される運命に有るのだ!分かるか!!」

「生の感情丸出しで戦うなど、これでは人に品性を求めるなど絶望的だ」(後にSDで自分もその姿を見せる羽目になる)

「天才の足を引っ張ることしかできない俗人どもに何ができる!」
「常に世の中を動かしてきたのは一握りの天才だ!」
「賢しいだけの子供が、何を言う!」
「賢しくて悪いか!」
「勝てると思うな、小僧!!」

「体を通して出る力?そんなものがモビルスーツを倒せるものか!」

「ジ・O、動け!ジ・O、何故動かん!?」

「貴様の心も一緒に連れて行く…カミーユ……ビダン!」

「ハマーン、ジオン再興だ何だと言っても、結局貴様はシャアとの痴話喧嘩がお似合いなのだよ」


以下SDガンダムより。以下のセリフを、本編と同じキャラ、同じ声で実際に言ったのだから恐ろしい。

「あ、νガンダムのおじさん!」(SDガンダム作品内では何故かνガンダムはおじさん扱いされる)

「トロッコに乗ったぁ、シロッコ!」(ブライトになんだお前は、と聞かれて)

「旦那ぁ、お金くだせえ」(ブライトに蹴り飛ばされ、シャアのムサイに衝突して)

「バードウォッチング用から女風呂覗き用、暗闇でも安心変態用までなんでもあります!」(上記のシャアにオペラグラスはないか、と聞かれ)

「シロッコのシロップ!」

「ちくしょー!人非人!薄情者!豚のケツ!便器に頭突っ込んで死んじまえ!」


ちなみにトウショウシロッコという競走馬がおり、こいつ関連のスレが立つと中身は確実に木星帰りなレスで埋まる。
似たような馬にニック・ディアス、シャルル・アズナブールなどがいる。


◆ゲームでの活躍
初代『ガンダム無双』ではジュドー・アーシタルー・ルカを手伝いを名目に仲間に引き入れ、ルーを引っかけようとするがスルーされる。
ジュドーにおだてられて気分を良くするも、人徳で他者を引きつけるジュドーに新たな可能性を感じ、最後はジュドーとルーに助けられてデレた。山猿呼ばわりしていたスパロボとはえらい違いだ。
また、隠し腕を用いた戦法等で東方不敗と互角に渡り合う実力を見せている。
なんだかんだで地球を救うが、原作の自分がやったように武者ガンダムによって道連れにされかけた時はちょっとした意趣返しをした。
「相打ちなどとは…まるで子供のように…」
お前が言うな

ガンダム無双3』では手当たり次第に女性キャラを口説いて仲間にしまくっており、ハーレムを構築していた。
なにこのシロッコ無双。

ギレンの野望』では、白服(ティターンズ)・黒服(地球連邦)の二通りが存在。
連邦ルートでは多くのプレイヤーの予想を裏切り、ティターンズを敵に回してもレビル将軍に最後までついていく忠臣シロッコが拝める。
ティターンズルートでは、きれいなジャミトフプレイで同盟受け入れとバスク粛正を呑むとなんと最後まで裏切らない。ちなみにこれ、「きれいなティターンズ」の絶対条件だったりする。
また、各勢力の女性キャラのみが集まる特別シナリオ「華麗なる戦い」の50ターンイベントでは、女性ばかりのこの勢力に男性のくせに加入したいと持ち掛けてくる。
「Yes」を選ぶと全軍の士気が0になってしまうが、ギレンの野望屈指の強キャラであるシロッコが加入するだけでなくメッサーラ、ガブスレイ、ハンブラビ開発プランも手に入る。選んで損はないだろう。

また、α以前の旧作スパロボではデビルガンダムに乗って来たりラスボスになったり自身のクローンのクローンが作られてまたラスボス化したりと妙に超展開に縁があった。
私が死んでも代わりはいるさ
その後暫くそんな展開はなかったが、種死と共演した『スクコマ2』で「 ディスティニープランが成功した暁にはシロッコクローンを量産して外宇宙からの脅威に備える 」という衝撃の計画が明らかになった。
結局この計画は失敗に終わるのだが、シロッコクローン自体はもう誕生しておりギルバート・デュランダルは最期に自軍部隊にこの赤ん坊シロッコを託して事切れる。
正直そんなもの託されても困る


◆余談
パプテマスというのは「宣教者」という意味であり、「パプテマス・シロッコ」とは言ってみれば芸名みたいなもの。
イエス・キリストと同じようなものである。


常に追記・修正してきたのは一握りの天才だ!

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