埼京線

登録日:2010/02/02 Tue 18:09:52
更新日:2025/03/12 Wed 22:37:49
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埼京線(さいきょうせん)とは、東京都の大崎駅から埼玉県の大宮駅を結ぶ、JR東日本の運行系統である。
ラインカラーは緑で、路線記号は[JA]


目次


概要

「埼京線」という路線名は愛称であり、正式な路線名ではない。
池袋~赤羽間は旧山手線から分離した「赤羽線(あかばねせん)」と呼ばれる区間で、かつては黄色い103系がピストン輸送をしていた。
赤羽から大宮付近までは全区間が高架となっており、東北新幹線が並走する。
この区間は新幹線建設の見返りとして、当時鉄道路線のなかった戸田市の交通アクセス向上も兼ねて建設されたもので、建設当初は通勤新線と呼ばれていた。
国鉄では初めてコンピューターによる運行管理システムが導入されるなど、当時の最新技術が反映された路線でもある。開業当日にシステムが故障して3か月間は手動扱いだったことは内緒
大崎~池袋間は山手貨物線を旅客化したもので山手線の快速として機能しており、湘南新宿ラインの一部でもある。
現在は、JR東日本が開発した移動閉塞システムであるATACSの実用線区の一つとなっている。

その利用者の多さや駅間の間隔の長さなどが複合的に災いして、痴漢が多い路線というあまりにも不名誉過ぎる理由で有名になってしまい、2009年12月に全国で初めて車内に防犯カメラが設置された。


運用

大崎からりんかい線に、大宮から川越線、大崎から湘南新宿ライン・相鉄新横浜線経由で相鉄線へそれぞれ直通運転を行う。

他に新木場・新宿発の赤羽止まり、ラッシュ時に走る新木場・新宿発の武蔵浦和止まり、同じくラッシュ時に走る入庫列車である新木場・新宿発池袋止まり等が存在し、川越線には快速・通勤快速と一部の各駅停車が直通する。
2019年11月30日からは相鉄線への直通運転が開始され、海老名行きが新設された。
また、各駅停車は日中にも武蔵浦和行きが設定された(1時間に6本走っていた大宮行きを短縮したもの)ほか、以前は朝夕のみだった新宿~大崎にも前述の海老名行きとして新設された。

日中は、海老名(相鉄線)〜新宿、新宿〜大宮、新宿〜武蔵浦和の各駅停車に加え、新木場(りんかい線)〜川越(川越線)の快速という計4種が走る。
新宿を境にダイヤが分断されているのが特徴で、本数が大きく減る大崎〜新宿は湘南新宿ラインで補っている。

輸送障害発生時には、川越線・りんかい線・相鉄線共に直通運転中止になりやすい。
回復中に再開する場合、片方だけ先に直通運転を再開するがもう片方は引き続き中止……という場合もあるので、案内板やアナウンスに注意。
山手線や湘南新宿ラインのトラブルに巻き込まれるケースもある。
反対に、池袋~大崎間で同じ線路に成田エクスプレスが走っているため、埼京線トラブルの影響が千葉県内路線まで(間接的に)巻き込むとも……
さらに相鉄線直通が開始されたため、余波が広がる可能性が高まった。

また、初電が遅く終電が早いという事も特徴。
特に終電は0時を過ぎるとすぐに終わってしまうので、並行して走る京浜東北線と比較すると使い勝手が悪いという一面もある。


車両

本項では湘南新宿ラインの車両は省略する。
車両は全て10両編成である。

現行車両

  • E233系 7000番台
2013年6月30日から運転開始。従来の車両に比べて幅広の車体となったため、6ドア車は連結されていない。
205系や70-000系同様、1号車にはドーム型の防犯カメラが設置されている。のちに改修を受け、1号車以外の全車両にも防犯カメラが追加で設置された。
車内LCDの表示がアニメーションとなっている。
相鉄線直通開始後は本線海老名まで乗り入れ、同線内で特急として走るようになった。
また、ダイヤ乱れ時等にはいずみ野線湘南台や相鉄線横浜に顔を出すことも。

  • 東京臨海高速鉄道 70-000形
りんかい線用の車両で、定期列車では川越まで乗り入れる。
詳しくはりんかい線へ。

  • 相模鉄道 12000系
相鉄の車両で、定期列車では池袋まで乗り入れる。
車体がYOHOHAMA NAVYBLUEという特徴的な塗装となっているため、銀色+ラインカラーが主流のJR線内では非常に目立つ。

過去の車両

  • 103系
1985年の開業時に導入。車体塗装は黄緑6号(ウグイス)。
赤羽線時代には黄色で運用されていたが、開業に際してウグイスに塗り替えられた。
池袋や新宿で山手線と乗り間違えるという懸念もあったが、経費削減や山手線に205系が導入され始めたこともあり、結局そのまま使用された。
…ホントは埼京線専用塗装を検討していたが、適当な色が見当たらなかったためこうなったとか。
高速運行時の騒音が問題視され、205系に置き換えられて1990年に撤退。
騒音が問題視されて途中区間で並走する東北新幹線は速度制限喰らっているのに、本形式の不平等が問題視されたかは定かではない

  • 205系
1989年に登場。
103系の置き換えのため1989年に登場した。
この車両から緑15号の帯を纏うようになり、ラインカラーとして定着。103系の件は何だったのか
2002年以降、山手線205系から捻出された6ドア車(T')を2両連結するようになり、全26編成(第1~25編成、第31編成)に組み込まれた。なお、非連結車も全6編成存在した(第26~30編成、第32編成)。
ほとんどの編成がE233系に置き換えられた後も1編成だけ残されていたが、2016年10月に引退し一部が富士急行線に譲渡された。


駅一覧

駅番号に01~07がないが、これはりんかい線からの通しで割り振られているからである。

  • JA 08 大崎
山手線湘南新宿ラインりんかい線乗り換え。
東京総合車両センターがあり、首都圏各線の車両が検査時に入線するほか、毎年夏には一般公開が行われている。

  • JA 09 恵比寿
山手線・湘南新宿ライン・東京メトロ日比谷線乗り換え。
発車メロディーはエビスビールの曲『第3の男』。
かつての終着駅だったが当初から折り返し設備がなく、恵比寿止まりの電車もすべて大崎まで折り返していた。

  • JA 10 渋谷
山手線・湘南新宿ライン、東急東横線田園都市線京王井の頭線東京メトロ銀座線半蔵門線副都心線乗り換え。
渋谷スクランブルスクエアや109、渋谷ヒカリエなどがある。若者の街。
かつては新南口は埼京線・湘南新宿ラインの旧ホームの位置のため、プラットホームがかなり離れていたが、
2015年から2028年までの再開発工事で山手線と平行する位置へ移動し、とても乗り換えが楽になった。
旧駅時代の風景は電車でGO!プロフェッショナル2、はしろう山手線などで見られるので、かつての遠すぎる埼京線ホームの思い出に浸ってみたい方はぜひ。
因みにガメラ3ではギャオス・ハイパーがガメラに撃墜され駅に墜落した上にトドメの一撃を放たれ駅は壊滅した…。

山手線・湘南新宿ライン・中央快速線中央・総武線各駅停車小田急小田原線京王線東京メトロ丸ノ内線都営地下鉄新宿線大江戸線西武新宿線(西武新宿駅)乗り換え。
ご存じ日本一のターミナル。ヨドバシカメラの本拠地。多くの電車がここで折り返す、同駅始発の大宮方面行き列車も多い。

  • JA 12 池袋
山手線・湘南新宿ライン、西武池袋線東武東上線、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線乗り換え。
ビックカメラとヤマダ電機の本拠地。
ここで山手線と湘南新宿ラインとは別れる。
当駅~板橋間には池袋運輸区の跡地を使った広大な留置線が存在する。

  • JA 13 板橋
都営地下鉄三田線・新板橋駅と東武東上線・下板橋駅が近い。
新板橋駅は徒歩5分、下板橋駅は徒歩10分と少し離れている。

  • JA 14 十条
東京三大銀座の一つである十条銀座の最寄駅。
国立西が丘サッカー場の最寄駅でもある。
また帝京中・高等学校、東京家政大学附属女子中・高等学校、東京朝鮮中高級学校の最寄駅で多くの学生が賑わう学生街でもある。
商店街を抜けると東十条駅にも行ける。
埼京線では数少ない対面式ホームを持つ。

  • JA 15 赤羽
湘南新宿ライン・宇都宮線高崎線京浜東北線乗り換え。
朝のラッシュ時の上り方面はここからカオスと化すのはもはやお約束。
23区北部有数の繁華街で、ゲーセンやネカフェ、更には怪しい店が多く中々飽きの来ない街である。
またその一方で成立学園や星美学園といった私立学校の最寄駅としても有名。
東京メトロ南北線赤羽岩淵駅は北方の環八通り終点付近であり、かなり離れているので注意。
当駅から大宮方面へ向かうと、沿線の様相が大きく変わり、住宅街と工場・倉庫街が混在する独特な街づくりゲーだと絶対に怒られる街並みに切り替わっていく。

  • JA 16 北赤羽
各駅停車しか停まらないせいか、東京都のJR駅で利用客ワースト10位となっている。
新河岸川の上にホームが存在し、川の両側から駅を利用することができる。

  • JA 17 浮間舟渡
一見すると空気だが、板橋Cityマラソンや、いたばし・戸田橋花火大会の最寄駅である。
その為、各駅停車しか停車しない駅の中で最多の2万人の利用者数を誇る。

  • JA 18 戸田公園
ボートレースの聖地である戸田競艇場の最寄駅。
通勤快速の待避可能駅でもあり、現在でも多くの電車が当駅で待避を行う。

  • JA 19 戸田
各駅停車しか止まらないのだが、戸田市役所や戸田スポーツセンターの最寄り駅で一応、市の中心駅ではある。一応。なんで戸田市は快速停車駅を隣にしたんだ

  • JA 20 北戸田
快速や通勤快速が停車しない駅では、浮間舟渡に次ぐ利用客数を有する。
ホームまでの階段の段数が日本一で、2019年度からは廃駅となった三江線宇都井駅に代わってその地上からの高さも日本一の隠れた名駅である。
当駅から武蔵浦和駅の間で外環自動車道を超えるせいか、近隣は工場や倉庫が多め。

  • JA 21 武蔵浦和
武蔵野線乗り換え。ただしやや遠い。
元々は地名から「別所」の仮称が付いていたが、なぜか浦和が付いてしまい、カオスの一因に。
当駅から新宿方面に行くとロッテの工場やロッテ浦和球場があるため、ロッテの広告やアイスの自販機などが置いてあったりする。

  • JA 22 中浦和
真下に武蔵野貨物線の線路が通っているが、そちらには駅は設置されていない。
近隣には別所沼公園やホテルなどがあるが、すでにある住宅地をこじ開けるように駅が作られたせいか、駅最寄りのバス停はロータリーではなく、真下を通る国道にあったり。というか、ロータリーにはタクシーしかいない…。

  • JA 23 南与野
埼玉大学の最寄り駅。
ただし、全体的に北浦和駅からのバスの方が多いので、どちらを使うかは悩みどころ。
ここも既存の住宅街をこじ開けるように駅が作られているため駅よりも少し離れたエリアにチェーン店があったりとこちらも駅周辺は閑散としているが、乗降客数は伸び続けている。通過線を有しており、通勤快速の通過待ちも行われる。

  • JA 24 与野本町
旧与野市の中心駅。あれ?京浜東北線の与野駅は?と思う諸氏もいるかもしれないが、市役所からは完全に離れているうえ、所在地がなんと旧浦和市(現浦和区)。看板に偽りありどころの騒ぎじゃない。
近隣には彩の国さいたま芸術劇場があり、意外な名作がここに立ち寄ることも。広大な市営バラ園もあったり。しかし、南与野駅や北与野駅の開発が進む中、当駅の開発は止まっている。

  • JA 25 北与野
一応さいたまスーパーアリーナの最寄駅でもある。
ここから先、一気に地下へ潜っていくダイナミックな車窓は一見の価値あり。

  • JA 26 大宮
東北新幹線上越新幹線北陸新幹線、宇都宮線・高崎線・京浜東北線・川越線東武アーバンパークライン、埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)乗り換え。
埼玉県のターミナル駅にして終着駅。一部の列車は川越線へと直通する。
大宮駅のホームは19~22番線で地下にあるため、初見の人は注意が必要。


停車駅一覧

【凡例】
●: 停車
┃: 通過



駅名






りんかい線相鉄線 直通 ▲
JA 08 大 崎
JA 09 恵比寿
JA 10 渋 谷
JA 11 新 宿
JA 12 池 袋
JA 13 板 橋
JA 14 十 条
JA 15 赤 羽
JA 16 北赤羽
JA 17 浮間舟渡
JA 18 戸田公園
JA 19 戸 田
JA 20 北戸田
JA 21 武蔵浦和
JA 22 中浦和
JA 23 南与野
JA 24 与野本町
JA 25 北与野
JA 26 大 宮
川越線 直通 ▼


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最終更新:2025年03月12日 22:37