ガンダム4号機/5号機

登録日:2012/03/30 Fri 21:31:34
更新日:2024/12/31 Tue 15:24:17
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「M-MSV」、「機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…」に登場するMS。
どちらも地球連邦軍がオーガスタ基地で開発したセカンドロット系の機体である。
※以下の記述は特に注記されていない限り「宇宙、閃光の果てに…」に基づくものである。







ガンダム4号機


スペック

型式番号 RX-78-4
所属 地球連邦軍 第16独立戦隊
開発 ジャブロー
オーガスタ基地 (宇宙戦用に改修)
頭頂高 18.0m
本体重量 42.6t
全備重量 80.2t
86.5t (メガビームランチャー装備時)
出力 1,550kw
推力 70,500kg
センサー有効半径 6,190m
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
武装 60mmバルカン砲×2
ハンドビームガン×2
ハイパービームライフル
ビームサーベル×2
ハイパーバズーカ
シールド
メガビームランチャー
パイロット ルース・カッセル



機体概要

4番仕様が施された試作4号機。コードネームは「G-04」。
カラーリングは青と白。
ソロモン、ア・バオア・クーひいてはジオン侵攻の主力としてRX-78-2をベースに開発された。

1~3号機が汎用機だったのに対し、本機は地上用の装備をオミットした宇宙用に特化している。
このため、ポテンシャルを最大まで発揮できるようになった。
また、コアブロックシステムも無く、余剰スペースには高性能冷却システムなどが組み込まれている。
開発の際に2号機の戦闘データを反映させ、マグネットコーティング処理も行った結果、運動性が40%以上高まった。
他にも機動力に秀でている。

総合的に稼働時間も長く、長時間戦闘、特に要塞攻略戦には多大な戦果を期待されていた。
しかも、肩部や脚部などに設置されたサブスラスターなどと連動してメインスラスターの負担を軽減する事が可能となったため、
ハイスペックを実現しながら整備性の向上もある程度見込まれていた。

ただし、四肢をはじめとした機体各所に標準でマグネットコーティング処理を施した結果、可動部分にかかるストレスそのものは少ないものの、
諸動作に伴う応力による各部の構造疲労は逆に大きくなる傾向にあり、パイロットのセンスや機体に対する気遣いが問われるMSになってしまったとも言われている。

オプションとしてショルダーユニットとプロペラントタンク、メガビームランチャーが用意されていて、火力と機動力、稼働時間を向上させられる。
ショルダーユニットはスラスターとプロペラントタンクを一体化したもので、肩に外付けする。
これとランドセル下部に取り付けるプロペラントタンクを装備した状態は特に4号機(Bst)と呼ばれる。
ただし、4号機は正史だとショルダーユニットを装備する前に失われてしまったので4号機(Bst)はifルートでしか見られない。



○武装解説

  • 60mmバルカン砲
頭部に内蔵された牽制用の武器。


  • ハンドビームガン
両前腕に内蔵。
あくまで整備性などを検証する為の試験的な装備とされ、射程は短い。


  • ハイパービームライフル
    型式番号:XBR-M-79H-2
メインウェポン。
ファーストロット用のビームライフルよりバレルが長く、40%程出力が高い。
一説では後のGPシリーズの使用するライフルに匹敵する威力とも言われる。


  • ビームサーベル
背中にマウントされている。


  • ハイパーバズーカ
実弾を発射する無反動砲。
ガンダムやジムなどと同型のHB-L-03/N-STD型を使用する。


  • シールド
防御用の装備。
伸縮可能で、打突武器としても使える。


  • メガビームランチャー
対艦用のオプション武器。
全長12mもの長い砲身から高出力ビームを発射する。リミッターを外せば一発で敵艦隊をなぎ払えるだけの威力があるらしい。
しかし、エネルギーを供給する外部ジェネレーターの出力が不安定すぎて下手に使うと爆発する危険性がある。
前述の高性能冷却システムはこの武器のために搭載されている。



○劇中の活躍

パイロットはルース・カッセル中尉。
第16独立戦隊の旗艦サラブレッドに配備され、ア・バオア・クーに向かうグラナダのジオン増援艦隊を攻撃していたが、メガビームランチャーを使った作戦で敵艦隊を殲滅させた直後に外部ジェネレーターが爆発して大破。機体は回収されたが、コクピットと下半身が完全に吹っ飛んでいた。
その後、コンペイトウで機体は降ろされている。

IFルートでは無事に生還しており、ア・バオア・クーでの最終決戦に投入された。




ガンダム5号機


スペック

型式番号 RX-78-5
所属 地球連邦軍 第16独立戦隊
開発 ジャブロー
オーガスタ基地 (宇宙戦用に改修)
頭頂高 18.0m
本体重量 42.6t
全備重量 80.5t
出力 1,480kw
推力 70,500kg
センサー有効半径 6,190m
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
武装 60mmバルカン砲×2
ハンドビームガン×2
ハイパービームライフル
ビームサーベル×2
ハイパーバズーカ
シールド
ジャイアントガトリング
パイロット フォルド・ロムフェロー



機体概要

5番仕様が施された試作5号機。コードネームは「G-05」。
カラーリングは赤と白。
なお実際の完成順は5号機→4号機となる。

4号機と同時期に開発されていて、本機も宇宙での運用に特化している。
もちろん、2号機のデータが反映され、マグネットコーティングによって運動性も高められているなど、4号機との共通点は非常に多い。
違いはメガビームランチャーの使用は想定されていないため高性能冷却システムが搭載されておらず、出力も4号機より低いという点。
代わりに4号機のような実験機的な要素が控えられたことで、安定した運用性能を獲得している。
また、外観についてもカラーリング以外に胸部の形状が異なっている。

本機もオプションが用意されているが、メガビームランチャーはジャイアントガトリングに変更されている。
これは4号機との連携運用を考慮して、メガビームランチャーのチャージ時間を稼ぐため広範囲の敵を抑えつけることを目的としているため。
こちらもオプションを装備した状態は特に5号機(Bst)と呼ばれる。


○武装解説

共通装備は割愛。

  • ジャイアントガトリング
面制圧を目的としたオプション武器。その名の通り、デカい。
実弾を大量にバラまいて複数の敵機を撃破する。
主にエネルギーチャージ中のG-04の護衛またはメガビームランチャーが使えなかった時に使用するもので、実弾が採用されたのは信頼性を優先した為。
デザイナー曰くアレックスの腕部ガトリングから着想を得たとのこと。



○劇中の活躍

パイロットはフォルド・ロムフェロー中尉。
4号機と共にサラブレッドに配備され、ジオン軍の艦隊を攻撃していた。
4号機大破後は終戦協定締結のためにグラナダに向かうダルシア・バハロ首相の乗るジオン艦隊を護衛し、マレット・サンギーヌの駆るアクト・ザクを撃破している。

IFルートでは4号機と共にア・バオア・クー攻略戦に参加し、機体を破損させつつも無事帰還した。

因みに一年戦争時、終戦まで稼働する事の出来た唯一のRX-78シリーズでもある(ガンダムを始め他の機体は全て大破or中破。7、8号機は未完成だったので出撃していない)。
原作小説となったモビルスーツコレクション・ノベルズAct.2「ア・バオア・クー攻防戦」ではビグロ改との死闘の末大破している。*1




ガンプラ

どちらもMGで発売。
ちゃんとオプション装備も付属していて、Bst版も再現可能。

逆にHGでは長い間発売されていなかったが、2020年プレミアムバンダイにて遂に4、5号機の発売が決定した。
こちらもBst版も再現可能。




■他ゲーム

○戦場の絆

待ちに待った5号機がついに登場。コスト200の近距離機。もちろん宇宙・コロニー専用。Bstはコスト+40の特殊セッティングで再現されている。

メインはジャイアント・ガトリングA/ハイパー・ビーム・ライフル/ジャイアント・ガトリングB
サブはハイパー・バズーカ/ハンド・ビーム・ガン
格闘はビーム・サーベル

ジャイアント・ガトリングの弾幕による面制圧を得意としている。ただし硬直は大き目。
ダウン値の高いハイパー・ビーム・ライフルやハンド・ビーム・ガンも見どころのある武装である。

○ガンダムバトルオペレーション2

・ガンダム4号機

450コスト汎用。地上にも出撃できるが宇宙適正持ち。
特徴的なのはメガビームランチャーで、当たれば強よろけ&HPの4~5割を吹き飛ばす大火力ロマン砲。
ただしチャージ時間が長い上にそれ以上にオーバーヒート時間が長く、リスポンでもしない限り再使用は非現実的。
またロマン砲持ちの宿命として本体性能が抑えられており、本機の場合は特に足回りが同格機と比べると一回り二回り低い。
一応汎用機では数少ない観測スキル持ちなので、支援機を守りにくいマップでは観測要員として選択肢には上がるか。
また遠距離から手痛い横槍を入れられるブロールマッチだと刺さる試合もたまにある。

・ガンダム4号機Bst

500コスト汎用。宇宙適正有。性能が大きく変化しており、素ではかなり抑えられていた足回りがほぼ標準レベルになった。
射撃偏重だった攻撃補正がバランス型になったため格闘火力が向上したため積極的に狙いたいが、主兵装のハイパービームライフルとハイパーバズーカ×2(二丁持ちでG-3ガンダムと共通)がいずれも近距離戦の取り回しに難ありなのがネック。
特徴であるメガビームランチャーは威力は控えめだが取り回しやすいゲロビに変更。集束必須で足が止まるのは同様だが、集束時間やオーバーヒート時間がどちらも半分以下になっているため1度の出撃で複数回の使用が現実的に狙えるようになった。これ一本に頼って戦える機体ではないため、拘りすぎは禁物。
観測スキルも引き続き所持。足回りの改善により味方への追従が容易になったため観測役としての貢献はしやすくなった。


・ガンダム5号機

450コスト強襲。地上にも出撃できるが宇宙適正持ち。
ハイパー・ビーム・ライフルとジャイアントガトリングを使って遠距離から支援機に圧をかけられるのが特徴的で、射撃戦になりがちなマップで強みがある。
一方で同コスト帯は緊急回避持ちや2種格闘持ち、ヘビーアタック持ちの強襲が増えており、
それらに比べると決定力や対汎用の自衛力に欠けているので少し時代に取り残されている感がある。

・ガンダム5号機Bst

500コスト強襲。宇宙適正有。
射撃戦よりだった素とは打って変わり、格闘偏重の攻撃補正と専用の二刀流サーベルによる高い格闘火力が特徴。近接型になったためか緊急回避も獲得。
主兵装はハイパービームライフルも持てるが、格闘へ繋ぎやすいハイパーバズーカを持つことが多い。
ジャイアントガトリングは引き続き所持しているが、射撃補正が大きく下がったためダメージソースとしては微妙。射程が長めで連射性能も高いので、遠間のミリ削りなどにはそこそこ使える。

■余談

一時期、アレックスことガンダムNT-1も「ガンダム4号機」とされていたが、これはRX-78-4の存在に気づかずに設定してしまったため。
そのため、複数の「ガンダム4号機」が存在する事態となっていた。
こうした状況は現在は修正され4号機=RX-78-4で確定している(なおGT-FOURにも作中「GT-4プラン」という怪しい呼び方が存在するが詳細は不明。後述するG-4計画はG-3の次というような意味の4の意、あるいは連邦四軍の4も兼ねているとする資料もあり、またGT-FOURはともかく設定自体は現在も健在〜公式化の気配が見られる)。
一方で複数機解釈にも多少フォローというか、MG1.0アレックスとかMG4号機の説明書あたりから「開発制限の緩和等で"4号機以降のガンダム"は複数存在する」みたいな解説がされるようになった。ファンの中にはガンプラの説明書を有効なソースと認めたがらない人もいるようだが、かといってRX-78バリエーションの多発についてこれ以外に有効な説明もなく、後発の他資料でもだいたいこの流れになっている。

ちなみに一時期はGFFの換装ギミックよろしく、4号機を改造してNT-1にしたとする資料すらあったが(PS2無印ガンダムの攻略本等)、流石にPS2めぐりあい宇宙のリリース後は無かった事にされた模様。当時は4号機の実戦投入を描いた小説「ア・バオア・クー攻防戦」が公式かどうか不明瞭だったこと(実際に後のPS2めぐりあい宇宙以降でもIFルートや異説といった扱いになった)から、改造説もただのトンデモというよりは「(MG1.0アレックスの説明書を知らなかったか、知っていても無理に否定するなら)攻防戦を非公式という事にしつつ改造したと解釈するしか、両者並立ができない」という悩みの産物だったのかもしれない。

一説には、4号機以降のRX-78をセカンドロットとしつつ、それとは別?に複数の4号機が試作されたという(G-4計画)。前述した「"4号機以降のガンダム"は複数存在」という後付け設定も一応合致するといえばする。
G-4計画の初出は漫画『MSジェネレーション』であり、同作に登場するGT-FOURがこの計画で開発されたことになっている。
G-3ガンダムを開発母体とした次期構想機を陸海空宇宙軍がそれぞれ主導して開発するという計画で、宇宙軍がガンダムNT-1、空軍がGT-FOURを開発し、ほかに陸軍は全身火器の重火力型と格闘専用機、海軍は水中専用型を計画したことになっている。
似たケースとして、連邦・ティターンズエゥーゴの各勢力がそれぞれ開発したため数種類が存在するようになった「ガンダムMk-Ⅲ」がある。

一作限りの設定とも言えたG-4計画だが、のちに「陸軍の格闘専用機」とはピクシーではないかと、ファンの間で言われるようになっていき、後にマスターアーカイブ等の資料でもこれを追認する解説が見られるようになった。この点は「G-3ガンダムを開発母体にした次世代機」という点を無視している(ピクシーはG-3より古い)という批判もあるのだが、実はNT-1もG-3完成より早い8月から開発スタートなので両者ともおかしいことになってしまう。このためマスアカでは「要するにG-3の研究開発自体は実機の調達より早く開始してて、完成前の時点でもG-4計画側が色々参照できたんだろ」としてNT-1もピクシーもG-4計画に該当するとしている。
なおマスアカは非公式本な上に怪しい記述が多く信用できない、という声もあるのだが、一方でそういう設定やデザイン画が結局ゲームやガンプラに採用されるケースもあり油断はできない。また厄介なことに、ピクシーがG-4計画に「含まれない」という説を(否定的立場からの両論併記としてではあるが)明文化した資料もそのマスアカだけである……。

その後のG-4計画は当初のものから設定を幾分か変更されて、設定解説に名前だけ登場するようになり、4号機と5号機はG-4計画の機体と解説する資料も登場した(プロジェクトペイルライダー)。しかし4/5号機はそもそも原典であるMSジェネレーション掲載のG-4計画設定に記載がない、コンセプト面でも当てはまるものがない、宇宙軍枠はNT-1で埋まっている、と素直に読めば計画に含まれないはずである。これピクシー該当説よりもよっぽど無理あるし書いた人が間違えてるだけじゃねというか、そのままではNT-1との兼ね合いが不明であるが……? 完全該当というよりは関連があったという程度か、あるいは「4号機以降が複数存在」という話が拡大してNT-1と別枠的にG-4計画へ内包されたのだろうか?
ちなみにAOZ rebootではケルデルクに関する解説で『「G-4計画」に関連する機体(アレックス、マドロック等)、そしてその派生機(RX-80、RX-81)』という表記がなされている。これはあくまでケルデルクの脚部増設推進器の有効性について、これらの前例で証明済みですよと説明する趣旨の文であり、4/5号機やピクシーについてはそういう推進器が付いていないためか触れていない。

IFルートの元となった小説「ア・バオア・クー攻防戦」では4号機が生還、5号機が大破とされている。
ゲームでもEDによってはそれを匂わせるものが存在し、フォルドの生死は不明とされている。




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最終更新:2024年12月31日 15:24

*1 ゲームはかなり改変されているので正史は再考されたゲームの方と思われる