汽水魚(魚類)

登録日:2017/08/31 Thu 13:23:00
更新日:2025/08/10 Sun 20:43:05
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汽水魚とは汽水域に生息する魚類の総称である。
本項目では観賞魚として流通している種を中心に解説する。



【概要】


汽水とは、淡水以上海水未満の塩分が含まれる水のことであり、多くの場合、や伏流水由来の淡水とからの海水が混ざった水を意味する。
「汽」の字は「水気が多い」という意味があり、海水より水分が多い(≒同じ体積ならば汽水の方が塩分が少ない)というニュアンスである。
英語ではBrackish-waterという。Brackishは「塩気がある」という意味。余談だが、英語で淡水はFresh-waterというが、Brackishには「不快な、不味い」という意味もあり、対比表現となっている。
汽水が流れる場所を汽水域と言い、一般的には海に近い河口部で発達するもので、潮汐(潮の満ち引き)の影響を受けるために感潮域ともいう。
但し、絶対に海の近くにしか汽水域がないかといえばそうとも限らず、内陸にある塩湖、例えばカスピ海やアラル海は明らかに淡水よりも塩分が多く、汽水の条件を満たしている。一方で潮汐の影響は殆どないため、区別するために塩水域や鹹水域(かんすいいき)(「鹹」は塩辛い、の意味)と呼ばれることがある。
逆に、海の近くであっても、急勾配の川が滝に近い流れで海に直接流れ込むような状況では、汽水域が発達しない場合もある。

日本では、サロマ湖や浜名湖、干拓前の八郎潟や有明海などの干潟が有名で、南西諸島や小笠原諸島で見られるマングローブも汽水域ならではの光景である。
汽水域は満潮・干潮によって水位と塩分が激しく変動し、干出した場所では強い日差しで温度が急上昇したり、浅い潮溜まりに閉じ込められて酸欠に陥る危険もある。
一見すると生物にとって過酷な環境であるが、川と海の両方からミネラルやデトリタス(生物の遺骸が細かく破砕されて粒子状になったもの)などの栄養源が潤沢に供給され、潮汐による複雑な流れによって河床が抉れたり、倒木が流れ着くことで生物の住処が出来易くなり、水位が不安定であるため巨大魚や海獣が侵入することが少なく、移動能力が低い小型の魚類や貝類、甲殻類及びその幼生たちにとっては安全な揺籠のような役割を果たしている。

本項目の趣旨から脱線するが、アサリやカキ、シジミといった潮干狩りで取れる食用の貝も汽水域の住人(住貝?)であり、ハゼ釣りやテナガエビ釣りなどの、狩猟採集本能と食欲を同時に満たす遊びも、汽水域がないと成立しない事柄である。
或いはヒトの生活排水も有機的且つ適量であれば、沈降した懸濁物はゴカイやエビなどが餌として食べて、それらの排泄物や死体は各種動物プランクトンや細菌類が消費して、それらの分泌物や遺骸は藻類や海草などが窒素源として利用することでやがて浄化される。
こういったことを含めると、多くの人類が汽水域の恩恵を直接間接問わず被っていると言っても過言ではない。

原則として汽水域の生物は汽水環境に適応しており、淡水域から汽水域に進出したものもいるが、多くは海洋生物が低塩分に耐えるようになったものである。
魚類の場合、生活史の全てまたは大半を汽水域で過ごすものを「周縁性淡水魚」とも言い、海水魚が偶然に汽水域で採集記録されたものは「偶来魚(偶来性淡水魚)」と区別する場合もある。
また、生活史を通じて川と海を行き来する、「通し回游魚」と呼ばれる魚種もいる。大きく分けて、サケのように川で生まれて海で性成熟するまで育ってから川に戻って産卵する「遡河回游魚」、ウナギのように海で生まれて川で性成熟するまで育ってから海に戻って産卵する「降河回游魚」、アユやヨシノボリのように川で生まれて海に降るが、変態を終えたらすぐに川に戻って成長する「両側回游魚(淡水性両側回游魚)」に区分される。これらも場合によっては汽水魚の一部として扱われることがある。

【飼育】

時間をかけて慣せば、汽水魚を淡水で飼育する事が可能な場合もあるが、浸透圧関係を始めとして、海水魚と同じ代謝系のものが多いため短命になる事が多く、況してや観賞目的ならば、飼育魚には健康で長生きして欲しいのが飼育者としては当たり前であり、汽水魚は汽水で飼育するのが妥当である
但し、後述の個別解説でも紹介するが、海洋起源のグループでも個々の種で見た場合、完全に淡水に適応して一生を淡水域で生活する純淡水魚になっている場合もある。
こうしたものを二次淡水魚と言い、フグやハゼ、レインボーフィッシュに多いが、観賞魚業界ではこれらも纏めて汽水魚として扱われがちである。
淡水域起源のグループ(一次淡水魚という)と比べると塩分への耐性が強い傾向があるが、海水に近い塩分では調子を崩すようなものもいる。
逆に、汽水環境が必須の周縁性淡水魚や偶来性淡水魚を「淡水○○」という流通名で販売されるケースも非常に多く、飼育者は事前によく調べてから飼育に臨むべきである

飼育に当たって、何はともあれ必要なのは汽水だが、通常は品質が安定しており入手性も良い人工海水を、飼育魚の種類や状態に応じて適度な濃度に調節して使うのが便利である。
海または汽水域から直接採取した水を用いるのは、病原体や寄生虫あるいは有害物質を水槽内に持ち込む危険性と、ストックスペースが必要な場合が多いため、基本的には推奨しないが、人工海水では補きれない微量成分の補給や、プランクトンを用いた稚仔魚の育成など魅力的な要素もあり、潮通しの良い場所から採取可能で、充分なストックスペースがあるか、逆に採取直後に使い切れるのであれば試してみる価値はある。
塩分のおおよその目安としては海水の15〜50%程度で、50%以上でも調子が上がらないのであれば、海水魚として飼育した方が良い。
なお、研究段階ではあるが海水の成分を必要最低限度に調整した「好適環境水」を用いれば淡水魚・汽水魚・海水魚を混泳させることも可能で、幾つかの水族館や水産試験場では実践例があるものの、微量元素・成分の入手や配合などが個人レベルでは難しく、個別に飼育する方が却って楽である。

流通する種の多くは西部太平洋からインド洋の熱帯または亜熱帯海域に産するもので、国でいうとベトナム・タイ・マレーシア・インドネシア・シンガポール・インド辺りから輸入されるものが多く、水温は25〜30℃程度とやや高めに設定すると良い。
高水温寄りで代謝を高めに保つと、概して低塩分気味でも調子良く飼える。
また、卵や幼魚が黒潮に乗って日本国内に流れ着く種も少なくないため、場合によっては自家採集可能なものもいる。

淡水と比べるとやや生物濾過が不安定になりがちで、濾過器は性能に余裕があるものを選ぶ。
淡水と違ってエアリフト式のものを使うと、飛び散った飛沫から水が蒸発して塩が析出する「塩ダレ」が起こるので、使用する場合は注意する。

淡水のアクアリウムアクアリウムでは水草を水質浄化・安定用に用いることが出来るが、汽水域に産する水草は少なく、藻類は一年で生活史が完結するものや、栽培そのものが難しいものが多いため、水質維持は濾過と換水に頼ることになる。
塩分が海水の10%以下の薄い汽水ならば、丈夫な水草であるセキショウモVallisneria asiaticaやオオカナダモEgeria densa、アヌビアス・ナナAnubias barteri var. nanaなどは育つため、これらを用いるのも一つの手段である。
また、貝やヨコエビ、ゴカイなどを用いて懸濁物を処理させると言う方法もあり、消費的な飼育になるものの、河口域の岸壁に大量に固着して濾過食生活を送っているマガキCrassostrea gigasを、文字通り生きたフィルターとして用いる方法もある。

餌については種ごと異なるが、やや人工飼料への餌付きが悪いものが多く、餌付いても徐々に痩せてしまうことがある。
これも海水魚と同じ代謝系を持つことに由来する症状で、淡水魚はDHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸を体内で合成できるが、海水魚は合成能が無く餌から直接摂取する必要があり、餌の種類に注意しなければならない。
海水魚用の人工飼料を与えるのと同時に、クリル(オキアミ。栄養価的には冷凍のものが望ましい。乾燥タイプは保存が便利)やシーフードミックス(スーパーで売っているもので構わないので、イカ・タコ・エビ・貝がバランス良く混ざっているものを使う)、魚の切り身(イワシ・キビナゴ・アジ・サバなどが良い)やブラインシュリンプなど、高度不飽和脂肪酸が多く含まれているものを与えるのも重要である。


【個別解説】


◇ミドリフグ

学名:Dichotomyctere nigroviridis
全長:10〜15㎝
分類:フグ目フグ科

黄色みが強い黄緑色に、黒い水玉模様が特徴的なフグ。種小名も「黒と緑の」という意味である。
中国南部からインドシナ半島、マレー半島やスリランカなどから知られる。
汽水の熱帯魚としては最も有名ものの一つで、一般的な熱帯魚店でもホームセンターのペットコーナーでも頻繁に見かけ、価格も1匹数百円程度から購入出来る。通常流通するのは体長が2〜3㎝ほどの幼魚であり、10㎝越えの成魚を見る機会は少ない。
活発に泳ぎ回るので、45㎝水槽以上の水槽で飼うと良い。
周縁性淡水魚だが海水の25%以上の高塩分を好み、成魚は海水飼育でも問題ない。
クリルやシーフードミックスにはすぐに餌付くが、人工飼料への餌付きはやや悪い。大食漢で代謝が高く痩せ易いので、餌は1日2回以上与えるのが望ましい。
フグ全般に言えることだが、伸び続ける固い歯を持つため適度に固い餌を与えることが重要。殻付きの貝を与えたりサンゴの骨格を入れる(ハムスターやウサギの齧り木と同じ役割が期待出来る)ことで対策する。一方で、濾過器やヒーターのコードやチューブを噛み切ることがあるので、カバーを付けたりセパレーターで仕切ったりしてガードを要する場合もある。
気性は荒く、同種別種問わずで喧嘩が絶えない。複数飼育や別種との混泳を試みる場合、余裕のある大きな水槽を用意して隠れ家を多く作り、機敏に泳いで攻撃を躱せる魚種を選ぶと良い。トラブルを避けたいならば単独飼育が最適解。その一方で、成魚を海水魚として飼育すると、海水のフグやハコフグの仲間、小型の各種ウツボなどと混泳することも可能な場合も多く。不思議と喧嘩は少ない。
愛嬌のある顔で人慣れもして餌をねだる仕草をするようにもなり、手間は掛かるが飼育して楽しい魚である。


◇ハチノジフグ

学名:Dichotomyctere biocellatus
全長:6〜10㎝
分類:フグ目フグ科

和名と種小名(「二つの目玉模様」、の意味)は背中の金色模様が「8」に見える事に由来するが、個体差も相当あるため「8」に見えない崩れたものも多い。
ミドリフグとは同属別種の関係で分布や生息環境も似るが、本種の方がやや南方系(ミドリフグはインドシナ半島が分布の中心で、ハチノジフグはマレー半島に多いとされる)で、ミドリフグと比べて低塩分を好み、海水域では滅多に見られない。体サイズもやや小振りである。以前はミドリフグと同程度に輸入されていたが、近年は流通量がやや減少気味である。
飼育方法は塩分をやや低めに設定する意外は、ミドリフグと同じで良い。
性質も個体差が激しく、大人しく混泳出来る場合もあるが、気が強いものはミドリフグ以上であり、本種とミドリフグを混泳させると、体格が優っていてもミドリフグが負けることがしばしばある。


◇ブロンズパッファー(ゴールデンパッファー)

学名:Auriglobus modestus
全長:11〜20㎝
分類:フグ目フグ科

目立つ斑紋がなく薄い黄緑色の金属光沢の体色、やや側扁した胴体に基底の長い背鰭と臀鰭といった外見から、カワハギやマンボウを彷彿とさせており、某熱帯魚雑誌では冗談半分に「淡水マンボウ」などと称されたこともある。系統的には歴としたフグ科であることは明記しておく。
ハチノジフグと分布域は重なるが、本種は更に低塩分に適応しており、河口から300㎞以上遡った純淡水域からもしばしば見られる。一時期はタイやマレーシアから大量に輸入されており、価格もミドリフグやハチノジフグと大差ない安価な種であったが、近年は入荷量が激減しており、価格も高騰気味である。とは言え、入荷自体はほぼ毎年有り、価格も精々3000円もあれば購入可能な場合が殆どであり、入手はそこまで難しい訳ではない。
ミドリフグやハチノジフグ以上によく泳ぎ回るので、水槽は60㎝水槽を用意し、レイアウトは最小限にする。
基本的にはアルカリ性の純淡水で飼育可能だが、調子が悪い時は海水の10〜20%を目安に塩分を加えるのも良い。
餌はミドリフグと同じで良い。
性質については個体差が激しく、特に問題なく同種別種問わず混泳出来るものもいれば、非常に気性が荒く、片っ端から同居した魚を追い回して噛みつくものまでいる。概して成魚になると気性が荒くなる傾向があり、顎の力も強いので単独飼育が無難ではある。


◇アベニーパファー

学名:Carinotetraodon travancoricus
全長:2〜3㎝
分類:フグ目フグ科

「アベニー」とは人名で、フグ目研究の世界的権威であった魚類学者の阿部宗明(あべ・ときはる 1911-1996)博士に由来するとされる。
インド南部及びスリランカに生息する純淡水魚で、フグ目最小の種の一つである。銀杏色のベースカラーに光沢のある藍色の斑紋が複雑に入り乱れる。
採集物・ブリード物の両方が頻繁に流通し、ミドリフグ以上に見かける機会が多い。
小さな魚であるため、水質管理に注意すれば30㎝水槽程度でもペアで飼育出来る。単独であれば容量5ℓ以下のキューブ水槽でも問題ない
塩分は全く不用で、水質管理は普通の淡水の熱帯魚となんら変わりない。強いて言えば極端に古く酸性化が進んだ水は避けた方が良い。
餌は冷凍アカムシやクリルが良く、人工飼料にはかなり餌付き辛い。水草水槽で「湧く」サカマキガイPhysa acutaを積極的に食べるため、掃除屋として水槽に入れるのも手だが、柔らかい水草なども齧られてしまい、当然ながらインドヒラマキガイIndoplanorbis exustusやイシマキガイClithon retropictusとの相性は最悪。
混泳は可能だが、やはり気性はそれなりに荒く、グラミーやエンゼルフィッシュ、改良品種のグッピーのように鰭が長くゆったりと泳ぐタイプの魚は恰好の餌食となる。ラスボラやダニオのように機敏に泳ぐタイプの魚でさえ、鰭が多少痛むのは避けられない。
フグとしては繁殖が容易な方で、成熟した雄は目の後方に深い皺が入ることや各鰭が黄色みが強くなることで区別可能。ペアの相性さえ良ければ、ウィローモスを入れておくことで、卵を産み付けてくれる。そのままにしておくと親が卵や稚魚を食べてしまうので、産卵後は隔離が必要となる。孵化した稚魚はブラインシュリンプ幼生で育てることが出来る。
よく似た種にカリノテトラオドン・イミタートルC. imitatorがいる。インドのカルナータカ州のみに産し、アベニーパッファーと比べてベースカラーの黄色みが強く、斑紋が小さいか殆どないことで区別出来る。ごく稀にアベニーパッファーの「混じり」で輸入されることがある。


◇テトラオドン・リネアートゥス(ファハカ)

学名:Tetraodon lineatus
全長:30〜50㎝
分類:フグ目フグ科

ナイル川からニジェール川、セネガル川などアフリカ大陸中央に広く分布する産の純淡水魚のフグ。シノニムであるTetraodon fahakaに由来する、ファハカという通称も有名。「線がある」という意味の種小名の通り、朱色の縦条が走る。
「四枚の歯」を意味し、この種が基準となっているTetraodon属は、二名法学名を提唱したカール・フォン・リンネが記載した属であり、のみならずフグ科の基準属でもある。スペルが多少異なるが、フグ毒のテトロドトキシン(Tetrodotoxin)の名前も、これに由来する。
近年はブリード物が比較的コンスタントに流通するため、かなり安価で入手も手軽であるが、最終的は90㎝水槽、出来れば120㎝水槽を用意する必要があり、気性も荒く顎の力も強いため混泳には向かない。
その点が対処出来るならば、体質的に丈夫で餌はなんでもよく食べて成長も早く、慣れ易く良いペットフィッシュになる。
近い仲間にはテトラオドン・ムブT. mbuがいる。
コンゴ川やタンガニーカ湖など東アフリカに分布し、最大全長が75㎝と一回り以上大きくなり、虫食い状の複雑な模様を持ち、尾鰭が長い。同じく純淡水魚だがリネアートゥスと比べて飼育水の酸性化に弱く、ミネラルの要求量も多いとされる。濾過器にサンゴ砂やカキ殻などを仕込んで飼育水をアルカリ性に保ち、10%海水程度の薄い汽水で飼育するのも効果的である。


◇テトラオドン・ミウルス(ナイルフグ)

学名:Tetraodon miurus
全長:10〜15㎝
分類:フグ目フグ科

コンゴ川とその支流に産するフグで、ナイルフグの流通名があるがナイル川には分布していない。実は英語でNile puffesは前述のテトラオドン・リネアートゥスを指し、本種の英名はCongo pufferやPotato pufferである。かつてアフリカ産の熱帯魚は日本に直輸入されることが少なく、イギリスやドイツ、オランダやベルギーなどを中継して流通ことが普通で、その際にヨーロッパのストック場で名前を取り違えたことに由来するらしい。
赤煉瓦のような体色のものが多いが、黄土色や橙色、茶褐色のものまでおり、非常に細かい網目模様や斑紋が入るものも珍しくないため、カラーバリエーションはかなり豊富と言える。
流通自体は古くからあるが、あまり大量輸入されるタイプの魚ではなく、年に1〜2回ほど纏まった数が入荷する程度であり、価格もやや高価である。
待ち伏せ型で獲物を狙うタイプのフグで、あまり泳ぎ回らないため45㎝水槽でも終生飼育出来る。
砂を集めに敷くと、砂に潜って眼と口先だけを出して待ち伏せする様子が観察出来て、個体の状態も落ち着くが、余り厚く砂を敷くと底の方に嫌気層が出来て水質が悪化しかねないので、個体のサイズを見計らって適切な量にしたい。この性質上、水草との相性も悪く、レイアウトに使うならば浮草タイプのものにするか流木に活着させる。
水流がある環境を好むため、追加でエアレーションを行うか小さな水中ポンプで水を動かすと良い。あまり高水温にも強くないようで、水温は28℃を超えないように注意したい。
塩分は全く不要で、水質はやや硬度を高めにするように意識して、中性から弱アルカリ性を保つ。
餌は飼育当初は餌金やメダカ、各種川エビなどの活き餌を与えた方が良く、慣れれば魚の切り身やクリルなども食べるようになる。人工飼料には中々餌付かないが、ピンセット越しに与えると食べることもあり、魚の切り身の中に人工飼料を仕込んで与えるという方法もある。待ち伏せ型であるため、フグとしては珍しいことに給餌は毎日行う必要がなく、充分に成長したものについては週に1回程度でも問題ない。
混泳は同種別種問わず避けた方が良い。
属はそれぞれ異なるが。東南アジア産のインドシナレオパードパッファーPao palembangensisやパオ・スバッティP. suvatti(ブタガオフグ・ヤカンフグ)なども、ほぼ同じ方法で飼育可能である。


◇ブラキッシュウォーターフロッグフィッシュ(ピエロカエルアンコウ)

学名:Antenarius biocellatus
全長:12〜20㎝
分類:アンコウ目カエルアンコウ科

背鰭が変化した誘因突起と擬餌状体で魚やエビをおびき寄せ食べ、泳ぐのは苦手で足のように変化した胸鰭で海底を歩くという、珍魚の筆頭格で知られるカエルアンコウにして、更に唯一、汽水域及び淡水域から知られるのが本種である。
岩やカイメンに擬態しているため、同一種内でも体色の変異は多く、黒から茶褐色、オレンジ色や黄色や紅色までと様々なバリエーションがあるが、共通すると特徴として、第二背鰭の中央辺りに眼状斑があること、第一背鰭第二棘条が円錐形になっていること、眼に過眼線が走ることなどが挙げられる。和名は円錐形の棘条と過眼線をピエロの帽子とメイクに見立てたものである。
存在自体は古くから知られていたが、2012年に沖縄県で初採集され、その後の追加記録を纏めて2022年に日本記録種として報告された。カエルアンコウは卵を筏のような卵嚢を伴う卵塊として産卵するため、それらが黒潮に乗って南西諸島に流れ着いて育ったものと考えられている。日本で定着して再生産を行なっているかは判然としないが、狙って採集出来るほどの個体はいないらしい。一方で、日本の鑑賞魚業界に紹介されたのは2015年頃であった。インドネシアから輸入されるが、流れが強い深い川にいて採集が困難とのことで、流通初期には10万円を超える価格で取引されたこともあった。近年はやや価格は下がったものの、2万円以下ということは滅多に無く、流通自体も年に1回あれば良い方であり、入手のハードルはやや高い。
また、水族館やアクアリストの諸報告からすると、生理的な寿命が3〜5年程度と推定されており、この手の底生魚としては長くないため、あまりに大きな個体は寿命が迫っている可能性があることは留意した方が良い。
非常に個性的で魅力溢れる魚であるが、注意事項が複数あり、飼育はやや難しい部類である。
激しく動き回る魚ではないので60㎝水槽から飼育可能。
海水の10〜25%程度の塩分が必要で、全くの淡水では調子を崩すが、完全な海水でも上手く飼育出来ないらしい。そして、汽水魚としては硝酸の蓄積に弱くアンモニアの排出量も多いため、強力な濾過器と定期的な換水は必須。游泳力がほぼ無いため強い水流はストレスになるが、全く水流が流れないと倒れてしまうので、流れを作りつつ、レイアウトを工夫して避難場所を設けると良い。
余程長く問屋やショップで飼い慣らされた個体でなければ、飼育開始時には活き餌が必須で、可能ならばボラやハゼ、スジエビなどの汽水産の小動物をメインに与えたい。但し、この種に限った話ではないが、カエルアンコウは餌を与えたら与えただけ食べてしまい、食滞を起こして頓死することが稀ではないため、餌の与え過ぎには要注意。常に活き餌を入れっぱなしにするのは避ける。ピンセットから餌を摂るように慣れる個体もいて、その場合はクリルや魚の切り身を与えることも出来る。
自分自身と同サイズぐらいの魚でも、肋骨が無く胃が大きく膨らむ性質を持ち、無理やり飲み込んでしまうことがあるため、複数飼育や混泳についても基本的に推奨しない。


◇レッドスキャット(クロホシマンジュウダイ)

学名:Scatophagus argus
全長:20〜35㎝
分類:ニザダイ目クロホシマンジュウダイ科

チョウチョウウオに近縁とされる体高の高い側扁した魚で、成魚は緑がかった銀白色に胡麻のような小黒斑が散在するという渋い美しさがあるが、幼魚は黒斑の間隔が密で、背面がオレンジ色に染まるなど、別ベクトルの美しさがある。
属名は「食糞者」を意味するため、しばしばネタにされるが、実際には東南アジアの水上集落で傷んだ食材や調理屑を海に捨てると、近寄って食べてくれるという精々「掃除屋」くらいの意味が拡大解釈されてしまったものらしい。因みに種小名はギリシャ神話の百目巨人アルゴスを意味し、黒斑をアルゴスの目玉に見立てたものである。
西部太平洋からインド洋の熱帯・亜熱帯海域に広く分布しており、卵や稚仔魚は浮游生活を送り、黒潮に乗って日本近海にまで流れ着く。いわゆる「死滅回游」「無効分散」と呼ばれる現象だが、近年の地球温暖化や生活・工業排水の流入による海水温の上昇により、少なくとも紀伊半島や四国近海では成魚が定着・繁殖しており、夏の終わりから秋にかけては東京湾周辺でもかなりの数の幼魚が見られる。
幼魚は流れ藻や流木の周辺で群れており、泳ぎもそれほど素早くないので、見つければタモ網で採集することも十分可能である。鑑賞魚としても比較的コンスタントな入荷があり、入手は容易な方である。
幼魚は60㎝水槽から飼育可能だが、それなりのサイズに育ち游泳力が強いため、成魚は90㎝水槽以上で飼育したい。
塩分の要求量は幼魚では海水の10〜25%程度、成魚は30〜50%程度で、海水でも飼育可能である。
餌は人工飼料を始めとして、何でもよく食べる。自然下では藻類もかなり食べているらしく、偶にスピルリナを配合した人工飼料や冷凍のミックスベジタブルを与えると調子が良い。
成長するとやや気性が荒くなるが、素早く泳ぐ魚種や生活圏が重ならない底生魚とは混泳可能である。
近縁種として眼から尾柄にかけて黒い横帯が6本前後入る西アフリカ産のアフリカンスキャットS. tetracanthusや、顔立ちがシャープで体色がより銀色に近い東南アジア・オセアニア産のシルバースキャットSelenotoca multifasciataなどが輸入される。流通量はあまり多くないが、どちらもレッドスキャットと同じ方法で飼育可能で、アフリカンスキャットはより低塩分でも問題ない。


◇モノダクティルス(ヒメツバメウオ)

学名:Monodactylus argenteus
全長:15㎝
分類:ニザダイ目ヒメツバメウオ科

菱形に近い体型が特徴的で、この種もチョウチョウウオとの関連が示唆されている。
種小名は「銀色の」という意味で、その名の通り銀白色の体色に、背鰭と尾鰭、臀鰭がレモンイエローに染まる美麗種である。因みに属名は「一本指」を意味し、腹鰭が痕跡的で1棘のみからなるこてに由来する。
卵や稚仔魚は浮游生活を送り、黒潮に乗ることもレッドスキャットと同じだが、本土近海では見かける機会は少なく、九州以北では殆ど定着していないと考えられている。南西諸島ではかなり普通で、八重山諸島では完全な淡水域である水田の用水路でも見られる。
動きはかなり機敏で、タモ網での採集は難しい。入荷量もレッドスキャットと同程度で、海水魚として輸入されることもある。
飼育についても殆ど同じだが、単独ならば60㎝水槽でも相当長く飼うことが出来る。
近縁種として、より体高が高くなり背鰭と臀鰭とを繋げる黒横帯が特徴的な西アフリカ産のモノダクティルス・セバエ(アフリカヒメツバメウオ)M. sebaeがいる。量は多くないが入荷自体はほぼ毎年ある。古い水を避ければほぼ淡水で飼育可能で、塩を加える場合でも海水の10%程度で良い。


◇ニューギニアダトニオ

学名:Datnioides campbelli
全長:30〜45㎝
分類:ニザダイ目マツダイ科

絶滅危惧種のシャムタイガーD. pulcherを筆頭に、スンダランドを中心とした東南アジアが分布の中心であるダトニオにあって、オセアニアであるニューギニア島に分布するのも異質ならば、成魚は頭部が黒くなり体側の黒と黄土色の横帯が燻んだようになる体色も異様な種である。
80年代後半から90年代前半の怪魚ブームを牽引したダトニオイデスの中では、日本への輸入されたのが1992年以降と最も遅い種であった。ニューギニア島は1963年に勃発したパプワ紛争に始まり、1975年のパプワニューギニア独立、1985年の国家非常事態宣言など、地政的な位置と多民族国家であることが災いして地域紛争が絶えず、商業ルートの開拓はおろか学術調査もままならない状態であり、この種に限らずニューギニア産の熱帯魚や爬虫類は驚くべき高額で取引されていた(当時はシャムタイガーよりも高く、120万円ほどなったことも)。現在は紛争が一段落して、比較的政情が安定しているインドネシア領のイリアンジャヤから輸入されるため、価格は数千円から1万円程度に落ち着いている。
激しく泳ぎ回る魚ではないので、よく輸入される10㎝以下の幼魚は60㎝水槽で飼育可能だが、成魚は40㎝を超えるため最低でも90㎝、可能ならば120㎝水槽で飼育したいところである。
ダトニオの中では高塩分を好み、幼魚は純淡水でも飼育可能だが、成魚は海水の25〜50%程度の塩分で飼う。
魚食性が強い肉食魚で活き餌を好むが、最終的に人工飼料に慣れる場合が多い。
気性が荒く縄張り意識が強いため、特に同種同士の混泳は難しい。
同属別種のメニーバーダトニオ(シックスバーダトニオ)D. polotaもほぼ同じ方法で飼育可能だが、より高塩分を好むため成魚は海水で飼育した方が良い。


◇レッドスナッパー(ゴマフエダイ)

学名:Lutijanus argentimaculata
全長:30〜70㎝、最大1m
分類:ニザダイ目フエダイ科

熱帯から亜熱帯の岩礁域やサンゴ礁でよく見られる中大型游泳魚のフエダイには、河口域に侵入する種も多く知られており、本種は特に低塩分に適応し、完全な淡水域にも侵入する。
成魚は茶褐色から赤褐色で目立つ斑紋はないが、幼魚は7〜8本の明確な白色の横帯を呈し、背鰭棘条・腹鰭・臀鰭棘条が朱色に染まり外縁が黒く染まる。また、眼の下にはメタリックな空色の線が走るなど、中南米のシクリッドにも遜色ない美しさがある。
本種の幼魚も黒潮に乗り、夏の終わりから初秋に掛けては関東でもしばしば記録される。房総半島や紀伊半島には少数ながら成魚が定着しているとも考えられており、南西諸島では周年見られて数も多い普通種である。幼魚はマングローブの根周りや、流れが緩やかな淀みに溜まっていることが多い。寿命は非常に長く、オーストラリアでは57歳の個体が知られている。
国内採集物や、台湾やインドネシアやインドなどからの輸入品が偶に流通する。自家採集も当然可能で、釣り魚としても親しまれている。
飼育は基本的にニューギニアダトニオイデスに準じるものの、より大型の水槽が必要で、最終的には180㎝水槽でも手狭になる場合も考えられる。
塩分についても全長40㎝程度までは海水の50%程度で良いが、それ以上のサイズの個体は海水魚として飼育すべきであり、寿命も含めて水族館レベルの飼育設備を用意・維持出来る「逸般人」が飼うべき魚である。
フエダイ属では他にオキフエダイL. fulvusやナミフエダイL. rivulatus、クロホシフエダイL. russelliiやニセクロホシフエダイL. fulviflammus、ウラウチフエダイL. goldieiなどが河川から知られるが、ウラウチフエダイを除いて本種ほど低塩分には適応していない。また、クロホシフエダイとニセクロホシフエダイ以外は、全長50㎝以上(ナミフエダイとウラウチフエダイは1mに達することもある)になるため、本種と同等の飼育設備が必要である。


◇クロダイ

学名:Acanthopagrus schlegeli
全長:45〜60㎝
分類:ニザダイ目タイ科

高級食材として、或いは文化的対象として著名なマダイとは同科別属に当たる魚で、釣り人の間ではチヌの名前で人気がある。
北海道南部から屋久島までの日本沿岸と、朝鮮半島からベトナムにかけての東シナ海や南シナ海などから知られるが、南西諸島には分布していない。稚魚は5〜7月頃にアマモ場で見られ、全長6㎝程度になると河川に侵入し、夏から秋にかけては淡水域まで遡上する。河口から70km以上の中流域で見つかることさえある。冬場は内湾の海水域に移動して越冬する。寿命は野外では19歳のものが知られており、飼育下では30年以上生きたものもいるなど、レッドスナッパーほどではないが、かなり長寿な魚である。
クロダイは性転換をする魚としても有名で、生後2年目の全長20㎝前後の個体は雄として性成熟(雄性先熟という)し、生後3年目の全長25㎝前後で雌に変化するものが現れ始め、生後4年目以降は殆どが雌になる。但し、ごく一部の個体は雄と雌の両方の機能を備えたものもおり、抑も生後1年目の個体の生殖腺は卵巣と精巣の両方の特徴を併せ持つ(繁殖能力自体は無い)ため、雌雄同体の変形と見做されることもある。
日本産淡水魚や近海魚を取り扱っているショップに入荷することもあるが、自家採集の方が入手は確実だろう。採集が容易なのはアマモ場で稚魚をタモ網で掬う方法だが、余りに小さい個体は低塩分やスレに弱いので注意する。5㎝以上になると警戒心が強くなり、タモ網で掬うのはかなり難しくなるため釣りで狙うと良い。クロダイ専門の釣り人もいるように様々な釣り方が研究されているが、飼育用の小型の個体を釣るにはオーソドックスなウキ釣りやミャク釣りが良く、サビキ釣りにかかることもある。大型の個体ならばダンゴ釣りやルアー、フライフィッシングを選択しても良い。言うまでもないが、タイの一族であるため肉は美味で、刺身やカルパッチョ、ソテーに唐揚げに塩焼き、ポワレにアクアパッツァに味噌汁と、様々な料理に使えるが、季節や場所によっては肉の臭みが強いこともある。
最終的に120㎝以上の水槽を用意する必要があるが、塩分や餌などの基本的な飼育はレッドスキャットに準じる。
温帯域の魚なので、関東以南の室温ならば無加温飼育も可能だが、その場合、冬季は海水で飼育した方が良い。
複数飼育や混泳は基本的には推奨しない。代わりに単独で飼育すればかなり人に慣れる。
近縁種としてはミナミクロダイA. sivicolus、キチヌ(キビレ)A. latus、オキナワキチヌA. chinshira、ナンヨウチヌA. pacificus、ヘダイRhabdosargus sarbaなどがいる。キチヌはクロダイとほぼ同じ方法で飼育可能で海水の30%くらいの塩分でも長期飼育可能である。ミナミクロダイ・オキナワチヌ・ナンヨウチヌは冬季の保温が必要。ヘダイは藻類食が強く、成魚は海水魚として飼育した方が良い。


◇インドアンテナフィッシュ(イトヒキギス)


学名:Sillagoninopsis panijius
全長:25〜35㎝、最大44㎝
分類:ニザダイ目キス科

砂浜での投げ釣りで親しまれ、刺身や天麩羅やフライで賞味されるキスの仲間で、河口域を主な生息場所としている。
詳細は当該項目を参照。


◇スズキ

学名:Lateolabrax japonicus
全長:50〜100㎝
分類:ホタルジャコ目スズキ科

かつて脊椎動物最大の目であり、1万種以上を擁したスズキ目の代表格…というべき魚であったが、近年スズキ目が解体・再編成されたことで、ホタルジャコ目という比較的小さいグループに含まれることになった。
詳細は当該項目を参照。
釣り魚ないしは食用魚としての需要が高く、あまり観賞用に供される魚ではない。
飼育する場合は、レッドスナッパーに大凡準じ、游泳力が強くメートル級になる魚種であるため一般的とは言い難く、代謝も高めで痩せ易いこともあって飼育はやや難しい部類である。


◇シマイサキ

学名:Rhynchopelates oxrynchus
全長:30㎝
分類:サンフィッシュ目シマイサキ科

和名にイサキと付くが、食用や釣り魚として親しまれているイサキとは別のグループの魚である。目名から察せられるように、ブルーギルやオオクチバス(ブラックバス)Micropterus nigricansに近縁であり、この他ケツギョSiniperca chuatsiなどの旧スズキ目スズキ亜目の中で淡水環境に進出した一群には、近年の諸研究で一定の類縁関係が見出されるようになった。
やや尖った顔立ちに側扁した体型、棘条がよく発達した背鰭を持つという「典型的な魚」とでも言うべき形状に、幼魚では4本、成魚では6〜7本の黒縦条を呈する。この黒縦条からスミヒキ(墨引)やスミヤキ(炭焼)の別名もある。
青森県以南の日本海、岩手県以南の太平洋及び東シナ海から知られる温帯魚で、朝鮮半島や台湾にも産するが南西諸島からの記録はない。内湾に注ぐ河口域に多く、泥底と転石が適度に混在する場所やアマモ場で見られる。幼魚は淡水域にも入って群れを作るが、成魚は単独で転石や流木に寄り添うように泳いでいることが多い。
入手は自家採集が最も確実で、タモ網で採集可能である。また、夜間採集で寝込みを襲えば更に簡単に採れる。その場合、当然ながら懐中電灯やヘッドライトなどの何らかの光源が必須で、場所によっては夜間採集の規制がある地域もあるため、事前に下調べを怠らず、地元の方との不要な軋轢は避けること。本種のみを狙って釣るのは難しいが、スズキやクロダイを狙ったサビキ釣りやミャク釣り、ルアーなどの外道としてもしばしば掛かるため、サイズや状態が適切ならば、そこから飼育しても良い。鑑賞魚としての流通は多くはなく、日本産淡水魚を扱っている店舗に偶に入荷する程度である。
因みに、鱗や骨がやや硬いものの、身は白身で臭みは少なく、刺身、塩焼き、バター焼き、味噌汁などに調理すれば普通に美味な魚である。
飼育についてはレッドスキャットとほぼ同じだが、肉食性が強く、植物質の餌は余り好まない。
南西諸島にはヨコシマイサキMesopristes cancellatusやシミズシマイサキM. iraviなどの近縁種が複数知られており、本種以上に淡水環境に適応しており低塩分で飼育可能だが、分布は限られており数も少なく入手は難しい。また、ニューギニア島やオーストラリアからは同じく近縁種であるストライプグルンターAmniataba percoidesやスパングルパーチLeiopotherapon unicolor、カルボナンダスHephaestus carboなどが稀に輸入される。やはり低塩分で飼育可能だが、カルボナンダスはかなり気性が荒いため、複数飼育や混泳には注意する。


◇コトヒキ

学名:Terapon jarbua
全長:30㎝
分類:サンフィッシュ目シマイサキ科

シマイサキに近縁な魚で、吻はやや丸みを帯びて体高が高い。コトヒキの名は、鰾の前方に発音筋があり、鰾に共鳴させることでキュッキュッと鳴くことをから「琴弾」の意で付けられたものであるが、これは科全体の特徴でもある。体高の高さからヤカタイサキ(屋形鶏魚)、尾鰭が緩い二叉形で縦条と黒斑が入る様子を矢筈(やはず)に見立てたヤガタイサキ(矢形鶏魚)の別名もある。英名では第1背鰭に大きな黒斑が入り、背面に弧状の黒縦条が3本走る様子を的に見立てて、「Targetfish」や「Target Perch」と呼ばれる。
シマイサキと同所的に見られる場合もあるが、本種は南方系で南西諸島でも普通に見られる他、インドネシアやサモア、アンダマン諸島など中部太平洋からインド洋までと分布は広い。このため、少ないながらもインドネシア辺りから鑑賞魚として輸入されることがある。
やや潮通しが良い外洋寄りの環境に多く、岩礁海岸のタイドプールでもよく見られる。完全な淡水域で見られることは殆どない。
飼育もシマイサキに準じるが、本種は他の魚の鱗や鰭を齧って食べる習性があり、複数飼育や混泳には基本的に向かない。
同属別種にヒメコトヒキT. therapsがおり、性質はシマイサキに近く温和だが、より高塩分を好むため海水魚として飼育した方が無難である。


◇ジャングルパーチ(オオクチユゴイ)

学名:Kuhlia rupestris
全長:30〜45㎝
分類:サンフィッシュ目ユゴイ科

和名は「大口湯鯉」の意だが、目名を見れば判る通りシマイサキの親戚筋である。シマイサキ科と比べて尾鰭はより深く切れ込み、口もやや上向きにつくなど、より游泳性能が高いことが窺える形態を有する。
鹿児島県や高知県で幼魚が採集された記録はあるが、基本的には南西諸島に分布し、国外では太平洋からインド洋の熱帯・亜熱帯地域に広く分布する。
純淡水魚が少ない沖縄県では、それに近い生態的地位を獲得しており、渓流域から中流域でかなり普通に見られ、用水路にも多い。
若魚は水面近くを群をなして泳ぐが、動きはかなり素早くタモ網で獲るのはかなり難しい。釣りで採集するのが一番簡単で、ゲームフィッシングの対象にもなっている。南西諸島の採集物やインドネシアからの輸入品が偶に入荷する。
基本的にはシマイサキと同じ方法で飼育可能だが、本種の場所は周縁性淡水魚というよりは降側回遊魚に近く、古くない水であれば塩分無しで何年も飼育可能である。ただし、採集直後や冬場の低水温時、幼魚期などは水カビ病やコショウ病などが出易いため、10〜25%を目安に塩分を加えるのも良い。
幼魚は群れを作るが、成魚になると気性が荒くなるため複数飼育や混泳には注意する。
同じように飼えるものにはユゴイK. marginataやトゲナガユゴイKuhlia mundaがいる。
因みに、夏場に本州沿岸でもよく見られるギンユゴイK. mugilは海水魚であるが、低塩分に耐性があり、海水の30%程度の塩分があれば長期飼育可能である。


◇淡水ハオコゼ

学名:Neovespicula deprerssifrons
全長:5〜8㎝
分類:ペルカ目フサカサゴ科

日本にも産するハオコゼの近縁種であり、赤や薄桃色の斑模様のハオコゼに対して、本種は黒と焦茶色の斑模様に頭部の正中がクリーム色とシックな色合いである。
転石と砂泥が混じった河口域で見られ、岩の隙間や流木の割れ目に潜んでいる。
比較的コンスタントに輸入されているため入手は容易で、価格も安価である。
文献上は10㎝近くになるともされるが非常に成長が遅く、単独飼育ならば30㎝水槽でも相当長い期間飼育可能で、複数飼育する場合でも40㎝水槽を用意出来れば良い。
塩分はやや高めの方が調子が良く、海水の20%以下にはならないように注意する。
人工飼料には餌付きにくく、冷凍餌や生餌を中心に与える必要がある。特に輸入直後は餌付きが悪いことが少なくないため、生きたブラインシュリンプやイサザアミを用意した方が良い。
背鰭に毒を持つため、他の魚からは襲われにくいものの、動きはゆっくりで餌を食べ損ねることや、無毒な尾鰭を齧られることがあるため他種との混泳には注意する。同種同士では多少の小競り合い程度で、大きな問題になることは少ない。
近い仲間には八重山諸島などからも記録があるアゴヒゲオコゼTetraroge barbataやヒゲソリオコゼT. nigraがいるが、非常に珍しい種であり滅多に流通しない。


◇アリゲーターフィッシュ(ミナミマゴチ)

学名:Platycephalus indicus
全長:30〜45㎝
分類:ペルカ目コチ科

かつてはインドアンテナフィッシュ共々、比較的コンスタントに入荷していたが、最近は数年に一度輸入されれば良い方である。
マゴチやイネゴチも同様の方法で飼育することが可能である。


◇ジャイアントグルーパー(タマカイ)

学名:Epinephilus lanceolatus
全長:150〜250㎝
分類:ペルカ目ハタ科

ハタ科の世界最大種。
巨大魚の項目も参照。
幼魚は汽水域に侵入し、一時的には海水の10%ほどの低塩分にも耐えるものの、最終的には海水での飼育が推奨され、その上で最大サイズは全く個人向けではない。
他にもチャイロマルハタやハクテンハタ、シラヌイハタなどが汽水から知られる。


◇淡水ギンポ

学名:Blenniidae
全長:5〜10㎝
分類:ギンポ目イソギンポ科

淡水ギンポと呼ばれる種には複数の種がおり、ここではイソギンポ科ナベカ属Omobranchus spp.に分類されるものを扱う。
まず、上位分類のイソギンポ科だが、江戸前の天麩羅で有名なギンポPholis neblosaとは全くの別物である。ギンポはペルカ目ニシキギンポ科に分類され、系統的にはダンゴウオ科やフサカサゴ科などに近い。一方のイソギンポ科はスズメダイ科などに近縁とされる。ニシキギンポ科は世界で15種程度が知られる小さなグループで、北方系で岩礁域や砂泥底に棲む。イソギンポ科は世界で400種以上が記載されているかなり大きなグループで、熱帯・亜熱帯海域で多様性が高く、岩礁域やサンゴ礁で見られるものが多い。
両者とも側扁した平たい体に基底(付け根)が長い背鰭と臀鰭を持ち、卵を保護する性質を持つなどの共通点はあるが、多くは収斂進化の結果として見做されており、形態や生態が異なる点も多い(例えばニシキギンポ科は体が細長くウナギ体型で、尾鰭も小さく口や歯も小さいが、イソギンポ科はシルエットはハゼに近く、尾鰭の発達は悪くなく口は大きく犬歯状の牙が発達するものが少なくなく、特に雄同士はこれを用いて激しく争うなどの違いがある)。
そのイソギンポ科で、特に河川へと進出したグループがナベカ属から複数知られている。個々の種に共通する特徴は少ないが、頭部周辺に細い横帯を呈するものが多い。
鑑賞魚として流通が比較的多いのは、O. zebraとO. smithiである。どちらも分布は概ね同じで、インド亜大陸周辺からマレー半島やインドシナ半島、インドネシアやフィリピンなどに分布しており、これらの国から時折輸入される。
O. zebraは頭部の横帯が太く4〜5本ほど有り、胸鰭の基部に黒い斑紋が目立つ。躯幹の模様は斑点状で、背鰭と腹鰭を繋げることはない。O. smithiは頭部の横帯が細く3本ほど有り、後頭部にC字型のメタリックな青い斑紋も呈する。躯幹の模様は太い帯状で、背鰭と腹鰭を繋げている。O. zebraはインドゼブラブレニー、O. smithiはピカソフェイスブレニーの名前で流通することが多いが、逆の名前で流通したり、単に「淡水ギンポ」の名前で2種が混ざった状態で売られていることもある。更に、この2種と比べると入荷量はかなり少ないが、日本でも八重山諸島などで見られるカワギンポO. feroxが混じることがある。カワギンポは頭部に目立った斑紋を持たず、背鰭の鰭条数が少し多い(O. zebraとO. smithiは30〜33で、カワギンポは32〜35)。生態はどの種も大同小異で、マングローブを流れる泥深い水路でよく見られる。
飼育は40㎝水槽から可能で、水質管理に自信があるならば30㎝水槽でも飼える。
シェルターとして枝状の流木(灰汁が抜け切ったもの)やカキ殻、フジツボ殻などを入れると雰囲気が出るが、あまり複雑にし過ぎると滅多に姿を見せなくなるので注意する。
塩分の要求量は海水の10〜30%程度で良い。
餌はクリルやシーフードを好むが、人工飼料にも餌付く。自然下では藻類も結構食べているらしいので、スピルリナを配合した人工飼料を試してみるのも良い。
テリトリー意識がかなり強く、ペア以外の混泳は難しい。特に生活圏が重なるハゼやオコゼ、カレイなどとの相性は最悪である。気が強いのでそこそこ体格差がある魚とでも渡り合えるので、上層部を泳ぐ頑健な魚種とならば可能である。
東京湾以南の本州・四国・九州には同属別種のトサカギンポO. fasciolatocepsやイダテンギンポO. punctatusが知られており、同じ方法で飼育可能で、海水の30%程度の塩分があれば、室温ならば冬季の保温も不用である。


◇ボラ

学名:Mugilidae
全長:10〜100㎝
分類:ボラ目ボラ科

時に河口近くの水路や水門で犇めき合う様子がニュースやワイドショーで報道されるボラだが、飼育される機会も意外と少なくない。
海外産の充分としてはインドヨツメボラが稀に入荷する。


◇グラスフィッシュ・グラスパーチ(タカサゴイシモチ)

学名:Ambassidae
全長:4〜20㎝
分類:ボラ目タカサゴイシモチ科

Glassfish(硝子魚)の名は伊達でなく、鰭や鱗は勿論のこと、筋肉や骨までも透明な種が多いグループである。総じて、小型種になればなるほど透明感が強くなる。本項目の対象外なので詳述は避けるが、コイナマズ、ハゼなどにも「透明魚」は複数知られているが、これらにも同じ傾向がある。
オセアニアから東アフリカまで幅広く分布しており、日本からも6種が知られている。例によって、主に流通するのは東南アジアや南アジアの種である。
最も一般的な種はラージグラスフィッシュParambassis siamensisであろう。透明な体を利用して蛍光色素を注射したものはカラーラージグラスの商品名でタイやインドネシア、シンガポールから頻繁に輸入される。この注射は真皮と筋肉との間に針を入れるらしく、性質的には「刺青」に近いものである。驚くべきことに、今だに1匹ずつ手作業で行われており、慣れた「職人」の手に掛かれば、1匹あたり数秒ほどで完了するという。蛍光色素は精々半年程度で分解されて色落ちしてしまい、成熟すると透明感もやや失われるが、体全体が薄いレモン色に染まり、背鰭や腹鰭の棘条が薄水色に発色するため、群泳する性質も相俟ってシックな美しさがある。流通するのは3㎝程度の幼魚だが、最大8㎝程度に成長する。
45㎝水槽から飼育可能で、塩分無しでも問題無く飼えるが、調子を崩した時は海水の10〜20%程度の塩分を加えると回復が早い。餌は何でもよく食べて人工飼料にも簡単に餌付く。同種同士だと多少の小競り合いはするが、極端に気性が荒い訳ではなく、複数飼育や他種との混泳も充分に可能である。
インディアングラスフィッシュP. rangaも比較的見かける種である。最大7㎝程度とラージグラスフィッシュよりやや小さく、透明感も強い。成熟すると背鰭と臀鰭の外縁がエレクトリックブルーに発色し、更に雄は第一背鰭と腹鰭が黒く染まる。パキスタンやインド、スリランカやバングラデシュなどの南アジアが主要な分布域で、沖縄本島にも定着しており、インドタカサゴイシモチの和名もある。飼育はラージグラスフィッシュと同じで良い。
グラスエンゼルGymnochanda filamentosaも古くから知られる種である。最大4㎝程度とこの科としても小型種の部類で、体の鱗を完全に欠くため、最も透明度が高い種でもある。種小名は「糸のような」の意味で、その名の通り、成熟した雄は第二背鰭と臀鰭の軟条が長く伸びて、硝子細工そのものかと思うほどに優美である。マレー半島やボルネオ島、スマトラ島などから知られる。
この種は完全な淡水性の種であり、中性から弱酸性の熟れた水を好み、水草水槽とも相性が良いが、輸入時に調子を崩しているものが多く、立ち上げにはやや苦労する。性質もやや繊細なので、同種のみで飼うか、ごく温和な種との混泳に留める。
更に美麗な種にはレッドフィングラスエンゼルG.flameaが挙げられる。グラスエンゼルの特徴に加えて、「炎のような」の意味の種小名に違わず、伸長した軟条や尾鰭が朱色になり、背面も黄色く染まるため、この科では随一の美しさを誇る。ボルネオ島の中部カリマンタン州スルヤン県の更にごく一部の水系のみから知られており、流通量は非常に少ない。
少し変わったものとして、アップルヘッドグラスパーチP. pulcinellaがいる。全長は10㎝程度とやや大型で透明感も低いが、後頭部が瘤のように盛り上がる。種小名はイタリアの伝統的な仮面演劇コンメディア・デッラルテに登場する怪道化師プルチネッラに由来し、後頭部の隆起をプルチネッラが被る長い頭巾に見立てたものであり、英名でもHumphead(瘤付きの頭) Glassfishと呼ばれる(なお、アップルヘッドグラスパーチは日本の鑑賞魚業界が付けた流通名)。ミャンマーやタイを流れるサルウィン川とその支流などから知られており、稀に流通する。サイズとやや性質が荒いことを除けば、ラージグラスフィッシュと同じ方法で飼育出来る。
日本からはタカサゴイシモチAmbassis urotaeniaやセスジタカサゴイシモチA. miopsなどが、黒潮の影響が強い地域の河口域で採集出来る。スレに弱く導入直後のトリートメントには注意し、塩分は海水の25%以下にはしない方が良い。


◇オレンジクロマイド


学名:Etroplus maculatus
全長:8〜12㎝
分類:カワスズメ目カワスズメ科

純淡水魚を基本とするシクリッドにあって、珍しい汽水域に産し、且つアジア産という珍しい特徴がある。
詳細はシクリッドを参照。


◇ニードルガー

学名:Xenentodon cancila
全長:20〜30㎝
分類:ダツ目ダツ科

ガーというと、アリゲーターガーを筆頭に外来生物法にて愛玩飼育不可になった古代魚や、それに姿が似たカラシンカラシンのブラントノーズガーやハイドロシナスガーが有名だが、本種はそれらとは全く異なるダツ目の1種である。
感潮域直上の淡水域で抽水植物が繁茂する瀞場のような場所で見られる。
普段は水槽の隅に定位しているものの、時に突発的に激しく泳ぐことがあり、且つ体が硬く柔軟性に欠けるため、吻をガラス面にぶつけて痛めてしまうことが多い。単独飼育でも60㎝ワイド水槽程度の低面積は確保したいところである。水深はあまり必要としないので、横から観賞することを放棄すれば、ランチュウ飼育に用いられるトロ舟で飼うのも良いかもしれない。
游泳空間を確保するため、なるべくシンプルなレイアウトで飼うべきだが、衝突を和らげるために塩分に強いバリスネリアなどをガラス面に沿って植えたり、過度な刺激を防ぐために水面にアマゾンフロッグピットを浮かせたりするのも良い。
塩分の要求量は少なく海水の10%もあれば充分で、酸性にならなければ純淡水でも飼育可能である。
餌は活き餌を好み、メダカやエビ、コオロギなどには良く反応する。クリルにも餌付き易いが、人工飼料には反応が悪い。沈んだ餌には余程飼育に慣れた個体でないと、まず食べることはない。
成熟した雄は縄張りを持つため、同種同士の混泳は雄1匹に対し、雌1〜3匹程度にすり。食べ残し処理用に底生魚と混泳させたいところだが、意外と口が大きく開くので、呑まれないように注意したい。


◇デルモゲニー

学名:Dermogenys pusillus
全長:5〜7㎝
分類:ダツ目コモチサヨリ科

日本のサヨリと比べると遥かに小さく、寸詰まりな体型である。尾鰭は湾入しない截形で、雄の臀鰭のシルエットは平行四辺形に近い。
マレー半島広域からボルネオ島やスマトラ島にかけて分布する。海に近い地域の流れが緩やかな小川や湖沼地帯に生息し、灌漑用の用水路や公園の池などかなり人の手の入った環境でも見られる。
近年は下火らしいが、タイ南部やカンボジアなどでは「闘魚」として親しまれていた歴史があり、現地の朝市や夜店の屋台などでも以前はよく売られていた。昭和30年代には既に観賞魚として日本に紹介されており、現在もコンスタントな入荷がある。よく見かけるのはゴールデンデルモゲニーと呼ばれる金粉を塗したような光沢のあるものだが、これは発光バクテリアが寄生したものとされており、飼育すると数ヶ月程度で消失し、本来の青白い体色に戻る。
飼育についてはニードルガーに準ずるが、遥かに小型なのでペアならば30㎝水槽でも飼える。
闘魚にも利用されるくらいなので、成熟した雄同士はかなり激しく争うが、水草を多めに入れて隠れ家を作ったり、逆にシンプルなレイアウトにして過密気味(60㎝水槽ならば20〜30匹程度)に収容して縄張りを作らせないという方法もある。
本種が属するコモチサヨリ科は卵胎生であり、水槽内での繁殖が狙える。雌雄判別は容易で、雄は臀鰭の前縁の鰭条が肥厚して交接器となり、その周辺が濃い赤紫色に、それより後部及び吻端が黄色く染まる。雌の臀鰭は三角形に近いシルエットで赤みは薄く、吻端は黄色くならない。体型も通常は雌の方が一回り大きく太い。交接から1ヶ月後には全長1㎝弱の稚魚を10〜30匹ほど産む。生後3日後から稚魚用の粉末飼料を与えるが、可能ならばインフゾリアを利用すると更に歩留まりが良い。グッピー用の産卵ケースに隔離して管理するのが便利だが、特大の水槽で水草をある大量に入れた状態ならば自然繁殖を狙うことも出来る。
他に流通する近縁種としてはセレベスハーフビーク、レッドラインハーフビーク、コモチサヨリなどがいる。いずれの種も基本的には同じ方法で飼育可能で繁殖も狙えるが、一回り以上大きい(全長8〜15㎝)ため、単独でも45㎝水槽以上は必要である。また、それぞれ好む水質が異なりセレベスハーフビークは弱アルカリ性で硝酸濃度が極めて低い水、レッドラインハーフビークは弱酸性のブラックウォーター、コモチサヨリは海水の15%以上の汽水を用いる必要がある。


◇プセウドムギル・キアノドルサリス

学名:Pseudomugil cyanodorsalis
全長:約4cm
分類:トウゴロウイワシ目プセウドムギル科

イワシと名は付くが分類的にはボラに近縁。プセウドムギル科を含むいくつかの科は通称レインボーフィッシュと呼ばれ、その名に違わぬカラフルな色彩をしている。
レインボーフィッシュは純淡水に生息する種類も多いが、本種はオーストラリアの汽水域に生息する。
一応は純淡水にも耐えられるものの、汽水で飼育した方が調子が上がるとされる。
黄色を基調とした体に、背中に沿ってメタリックな青のラインが入る。
その美しさから愛好家の人気は高いが、流通は非常に少ない。


◇淡水シタビラメ

学名:Cynoglossidae・Soleidae
全長:10〜30㎝
分類:アジ目ウシノシタ科・ササウシノシタ

日本では食材として馴染みがあるシタビラメの類にも、汽水域や淡水域に進出したものがおり、フグと並んで淡水で飼えることに驚きを感じることが多い魚と言える。
ウシノシタ科は背鰭・尾鰭・臀鰭が一体化しており、尾が尖り頭が丸い。口は一部の種を除いて、体の先端ではなく眼の下付近から腹側に向かって鉤状に開くが、額や吻のように見える部分は背鰭を支える骨(背鰭担鰭骨)が張り出したものであり、本来の吻がごく小さいため、このように見えるのである。胸鰭も無く、正に動物の舌(なお、基準属の科の基準属であるCynoglossaは「犬の舌」の意味で、和名もイヌノシタ属である)
鑑賞魚としてはタイやインドネシアから3種ほどが流通している。
基本的には淡水で飼育可能だが、古い水は好まない。


◇ホッグチョーカー(ホグチョッカー・北米淡水カレイ)

学名:Trinectes maculatus
全長:18㎝
分類:アジ目アキルス科

Hogchokerは「豚の喉詰まり」の意味で、浜辺に打ち上がったこの種を野豚が食べようとしたところ、硬い鱗によって喉に閊えたという逸話によるものとされる。
鑑賞魚業界では産地と生態的特徴を端的に表した北米淡水カレイの名称で扱われることが多いが、この種は完全な淡水域から汽水域、水深70m以上の海底からも記録されるなど、非常に幅広い環境に順応可能で、また、系統的にはササウシノシタ科に近く、カレイ科とはやや遠縁である。
ボストン近郊からメキシコ湾辺りの大西洋沿岸に分布しており、ミシシッピ川流域では河口から300㎞以上遡った地点からも観察されている。
かつては毎年、春から初夏にかけて輸入されていたが、現地の自然保護政策の強化や日本国内での外来種問題などによって、北米の淡水魚の商業流通が激減しており、ここ最近は店頭で見かける機会が著しく少なくなった。
飼育は淡水シタビラメに準じるが、前者と比べる本種はかなり丈夫で飼育し易い。
やや高水温には弱く、28℃以上にはならないように注意する。


◇ヌマガレイ

学名:Platichthys stellatus
全長:30〜50㎝、最大90㎝
分類:アジ目カレイ科

前述のホッグチョーカーと異なり、この種は正真正銘のカレイ科の魚であるが、「左ヒラメの右カレイ」の原則に反して、この種は体の左側に両眼がある「左カレイ」である。尤も、種のレベルでその特徴が完全に固定している訳でもなく、理由は不明だが日本近海に産するものに強く見られる(99%以上が「左カレイ」)性質で、一方、北太平洋の対岸に当たるサンフランシスコ近郊では、右側に両眼があるものが50%以上出現する。
高水温に弱く、夏場は最低でもクーリングファン、可能ならば水槽用クーラーを準備したい。 
近い種類のイシガレイP. bicoloratusも同様に飼育可能だが、成長したものは海水魚として飼育した方が良い。


◇淡水ヒラメ

学名:Citharichthys uhleri
全長:15㎝
分類:アジ目ヒラメ科

シタビラメ、カレイと続いてヒラメにも汽水産のものがいる。
鑑賞魚業界で扱われるのは、上記の学名が宛てられる南米産の種で、「アマゾン淡水ヒラメ」「南米淡水ヒラメ」などの名で売られている。
あまり巨大になる魚種ではなく、成長も遅いので、最終的に60㎝水槽が用意できれば問題ない。
餌は活き餌を好み、メダカは勿論、金魚も食べるようになる。
因みに日本のヒラメParalichthys olivaceusも、10㎝以下の幼魚はしばしば河口域に出現し、成魚も徐々に馴らせば海水の30%程度の塩分で飼育可能である。


◇テッポウウオ

学名:Toxotes spp.
全長:15〜40㎝
分類:アジ目テッポウウオ科

その名の通り、水中から水を飛ばして水上の昆虫を狙い撃つ唯一無二の個性を持つ。
詳細は当該項目を参照。


◇ファイヤースパイニーイール(レッドスパイニーイール)

学名:Mastacembelus erythrotaenia
全長:50〜100㎝
分類:タウナギ目トゲウナギ科

時にメートル級に達するトゲウナギ科の大型種。
詳細はトゲウナギの項目を参照。


◇パイプフィッシュ(淡水ヨウジウオ)

学名:
全長:
分類:ヨウジウオ目ヨウジウオ科

タツノオトシゴにもクロウミウマやサンゴタツなど汽水域に侵入するものが知られている。


◇バンブルビーゴビー

学名:Brachygobius doriae
全長:3㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

汽水域に産するハゼは非常に種数が多いが、観賞魚として見た場合の代表選手が本種である。英名は「マルハナバチ」、属名は「短いハゼ」を意味し、その名の通りやや寸詰まりの体に、黒と黄色とが交互に入る体色は非常に美しい。
非常に古くから知られており、昭和30年代には既に輸入販売されていた。現在もコンスタントな入荷がある。
単独であれば容量5ℓ以下のキューブ水槽でも問題なく、数匹飼う場合でも30㎝水槽程度でも十分である。
塩分は海水の15〜25%程度で良い。
冷凍餌や生餌を好むが、人工飼料にも普通に餌付く。小さな魚なので餌の大きさにだけは注意を払う。
多少の小競り合いはするものの、隠れ家を多く用意すれば複雑飼育は十分に可能で、本種を食べられないようなサイズの魚とならば混泳も可能である。
繁殖も可能で、塩分を海水の50%程度にまで上げて2週間ほど飼育した後に、通常飼育時の塩分に戻すことを何度か繰り返すと産卵する。
孵化仔が非常に小さいため、初期飼料に苦労する
同属別種にはフレッシュウォーターバンブルビーゴビーB. xanthomelasがいる。バンブルビーゴビーと比べると、黄色の透明感が強く、背鰭が黒く染まらないか、染まっても範囲が狭い。やや流通量は少ないが、その名の通り純淡水で飼育可能で、卵もやや大きいため繁殖がより狙い易い。


◇ナイトゴビー

学名:Stigmatogobius sadanundio
全長:8〜15㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

淡い灰色ないしはクリーム色に黒やメタリックグリーンのスポットのアクセントが美しい中型のハゼ。
ハゼとしては珍しく遊泳性で、中層付近の水中で静止している事が多い。オスは第一背鰭の鰭条が旗のように長く伸び、これを西洋騎士の兜に見立てたのが名前の由来である。
この種もバンブルビーゴビーと同じ時代から日本で流通しており、最近は流通量自体はやや減っているものの、ほぼ毎年見られる魚種である。
飼育は45㎝以上の水槽を容易し、見合ったサイズの隠れ家を入れること以外は概ねバンブルビーゴビーと同じ方法で飼える。
成熟した雄はやや気性が荒くなるものの、全く複数飼育が不可というほどでもない。ある程度の打たれ強さがあるので、レッドスキャットやモノダクティルス、各種汽水フグとも混泳可能である。逆に繊細な魚種との混泳は避けるのが無難で、口に入るサイズの小型の魚やエビとの混泳は絶対不可。
ペアリングに成功すれば産卵までは容易だが、孵化直後の仔魚が非常に小さく、育成はバンブルビーゴビーよりもかなり難しい。インフゾリアを用いてもあまり効果がないため、汽水域から直接採取した微小プランクトンを豊富に含んだ飼育水が使用可能ならば育成に成功する可能がある。


◇アベハゼ

学名:Mugilogobius abei
全長:3〜5㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

ハゼとしても小型種で一見すると地味な色合いの種だが、灰色の地の色に体の前半には茶褐色の横帯、後半には同色の縦条が入り、尾鰭や背鰭は基底付近が黒く、外縁近くが黄色くなり、更に顔の周りに赤褐色の虫食状の模様が入るなど、よく観察すると複雑な色合いから構成されていることが判る。
宮城県以南の太平洋側、福井県以南の日本海側から知られており、国外では朝鮮半島や中国、台湾からも記録があるが、種子島以南な南西諸島には産しない。
汽水域の魚類の中でもかなり過酷な環境に棲む種であり、ヨシ原の中のごく小さな潮溜まりや、殆ど水がないような石や流木の下、ゴミやカキ殻の隙間などから見つかり、他の魚が好まない貧酸素環境でヘドロ臭がする泥底から見つかることもある。
通常、硬骨魚類は老廃物をアンモニアで排出するが、アンモニアは反応性が高いため魚類にとっては猛毒である。一方、本種は例外的にアンモニアを毒性が低い尿素に合成する代謝回路(オルニチン・ウレア回路)を獲得しており、水が乏しい環境への適応だと考えられている。
日本産淡水魚を積極的に扱っている店舗でも見かけることは多くないため、自家採集が主な入手方法になる。他の魚と比べると棲んでいる環境が特殊だが、干潮時に前述の環境に赴けば、ごく小さな網で掬えば良く、場合によっては素手で摘んで採集可能である。代わりに泥深い場所に行かねばならない可能性が高いので、基本的にはウェーダーを着用した上で赴き、沈み込んで足が抜けなくなったり、ゴミやカキ殻で手を切るなど、場合によっては危険な要素もあるため充分に注意する。
飼育の条件はバンブルビーゴビーに準ずるが、あらゆる汽水魚で最強クラスに丈夫な魚種である。
30㎝水槽で5匹以下の飼育数で、2週間に1回以上の水換えが出来るならば濾過器無しでも飼育可能で、室内であれば冬季の加温さえ不用、夏季に水槽が35℃になっても平気である。餌も何でもよく食べる。自然下では1年で生活史を完結させるとされるが、生理的寿命はそれより長く、上手く飼えば4年近く生きることもある。


◇ミミズハゼ

学名:Luciogobius spp.
全長:4〜10㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

ハゼには珍しく第一背鰭を欠き、扁平な頭部に細長い体とドジョウのような雰囲気があり、近縁種には生息環境も相俟ってミミズのようなものもいる。
東アジア固有の属で、特に日本国内では非常に多くの種に分化しており、学名が宛てられているものに限っても30種以上、潜在的には50種以上がいるとも考えられている。
飼育はバンブルビーゴビーに準じ、この種もアベハゼほどではないが、かなり丈夫な種である。


◇マハゼ

学名:Acanthogobius flavimanus
全長:20~30㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

詳細は当該項目を参照。
飼育自体は難しくないが、ハゼとしては大型の部類なので、60㎝水槽以上は用意したい。また、年魚であるため、あまり大きな個体は寿命が迫っていると思って良い。


◇マッドスキッパー(ミナミトビハゼ)

学名:Periophthalmus spp.
全長:10〜15㎝
分類:ハゼ目ハゼ科

水嫌いの魚として有名。
比較的コンスタントな入荷がある。
一般的な魚とはかなり異なる生態であるため、飼育に躊躇しがちだが、ポイントを押さえれば意外と飼育し易い魚でもある。
単独であれば30㎝水槽でも飼育出来る。一番簡単に飼育するには、通常より水深を減らしたアクアリウムにカメ用の浮き島を設置する方法である。見栄えを気にしないならば発泡スチロールを切ったものでも良い(剥離剤がついている場合があるので、水槽に入れる前に水洗いは必要)。脱走防止に蓋をして、隙間をウールマットやスポンジを詰めれば、後は普通の魚と同じように管理すれば良い。
こまめに水換えが出来るならば、フィルターなしで飼うことも出来る。プラケースに砂を入れて水深が1〜2㎝程度になるように汽水を入れる。そしてプラケースの下に適当なものをかませて傾斜を作ることで水場と陸地を作る。水が蒸発し易いので、数日に一回は水を全部交換する。
勿論、大型の水槽に岩や流木で陸地を設けたアクアテラリウムで飼育しても良い。
塩分は海水の15〜25%程度で良い。
冷凍餌や生餌を好むが、人工飼料にも普通に餌付く。慣れれば手から餌を食べるようになる。


◇ピーコックガジョン

学名:Tateurundina ocellicauda
全長:6㎝
分類:ハゼ目カワアナゴ科

ニューギニアに棲息するカワアナゴの一種で、金属光沢のある水色を基調に朱や黄色の模様が入り、宝石箱のように美しい。
成魚で5~6センチ、丈夫で非常に温和な性質で、水質にも五月蝿くなくて純淡水での飼育も可能なので飼育しやすい。
ワイルドよりもブリードの方が人慣れしやすく、慣れれば餌をねだる様になる。
繁殖も可能ではあるが、何度か繁殖させると雄が絶食の為に体力を磨り減らして☆になってしまう(オマエらも気を付ける様に)。
長く飼育を楽しみたいのであれば、単独飼育か産卵させない方が良い。


◇マレーゴビー(マーブルゴビー)

学名:Oxyeleotris marmoratus
全長:30〜50㎝、最大80㎝
分類:ハゼ目ノコギリハゼ科

日本のドンコに似た姿をしているが、科レベルで異なり、時に全長が80㎝に達するハゼ目最大種である。
食用魚としての需要が高く、養殖された幼魚が販売されている。白変個体も知られている。
流通する個体は10㎝前後であるため、45㎝水槽から飼育可能である。全長30㎝を超えた頃から極端に成長が遅くなるのと、水量に応じて成長が緩やかになる「盆栽化」が起こりやすい魚種である。


◇ライオンフィッシュ

学名:Batrachomoeus trispinosus
全長:15〜30㎝
分類:ガマアンコウ目ガマアンコウ科

Lionfishはミノカサゴの英名でもあるが、ここではガマアンコウ目に属する別の魚を指す。
日本には目レベルで産しない魚で、グループとしてはインド亜大陸周辺やオセアニア、南北アメリカに産する( B. trispinosusの分布はベトナム以南のインドシナ半島からマレー半島、フィリピンやインドネシアなどの西部太平洋の熱帯海域及びベンガル湾周辺とされる)
「ガマアンコウ」の名から察せられるように、アンコウ目と近縁と考えられていたが、DNAを調べるとアンコウ目はフグ目と姉妹群を形成する非常に派生的な魚類であるのに対し、ガマアンコウ目はタラ目やアシロ目に近い、棘鰭系魚類としてはかなり祖型的なグループであるという結果が出ており、両者は赤の他人(他魚?)ということらしい。
なんとも形容し難い外見をしており、髭のような皮弁が発達する大きな頭と不釣り合いに小さな胴体、意外と大きな胸鰭に、小さいが毒を持つと背鰭という、アンコウとハゼとオコゼを足して3で割ったような姿を持つ。そして、鰾を振動させて鳴くことも出来る上、魚類の中で最も複雑な「鳴き声」を持つという不思議な魚である。
日本には少なくとも昭和40年代からは輸入されており、ほぼ毎年入荷があり、価格も割と安価である。
待ち伏せ型の捕食者で、激しく泳ぎ回る魚ではないので、よく輸入される10㎝前後の個体ならば45㎝水槽、水質管理に気を付けるならば最終的に60㎝ワイド水曜で終生飼育可能である。
塩分の要求量は高く最低でも海水の25%以上、出来れば50%は欲しいところで、成魚は海水でも飼育可能である。一方で、ベトナム産の個体群は年単位の長期間を淡水中で飼育しても異常なく成長したという話もあり、陸封型が存在するのか隠蔽種が存在するのか、非常に興味深い。また、汽水魚としてはやや高水温に弱く、28℃以上にはならないように注意する。
待ち伏せ型という捕食行動上、活き餌を好んで人工飼料には慣れ辛いが、ピンセットから餌を摂るように慣れる個体は多く、クリルや魚の切り身には餌付くことが殆どである。
縄張り意識が強くて気性は荒めで、特に底生魚は餌か喧嘩相手にしかならないと思ってよい。必然的に単独飼育が推奨される。


◇バーボット(カワメンタイ)

学名:Lota lota
全長:30〜60㎝、最大152㎝
分類:タラ目カワメンタイ科

タラ目で唯一の淡水産の種であり、ウナギとナマズを足して二で割ったようた独特の風貌から、珍魚・怪魚・底物マニアから注目されることが少なからずある。
北緯40度以北の地域に環北極分布しており、ユーラシア大陸ではフランス以北のヨーロッパ広域からシベリアを通って中国北部、北米大陸では五大湖以北のアメリカ合衆国及びカナダのほぼ全域と、淡水魚有数の分布範囲を誇る。戦前に日本が実効支配していた満州や樺太からも知られているため、「川明太」の意の和名がつけられている。
最大全長こそメートル越えの大型魚であるが、水槽のサイズに応じてある程度成長が遅くなるため、60㎝水槽から飼育開始して、90㎝水槽でもかなり間に合うことが多い。
飼育する上で最大の難関は水温で、幼魚は25℃程度までならば耐えられるものの、成長に従って低水温を好むようになるため、可能ならば年間通じて15℃以下に設定したい。高性能な水槽用クーラーがほぼ必需品であり、真夏の電気代は覚悟するように。


◇タンダンキャット


学名:
全長:
分類:ナマズ目ゴンズイ科

オーストラリアに産する淡水性のゴンズイ科の1種。
詳細はナマズの項目を参照。


◇サウスアメリカンシャークキャット


学名:
全長:
分類:ナマズ目ハマギギ科

フロリダ半島から中南米に広く分布する汽水性のナマズでは最も普通種。
詳細はタンダンキャットに同じく、ナマズの項目を参照。


◇淡水ウツボ

学名:Muraenidae
全長:30〜400㎝
分類:ウナギ目ウツボ科

沿岸の浅海域、特に珊瑚礁が生息環境の中心であるウツボだが、10数種以上が河川からの記録がある。
多くは偶来魚であって、淡水は勿論のこと海水の50%以上の濃い汽水でも長期飼育が困難であることが多い(海水で飼育すれば、頗る丈夫なものが殆どであるが)。
その中で、数種は汽水域または淡水域を中心に生息しており、しばしば観賞魚として輸入される。
詳細はウツボの項目を参照。


◇ターポン


学名:
全長:
分類:カライワシ目イセゴイ科

外見からは信じ難いが、ウナギの遠縁に当たる大型魚にして古代魚。
詳細は当該項目を参照。


追記・修正は水換えと餌やりの後にお願いします 。


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最終更新:2025年08月10日 20:43