陰獣(HUNTER×HUNTER)

登録日:2018/03/27 Tue 22:21:00
更新日:2025/04/18 Fri 21:03:31
所要時間:約 7 分で読めます






あいつらただのコソ泥じゃない

殺しが生活の一部になってるな いわば殺しのプロだなうんうん

餅は餅屋


陰獣(オレ達)に任せときな


陰獣(いんじゅう)とは、HUNTER×HUNTERのヨークシン編で登場する人物達のことである。


【概要】

HUNTER×HUNTER世界の6大陸10地区を縄張りにしている巨大裏組織『マフィアン・コミュニティー』の首領10人で構成された集団『十老頭』直属の実行部隊。
コミュニティーを構成する各マフィアのトップが選出した組織最強の武闘派が集まったチームであり、10人構成の戦闘集団。
全員が何らかの念能力者であり、その能力に関連した動物の名前がコードネームになっている。


つまりは彼らこそがヨークシン編当時のハンター世界におけるマフィア社会最強の殺し屋であった。
ヨークシンシティの地下競売を守るために暗躍していたが、競売品を全て奪おうとする幻影旅団との抗争の末に全滅する。


ぶっちゃけた話幻影旅団の強さを見せるための噛ませ軍団
…なのだが、作品が進むにつれて標準的な念能力者のスペックが明らかになったことでウボォーギンのバケモノじみた強さが再評価された。
そしてそれに連動して一部でそのウボォーギンを追い詰めた彼らの評価が再確認される事となった。


事実、バショウをはじめ当時のノストラードファミリーの面々が彼らの気配にまるで気づけなかった。
センリツは心音が突如増えたことは察知できたがそれ以外分からず、あのクラピカも彼らの接近には焦っていた。
しかも近くを通りすがった陰獣はたった三人だったが、その場にいた全員が身動きすら取れず陰獣にビビっている。
戦闘ではパワータイプのウボォーギンの攻撃を無効化、打撃は効かなかったものの地中に引き込み動きを止めて見せた。
万全のウボォーギンに手傷を負わせたことから、そこいらの念使いやハンターとは比較にならない強さである事がわかる。
何だかんだでマフィア最強の座は伊達では無かったと言えるだろう。

とは言えいくら強いと言ってもこの人達の相手はあくまでもマフィア関連の相手なので、
陰獣全滅後、彼らの飼い主である十老頭は素直に相手と同じ世界の住人とも言えるゾルディック家へ依頼した。


【構成員】

その名の通り、動物の名前がコードネームになっているため本名不明。
裏社会の人間だけあって非常にダークでアクの強い印象のメンバーが多い。
一方で強者ほど奇抜なファッションな事が多いハンター世界において、蚯蚓を除けば全員非常に庶民的でラフなファッションが特徴。

上記では噛ませとは書いたが、劇中でも幻影旅団から強者扱いされており弱い訳では無い。相手が強すぎたのである。
少なくとも解体屋ジョネスとか、天空闘技場の三馬鹿、GI編のモブ念能力者、キメラアントの雑務兵とかよりはマシなはずである。
そもそもウボォーギンのスペックを顧みると、彼らは非常に強力な念の使い手であったことが分かる。
例えばウボォーは完全に意識外から頭部に命中した狙撃銃も弾くほどの完成された防御力を誇り、戦車も一発で破壊すると豪語する強力なバズーカの直撃を片手で防御して見せたが*1、病犬はそのウボォーに容易く傷をつけるほどの攻撃力があった。

同じ戦闘車両に対する描写比較としては、念能力に驚異的な適合を見せるキメラアント達の師団長プロヴーダが、本気で念弾を連射しても装甲車にまともなダメージを与えられなかったというものがある。これよりもずっと強固な防御力を誇るのがウボォーギンである。

後述で説明もしているが、彼らの実力は舐めて掛からなければそのウボォーですら半ば一方的に殺害可能な程の域であった。

劇中では5人ほど名称ありで活動し、その内4人は死亡が確定。
残り5人は姿だけ見せて*2名前も表記されることなくそのままフェードアウト。
その後の報告から旅団に皆殺しにされたと思われる*3
ただし梟はクロロの念の特性上、旅団に殺されてはいない(代わりに拷問を受けた挙句にクロロに念能力を奪われたが)。


病犬(やまいぬ)


筋肉バカが 手玉だぜ

CV:内藤玲(旧) / 元村哲也(新)

長身で痩せ過ぎている病的な痩身の男。ボサボサの髪に黒いシャツとGパンを着用している。
名前の通り噛み付きが得意で歯を鋭利な牙のように改造しているが、旧アニメ版ではっぽさが強調。顔の形状がドーベルマンのように長く伸びていた。

拷問好きで相手をジワジワいたぶることを好む残忍なサディスト。
しかし嗜虐趣味が祟り蛭を食い殺してその頭蓋骨の一部を弾として口から飛ばすという想定外の事態に対処が遅れ、とっさに片手で防御したもののそのまま骨の弾丸が手と顔を貫通して死亡した。
なおコイツが趣味や舐めプに走らず素直に即効性の致死毒を使っていた場合、ウボォーギンはそのまま即死していた。*4
マフィアゆえに殺しより拷問・尋問を優先しているためか、同時に「能力者の性格故敢えてそうしてない」という推論も作中で出ていた。
このことから、扱える毒の種類についても誓約が絡んでいるかもしれない。
また、入れ歯でもない限り「牙に仕込んだ毒」なんてものを任務に合わせて交換できるとは考えにくいので、多少はやむを得なかった面もある。

因みに作中初めてウボォーギンに血を流させた人物。
三人の連携によるところも大きいが、ウボォーの注意が逸れた一瞬の隙に何度も攻撃を成功させたり、易々とパンチを避けるなど、身体能力は一流である。

  • 毒の牙(仮称)
強化系念能力。能力名は不明。
念で強化した顎と牙で敵を噛み千切る強化系らしいシンプルな能力。
その顎のパワーと牙の鋭利さは鋼鉄以上の強度を誇るウボォーギンの肉体を容易く食い千切るほど
加えて牙にはを仕込んでおり、俊敏な身のこなしを組み合わせたヒットアンドアウェイ戦法を駆使し敵を翻弄する。
劇中では首から下の肉体の動きを封じる超即効性の神経毒を使用し、ウボォーギンの肉体の動きを封じることに成功した。


豪猪(やまあらし)


調子のってるなこいつ うん

CV:高橋あきお(旧) / 坂熊孝彦(新)
ジャージを着込んだスキンヘッドの小柄な中年男性。「~だな、うん」が口癖。
自身の能力でウボォーギンの右手を封じ勝ち誇るが、間近でウボォーギンの大声の直撃を受けたことで耳の出血と共に死亡してしまった。

  • 体毛針
強化系と操作系能力との複合技。
念で強化した全身の体毛を自在に伸ばし操る能力。
硬軟も自由自在で、強靭な針のように硬くすることも、硬化を維持しながら部分的に柔らかくしてクッションのように打撃を吸収・無効化することもできる攻防一体の念。
硬くした場合は銃弾を弾き返す防御力と、鋼鉄を誇るウボォーギンの鋼の肉体を容易く貫くほどの威力を持ち、クッション状態では豪猪の体を拳代わりにしたウボォーギンのパンチすらノーダメージに抑える脅威の耐衝撃性能を誇る*5
刺し貫いた状態で体毛を伸ばせば敵の身体を侵食することも可能で、数千本の体毛が身体を貫きながら食い込んでしまえば抜くことは困難。
作中では抜けなくさせる&いたぶるためかゆっくりと侵食させていた。
なお一部では「一度腕に巻き付かせてその後一気に急所を狙えばウボォーギンを殺せていたのでは?」という疑惑がある。

後にパーム=シベリアが同じく体毛を操る能力暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)という念を使用したが、応用力で体毛針に劣るため一概に甲乙はつけ難い。
『暗黒の鬼婦神』の強堅な毛髪の鎧は防御としての役割を持つが、これでウボォーの攻撃が防げるのかも未知数。
ただあちらは強化系の上にキメラ化でパワーアップしているという点で差別点があり、キルアの50㎏ヨーヨーをワンパンで砕き、打撃戦でも圧倒するほどに強力であった。


(ひる)


小便と共にヒルの赤ん坊が何億と飛び出るのは圧巻だぜ?
大抵の人間はそれを拝む時に激痛であばれ死ぬがな

CV:堀圭一郎(旧) / 木内秀信(新)

Tシャツにジーンズというラフな服装、ニタニタとした薄気味悪い笑みを浮かべた肥満体でウボォーギンに匹敵する位の身長の大男。
肥満体だが陰獣だけあって体術も一流らしく、こいつを含めてノストラードファミリーはかなり接近されるまで陰獣達に気づけなかった。
体内に大小無数のヒルを飼っており、状況に応じヒル状の舌で相手の体内にヒルを植え付ける戦法を取る。
病犬の毒で動けなくなったウボォーギンを自身の能力で蝕むも、ウボォーギンの首から上は動いたために頭を頭蓋骨ごと食い千切られて即死。
蚯蚓が実は生きていたので最初の戦死者。前述したが、彼の頭蓋骨はそのまま病犬の頭部を撃ち抜く弾丸代わりにされた。

  • 蛭を操る(仮称)
操作系念能力。能力の名称は不明。
コードネーム通り、体内で飼っているヒルを念で自在に操る能力を持つ。
治療用のヒルのほか、寄生蛭・マダライトヒル*6などが登場している。
病犬と豪猪が速攻でウボォーを仕留めた(ように見えた)のでこいつは戦闘には参加する描写はなく、実際どう戦うのが得意だったのかは不明。
攻撃用や治療用のヒルの性能次第では驚異の力を発揮していたかもしれない。
また生き物でシズクでは吸い取れなかったため、シャルナークが対処法を知っていなければ地味にやばかった*7
少なくとも拷問にはうってつけの能力。
治療用のヒルの存在などから、味方の回復などを担うサポート役だったのかもしれない。
ただこいつが不用心にウボォーに近づいていなければ少なくとも病犬は簡単に死なずに済んだだろう。


蚯蚓(みみず)


……なるほど
少しは念が使えるようだがやめときな…

CV:上別府仁資(旧) / 大西健晴(新)

両目が異常に離れていて頭が妙に長い上に筋肉質で体毛もない不気味な長身の大男。
ミミズのようにグネグネと奇怪な動きを取るなど柔軟な身体の持ち主でもある。
陰獣のメンバーで初めて登場し衣服すら来ていないブーメランパンツのみの姿で地中から這い出る
そのインパクトあるビジュアルと登場の仕方でクラピカ達と読者を驚かせた。
自分達の邪魔をされたくなかったのか、登場時にノストラードファミリーの様子を見て忠告する割と親切な面がある。
瀕死の状態で仲間に旅団だから全員でかかれと注意を促すなど、奇怪な見た目だがプロ意識はかなり強い。*8

一流能力者だろうと一打で沈める拳でウボォーギンに全力で殴り掛かる*9逆に殴った自分の片手が損傷し、更にウボォーギンのグーパンを顔面にモロに受け歯が吹っ飛び片方の目が飛び出ているのにパンチをした腕をつかんで平然と戦闘を続行。
そして地中に引きずり込もうとするも、『超破壊拳』の直撃を受けても即死しないだけのタフネスを持つ。

グーパンに耐えた件については、物凄く軟体的な体を利用し上手く衝撃を逸らせたのだと思われる。
しかし超破壊拳では即死しなかっただけで、腕は千切れ飛び、致命傷で瀕死の状態だったことには変わりはない。
最後は自分達4人とウボォーギンの戦った情報を他の陰獣に伝えて力尽きるが、この際に使用していた携帯電話パンイチスタイルだった彼が一体どこに隠し持っていたのかは永遠の謎である。
なお、ウボォーは地中に引きずり込まれる直前にパワーでごり押ししてしまったのであっさりとどうにかなっただけ。
他の旅団員が一度引きずり込まれかけるとまともに対処できるのかは地味に不明。結構な数の団員が詰む気がする。

系統や能力の名称は不明。
地面を操作しているとするならば操作系だが、肉体でどうにかしているなら強化系や具現化系*10などが考えられる。
土の中に潜り自在に移動することができる能力で、自身が触っていれば対象者をも引きずり込むことが可能。
引きずり込む時の力は力自慢のウボォーですら引き抜けないほど強いため、ここに限れば力勝負で抗える者はほぼ居ない。
アニメ第1作では地中では地上の何倍もの力を発揮できるという設定がなされていた。
そもそも地中に引きずり込まれた時点で、いくら念能力者でも余程のパワーや何らかの能力がなければ相手はまともに動けなくなると思われる。
また、音も気配もたてずに移動できるため、ウボォーに不意打ちで初撃を与えることが出来た。


(ふくろう)


やっぱタダ者じゃねーなお前ら
あの一瞬に扉をあけて脱出する反応の鋭さはよ

CV:鈴木淳(旧) / 山中真尋(新)

あご髭を生やし、長袖のアロハシャツにサングラスをかけビーチサンダルを履いた大柄な男。
物品の運搬を担当し、地下競売の金品を移動させていた。
その後、地下競売場を襲撃した幻影旅団を壊滅させるために旅団に挑むが返り討ちにされてしまう。
ただし旅団は元々競売品が目的だったこともあり、陰獣の中で1人だけ捕縛される形で生存。
そのまま拷問にかけられて金品を奪われ、更にクロロ=ルシルフルに能力も奪い取られた。
『盗賊の極意』の制約上、殺されてはいないだろうが五体無事なのか、廃人化したのかなどは不明。取り敢えず拷問された後のコマはある。
ヨークシン編後の生死は不明。*11
アニメ第2作では戦闘開始前に旅団を舐めてる他のメンバーに侮らないように注意した(まあ聞き入られなかったが)。

  • 不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)
具現化系能力。
陰獣の中では唯一固有名称が明らかになっている能力で、念で具現化した風呂敷に包んだものを閉じ込めることができる。
風呂敷のサイズは可変で、劇中で確認されている範囲でもポケットに収まる~自動車や生物さえも丸ごと包み込むサイズにまで拡縮可能。
無論閉じ込めたもののサイズも一緒に変化。具現化系だが強度を必要としていないからか、体から離して使用することも可能。
更に風呂敷の操作も可能なので、風呂敷の範囲に収めさえすれば素早く楽に包める。
クロロは手から放そうとしなかったことから、さすがに飛行能力などは無くて単に遠隔操作で包めるだけと思われる。
中は異空間なのか、恐らくだが重さもほとんどなくなる。日常場面でも便利な念能力。ジョジョ四部に出てきたスタンド『エニグマ』とよく似ている。
ただし中に人が入っても声は聞こえていたので、音漏れはするらしいし普通に意識もそのままの様子。
一度入れればノブナガ=ハザマですら出られなかったっぽいので、閉じ込めに成功さえすれば格上でも食えることが分かる。

現在は上述通りクロロが所有。
ただし、ただの盗賊稼業でも『盗賊の極意』で能力を盗むためにも非常に便利な能力なのだが、制裁で死んでいる可能性もある*12
その便利さから、ガイドブックでは欲しい念能力で高順位を獲得した。



【注意】

の獣」で陰獣であり、「らな獣」の淫獣ではないため、誤用・誤記には注意の事。





そう… 荒らし(クモ)
残り… 全員でつ…追記・修正しねぇ…と 危ねぇ…ぞ

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  • ※味方です
  • 実は強い
最終更新:2025年04月18日 21:03

*1 服は吹っ飛び体の表皮も焦げ「さすがにかなり痛ぇ」と漏らしているが

*2 原作ではわずか1コマだけの登場。コウモリ型の翼で飛行する者などがいた。2011年アニメ版では両手の爪を伸ばす者や全身から長い針を伸ばしている者も登場した。

*3 2011年アニメ版では戦闘シーンと、旅団員に皆殺しにされるシーンが追加されている。

*4 最初観戦していた旅団の連中も殺せていたと言っている

*5 物理的には不可解だが、念が絡んでいるので可能なのだと思われる

*6 傷口から体内に侵入して膀胱に産卵するヒル。孵化すると激痛のあまり死ぬ

*7 さすがのウボォーも内臓の内側から痛めつけられるのは防げないと思われるので、死ぬかそれを免れても重傷は避けられなかった。そのためウボォー自身これの対処には少し焦ったり対処法をちゃんと実行した。

*8 とは言っても陰獣は元々それぞれ違う組の所属なので、仲間だからというよりやはりプロ根性だろう

*9 一流の能力者でも大口径の拳銃弾をまともに喰らえば無傷では済まない。蚯蚓の拳は、狙撃銃による不意打ちをこめかみに受けても常人にとってのデコピン程度で済むウボォーに対して、口から少し血を流させる程度のダメージは残している

*10 描写から可能性は低いが道具の具現化でもいけると思われる

*11 便利な能力なので能力コレクターであるクロロが能力を使い捨てるように殺害するということはないと思われるが、その後の扱いは不明

*12 競売品を守れずに大損害を出したため。マフィアに扮して競売に出されたコピー競売品も遅くとも24時間後に消滅するため信用もがた落ちであり、具体的な描写こそないが近辺のマフィアは凄まじい痛手を被った(カキン王国編で言及がある)。そのためマフィアの生き残りに見つかったらケジメのために殺害される恐れは高そうである