ヴァリアンツ(遊戯王OCG)

登録日:2022/04/04 (月) 13:42:24
更新日:2025/04/18 Fri 21:33:38
所要時間:約 25 分で読めます





戦陣に臨む(つわもの)よ!その勇気で戦場(フィールド)を進め!


ヴァリアンツとは、『遊戯王OCG』に存在するテーマのひとつ。
デッキビルドパック「タクティカル・マスターズ」にて初登場した。





【情報公開時】

デッキビルドパックでは恒例だが、最初に切り札となるモンスターのイラストのみが公開された際、そこにいたのはイケメンの弓使い大剣を持ったオッサン可愛いけどぺったんこな巫女が並んでいるイラストであり「ユニットが団結したペンデュラムモンスターだ!」と紹介されていた。
そのため、詳しいモチーフや動きは不明であれど少なくとも「和風モチーフのペンデュラムテーマ」だとデュエリスト達は推測していた。
…が、実際に詳しい情報公開がされると、例の和風モンスター達に加えて近未来的背景でロボットアーマーを着たモンスターが同じテーマとして現れた上、各種テキストも一見して分かりにくい複雑なものが出揃っていた。そのため「一体これは何をモチーフにしてどういう風に動くテーマなんだ!?」と混乱したデュエリストも多いのではなかろうか。

ただ、落ち着いて一つ一つ効果を見た上で各種魔法のサポートカードを見るとこのテーマが何をモチーフにして作られたのか推測が可能。
これは、和風の雰囲気を持つ真羅万象陣営西洋風の百識公国陣営などが登場する架空の2人対戦用の戦略型ボードゲームVV(ヴァリアンツ・ウォー)をモチーフにしたテーマなのである。



【概要】

属するモンスターは全て、Pモンスターで統一されている。
しかし、メインデッキのモンスターはPスケールが1で統一されており、彼らだけではP召喚ができない。
一応、EXデッキに所属する融合・Pモンスター群のスケールが10なため、彼らと違ってテーマ内だけでP召喚ができないこともないが、狙うのは難しい。

その代わり、メインデッキのヴァリアンツモンスターは以下のようなP効果を持つ。

(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)。

(1):フィールドゾーンに「VV-○○○○」が存在する場合、
または自分フィールドに(自身と同属性)の「ヴァリアンツ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。

彼らはP召喚よりも、Pゾーンから前のモンスターゾーンに直接移動することで特殊召喚される。
その様子はまるで、キャラクターの待機ゾーンから戦場のゾーンへ駒を進めるかのようである。

この効果で特殊召喚すると、テーマモンスターしか特殊召喚できないというよくある縛りがつく…かと思いきや、なんと(EXデッキからの特殊召喚は除く)という今まで類を見ない注釈文がある。
これによりEXがあまりやすいヴァリアンツに置いても無理なく汎用Lモンスター等をEXデッキに投入することができる。
この微妙に緩い縛りを見て一部のテーマ使いからは「ズルい」という声が上がったとかなんとか

ただし、移動できるのはあくまでPゾーンの前のモンスターゾーンのみであるため、そのままではこの効果で特殊召喚できるのは2体が限界。それ以上を展開するためには、何かしらの工夫が必要である。

ここで、メインデッキのヴァリアンツモンスターに共通するもう一つの効果を見てみよう。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
ヴァリアンツモンスター達は、なんらかの方法でゾーンを移動することによって更なる力を発揮する。
つまり、Pゾーンの前のモンスターゾーンが埋まってしまうなら、横にどかしてしまえばいいじゃない!ということである。そうすることで、また新たにモンスターを出撃させることができる。


前に。横に。時に後ろに。
縦横無尽にモンスターが動くこの独特な様子も、ボードゲームモチーフ故と推測できる。

【カード】

モンスターカード


真羅万象(しんらばんしょう)陣営


和風をモチーフにした陣営。水属性魔法使い族で統一されており、勢力の色は青。
カード名に方位を示す「東西南北」の字が含まれているのが特徴。

設定上では「魔法の力で臨機応変に戦う」陣営。どう見ても魔法使いに見えない見た目で魔法使い族である原因
百識公国に比べると火力は劣るがシナジーやコンボが豊富な様子。

  • 《ヴァリアンツの巫女(みこ)東雲(シノノメ)
ペンデュラム・効果モンスター
星2/水属性/魔法使い族/攻 500/守 500
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚されている場合、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「ヴァリアンツ」魔法カード1枚を手札に加える。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
デッキから「ヴァリアンツの巫女-東雲」以外の「ヴァリアンツ」モンスター1体を手札に加える。

箒から魔法弾を放つ巫女。
特殊召喚することで魔法のサーチ。ゾーンを移動することでモンスターのサーチを行う。
効果を見て分かる通り【ヴァリアンツ】の最重要モンスターであり、初動を担う大切な役目を持つ。

設定上では「魔法サポート」ユニット。OCGでも魔法&モンスターサーチと言うまさにサポートな能力を持っている。


  • 《ヴァリアンツの弓引(ゆみひき)西園(サイオン)
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻1100/守1100
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚されている場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
コイントスを1回行う。
表だった場合、そのモンスターの効果を無効にする。
裏だった場合、その攻撃力は半分になる。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
コイントスを1回行う。
表だった場合、そのカードを破壊する。
裏だった場合、そのカードを持ち主の手札に戻す。

険しい顔をした緑の弓使い。
特殊召喚した際にコイントスを行いモンスターの効果無効もしくは弱体化。
ゾーンの移動時にも同じくコイントスを行い、カード破壊かバウンスを行う。

ボードゲームにはよく見られる運要素を再現したコイントス効果だが、この手のお約束として欲しい効果が欲しい時に出るとは限らない不安定さがネック。
戦闘破壊を狙って攻撃半減しようとしたらただ効果を無効にしてしまうだけだったり、カードを破壊しようと思ったらバウンスしてしまい、発動時の効果を再利用されてしまったりと、不運を考えればキリがない。
一応、どちらが出ても最低限損をしないだけ恵まれている方ではあるので、どちらに転んでも得をするような、使い所を見極める必要があるだろう。

設定上では「遠距離DPS」ユニット。DPSは直訳すれば「秒間火力」という意味だが、転じて「火力職」といった意味でも使われる。
破壊やバウンスで戦線をこじ開けるあたりはまさに火力だろう。


  • 《ヴァリアンツの忍者(にんじゃ)南月(ナヅキ)
ペンデュラム・効果モンスター
星6/水属性/魔法使い族/攻1800/守1800
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドゾーンに「VV-真羅万象」が存在する場合、
または自分フィールドに水属性の「ヴァリアンツ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカード以外のメインモンスターゾーンのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの位置を、その隣のモンスターゾーンに移動する。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合、自分の魔法&罠ゾーンの「ヴァリアンツ」モンスターカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをその正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。

手裏剣を放つ性別不明の忍者。
何気に初の魔法使い族忍者でもある。

P効果は下級とは違い、自身と同陣営のモンスターか特定のフィールド魔法がないとPゾーンから出撃できない。
これは他のヴァリアンツ上級モンスターと共通する。

モンスター効果の一つに、他のモンスターを移動させる効果がある。
他のメインデッキのヴァリアンツの効果トリガーとして利用できる他、Pゾーンの前を開けることで更なる展開を誘発することも可能。
実は百識公国陣営にも同じような効果を持つ下級がいるのだが、こちらは相手モンスターの位置の移動が可能という点で異なる。有効に働く場面は少ないであろうが、覚えておいて損はない。

自身が移動した時の効果は、自分の魔法&罠ゾーンの「ヴァリアンツ」を出撃させる効果。
Pゾーンのヴァリアンツは殆ど自力で移動できるので、この効果ではそれ以外のゾーンから出撃させることになるのだが…?

設定上では「忍術魔法CC」ユニット。忍術なのか魔法なのかはっきりしろ
CCは「Crowd Control」の略で足止めや妨害能力のこと。OCGの効果と同じく配置を移動させる能力を持つようだ。


  • 《ヴァリアンツの武者(むしゃ)北条(ホウジョウ)
ペンデュラム・効果モンスター
星8/水属性/魔法使い族/攻1900/守1900
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドゾーンに「VV-真羅万象」が存在する場合、または自分フィールドに水属性の「ヴァリアンツ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):魔法&罠ゾーンの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
自分の手札・フィールドから、「ヴァリアンツ」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
その際、自分のPゾーンに存在する融合素材モンスターも融合素材に使用できる。

炎の太刀を操る武士のオッサン。おそらく総大将。

モンスター効果では魔法・罠ゾーンのカードをバウンスできる。
相手の邪魔な永続妨害系カードをどかしたり、名称ターン1のない自分の永続カードの再利用等の使い方が可能。

自身が移動した時の効果は、融合召喚を行う効果。
Pゾーンのヴァリアンツも利用できるのが最大の特徴とも言えるが、ヴァリアンツは元々自力でPゾーンから出撃できるのため、利点にはなりにくいかもしれない。

設定上では「近距離アタッカー」ユニット。武器は巨大日本刀で炎属性魔法を纏っている。
どう見ても「炎属性・戦士族」だが真羅万象陣営なので「水属性・魔法使い族」である。

  • 《ヴァリアンツの(しゅう)幻中(マモナカ)
融合・ペンデュラム・効果モンスター
星10/水属性/魔法使い族/攻2800/守2800
【Pスケール:青10/赤10】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
●自分のメインモンスターゾーンのモンスター1体を選び、その位置をその隣のモンスターゾーンに移動する。
【モンスター効果】
「ヴァリアンツ」モンスター×3
このカード名の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):お互いのメインフェイズに、相手のメインモンスターゾーンの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターをそれと同じ縦列の相手の魔法&罠ゾーンに永続魔法カード扱いとして表側表示で置く
(置く先にあるカードは破壊され、それがモンスターカードの場合、相手はその攻撃力分のLPを失う)。
(2):特殊召喚したこのカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを自分のPゾーンに置く。

北条・西園・東雲が並んだだけ融合モンスター。
南月だけハブられてるって?忍者だから忍んでるだけだよきっと

P効果では、ヴァリアンツでは重要な位置移動の効果を使用できる。
高いスケールによってP召喚も補助できる上に、自身の効果で出撃も容易なため、積極的にPゾーンへ送る戦術も充分に考えられる。

モンスター効果はフリーチェーンで相手モンスターを無力な永続魔法に変換するという非常に独特な除去効果。
メジャーな除去手段である破壊・除外・バウンスとは違いフィールドから離さないため、《E・HERO アブソルートZero》の全体除去など、フィールドから離れたときの効果全てが誘発しないという利点がある。
ただしメインモンスターゾーンのカードしか狙えないので、EXモンスターは対処できないことがあるのが玉に瑕。

類似の除去効果は《サイコ・ギガサイバー》の例があるが、この効果はそれに加えて
  • 移動先にカードがあったとしてもそれを破壊して強制的に置く。
  • その破壊したカードがモンスターだった場合その攻撃力分のライフを失わせる
という注釈がある。ヴァリアンツの注釈文なんか強いのばっかり
モンスターの攻撃力分のバーンは引導火力にもなり得る強力な効果であり、しかも失わせる効果のためバーン対策のカードはほぼ意味をなさない。
自分・相手ターンと連続で効果を発動することでこのバーンも行いやすいため、融合に成功した場合には是非とも狙ってみたい。

設定上ではコストとして北条・西園・東雲の3体を必要とする真羅万象の切り札。圧倒的なステータスを持ち、能力で「ユニットを戦場から廃棄」させることが出来るらしい。



百識公国(ケーニッヒ・ヴィッセン)陣営

近未来をモチーフにした陣営。炎属性機械族で統一されており、勢力の色は赤。
支給されたパワードスーツに身を包み、戦況に応じた装備で戦う兵士達。
カード名に爵位を示す言葉が含まれているのが特徴。
現状「伯爵」の名を持つモンスターのみいないため、今後の登場が期待できる。

設定上では「最新兵器による高火力」陣営。単体でも火力を出しやすいのが特徴のようだ。

  • 《ヴァリアンツ(バスター)-バロン》
ペンデュラム・効果モンスター
星2/炎属性/機械族/攻 800/守 800
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚されている場合、このカード以外の自分のメインモンスターゾーンの「ヴァリアンツ」モンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターの位置を、その隣のモンスターゾーンに移動する。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合、自分または相手のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをその隣の魔法&罠ゾーンに永続魔法カード扱いとして表側表示で置く。

レーザーガンを放つ兵士。
「バロン」とは、英語で「男爵」を意味する。
「バスターバロン」だが大戦士長の武装錬金は関係ない。

特殊召喚してる場合の起動効果は、他のヴァリアンツを移動させる効果。
《ヴァリアンツの忍者-南月》と同じく他のヴァリアンツ達の効果を誘発させるのに有効。

自身が移動した時の効果は、Pゾーンのモンスターの位置をずらす効果。
Pモンスターは魔法罠ゾーンに移動した場合、そのP効果は使えなくなるので注意。
後続の出撃のためにPゾーンを空けたり、相手のP効果を妨害するのにも使える。
仮に自身のモンスターを魔法罠ゾーンに移動させたとしても、ヴァリアンツならばそこから展開するのは容易。

設定上では「低コストアタッカー」ユニット。序盤から戦線を維持できるユニットで、OCGでも序盤から展開できれば有用な効果となっている。


  • 《ヴァリアンツ(ヴォルテージ)-ヴァイカント》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/炎属性/機械族/攻1400/守1400
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚されている場合、自分メインフェイズに発動できる。
自分のEXデッキから表側表示の「ヴァリアンツ」Pモンスター1体を選んで自分の魔法&罠ゾーンに永続魔法カード扱いとして表側表示で置く。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
自分のEXデッキから表側表示の「ヴァリアンツ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。

棒状の武器を構えた兵士。
「ヴァイカント」とは、英語で「子爵」を意味する。

二つのモンスター効果は、どちらもEXデッキのヴァリアンツを魔法&罠ゾーンに待機させる効果。
発動条件はともかく効果そのものは一見同じような効果に見え、(1)が(2)の上位互換に見えるが大間違い。
(1)で魔法罠ゾーンに置かれたヴァリアンツは効果を持たない永続魔法扱いになるので、Pゾーンに置いても自身の効果で特殊召喚することはできないし、Pスケールも持たない。
そのため、(1)を使うならPゾーン以外の魔法&罠ゾーンに置くようにして、魔法&罠ゾーンにいるヴァリアンツを利用できるカード(《ヴァリアンツの忍者-南月》や《ヴァリアンツの武者-北条》など)で補助する方がよい。

設定上では「拠点防衛ガード」ユニット。重要地点を押さえておけるユニットのようだ。

  • 《ヴァリアンツ(マッド)-マーキス》
ペンデュラム・効果モンスター
星6/炎属性/機械族/攻1700/守1700
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドゾーンに「VV-百識公国」が存在する場合、
または自分フィールドに炎属性の「ヴァリアンツ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
サイコロを1回振り、出た目の数だけ自分のデッキの上からカードをめくる。
その中から「ヴァリアンツ」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。
残りはデッキに戻す。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
サイコロを1回振り、2~5が出た場合、自分の魔法&罠ゾーンのモンスターカード1枚を選んでその正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。

マシンガンや砲台など様々な武器を構えた将。
「マーキス」とは、英語で「侯爵」を意味する。

ボードゲームでは恒例である、サイコロを振って効果の成功可否を判定する二つの効果を持つ。
特殊召喚してる場合の起動効果は、めくったカードの中からヴァリアンツ1枚を手札に加える効果。
《ヴァリアンツの巫女-東雲》と比べると不安定さが目立つが、それでもサーチ効果の一端を担えるのは貴重。

自身が移動した時の効果は、自分の魔法&罠ゾーンのモンスターカードをその正面に特殊召喚する効果。
成功率は2/3とやや安定はしないが、外してもデメリットは無いので発動し得ではある。
他の効果で魔法&罠ゾーンに待機しているモンスターを出撃できる手段として貴重。

設定上では「遠距離範囲火力」ユニット。デュークランクアップのためのポイント稼ぎに使えるらしい。

  • 《ヴァリアンツD(ドミネーター)-デューク》
ペンデュラム・効果モンスター
星8/炎属性/機械族/攻2000/守2000
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドゾーンに「VV-百識公国」が存在する場合、
または自分フィールドに炎属性の「ヴァリアンツ」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):魔法&罠ゾーンにセットされたカード1枚を対象として発動できる。
セットされたそのカードはこのターン発動できない。
(2):モンスターゾーンのこのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合、相手のメインモンスターゾーンの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターのコントロールを得る。
この効果でコントロールを得たモンスターは、攻撃宣言できず、効果を発動できず、「ヴァリアンツ」モンスターとしても扱う。

大剣を構えた将にして百識公国の司令官。
「デューク」とは、英語で「公爵」あるいは「(あまり大きくない国の)君主」を意味する。

特殊召喚してる場合の起動効果は、魔法&罠ゾーンの伏せカードの発動を封じる効果。
フリーチェーンの妨害カードも多い今、あまり強い封殺能力があるとは言い難いが、あって困る効果ではない。

自身が移動した時の効果は、相手モンスターのコントロール奪取。
攻撃と効果が封じられる強い縛りがつくが、ヴァリアンツの名前が付与されるのが大きな特徴。
リリース要員や融合素材にしてしまうのが一番か。
永続的に奪取できるため、慌てて処理する必要がないのも便利。

設定上では「後方支援司令官」ユニット。最大の特徴はユニット破壊や制圧でポイントを貯めることで「グランデューク」への「ランクアップ」が可能な点。

  • 《ヴァリアンツ(ジェネシス)-グランデューク》
融合・ペンデュラム・効果モンスター
星10/炎属性/機械族/攻2500/守2500
【Pスケール:青10/赤10】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
●自分のメインモンスターゾーンのモンスター1体を選び、その位置をその隣のモンスターゾーンに移動する。
【モンスター効果】
「ヴァリアンツ」モンスター×2
EXデッキの裏側表示のこのカードは、融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●融合モンスターを除く、EXモンスターゾーンと同じ縦列の自分のレベル5以上の「ヴァリアンツ」モンスター1体をリリースした場合に特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのモンスターカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻し、その攻撃力分のダメージを相手に与える。
その後、与えたダメージの半分だけこのカードの攻撃力をアップする。

司令官のデュークが「ランクアップ」した姿。
「グランデューク」とは、英語で「大公」を意味する。

P効果は《ヴァリアンツの聚-幻中》と同じであり、他のヴァリアンツ達の効果をフォローできる。
ただし、このカード自体はPゾーンへ自力で移動することができないため、他のカードでのフォローが必須となる。

注目すべきは、融合召喚以外でも特定のゾーンにいる上級ヴァリアンツをリリースすることで特殊召喚できる効果。これにより《ヴァリアンツの聚-幻中》より遥かに手軽に出陣でき、戦況を動かすことができる。

モンスター効果は特殊召喚に成功した時、相手の魔法&罠ゾーンのモンスターをバウンス&バーン&自己強化。
ヴァリアンツカードの効果を駆使して移動させた相手のモンスターを狙える他、相手のデッキが【ペンデュラム召喚】ならば自然と条件を満たしやすい。
打点に悩まされやすいヴァリアンツにおいては、自己強化もありがたい。
効果を使った後はただのバニラなため、そのまま上がった攻撃力で制圧を狙うか、効果の再利用を狙うかは状況を見極めて行動したい。

設定上は「高速移動アタッカー」ユニット。前述のように「デューク」を「ランクアップ」させて出すことが出来る模様。百識公国の切り札級ユニットのようで、圧倒的な火力を持つようだ。



第3の陣営

真羅万象、百識公国に続く第3の陣営。
11期終了時点では陣営名は不明で1ユニットのみが登場している。
設定上の特徴は「時間と方向を操る」陣営で、最初の拡張セットで登場するはずだが現実世界では一向に続報が来ない
《針淵のヴァリアンツ-アルクトスXII》をボスとし、全12ユニットがいるらしい。

  • 針淵(しんえん)のヴァリアンツ-アルクトスXII(トゥエルブ)
融合・ペンデュラム・効果モンスター
星12/地属性/天使族/攻3000/守3000
【Pスケール:青12/赤12】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを正面の自分のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。
●自分のメインモンスターゾーンのモンスター1体を選び、その位置をその隣のモンスターゾーンに移動する。
【モンスター効果】
レベル5以上の「ヴァリアンツ」モンスター×2
EXデッキの裏側表示のこのカードは、自分フィールドの上記カードをリリースした場合のみEXデッキから特殊召喚できる。
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに発動できる。
自分のモンスター2体または相手のモンスター2体をメインモンスターゾーンから選び、その2体の位置を入れ替える。
(2):モンスターゾーンのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。
フィールドのカード1枚を選んで破壊する。

アルクトスはギリシア神話に登場する季節と秩序を司る時間の女神「ホーラー」たちの1柱、夜空の女神の名前である。

融合モンスターでありながら融合召喚出来ず、レベル5以上のヴァリアンツ2体をリリースしなければ特殊召喚出来ないが、幸いヴァリアンツは展開力に長けているため、実際にはそこまで重いわけではない。

P効果はヴァリアンツ融合モンスター共通のもの。
《ヴァリアンツG-グランデューク》と同じく自らPゾーンに移動出来ず、P効果を活かすならサポートカードによるフォローは必須。
一方Pスケールが12もあるため、《ヴァリアンツの聚-幻中》や《ヴァリアンツG-グランデューク》をP召喚する貴重な手段になりうる。

モンスター効果はフリーチェーンで自分または相手メインモンスターゾーンのモンスター2体の入れ替え、及びモンスターが移動した際にカード1枚を破壊。
入れ替えもモンスターゾーンの移動になるため、メインデッキのヴァリアンツモンスターが持つゾーン移動時の効果を誘発させる事が出来る。
破壊効果も高性能な上に自身のステータスも攻守共に3000と高く、総じて高いコントロール能力を持ったモンスターと言える。

「針」「XII」という名前やその機械的な外見から、時計をモチーフとしているのは間違いないだろう。
設定上ではこの陣営のボスユニットとのこと。

ちなみに名称やデザインに先の2陣営ユニットとの共通点が無さすぎたため、ヴァリュアブルブックで設定が明かされるまでは正体についてゲームマスター説、第3勢力説など様々な説が飛び交っていた。


魔法カード

  • VV(ヴァリアンツ=ワールド)真羅万象(しんらばんしょう)
フィールド魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「VV-真羅万象」以外の「ヴァリアンツ」フィールド魔法カード1枚を相手のフィールドゾーンに表側表示で置く。
(2):フィールドゾーンにカードが2枚ある場合、ターンプレイヤーは自身の魔法&罠ゾーンのモンスターカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをその正面の自身のメインモンスターゾーンに特殊召喚する。

  • VV(ヴァリアンツ=ワールド)百識公国(ケーニッヒ・ヴィッセン)
フィールド魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「VV-百識公国」以外の「ヴァリアンツ」フィールド魔法カード1枚を相手のフィールドゾーンに表側表示で置く。
(2):フィールドゾーンにカードが2枚ある場合、ターンプレイヤーは自身のモンスターの正面の、相手のメインモンスターゾーンの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターを同じ縦列の相手の魔法&罠ゾーンに永続魔法カード扱いとして表側表示で置く
(置く先にあるカードは破壊される)。
ヴァリアンツのゲームの舞台となるそれぞれの陣営。

これらの特徴として、片方のフィールド魔法が発動すれば、もう片方のフィールド魔法を相手の場に発動できる効果を持つ。
これによりこの二枚はセットのようなもので、実質六枚体制で運用ができる。
基本的にヴァリアンツ達をフォローをするカードでしかないが、相手のフィールドへもう一方のフィールド魔法を発動する関係上、先攻時は《無限泡影》や《ライトニング・ストーム》の対策になったりする。

これらのフィールド魔法があると、ターンプレイヤーはそれぞれ
  • 自分の魔法罠ゾーンのモンスターをモンスターゾーンに出撃させる。
  • 相手のモンスターを魔法罠ゾーンに撤退させる。(《ヴァリアンツの聚-幻中》と同じような効果)
という二つの効果が使える。
これによりヴァリアンツ達をさらに機敏に動かすことができるが、この効果は相手も使えるという点に注意。
効果を逆利用されることも考えられる他、片方のフィールド魔法を相手の場に置く関係上、張り替え等で除去される危険性も考えておく必要がある。
というかやろうと思えば大量展開で盤面制圧ができるテーマなので、効果使用後は自分フィールドの分だけ割ってしまうことも少なくない。
相手にヴァリアンツやることを押し付けておきながら自分だけ一方的にやめる形。


  • VV(ヴァリアンツ=ウォー)~始まりの地~》
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「ヴァリアンツ」フィールド魔法カード1枚を手札に加える。
その後、以下の効果を適用できる。
●自分フィールドのPモンスターカード1枚を選んで破壊し、デッキから「ポジションチェンジ」1枚を手札に加える。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分のEXデッキから表側表示の「ヴァリアンツ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

デフォルメされたヴァリアンツのキャラクターフィギュアがショーケースの中に並んでいるイラストのカード。
おそらくはこのボードゲーム売り場が「始まりの地」という事なのだろう。
キャラクターフィギュアにチップが内蔵されており、専用のゲーム筐体で読み込むことでユニットとして投影されるようだ。
ゲーム中に光ったり鳴ったりするギミックがあるほか、自分好みにカスタマイズ可能というある意味凄い機能を持つ。
余談だが、「~」の記号が使われた初のカードである。

効果はデッキから上述の陣営カードをサーチするもの。墓地から除外してEXデッキのヴァリアンツをPゾーンに待機させる効果を持つ。
これにより、六枚体制だったフィールド魔法を最大九枚体制にすることができ、《テラ・フォーミング》などを使えばさらに増やすことも可能。
墓地除外の効果も戦線維持のために役に立つ補充効果である。

さらにフィールド魔法サーチの際に、とあるカードをサーチする追加効果があり…


  • 《ポジションチェンジ》
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分のメインモンスターゾーンのモンスター1体を対象とし、その隣の使用していないモンスターゾーンを1ヵ所指定して発動できる。
その自分のモンスターの位置を、隣の指定したゾーンに移動する。

ヴァリアンツ登場から遡ること16年前に登場したカード。
青き眼の乙女》を反復横跳びさせることでちょっと話題になった1ターン1度、モンスターの位置をずらす効果を持った永続魔法。
まさか専用のサーチカードがもらえるとは、誰が予想しただろうか。
お陰で16年ぶりに再録の機会を果たすことに成功した。

実際、発動条件もコストもなくモンスターを移動させれるのはヴァリアンツにとっては重要であり、サーチする価値は充分にある。
ただし単体では動けないカードであることには変わりなく、かつ上述の《VV~始まりの地~》ではデッキからしかサーチできないため、採用枚数は吟味する必要がある。


  • VV(ヴァリアンツ=ウェイク)-ソロアクティベート》
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「ヴァリアンツ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。
(2):フィールドゾーンにカードが存在する場合、墓地のこのカードを除外し、自分のメインモンスターゾーンの「ヴァリアンツ」モンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターの位置を、その隣のモンスターゾーンに移動する。

筐体に《ヴァリアンツの巫女-東雲》のフィギュアがセットされ、画面にも《ヴァリアンツの巫女-東雲》が表示されている。この筐体がヴァリアンツのゲーム本体なのだろう。
カード名から察するにおそらくは一人用モードを起動してる場面と思われる。

効果に関してはどちらも非常に強力。
デッキのヴァリアンツをPゾーンに置く効果はヴァリアンツの共通効果により実質的なデッキリクルートとなり、
フィールド魔法がある時に墓地から除外してヴァリアンツを動かす効果は後続のヴァリアンツの出撃先を空けつつ動かしたヴァリアンツの固有効果のトリガーになる。
イラストにも描かれた《ヴァリアンツの巫女-東雲》とは特に相性が良く、
  1. デッキから《ヴァリアンツの巫女-東雲》をPゾーンに置く
  2. 《ヴァリアンツの巫女-東雲》自身のP効果でモンスターゾーンに出撃
  3. 《ヴァリアンツの巫女-東雲》のモンスター効果(1)で《VV~始まりの地~》をサーチ
  4. 《VV~始まりの地~》を発動して《VV-真羅万象》か《VV-百識公国》をサーチし即発動
  5. フィールド魔法があるので墓地の《VV-ソロアクティベート》を除外して《ヴァリアンツの巫女-東雲》を横へ動かす
  6. 《ヴァリアンツの巫女-東雲》のモンスター効果(2)が発動して任意のヴァリアンツをサーチ
と、《VV-ソロアクティベート》1枚から召喚権を使わずに“互いの場に《VV-真羅万象》と《VV-百識公国》、自分の場に《ヴァリアンツの巫女-東雲》、手札に任意のヴァリアンツ、墓地に《VV~始まりの地~》”と戦いの舞台が一気に整う強力な初動となる。
手札に適当なヴァリアンツがあるなら《VV~始まりの地~》のコストにする事で《ポジションチェンジ》のサーチも出来る。
コストにしたヴァリアンツは次のターン以降に《VV~始まりの地~》の墓地効果で回収出来るので実質ノーコストとも言える。


罠カード

  • VV(ヴァリアンツ=ウェーブ)-マスターフェイズ》
永続罠
(1):1ターンに1度、モンスターゾーンのカードが他のモンスターゾーンに移動した場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの全てのレベル5以上の「ヴァリアンツ」モンスターの攻撃力はターン終了時まで1200アップする。
●魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードを墓地へ送り、相手のメインモンスターゾーンの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターをそれと同じ縦列の相手の魔法&罠ゾーンに永続魔法カード扱いで表側表示で置く(置く先にあるカードは破壊される)。

ヴァリアンツに登場する三勢力のモンスターたちが対立している。
構図的に《針淵のヴァリアンツ-アルクトスXII》が目立つ形で描かれているので、真羅万象と百識公国の対戦中に他のプレイヤーが乱入してきたのかもしれない。

効果はレベルに対して貧弱すぎる上級・最上級ヴァリアンツたちの攻撃力を強化できたり、効果モンスターをほとんどの耐性を貫通する形で疑似除去したりとなかなか優秀。
ただ、発動条件としてモンスターが他のモンスターゾーンへ移動することを要求するため、単体では全く機能しない。
また、モンスターゾーンの移動が得意なヴァリアンツといえど、相手ターンの移動手段はかなり少ないため、ほとんど自ターンにしか機能しない。

それらの欠点を持つ割に永続罠なので、有効に効果が発揮できるタイミングはかなり限られる、扱いの難しいカードと言える。

相性の良いカード

  • 《カラテ魂 KURO-OBI》・《ケンドウ魂 KAI-DEN》
高いスケールを持つスピリット・ペンデュラムモンスターという一風変わったモンスター。
おそらく真羅万象陣営
低いスケールばかりのメインモンスターのヴァリアンツと組み合わせることで、P召喚が容易になる。
高スケールを持つPモンスターというだけなら他の選択肢も豊富だが、このモンスター群はP召喚する際に自己バウンスする点が相性が良く、ヴァリアンツ達の出撃効果をフォローできる。

融合系デッキであれば、基本的にどこにでも現れる奴。
おそらく針淵陣営
「メインデッキにヴァリアンツを多く投入する必要がある」「召喚権に余裕がある」というヴァリアンツの特徴と
「メインデッキには《召喚師アレイスター》と《召喚魔術》(と余裕があれば魔法陣も)の投入でも成立する」召喚獣の特徴がキレイにマッチしている。

地味に「真羅万象陣営と百識公国陣営の2体で《暴走召喚師アレイスター》がL召喚できる」という利点もある。

いずれも【ペンデュラム召喚】全体で採用できる汎用的な効果を持つリンク2。
おそらく百識公国陣営
ヴァリアンツはP召喚を駆使しなくてもPモンスターを並べられる上に、EXデッキから出すモンスターには縛りがつかないため、これらのLモンスターを採用しやすい。
後者はP召喚できなければ重い制約がかかる点には充分注意。
大体自分のヴァリアンツのフィールド魔法をたたき割る為、「ヴァリアンツ始めようぜー!」→「ヴァリアンツやーめた!」「お前まだヴァリアンツやってんの?」という珍妙な光景になる元凶。
またリンク2であり、ヴァリアンツにはレベル2のモンスターもいる為、打点要員や展開要員として《ギガンティック・スプライト》《スプライト・エルフ》*1も採用出来る。

  • 《アスポート》
速攻魔法の使い切りだが、相手ターンにモンスターの位置を移動できる。
おそらく百識公国陣営の技術
ヴァリアンツは相手ターンに動く手段に乏しいため、これにより《ヴァリアンツの弓引-西園》による妨害等使いやすくなる。
カードを一枚使う価値があるのがどうかについては各々の考え方にもよるだろう。

  • 強力な妨害効果を持つ(あるいはそれを呼び出せる)通常召喚可能なモンスター+それをサーチできるEXモンスター
代表的なところで言うと、(《ナチュル・エクストリオ》呼び出し用の)《デビル・フランケン*2』+《ギアギガントX》や、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》+《御影志士》など。
ヴァリアンツは通常召喚権を使わずに大量展開ができる一方で盤面の維持能力に欠けるため、相手の行動を強力に妨害できるこれらと相性が良い、というか頼らざるを得ない側面がある。
なお、展開時に通常召喚をした場合でも、盤面は弱くなるものの《羅天神将》で相手スタンバイフェイズに出すというフォロー手段もとれる。

  • 《EM稀代の魔術師》
主に場に出た上記制圧効果持ちのモンスターをP効果で守る他、《スモール・ワールド》で展開の要となる《ヴァリアンツの巫女-東雲》をサーチすることになる。
また高スケールである為P召喚に用いることも可能。

  • 《魔法族の里》
真羅万象陣営の真のフィールド魔法
真羅万象陣営が魔法使い族であり、展開途中で出る《軌跡の魔術師》も魔法使い族のため、相手が手札にフィールド魔法を握っているか同じ魔法使い族のデッキでない限り、魔法カードの発動を封殺することが可能。
基本的に《テラ・フォーミング》でサーチするか《竜剣士マジェスティP》の(2)の効果でサーチすることになる。

【余談】


  • 真羅万象と百識公国
ボードゲームモチーフという事で、同じカテゴリ内に属するカードが更に複数の陣営に分かれているという変わったテーマ。
真羅万象サイドが水属性、百識公国サイドが炎属性で統一されているのは、この手のボードゲームやシミュレーションゲームの駒の色が青と赤で区別されがちな点を意識したものだろう。種族も相まって《ヴァリアンツの武者-北条》のイラストとのギャップが凄いことに。
これまでに登場したカテゴリの中にも背景ストーリーなどで敵対関係にあるカードが収録されたものはいくつかあったが、対等な対立構造が描かれるのは割とレアケースだったりする。


  • まさかの《ポジションチェンジ》ジ強化
2006年にCYBERDARK IMPACTで登場した《ポジションチェンジ》だが、《VV~始まりの地~》の登場によっておよそ16年越しにカード名指定で強化されるという妙なサプライズを受けた。
聖なるバリア −ミラーフォース−》などと違い特にアニメで活躍した訳でもないカードが、他のカテゴリに取り込まれる形で強化されるのはかなり珍しい。
これはカード効果のシナジーに加え、2人の人物がボードゲームに興じているイラストがヴァリアンツの設定とマッチしていた事が影響しているのだろう。

+ 何このイラスト?
イラストで描かれているのは「セネト」と呼ばれる古代エジプトのゲーム。
世界最古のボードゲームとされており、その歴史はなんと紀元前3500年まで遡る(遊☆戯☆王原作で描かれた古代エジプトよりもさらに2500年前)。
3×10マスの盤面の上で駒を動かして遊ぶ双六らしいが、詳細なルールについては史料が乏しいせいで専門家の間でも意見が分かれている。
「死者の魂が太陽神ラーの元へ辿り着くまで」を表す儀礼的な祭具であったとする意見もあるとか。
ちなみに、これをモデルにした「メヘン」というゲームを双六爺さんとMr.クラウン(御伽の親父)が遊んで大変な事になってたりする。




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最終更新:2025年04月18日 21:33

*1 2023年現在OCGでは禁止カード

*2 2023年現在OCG及びMDでは禁止カード