モロ(ドラゴンボール)

登録日:2020/02/01 (土) 02:18:57
更新日:2024/04/06 Sat 22:19:40
所要時間:約 10 分で読めます





オレの魔力が見たいのか…

いいだろう見せてやる



モロとは、漫画版『ドラゴンボール超』のキャラクターであり『銀河パトロール囚人編』の登場人物。


概要

青色の肌に山羊のような角を生やした、悪魔の如き容姿の宇宙人
その能力から『星喰いのモロ』の異名を持つ。
魔人ブウ誕生以前の時代に大界王神と戦い、力を封印され銀河パトロールに収監された過去を持つ。

ジレンブロリーとパワータイプのボスキャラが続いたためか、特殊能力が主体のキャラクターとなっている。
また、超のボスキャラとしては珍しい絶対悪のキャラクターでもあり、ザマスがあくまで屈折した正義であった事を考えると唯一の存在と言えるかもしれない。


本編での活躍

◇大界王神との激闘

本編の1000万年前に「イラギ星系の破壊および320の星を死滅させた罪」で銀河警ら隊(銀河パトロールの前身)に追われていた。
全盛期のモロは超サイヤ人ゴッド以上の戦闘力があったため、銀河警ら隊では逮捕する事が不可能であり、
モロを捕まえるために大界王神と南の界王神が出向く事となった。
しかし、その強さは魔人ブウをも超えていたため当然界王神では歯が立たず、
結局大界王神が極秘に開発していた神力と引き換えに相手の魔力を封じる秘儀『カイカイマトル』で魔力を封じられてしまった。

その後は銀河刑務所に収監されたものの、魔力を失ってなお戦闘力が強大だったため死刑を執行できず、終身刑となった。
それから1000万年もの間生き続けたが、新たな生命エネルギーの供給もできず寿命が尽きかけてしまう。
しかし本編の数年前に魔力が僅かながら戻り、さらに、同時期に投獄された元フリーザ軍の脱走兵・クランベリ(ザーボンに蹴られて池に落ちた人)から
ナメック星にあるドラゴンボールについての存在を聞かされ、ある願いを叶えるために脱獄した。

◇ナメック星での暗躍

道中、気を探ってきた悟空を逆探知しつつも新ナメック星に到着。
瞬間移動で先回りしていたベジータらと交戦し、持ち前の戦闘力と魔力でもって超サイヤ人、超サイヤ人ゴッド相手に優位に立つも、
「ゴッドまでしかパワーアップできない」と言うベジータのブラフに油断し、「全盛期の力を取り戻す」という自身の願いを明かしてしまう。
目的を知ったベジータはブルーに変身して一気に畳みかけ、あわや倒されかけるも、
魔力で悟空とベジータからも生命エネルギーを密かに吸い上げていた事で二人を超サイヤ人にも変身出来ない状態に追い込み、再び形勢逆転。

「さっきのお前の言葉を使わせてもらおう。」

「本当の狙いは……隠しておくもんだろ?」

弱り果てた二人を圧倒し、直にエネルギーを吸い上げる事で若干若返る事に成功した。

生命エネルギーの探知とクランベリのスカウターでナメック星に散らばる村々を探し出しては虐殺を繰り返し、三日の間に三つのドラゴンボールを手にしていた。
途中、数十人が同化したナメック星人の救世主が挑みに掛かかるも顔を見る事もなく瞬殺
更にはドラゴンボールをも探知できるようになり、残り三つを瞬く間に回収、悟空らが抱えていた最後の一星球にも向かっていくが、
ここでメルス・ジャコら銀河パトロールが対モロの切り札である魔人ブウを連れて到着。
銀河パトロールの退行催眠によって大界王神の記憶を思い出したブウは、かつて多くの命を奪ったモロに対して怒りを爆発させ特攻し、
魔力が通じない体質と記憶が戻り解放された潜在能力で圧倒してのけた。
モロも自身を魔力を封じた大界王神の面影を持つブウに激昂し反撃するが、腹を貫通し首を吹っ飛してもノーダメージというブウのデタラメな身体に翻弄され、
神力によって封印されかけてしまう。
しかし、寸前にクランベリがポルンガを呼び出したため、テレパシーで介入して脅し自身の魔力を全盛期に戻す事に成功し、
さらに猛スピードでポルンガの元へ向かってクランベリを殺害、最後の願いを叶えてもらうと吹き上げた地中のエネルギーと共に一時撤退した。

全盛期に戻った魔力で大気圏からナメック星のエネルギーを吸い上げ、今度こそ討とうと駆けつけた悟空・ベジータ・大界王神達と交戦。
幻影で翻弄してサイヤ人が向かえば死を免れない宇宙空間に移動し、大界王神との1対1の対決に持っていった。
エネルギーを吸い上げ続けたことでその戦闘力は既に大界王神ブウを上回っており、切り札のカイカイマトルさえも神力が感じられないために使えなくなっている事*1を見抜いていた。
自身の魔力を封じられる存在がいなくなった事に悦びを見せるも、メルスと大界王神の連携でナメック星に引き戻され、万全の状態の悟空・ベジータと相対する事に。
未だブルー1人にも及ばない実力にもかかわらず何故か不敵な態度を崩さないモロだが、
直後に最後の願い「銀河刑務所にいる囚人の解放」によって脱獄してきた囚人達が新ナメック星に襲来。
彼らに力を分け与えて悟空らにけしかけた上で、自身は再び魔力によるエネルギー吸収を行う事で再度二人を変身不応に追い込んだ。

◇銀河への進撃

「肉体の回復はこれでほぼ完璧だ」

新ナメック星の良質なエネルギーを取り込んだ事で肉体の回復はほぼ完了し、髭とシワがなくなり筋骨隆々のたくましい姿へと変貌を遂げた。
その後は更なるエネルギーを蓄えるため、部下のサガンボから聞き出した強力な生命力を持つ惑星に向かってはエネルギーを吸い上げる事を繰り返した。
(なお、この襲撃でプイプイの故郷である惑星ズンも犠牲になっている…)

とある惑星に滞在していた際、地球に襲撃させていた部下の一人・セブンスリーがコピーさせておいたモロの能力を使わされる程に追い詰められ、
また、悟空とベジータが更なるパワーアップを果たして帰ってくる事を立体映像を通して知る。
そこで、二人がより強大なエネルギーになって戻ってきたところで改めて食らう事を決め、部下達を地球から一時退却させた上で2ヶ月後に改めてやって来る事を予告した。
その後、部下の一人を容易く蹴散らすほど強くなっているベジータのエネルギーを感知し、
自身も限界までエネルギーを蓄えたうえで地球に赴こうと2か月の間星々を食い荒らしていった。

◇地球での決戦

二ヶ月後に予告通り来襲し、部下達に地球を襲わせつつモロは二人の帰還を待って様子見していた。
しかし、セブンスリーが敗れ去ったためついに地上に降り立つ。
サガンボに限界を超えて力を分け与え悟飯ら地球の戦士にけしかけていたが、そこへ帰ってきた悟空には一蹴されてしまう。
身勝手の極意"兆"を自在に使えるようになった悟空を前にモロもついに参戦し、フルパワーでの激闘を繰り広げる。

「ブルー単独でも倒せる」と断言されていた二か月前から打って変わり、惑星という惑星からエネルギーを奪い続けたことでその戦闘力は既に神をも凌駕するものとなっていた。
モロ自身のタフネスと"兆"が消耗の激しい形態だった事が合わさり、最終的にはモロが粘り勝つも、直後にヤードラット星でスピリットの技術を学んできたベジータが参戦。
「スピリットの強制分離」による打撃を受け、魔力によって今まで蓄えてきた生命エネルギーを分解されてしまい、脱獄当初の老人の姿にまで弱体化してしまった。
もはやこれまで、と思われたが…

「まだ魔力は残っているぞ」

不意を突いて魔力で目くらましをし、万が一の時のためにバックアップとして自身の能力と戦闘力をコピーさせておいたセブンスリーを吸収する事で全盛期以上にパワーアップしてしまう。
予めコピーされていた全盛期のモロ自身の力とピッコロの力、更にはベジータの能力をもコピーで手に入れ、それらを駆使して暴れ回り悟空一同を絶体絶命の窮地に追い込んだ。
いよいよジャコ一人を残すのみとなったところへメルスが駆け付ける。
自身と渡り合うメルスの力を使えそうな能力と判断し、不意打ちでコピーを試みるが腕を切断されてしまい、
消滅を賭したメルスの最期の活躍によって額と両掌のクリスタルを破壊され、能力とコピーその物が封じられてしまった。

更には、メルスの消滅を乗り越えた悟空が完全なる身勝手の極意へと覚醒し、モロを完膚なきまでに圧倒。
満身創痍の状態まで追い詰められるも、「地球人として」の戦いを臨んだ悟空に仙豆を分け与えられ、二度と悪事に手を染めない事を条件に見逃される。
そんな情けすらも反故にして攻撃を仕掛けるが、絶対的な実力差のために殴ったモロの腕が逆に折れてしまい、今度こそ倒されようとする。
しかし、土壇場で先ほどメルスに切断されたコピー済みの腕を発見、取り込む事で天使の力を手に入れた。
悟空と同等の境地に至り、自身には魔力もあると有利を宣言するが、直後に能力を制御できなくなり身体が肥大化していく。
これがお前の限界だと悟空に指摘され能力を手放すよう促されるも、モロは自身の限界を否定し、能力に耐えられる身体を求めて地球と融合してしまう。

「はーっはっはっはっーーー!!!」

「さぁ かかってこい孫悟空!!!」

モロが倒されれば銀河を巻き込み地球ごと爆発してしまう危険極まりない状況に持っていき、戦闘を続行させる。
「メルスの能力がコピーされたクリスタルを破壊できれば地球を残してモロだけ倒せる」というウイスの助言を受けて悟空は破壊を試みるが、
地面から何本もの腕を生やすモロの変幻自在の身体にエネルギーを吸い取られ、身勝手の極意を解除されてしまう。
しかし、この時点でモロも力に意識が追い付かず正気を失い、爆発を待つのみとなっていた。
そこで、ベジータを介してZ戦士たちとまだ見ぬとんでもねぇやつの気が悟空に分け与えられ、身勝手の極意への再変身に成功する。
気の巨人でモロを押さえ込み、悟空本体は額のクリスタルに向けて正拳を放ち粉砕。
天使の力と共に粉々に砕け散り、ついに消滅した。


能力

◆魔力

モロの代名詞的能力。
エネルギーの吸収から感知能力に至るまで様々な技を可能としている。

  • 生命エネルギーの感知
生命体の持つエネルギーを探知する事が可能であり、その範囲は銀河中にまで及んでいる。
悟空たちが使う気の感知と似たようなものだが、モロの場合は気を探られた際の逆探知まで可能となっている。
脱獄当初は弱体化していたために生命エネルギーの探知だけで疲労するほどだったが、
良質なエネルギーを吸収したことで魔力を幾分か取り戻した後はドラゴンボールすら探知できるようになった。
なお、天使などの生命エネルギーがない存在の感知は不可能な模様。

  • エネルギー吸収
強制元気玉』とも呼ぶべき、周囲の星や生命からエネルギーを無理やり奪い取ってしまう恐るべき能力。
生命エネルギーの吸収は元気玉とは違い少量ではなく、対象が死ぬまで奪いとることができる。
奪ったエネルギーを取り込むことで自分の戦闘力と生命力を増大させる事もできる。モロが1000万年も生きられたのはこのため。

何よりも厄介なのはその吸収方法で、なんと対象に触れる事すらなくエネルギーを吸い取ってしまう。
このため、戦闘が長引けば長引くだけモロは相手の力を吸収して強くなり、逆に対戦者はエネルギーを吸われて弱体化していく事になる。*2
エネルギーの吸収力自体も非常に強く、全盛期の魔力になれば超サイヤ人ゴッド程度は戦う必要すらないとの事。
生命エネルギーは口から吸引するが、これを応用して吸収式人造人間のように気功波を口で「喰らう」ことも可能。

ただし、人工生命体である永久式人造人間や特殊体質である魔人ブウには通じない他、身勝手の極意・兆は速すぎるために動きを捉えることができず吸収できない。

  • エネルギー放出
地面から放出した生命エネルギーを自在に操り、攻撃に利用する。
戦闘タイプでないナメック星人などは触れるだけで消滅してしまう程の火力を誇る。
というか当たればモロ自身もダメージを負ってしまう。
ただし、こちらも特殊体質のブウには通じない。

  • エネルギーの貸与
他者に力を分け与える事ができるようで、銀河パトロールに捕まる程度の連中*3を超サイヤ人並みに強化する事ができる。
身体にかかる負担を無視すればブルーと張り合える程の強化も可能。

◆超能力

フリーザセルも使っていた能力。
物体の動きを捉え意のままに操ることが出来る。
ベジータとの戦闘では地面に叩きつけたり木々や岩石を操り投げつけた他、1000万年前の大界王神達との決戦では多数の彗星をコントロールして攻撃していた。

◆吸収

他者を取り込みパワーアップするお馴染みの能力。
モロの場合は自身が弱体化してしまった際のバックアップとして活用した。
なお、吸収方法はセルやブウと異なり口から取り込む生々しいものとなっている。

◆コピー

セブンスリーを吸収して手に入れた能力。
相手の首の裏を掴むことで対象の能力を30分だけ使用する事が可能になる。能力は最大3つまでストックできる。
吸収前にピッコロとモロ自身の能力が既にストックされていたため、モロがコピーできるものは一つのみだったが、劇中ではその一つを利用してベジータの力をコピーした。

  • ピッコロの能力
吸収前にコピーしていたセブンスリーごと取り込んで手に入れた能力。
お馴染みの再生能力や腕の伸縮の他、ナメック星人同士のテレパシーを傍受できるようになった。
ピッコロの技も放つことができ、魔貫光殺砲も撃っている。
劇中では披露していないが、セブンスリーがやったように巨大化も可能だと思われる。
理屈は不明だが、モロ自身の力と同じく30分の制限時間なしで永続となっている。

  • ベジータの能力
セブンスリー吸収後に習得したコピーでベジータから手に入れた能力。
ベジータの技であるビック・バン・アタックが撃てるようになった…が、モロからは「大層な名前を付けただけのただの気功波」と切り捨てられている。ヤロウ……タブー中のタブーに触れやがった……
ファイナルフラッシュやガンマバーストフラッシュも使えると思われる。
ピッコロの見立てではスピリットの強制分離もコピーされており、最後の切り札であるポタラ合体フュージョンも解除されてしまうと予想されている。
肉体の強さのみを信条とするサイヤ人のプライドを捨て、打倒モロのために習得した特殊能力が最悪の形で牙を剥く事態となった。
メルスの活躍で即無力化されたが

  • 天使の力
見習い天使であるメルスから手に入れた能力。
使用時は首回りと腰の毛皮が白くなり頬の模様が変色するなど、通常のコピーと異なり見た目に変化が生じる。
見習いとはいえ紛れもない天使の力であり、身勝手の極意に覚醒した悟空を相手に一時的とはいえ互角以上に渡り合った。
が、他者の力ばかり利用し修行などしてこなかったモロには到底使いこなせる代物ではなく、しばらくして身体が異常に肥大化し制御不能に陥ってしまった。


余談

  • 破壊神ビルスからは「ほっといても定期的に星を破壊する奴が出てくれて助かる」との理由で見逃されている。

  • 「銀河刑務所に厄介な囚人が収監されている」との噂を聞いていたフリーザの判断により、フリーザ軍からは接触を避けられていた事が単行本で明かされている。

  • 名前の由来は、栃木県の方言でネズミザメの肉を意味する「モロ」。アブラツノザメの肉を意味するのは「サガンボ」であり、サガンボ銀河強盗団のメンバーの多くも栃木県に関連する名前の由来を持つ。栃木県は、作画担当のとよたろうの出身地。



追記・修正はモロにエネルギーを吸い取られてからお願いします。

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最終更新:2024年04月06日 22:19

*1 メルス隊員からは「ブウが善と悪に分裂した際に善ブウではなく実は悪ブウの方に神力が受け継がれていた」と考察されている。

*2 ただし、モロ曰くこの現象は副産物であって食事の目的ではないとのこと

*3 隊長のサガンボでも幼少期のトランクスで充分倒せるレベル