金居/ギラファアンデッド

登録日:2020/03/07 Sat 21:10:00
更新日:2024/01/21 Sun 15:41:10
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戦いをやめて、それでどうする?“仲間のクワガタムシ達と森に暮らせ”っていうのかい?

人間と共存すれば―――

俺は…俺達の世界を創る。人間など一人もいない素晴らしい世界だ…。フッ、“共存”だと?


(かな)()とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー剣』の登場人物である。
本項目では彼の正体であるギラファアンデッドについても記述する。

演:窪寺昭




【概要】

現代において解放された不死生物・アンデッドの一体であり、ダイヤスートのカテゴリーK(キング)に分類される上級アンデッド。
普段は眼鏡にカーキグリーンのジャケット、鮮やかな黄色のタートルネックを身に着けた「金居」という名の理知的な青年に化身しているが、
劇中の登場人物達からは専ら「カテゴリーK」と呼ばれていた。

現代のバトルファイトが何者かの作為によって歪められた『偽物のバトルファイト』である事を看破し、物語終盤まで潜伏していた。
上級アンデッドの中では比較的融通が利く人物で、必要以上の戦いを望まず、仮面ライダーや他のアンデッドに同盟を持ち掛ける場面が見受けられる。
しかし、その真意はバトルファイトを私物化した黒幕の正体とその目的を暴き、それらを取り除いてから改めてアンデッドの封印手段を確保し、
自身が確実にバトルファイトの勝者となる為に過ぎない。
なるべく仮面ライダーとの交戦を避けていたのもアンデッドを封印出来る手段を潰さない為であり、それと同時に他者の戦闘を傍観する形でバトルファイトの現状を俯瞰していた。
但し、あくまで自身の勝利と種族の繁栄が目的である為、休戦を持ち出す相川始仮面ライダーカリスや、上城睦月/仮面ライダーレンゲルの話は断固として否定し、逆に皮肉を返している。
また、その始/カリスとは『剣』本編開始前に雪山で死闘を繰り広げており、この戦いでカリスが弾き飛ばした彼の武器・スケルターが栗原天音の父・栗原晋に偶然当たった事が晋の死因となっている。



【劇中での活躍】

物語が佳境に入った第41話から登場。封印されていないアンデッドが自分を含めて残り5体*1となった辺りで姿を現す。
敵を求めて街を彷徨う城光/タイガーアンデッドの前に姿を現すと正体を現して交戦しつつ、「アンデッド同士が戦う必要は無い。俺と手を組め!」と協力を申し出る。
だが、バトルファイトのルールに厳格なタイガーアンデッドは須らくこれを拒否した為、ギラファアンデッドの方も双剣を装備して反撃。
「このバトルファイトは偽物だ!」と発言して彼女の動揺を誘いつつ、その場に駆け付けた剣崎一真/仮面ライダーブレイドのオリハルコンエレメントを破壊して一蹴。
そのままタイガーアンデッドを圧倒した末、双剣から放つ光線で彼女を撃破した。
だが、タイガーアンデッドのアンデッドバックルが開放されても1万年前と違って「統制者」の封印の石=モノリスは現れない。


お前も気付いていた筈だ。何も起こらない。

お前は既に何体ものアンデッドと戦ってる筈…。だが、嘗ての様な封印の石は現れたか?

この現代のバトルファイトで、封印出来るのはライダー達とジョーカーだけだ。
俺達がいくら戦っても、決着はつかない……!

金居は光がこれまで目を背けていた現代のバトルファイトの異常さを身をもって理解させたが、この時点では彼自身も他のアンデッドを封印する術を持たない為、
彼女にこのバトルファイトを陰で操る黒幕の存在を仄めかすとそのまま立ち去った。
この後、光は彼の言葉通りに黒幕の天王路博史と接触し、現代のバトルファイトの真実を知る事となる。
続く第42話では庭園でジョーカー=始と遭遇し、彼にも取引を持ち掛けるが、にべもなく断られた事で互いに変身して交戦。
ワイルドカリスと互角以上の戦いを演じ、ワイルドサイクロンを怪光線で相殺する程の実力を発揮してその場から撤退する。

睦月が剣崎達の下へ帰還して間も無く、密林にて周囲の景色に溶け込み、身を潜める合成アンデッド・ティターンの居場所を暴いて交戦。
天王路の手で元になったアンデッド達の自我を失い、いいように使われる道具に成り果てたティターンに対し、
「アンデッドの心を奪われ、天王路の為に働いているとは、哀れな……」と憐れみながらも、「そんなお前に生きてる資格などは無い!」と断じている。
金居自身も正体を現した事でアンデッドサーチャーに所在を捕捉され、やがて剣崎と橘朔也/仮面ライダーギャレンがやって来た為、一時撤退。
この時2人にティターンについて警告しているが、それも虚しく剣崎達4人の仮面ライダーはティターンに翻弄され、同士討ちを始めるに至ってしまう。
だが、ティターンの存在を知った事でその背後にいる天王路の目的を察している。
更に第44話ではティターン戦で始が敢えてジョーカーの姿を利用して活躍したのを見て感銘を受けつつ、
それと同時に彼の中にあるジョーカーとしての性質が健在である事に興味を示していた。

ティターン封印後の第45話にてグリンクローバーを走らせる睦月、山中望美とすれ違い、睦月は望美の理解の下、金居を追跡。
港で落ち合う両者だったが、睦月は「残ったアンデッドの金居と始が共存すればバトルファイトはもう起こらない」と休戦を申し出るが、
当の金居本人は本項目冒頭にある通り、人類との共存をはっきりと否定し、そればかりか「自身が勝ち残った暁には人類のいない素晴らしい世界を創る」とまで明言している。
そこに天王路の切り札たる人造アンデッド・ケルベロスが出現。
「コイツも説得してみるか?」と皮肉を返しつつ、ケルベロスが複数のアンデッド細胞から生み出されている事を一目で察知するとその場は引き下がり、
以降はブレイド キングフォームがケルベロスを打破、封印に成功するのを見届けていた。

続く第46話では倒されたケルベロスを天王路が封印・回収すると彼のアジトに向かい、そこで「アンデッドを封印・吸収する」ケルベロスの性質を聞き、
ケルベロスの力でジョーカーを封印して、バトルファイトの勝者となろうとする。
アンデッドの正体を現して彼からケルベロスを奪おうとする金居だったが、天王路は自らカードを使ってケルベロスⅡと化し、
その力でギラファアンデッドすらも軽々とねじ伏せてみせた。
辛くも封印は免れた金居だったが、全身から緑色の血を流した傷だらけの姿で逃走。
トンネルで力尽きていた所を通りかかった橘と睦月に発見され、なおも説得を試みる睦月の言葉と、天王路の企みを知った彼の情報を理由に保護を受け、
白井農場で仮面ライダー関係者一同に天王路が自らアンデッドとなってバトルファイトに勝ち、万能の力を手に入れようとしている事を伝えた。
一通り話すと傷の手当ても受けずに白井家を立ち去るが、この時に自身が白井邸にいる事を訝しんでいた始を牽制している。
その後、ケルベロスⅡと戦う4人の仮面ライダーの前に姿を現すと、攻撃を受けるレンゲルを救出。
そしてどういうわけか、以前とは打って変わって先の睦月の言葉を信じて共闘する事を誓う。


さっきはこの坊やに助けられたんでね…。頑張ってくれよ。

実現させようぜ、君の望んでいた“平和”ってヤツを……。

そしてケルベロスⅡがブレイド キングフォームとワイルドカリスの総力を尽くした戦いで倒され、雨の中、深手を負って人間に戻った天王路を追って出現。
天王路は自らの行いを棚に上げて仮面ライダー達に金居と始を封印するよう懇願するが、金居は「封印されるのは……お前だ」と呟きつつ、天王路を斬殺。
ケルベロスを手中に収めたギラファアンデッドは「ジョーカー、最後に勝ち残るのは…俺だ」と宣言。
天王路の殺害を咎める睦月達を一蹴すると先程までの共闘を白紙に戻し、改めて人類のいない自身にとっての“平和”の実現に向けて動き出す。


そして第47話。
ハカランダで始に遭遇し、そこで休戦を提案されるが、これを拒否。
栗原家の写真を見た金居はかつての雪山での戦いで命を落とした晋の姿に、始がハカランダに居続ける理由を悟ると、
「“父親を殺したのは自分だ”と、教えてやらないのか?」挑発してハカランダを離れ、森でカリスと交戦。


お前は俺を封印する事は出来ない。俺を封印した時、お前の勝利が確定する。
ジョーカーの勝利…それはバトルファイトのリセット。全ての生命の消滅を意味する。

あの親子も消滅する。お前の所為で…。ジョーカー、それがお前の宿命……。

ジョーカーが勝ち残った場合の結末を仄めかしてカリスを動揺させると圧倒的な実力で打ち破るが、ケルベロスのカードで封印しようとした所に間にブレイドが割って入る。
始は救われたが、ブレイドの持つスペードスートのプライムベスタがケルベロスに吸収され、剣崎は変身解除。深手を負った始もカリスの擬態が解けてしまう。
なおも始を追撃するギラファアンデッドだったが、剣崎と白井虎太郎の妨害に遭い、始の逃走を許してしまう。

近くの海辺で息を潜める始を追う金居だったが、そこに橘が出現。


何のつもりだ?

ジョーカーは、相川始は…渡さない!

いいのか?俺を封印すればその瞬間ジョーカーは勝利者となる!
バトルファイトはリセットされ、人類を含むこの世界は消滅する!

そうなるとは限らない……!

……信じてるのか?

俺の友がな!

自分を封印するとジョーカーの優勝により、全生命が滅ぶと橘に揺さ振りをかけるが、あくまでも始を信じる橘は毅然とギャレンに変身して立ち向かう。

ギャレンラウザーの射撃をバリアで防ぎ、飛翔しながら撃ち続けるギャレン ジャックフォームの足元に跳びかかるとその翼を切り裂き、地上まで引き摺り落とす。
その後も「馬鹿な奴らだ!ジョーカーの為に命を捨てるのか!?」と嘲りながら通常形態に戻ったギャレンを圧倒。
岩場まで追い詰めるとギャレンににじり寄り、ケルベロスのカードでギャレンの変身を解除させようとするが、
すんでの所でカードを手にした左腕をギャレンに掴まれ、腹部に銃口を突き付けられる。

この距離ならバリアは張れないな!

実は橘の狙い通りで、ギラファアンデッドを至近距離まで誘き寄せてバリアが効力を発揮しない距離で倒す算段だったのだ。
ギャレンの体を張った接射を受けながらも、へルターでひたすらギャレンの顔面を攻撃。
アーマーは激しく損傷し、遂にはギャレンの左マスクが破損して血まみれになった橘の素顔が露出してしまう。


俺は全てを失った…。信じるべき正義も、組織も、愛する者も、何もかも……。

だから最後に残ったものだけは、失いたくない……!

信じられる…仲間だけは!!

一方のギラファアンデッドも限界を迎えており、一歩も引かないギャレンの猛烈な射撃を受け続けた末、遂にアンデッドバックルが開放。
なおも抵抗を続け、ギャレンが取り出したプロパーブランク・♦Kをに叩き落とすと、金居とアンデッドの姿を行き来しつつ、

ジョーカーが残り、世界は滅びる……。馬鹿だなお前は……。

という嘲笑とも呆れともつかない台詞を吐き捨てるが、その言葉を受けて今は亡き先輩を思い出したのか、
苦笑を漏らした橘の決死の突撃により、諸共海中に没したのだった。

決着がついた後、ギラファアンデッドとギャレンの反応を受けて剣崎と睦月、虎太郎が海辺に駆け付けると、そこにはギャレンとブレイドが持っていた多数のラウズカードが散らばっており、
その中には♦K・EVOLUTIONのカードのみならず、壊れたギャレンバックルが残されていた。
だが、ギャレンの変身者たる橘朔也は姿を消し、現代のバトルファイトにおいてジョーカーの優勝が確定した事で新たな脅威が現れる事となる……。


橘が…死んだ……?


……やめろ……。俺は何も望まない……。

……やめろぉおおおおおッ!!!



【ギラファアンデッド】



嘘じゃないさ。俺はジョーカーを封印し、万能の力を得る。

俺の“平和”に、人類など不要だ!

身長 225cm
体重 128kg
種族 アンデッド
生物モチーフ ギラファノコギリクワガタ
スート ダイヤ
カテゴリー K(キング)
特色・力 人間への化身
バリア
双剣
カード名 エボリューションギラファ
クリーチャーデザイン 韮沢靖
初登場回 『剣』第41話「強くなりたい」


ダイヤスートのカテゴリーKに分類される上級アンデッドにして、『剣』本編において最後に登場し、封印されたアンデッドでもある。
ギラファノコギリクワガタの祖たる不死生物であり、重厚な黄金の鎧武者のような姿をしている。
デザインを担当した韮沢靖氏によると「体色の金色は王様をイメージしたもので、少々派手目なトゲのかたまり」と評している。
また、ダイヤスートの怪人という事もあってビス顎もダイヤの形になっている。

主な武器はクワガタムシの大顎を模した鋏状の刀身を持つ黒と金の双剣「ヘルター」「スケルター」*2
剣を振るうことで青と金の破壊光線を放つ事も出来、これでタイガーアンデッドに大ダメージを与えている。
更に二刀をX型に振り下ろすことで赤い怪光線を放つことも可能。その破壊力は非常に高く、ブレイドが変身しようと発生させたオリハルコンエレメントを一発で破壊し、ワイルドカリスの必殺技・ワイルドサイクロンを相殺している。
ちなみに並の人間やアンデッドなら触れるだけで弾き飛ばされてしまうオリハルコンエレメントを劇中で破壊したのはギラファアンデッドただ一人である。

それ以外にも、腰にぶら下げた角は手榴弾としての機能も併せ持っている。
攻撃だけではなく防御面においても優れており、ギャレンとの決戦では身体の前面に半透明の光のバリアを発生させ、ギャレンラウザーによる銃撃を弾いている。
攻防共に高水準かつ、隙が無い極めて強力な怪人であり、上級アンデッドはおろか、『剣』における全ての戦士の中でも突出した戦闘力を誇るが、
第46話で誕生したケルベロスⅡには流石に大苦戦し、這う這うの体で難を逃れている。
なお、金居が登場する直前の第41話冒頭で光が回想していた1万年前のバトルファイトにも姿を見せている。

なお、コーカサスビートルアンデッドと異なり、名前は「ギラファノコギリクワガタ」の「ギラファ」だけが取られている。
恐らく「スタッグビートルアンデッド」などとの学名的な兼ね合いや、名前が長くなり過ぎる為と思われるが、
「ギラファ」という単語は元々「ジラフ」=「キリン」を意味しており、この名前では「キリンのアンデッド」という意味になってしまうのはご愛嬌。



【派生作品におけるギラファアンデッド】

いずれも『剣』TVシリーズ本編の時のような知性や圧倒的な強さを持たない単なる一怪人としての登場が多い。
アルビノジョーカーの手で再解放されたアンデッドの一体としてTV本編に先駆けて登場。
物語後半にて反目する旧世代ライダーと新世代ライダー6人を襲撃するも、最終的には仮面ライダーグレイブと古代語での会話を交わした末に封印された。

最終回「世界の破壊者」に登場。
他のアンデッドと共に大ショッカースーパーアポロガイストにより、パラドキサアンデッドを復活させる為の生贄となった。
恐らくパラドキサアンデッドより原典『剣』のギラファアンデッドの方が強い気がするが、気にしてはいけない。
この影響か、同エピソードのパラドキサアンデッドはギラファアンデッドの武器の一つであるスケルターを装備している。

大ショッカー所属の怪人として登場。

ショッカーに与するアンデッドの一体として登場。
原典『剣』でも因縁のあったケルベロスと共に行動した他、処刑広場の決戦ではブレイドと戦っている。

湊ミハル/仮面ライダーアクアが活躍する2051年の世界の怪人として、パラドキサアンデッドと共にそのシルエットのみが映る形で登場。


【余談】

  • 名前の由来は「(きょ)=のこぎり」から。





俺は…俺達の項目を追記・修正する。項目荒らしなど一人もいない素晴らしいWIkiだ…。フッ、“共存”だと?



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最終更新:2024年01月21日 15:41

*1 金居=ギラファ、相川始=ジョーカー、城光=タイガー、ティターン。ティターンは2体のアンデッドを合成した存在である為、1体で2体としてカウント。また、この時点ではケルベロスは誕生しておらず、その存在も天王路以外は知らなかった。

*2 デザイン画の通りなら、左手に持つ金色の剣が「ヘルター」、右手に持つ黒い剣が「スケルター」。