僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション

登録日:2021/08/22 Sun 08:02:46
更新日:2024/12/13 Fri 22:49:37
所要時間:約 10 分で読めます






世界を救え。

不可能を超えろ。

-HE WILL MEET THREE MASCETIES-







概要


僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』とは、2021年8月6日に公開された日本のアニメ映画。
週刊少年ジャンプにて連載中の堀越耕平原作の漫画および放映中のアニメ『僕のヒーローアカデミア』の映画第3弾である。
前2作同様、制作スタジオのボンズ、監督の長崎健司、脚本の黒田洋介、キャラクターデザインの馬越嘉彦らTV版スタッフが集結している。

今作は、世界各地で発生する、反個性主義の思想団体によるテロ攻撃を防ぐため、インターンに出ていた出久ら雄英高校ヒーロー科の生徒達が世界各国に赴き、その鎮圧のために奔走するストーリー。
その最中で、出久は現地の少年ロディと出会い、思わぬ陰謀に巻き込まれていく。
世界各地が舞台となり、登場するヒーローも前2作から大幅に増えているが、基本的には出久とゲストキャラのロディの関係に焦点を当て、バディものとしての作風が強い。
そうした意味では、「第三者から見た緑谷出久」を通して成長するロディの物語であるとも言える。

劇場鑑賞特典として、入場者150万人限定のコミック「Vol.World Heroes」が配布された。堀越先生が描いた描き下ろし漫画『No.XXX ホークス:SOOTHE』も収録されている。

主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION「エンパシー」
挿入歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION「フラワーズ」



ストーリー


「『個性』は人類にとっての『病』である」―――その過激な思想に取り憑かれた思想団体「ヒューマライズ」。
彼らは、「個性」から人類を「救済」するべく、世界各地で個性因子誘発爆弾(イディオトリガーボム)を使った無差別テロを実行してしまう。
それを受け、日本を中心とした世界中のプロヒーローはヒューマライズ摘発のために一斉捜査を開始。
それは、プロヒーロー事務所にインターン研修に来ていた出久、爆豪、轟ら雄英高校ヒーロー科の生徒らも例外ではなかった。
だが、すでに各地のヒューマライズのアジトはもぬけの殻で、第一回目の強制捜査は何の収穫もなく終わった。

そして、別命があるまで待機を命じられた出久達だが、出向していたオセオンでの買い出しの途中で宝石強盗に遭遇。
犯人を追いかけていた出久は、宝石入りのケースを運んでいた少年を追い詰めるが、その中は何も入っておらず、ケースが途中で入れ替わっていたことが判明する。
その少年・ロディは逃げようとしたが、直後警察に囲まれ、問答無用で射殺しようとしてきたため出久は彼を救出し一緒に逃亡。同時に、彼らは(ヴィラン)の襲撃も受ける。
結果、出久は警察により大量殺人犯の汚名を着せられ指名手配されてしまう。
意味も分からず国外へ向けて逃避行を続ける出久とロディ。そんな中で、二人は互いに信頼を深め合っていく。
逃走劇の最中、爆豪や轟と合流した二人であるが、自分たちが持ち出したそのケースに、ヒューマライズ撲滅のためのヒントが隠されていたことに気付き……。

そして打ち出されるヒューマライズの次の犯行予告。そのタイムリミットは2時間。
失敗すれば、個性社会は崩壊してしまう。
果たして、ヒーロー達は世界を守れるのか……。世界の命運は、若き3人のヒーロー達に託された。




登場人物


オセオン


ご存じOFA9代目継承者兼主人公。第2回インターン中なため、OFAの力を黒鞭まで活用出来ている。
エンデヴァー事務所へのインターン中にヒューマライズの事件が発生したため、エンデヴァーに同行して爆豪、轟と共にオセオンに出向した。
宝石強盗を追ううちにロディを追跡、そして成り行きによって彼を警察から守り、指名手配犯に仕立て上げられてしまった。
その後、ロディと共に国境への逃亡の途を続けるうちに、自身の持つ裏表のない性格により彼の心を解きほぐしていく。


  • ロディ・ソウル
CV:吉沢亮
今作のメインゲストキャラクターで、もう一人の主人公。
オセオンの貧民街に弟と妹の三人で暮らし、闇ルートの「運び屋」を仕事にしている少年。
幼少時は立派な父親を持ち、裕福な家庭に育ったが、父がヒューマライズの組織員と判明し家を出て以来周囲から疎まれ、自身も人間不信となってしまった。
盗んだ宝石を運ぶ仕事を請け負ったが、ふとした偶然からケースが入れ替わってしまい、ヒューマライズや警察に命を狙われる羽目になり、出久と共に逃亡することに。
当初はお節介な出久を疎ましく思っていたが、彼の屈託ない真摯な態度に徐々に心を許していく。

個性:『魂』(ソウル) 本人は「あまり役に立たない」と自信がない個性だが……。


  • ピノ
CV:林原めぐみ
ロディの相棒の小鳥。最初はロディと一緒に出久に敵意を向けていたが、段々ロディの暴走を止めようと出久に援護を求めたり彼を信頼している様子がうかがえる。


ご存じ雄英の火薬庫。
狂信的な悪意を振りまくヒューマライズを許せず、その打破に執念を燃やす。
戦闘ではまさかの板野サーカスを披露し、それ以外でも敵のデータから最適な情報を抜き出すなど才能マンとしての活躍を見せる。


ご存じ現No.1ヒーローの息子。
出久から暗号メールを受け取り、それをヒントに爆豪と共に合流するためクレイドとの国境へ向かう。
インターントリオの中では何気に末っ子的な言動が目立つ。
戦闘では大型の敵を相手に結構苦戦していた。


ご存じ現No.1ヒーロー。
出久達を引率し、オセオンでのヒューマライズ事件を担当する。
出久の指名手配に関して警察に抗議するが全く受け入れてもらえず、やむなくヒーローだけでの行動をすることに。


  • バーニン
エンデヴァーのサイドキック。相変わらずのハイテンション。


  • クレア・ボヤンス
CV:本名陽子
オセオンのプロヒーロー。トリガーボムの索敵を行う。

個性:『透視』(ボヤンス) 建物の内部を隅々まで透視できる。


  • クレアのサイドキック
名前が設定されていないが、結構可愛い。

個性:『ムササビ』 空を滑空できる。


  • ロロ・ソウル
  • ララ・ソウル
CV:夏目妃菜
ロディの弟と妹で、何よりも大切な存在。
父親に出て行かれて以来、周囲のいじめによって学校にも行けていないが、兄を親のように慕っている。


  • 店主
CV:千葉繁
ロディが世話になっているバーの店主。
ロディに裏の仕事を紹介している。


  • エディ・ソウル
CV:関俊彦
ロディ達兄妹の父。個性を研究する科学者。
妻を亡くした後、男手一つで三兄妹に愛情を注いで育て、ロディもまた父を誇りに思っていた。
しかし、ヒューマライズの組織員であることが判明しロディらの前から失踪。以来、息子からは憎まれていたが……。


  • アラン・ケイ
CV:野島裕史
ヒューマライズの組織員だったが、ある人物の手引きによって組織壊滅の糸口を掴み逃走。
しかし、ベロスに追い詰められて事故に遭い意識不明の重体に。その際、落ちたケースがロディの持っていたケースと入れ替わってしまう。


  • 宝石強盗
出久達が遭遇した2人組の強盗。
盗んだ宝石をロディに託して逃走するが、爆豪と轟によってあっさり捕まった。


  • 警視長官
CV:高階俊嗣
オセオンの警察を指揮する警察のトップ。
緑谷出久の指名手配情報を出し、エンデヴァーから抗議を受けるが一切聞き入れない。
実は彼もまたヒューマライズの信者であり、フレクト・ターンの傀儡と化している。



フランス


リューキュウの事務所にインターン参加していたため派遣。
コンビネーションでトリガーボムの作動阻止を図る。


  • リューキュウ
フランスに派遣されたプロヒーロー。



アメリカ


アメリカに派遣された学生チーム。
主に武闘派が多い。


アメリカに派遣されたプロヒーロー。
常闇とのコンビネーションが光る。
描き下ろし漫画ではギスギスするエンデヴァー事務所の面々を落ち着かせていた。



シンガポール


シンガポールに派遣された学生チーム。
索敵に貢献した。


  • マジェスティック
シンガポールに派遣されたプロヒーロー。
原作では出番は少なめ。


  • ビッグ・レッド・ドット
シンガポールのプロヒーロー。
マーライオンがモチーフ。

個性:『大海嘯』 口から大量の水を吐き出す。



エジプト


エジプトに派遣された学生チーム。
男三人は小市民ながらも頑張っている。


  • シンリンカムイ
  • エッジショット
  • Mt.レディ
エジプトに派遣されたプロヒーロー達。
何かと縁があるグループである。


  • サラーム
CV:宮園拓夢
エジプトのプロヒーロー。
ペラペラの壁画のような外見をしている。

個性:『パピルス』 体を紙のように薄くする。



日本


ご存じ元No.1ヒーロー。
世界選抜ヒーローチームの指揮官として任命され、世界中のヒーローの指揮を執る。
出久の指名手配の一報に衝撃を受けるも、彼を信じて後を託す。


日本での戦闘を担当する学生組。
以前組んだだけあって互いにコンビネーションがいい。


主に避難誘導や戦闘を担当するプロヒーロー組。


日本での索敵担当。


今作では寮にて留守番組でセリフもなし。
エンディングではインターン組を寮で迎えてあげていた。


ヒューマライズ


  • フレクト・ターン
CV:中井和哉
ヒューマライズの指導者で、青く光り輝く肌を持つ中年男性。
「複雑化した個性はやがては人類の破滅をもたらす」という「個性終末論」を狂信し、個性を「病気」と捉えて嫌悪。
「人類の救済」のために個性因子誘発爆弾を使った無差別テロを起こし、個性社会を壊滅させようと目論む。
そのためには非情な手段を辞さず、多くの科学者の家族を人質にして協力させてきた。
そして彼自身もまた個性保持者であり、自身の持つ個性のために周囲の人間に去られ、個性そのものを恨むようになった。
絶対的な脅威として、出久の前に立ち塞がるのだが……。

個性:『リフレクト』
直撃したエネルギーを全て相手に跳ね返す常時発動型の能力。
普段は「アラクネ」と呼ばれる反射制御外骨格で制御しており、応用で空中に浮いたりと自在な調節が可能となっている。
OFAの100%でも一撃では突破できない堅牢さを誇るが、臨界点を超えると反射し切れなくなり、反射の為の力を使い切ると効力を発揮しなくなる。
また、強力な個性は自他にとって厄介な代物で、常時発動型である所為で服の裏側を油膜状のエネルギー反転物質で覆わなければ着衣すらままならず、眼窩に埋め込んだデバイスが無ければ眼球に入る光も尽く反射してしまうので視力を保てなくなる、等の不便が多い。
この不便さでは個性を呪いたくなるのも頷ける...。


  • ベロス
CV:伊瀬茉莉也
ヒューマライズの傭兵。
アラン・ケイが持ち出した組織壊滅のための鍵を奪取する任務を請け負い、出久とロディに襲い掛かる。
ヒューマライズには絶対的忠誠を誓っており、いざとなれば命をも捨てる覚悟を持っている。

個性:『ロング・ボウ』
手を弓状に変化させ、射出した物の軌道を自在に操り、強力なパワーをも付与する。ただし、射出する物は事前に用意しなければならず、自前で生成は出来ない。


  • シデロ
CV:梅原裕一郎
ヒューマライズの傭兵。
国境を越えようとした出久とロディをベロスと共に襲おうとした。窮地になるとあっさり裏切ろうとしたが、ベロスに粛清される。
ちなみに中の人はVOMIC版の爆豪だったりする。

個性:『アイアン・ボール』
手の指の付け根から鉄球を自在な大きさで生み出すことができる。


  • ロゴン
CV:早志勇紀
ヒューマライズの傭兵。
投降しようとしたロディを騙し討ちしようとし、出久と激闘を繰り広げた。

個性:『アイアン・クラブ』
両腕が棍棒に変化する。同時に肉体が鬼のような異形に変化し、怪力になる。


  • サーペンターズ(兄:エナ、弟:ディオ)
CV:榎木淳弥
ヒューマライズアジトで待ち伏せしていた双子の団員。
個性保持者だが、フレクト・ターンから「社会崩壊後も見逃してやる」と唆され、ヒューマライズに与した。
爆豪にはさもしいと一蹴される小物的な性格だが、個性は強力。
兄弟揃って嗜虐的な性格の持ち主で、爆豪を相手に血まみれの戦いを繰り広げた。

個性:『ソード・キル』
両腕から蛇腹剣を生み出し、敵を切り裂く。
極めて硬く伸縮自在のこの剣で、大気ごと爆発を切り裂いて無効化させ、岩壁に突き刺してアンカーワイヤー代わりにして縦横無尽に駆け巡る。
作中では追いつめられるとトリガーを投与し、肩からも剣を表出させて計6振りの剣を操り更に怪物的な外見へと変化した。


  • レヴィアタン
CV:坂田将吾
ヒューマライズアジト内にて待ち構えていた門番的存在。
既にトリガーを投与しており、巨大な肉体で力のまま暴れ回り、理性など持っていなかった。
ヘリカルサイズのうねりを応用した流体操作で大気ごと炎を受け流し、回転の破壊力で氷を瞬く間で削り砕いて、轟をとことん苦戦させた強敵である。

個性:『ヘリカルサイズ』
指先と頭の角から、捻じれたドリルのような流れを生成されている。
トリガーで強化した影響でもあるだろうが、このうねりは数十メートル規模で伸縮自在かつ鞭のようにしなやかでありながら、先端部は岩盤を貫通する程に強靭でもある。
更に、大気や水、炎といった流動し揺らぐ挙動をする物質をこのヘリカルサイズのうねりに巻き込むことによって、レヴィアタンが制御出来る範囲で周辺の物質を意のままに操ることが出来る。


用語集


  • オセオン
ヨーロッパに位置する小国。本作の主な舞台。
ヒューマライズの本拠地があると睨まれていたが、空振りだった。
しかし、組織の裏切り者が持ち出した組織打破の鍵により、混乱の渦中と発覚する。


  • ヒューマライズ
一時期流行した「個性終末論」を経典とする巨大思想団体。
全世界に支部を有するほどの巨大な規模を誇り、警察高官にも信奉者が存在するなどあり方はカルト宗教そのもの。
個性社会の破滅を目論んでおり、そのためには手段を選ばないテロ組織と化しているが、中にはそういったテロへの関与を知らない信者も存在する。
大多数の信者は無個性者だが実際は個性保持者も多数在籍しており、組織としての矛盾が色濃く出ている。


  • 個性因子誘発爆弾(イディオトリガーボム)
本編やスピンオフ漫画『ヴィジランテ』に登場した、投与すると個性因子を増幅させて個性を増幅・暴走させる薬物「トリガー」を用いた爆弾。
個性を数倍化させる程度の本来のトリガーの効用を徹底的に強化しており、爆発の際に散布された煙を吸うと、自身の個性を暴走させられて死に至る。
例えば、動物化の個性は動物そのものになり、炎を出す個性は全身火だるまになるというように。
世界選抜ヒーローチームはこの阻止のために動いており、次の爆発は全世界と予告されるのだが……。


  • クレイド
オセオンの隣国。出久とロディが逃亡のために向かおうとした。











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最終更新:2024年12月13日 22:49