ロックマンちゃん

登録日:2021/08/25 Wed 00:12:55
更新日:2025/02/19 Wed 16:47:30
所要時間:約 6 分で読めます






おとなVSこども

博士とロックマンの果てなき戦いが幕を開ける!!



『ロックマンちゃん』はKADOKAWAの漫画配信サイト「ヤングエースUP」にて連載されていたロックマン漫画。単行本全3巻。
シナリオ:子供の頃はコミックボンボン大好きっ子だった河田雄志
作画:子供の頃は別にコミックボンボン大好きっ子だったわけじゃない行徒

ロックマンさん』と同時連載であり、交互に更新されるという独特な更新体制をとっている。
こちらは例によって例の如く8体のロボを操るDr.ワイリー他と戦う、王道ストーリーを軸としたギャグ作品。
次第になんかすごい方へ行っちゃった『ロックマンさん』とは対照的に、バトルを挟みながらも最後までギャグ路線を維持している。


あらすじ

  • 第1部『MEN'S 6編』
ワイリーが自分と同じくライト博士に恨みを抱く研究者仲間と手を組んで宣戦布告してきた。
新たな強敵たちに僕らのロックマンが立ち向かう!!

  • 第2部『スーパーアドベンチャー編』
ワイリーがいらんことしたせいで眠りから覚めた超古代のスーパーコンピューター「ラ・ムーン」にロックマン&フォルテ他が立ち向かう!!
稲船敬二も認めたロックマン史上最低最悪のクソゲー『スーパーアドベンチャーロックマン』が原作。主題歌の「ELECTRICAL COMMUNICATION」「BRANDNEW WAY」を聴きながら読むとエモい気持ちになれたりなれなかったりするかもしれない。

ラ・ムーンが倒された後、ワイリーがいらんことしたせいで今度は超古代文明の最終破壊兵器「スペースルーラーズ」が目を覚ました。
ロックバスターが通じないルーラーズをぶっ飛ばす新兵器「ロックンアーム(げんこつ)」を携えて、ロックマン最後の戦いが幕を開ける!!
まあどうせすぐまたワイリーがいらんことするんだろうけど


これらのシリーズの合間に、限りなくロックマンに近い別の何かである「MEGA MAN」と共闘したり、やたらとめんどくさい連中やライトの畜生ぶりにロールちゃんがツッコミを入れまくる短編が挟まる。


主な登場人物

ロックマンと仲間たち

この物語の主人公(こども)
純粋でまっすぐな性格をしており、ライトの無茶振りにも対応しようとする健気な子。あはっ♪
副業として味噌屋のイメージキャラクターも務めている。

この物語のヒロイン。
一人だけ作画がロックマンさんに近く、ロックマンより背も高いのでお姉さんに見える。
ライトへのツッコミ役も兼ねており、ロボット三原則により直接攻撃できないので間接的に攻撃を加えるようになる。
(例:バットで打ったボールを壁に反射させてぶつける)

この物語の元凶(おとな)。同作者の他作品で言うなら美剣散々やヘルシングさんの立ち位置。
本人なりに真剣に人間とロボットの未来を考えてはいるようだが、屁理屈を捏ねたり他人を煽ったり、ロクな事をしない強烈なキャラとなっている。
何より今回、ワイリー率いる「MEN'S 6」が結成されたのもライトの学生時代の悪行(クラスの班決めの際、自分+女子の班、残ったMEN'S 6の班で分け、それを大学4年間ずっと続けていた。しかも当の本人は忘れていた)が原因。
9』で警察に誤認逮捕されたことを今でも根に持っている。

  • ラッシュ
お馴染みの犬型ロボット。
思考回路をパワーアップされ、合理性に満ちた判断*1をするように進化した。
更にはスーパーロックマンへの合体時にロックマンの意識を乗っ取り、スーパーラッシュマンに変身。野性味あふれるファイトスタイルでとにかく前向きな本作のロックマン(とフォルテ)に深刻なトラウマを植え付けるという偉業を成し遂げる。
流石に危険と判断され思考回路は取り外されたが、代わりに搭載された会話機能によって「ため息のラッシュ」と化し、しまいには家出までしてしまう……。

  • 生ラッシュ
オーガニックをキーワードとしてバージョンアップしたラッシュ。
ぶっちゃけラッシュのメットを被せただけの犬。
コイル?ジェット?そんなもの必要じゃない世界の方がきっと美しい。

  • 3代目ラッシュ
時代は犬より猫ということで作られた新しいラッシュ。
やはりラッシュのメットを被せただけの猫。
ライトは同路線の第3弾として「生ビート」も企画中だとか。

  • ブルース
口笛世界大会で見事優勝したらしく、ずっと口笛ばかり吹いて会話をしようとしない困った人。
原作や他の漫画と違ってロックマンの助太刀に来るようなことは特になく、むしろロックマンが戦っている間もカラ松みたいな私服姿でポエムを詠みながら適当な所をウロウロしている。
なんならV・Kマンに役割を丸ごと奪われてるまである。

  • ライトット
自称ライトの一番弟子。
原作からして本当にいきなり出てきたせいでなんとなくみんなの輪の中に溶け込めていない。

  • エディー
アイテム運搬ロボット。
ロックマンとロールちゃんに食事機能が搭載されたのを受け、炊飯器としての機能が追加された。

  • タンゴ
ライトが以前に作った猫型ロボット。
何かと回転アタックを繰り返しては穴に落ち(※原作ネタ)、ライトも6回目くらいで匙を投げて探すのを諦めていた。
のちにコサック博士によって発見・返還され、第3部で戦線に加わるも、やはり何かというと穴に落ちてばかりいる(※原作ネタ)。

  • 長官
ワイリーの暴虐に困り、ライトに救援を要請する人。
捜査官だった頃に出会ったらしく、以来ライトには頭が上がらない様子。
ライトがつけ上がってるのも多分そのせい……だが、毎度毎度真っ先にロックマンを頼る上、『9』ではライトを誤認逮捕しちゃったので、ライトがああいう態度になるのも正直わかる気がする。

  • MEGA MAN(北米版)
北米から来たロボットを食い止めるためにまさかの参戦を果たしたアメリカ版ロックマン。北米版だからか英語しか話さない*2し、武器はピストルだし、エネルギー源はココナッツオイル。
通訳としてセクシーなチアガール姿の北米版ロールを連れている。
後に欧州版のMEGA MANとロールも登場、欧州版メカドラゴンなどと戦った。欧州版ロールはどちらかと言えばテスラ・マグネッツに近い濃いめのお姉さん。

  • コサック博士とカリンカちゃん
新型エネルギーの研究中の事故でカリンカが急成長+北米版のような顔になったため、助けを求めてきたが、「MEN'S 6の反乱」を解決した直後だったこともあって「待ちのライト」*3の不名誉な称号を覆そうとするライトに相手を誤られ、プラズマ砲で撃たれてしまう。
ぶっちゃけ原作に出てくる3人の科学者の中では一番まとも。

  • プロトシリーズ
ライトが次世代型ライトナンバーズとして研究中のロボットたち。
どれも人格に難があり、「すぐ嘘をつく」「やたら他人の揚げ足を取りたがる」「相手が気にしてる部分をしつこく指摘する」など、どこかの誰かにそっくりな欠点を抱える。
8号機に至っては「二次創作で悪意ある誇張をされたキラ・ヤマト」みたいな言動をし、最終的にラ・ムーンに寝返ってしまった

MEN'S 6と新8大ボス

この物語の元凶(おとな)。学生時代の積年の恨みを晴らすべく、同窓会で集まった男子メンバーと共に「MEN'S 6」を結成し、ライトに挑戦する。

  • チャーシュー
小太りの壮年男性。学生時代から太り気味で、体育祭でネットに絡まる姿からこの忌まわしいあだ名をつけられた。
女子クラスメイトからの命名とはいえ、ライトも気の毒に思いつつ笑ってたので同罪である。
同窓会のノリで今回の反乱に参加したはいいがモチベーションが上がらず、担当ステージもボス部屋だけしか用意していなかった。
チャーシュー呼ばわりには流石に激昂したが、本人はロボット工学の知識を家電業界に活かしてそれなりに成功し、今は孫に囲まれる良き祖父として幸せな生活を送っている。

  • 鬼マヨ
メガネをかけた壮年男性。企画力・発案力ではライトやワイリーさえ凌ぐ切れ者だが、極度の面倒くさがりのせいでその企画力も机上の空想止まりになってしまった残念な男。
V・Kマンを最強のロボに改造した上で、ライト研究所に直接向かわせるという変則的な戦いを仕掛ける。
……だが、馬鹿正直に秘密を打ち明けたせいで演奏中に攻撃を受けてV・Kマンは敗北。「そもそも演奏終わってから行かせればよかった」とダメ出しまで受けてしまう。

  • 鳥の骨
痩せ型の壮年男性。学生時代に鳥型ロボ作成のため鳥の骨格標本を観察していたのを見たライトにこのあだ名をつけられた。
ボジョレーマンヌーボー、ノストラマンダムスの2体がかりでロックマンに勝負を挑む。

  • ゲキガ
忍者みたいな頭巾を被っている壮年男性。回転シースーマン、プラズマTVマンの2体がかりでロックマンに勝負を挑む。
ライトも(渋々)認める生真面目かつ几帳面(そして不器用)な男であり、ステージばかりかザコ敵まで一番しっかり用意してくれていた。
「その真面目さが結局は裏目に出る」タイプ。

  • ケチャップ
影の薄い壮年男性。

  • THE() イスマン
元はライトが次世代ロボット万博のため開発したロボット。
やたら血走った目、あぐらをかいた足に座っているかのような座り心地、リクライニングすれば苦しそうに喘ぐという、本当にライト製にしていいのか疑いたくなる特性を持つ。
ワイリーに乗っ取られても怖くなさそうという意味ではロックマンからも好評だったが、チャーシューの手で改良を加えられ悪に堕ちる。
ボス戦ではロックマンに快適な座り心地を提供した後撃破された。

  • V・K(ブイケー)マン
エレキギターを携えたキザなヴィジュアル系ロボット。
4分44秒のレクイエムを奏で終えた時、パワーが最大にまで高まり、ワイリーナンバーズですら数体がかりでも相手にならない最強の戦士と化すというが……。
撃破後、ロックマンの願いを受けたライトによって修理され、ブルースに代わるロックマンチームのまとめ役として準レギュラー化。
奏で終えた状態では本当に強く、ラ・ムーンやサンゴッド親衛隊との戦いでも戦力として活躍した。

  • ボジョレーマンヌーボー
ガウンを着たワインボトル型のロボット。ボジョレーヌーボーマンではない。
本来は企業向けPRメカとして開発され、接客やワインの試飲などを担当していた。
同型機として赤玉マンパンチ、E・チコマンも製造中。
「みんなボジョレーヌーボーの何をそんなにありがたがっていたのか」の謎を解けないと倒せないと豪語して本作では頭が残念なロックマンを惑わせるが、ロールちゃんの適切なアドバイス(?)とロックバスターのゴリ押しで撃破される。

  • ノストラマンダムス
有名な預言者風のロボット。ノストラダムスマンではない。
それっぽい予言を繰り出すことでロックマンを驚かせ、その動きを封じる。
ロックマンの攻撃さえ予知してみせたが、それを避ける機動力を持ち合わせていなかったせいで普通に撃破された。

  • 回転シースーマン
回転寿司調理用ロボット。腰にレーンが備わっている。
ふざけた名前とは裏腹に、寿司皿を飛ばす「金皿エンゲルボンバー」、熱湯を発射する「ハイドロアガリウォーター」など多彩な技を持つ強敵。
ロックマンをティウン寸前まで追い詰めるが、ロールちゃんの(本当に)適切なアドバイスとチャージショットにより倒された。
生真面目なゲキガが作っただけあって新8大ボスの中で一番真っ当に戦っており、その実力はライトも(嫌々)認めている。

  • プラズマTVマン節分の鬼マンお立ち台マン
どれも特に書くことないので省略します。

ワイリーナンバーズ

強さを求めるロックマンのライバル。当初は従来の迷惑なフォルテ像が強かったが、ボケが過多な世界観に巻き込まれた結果いつの間にか屈指のツッコミ役に。
逆に本作の世界観や、宿敵のはずのロックマンと真っ当に共闘する特異な境遇からたまに天然ボケも発揮する。

  • エンカー
口ばかりでいつまで経ってもロックマンを倒せないフォルテを見かねたワイリーが用意した「ロックマンキラー」第1号*4
しかしロックマンの情報を学習させすぎた結果、ロックマンのことが好きすぎてまともに顔を合わせることもできないシャイボーイになってしまうという『ロックマンさん』とは真逆の個性を確立した。
戦闘ではミラーバスターによる壁役として大活躍。

  • NEWシェードマン
カリンカからMEGA MAN成分を抜き取るために呼び出され、MEGA MAN成分を吸った結果、別の会社の吸血鬼系アクションゲームみたいな耽美系の美形と化し、キャラが似ているV・Kマンと仲良くなった。

  • プロトレッド
ワイリーが次世代型ワイリーナンバーズとして研究中のロボット。
ロールちゃんの金髪&ポニーテール、生じゃないラッシュの色、ライトットの乳首、そしてプロトシリーズ8号機のウザさを併せ持つ。
プロト8と意気投合して一緒にラ・ムーンに寝返った挙句、しまいにはサンゴッド親衛隊を結成してしまう。

その他

  • アイスマン(北米版)
本家より人らしさが強く、ロックマンに攻撃をためらわせた。
アイススラッシャーの威力は変わらないらしい。

  • ゴブリン(欧州版)
欧州版『MEGA MAN 2』のパッケージ左上に載ってる銀色の……何?この……何?
画風が妙にリアルな(濃い)以外はそこまで変でもない欧州版メカドラゴンや欧州版アンコウに対し、こちらは従来のゴブリンの面影が一切なく、「多分そういうことなんだろうな」という理由でゴブリンと呼ばれているに過ぎない。
知っての通り『ロックマン2』にはまだラッシュがいないので、欧州版MEGA MANの乗り物として利用されている。
だったらアイテム2号でいいだろって?これはそういう漫画なので……。

  • ラ・ムーンラ・トール
『スーパーアドベンチャーロックマン』のラスボス。
本作では『ワールド5』におけるダークムーンのポジションも兼ねる。

  • スペースルーラーズ
ほとんどブラックホールでなんとかなりました。
ビーナス、マース、ウラノス、ネプチューンに至ってはロックマンと戦う前に衛星レーザーで消し飛ばされるという悲惨な最期を遂げる*5

  • サンゴッド
『ワールド5』及び本作のラスボス。本作とは別の超人気ロックマン漫画同様、一切のギャグ要素を持たない最強最大の敵。
それを打破するロックマン最後の武器とは……!?




追記・修正は学生時代に嫌なあだ名をつけられた人にお願いします。

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最終更新:2025年02月19日 16:47

*1 例→罠だらけの基地に突撃するのは危険ということで上空からの空爆を試みる。ただし、基地の爆破による海洋汚染を心配したロックマンによって実行されなかった

*2 というかほとんど「チェリーボーイ」しか言ってない

*3 「事件の解決はできても防ぐことはできない」という意味

*4 ちなみにパンクとバラードは設計図面のみの登場。クイント?知らない子ですね……

*5 ウラノス以外は『ワールド5』前半で戦って倒さないといけないので、ある意味原作再現と言えなくもない