シグマ(ダイの大冒険)

登録日:2021/09/12 Sun 01:34:00
更新日:2024/04/07 Sun 08:19:10
所要時間:約 7 分で読めます






私は戦場を駆ける疾風の騎士(ナイト)・シグマ!

……以後お見知り置きを…!!


シグマとは、漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の登場人物である。

CV:小林親弘


●目次

概要

ハドラーの新たな親衛隊であるハドラー親衛騎団の一人。
大魔王バーンから与えられたオリハルコン製のチェスの駒に、かつてフレイザードを生み出した禁呪法を用いて作られた禁呪生命体。
その駒の内『騎士(ナイト)』から創られた戦士で、の頭部と脚を持つ人身馬頭の騎士の姿をしている。


人物像

ハドラーの「騎士道精神」を強く受け継いでいる。
そのためどんな相手でも油断せず、常に全力で正々堂々と戦う紳士的でクールな性格。
根が血気盛んな者内心格下を見下し侮りがちな者がいる親衛騎団の中でも特に冷静沈着であり、いかなる相手も過大評価も過小評価もせず大局的に客観視できる考え方こそがシグマの最大の特徴。
実際当初からアバンの使徒PTの存在を客観的に見た上で「パラメータで勝っていても油断できない相手」と評価しており、相手が誰であれ見下すような素振りは見せなかった。
それが転じて相手が強者であれば誰であろうと正確に評価する一面を持ち、特に対戦相手となったポップのことは「好敵手」と呼び、亡骸を弔わずに立ち去る非礼を詫びるなど最大限の高評価を与えていた。
魔王軍の中ではキルバーンと並んでポップを終始侮らず、最大限に警戒していた数少ない人物である。

また禁呪生命体ながら魂の存在にも肯定的。
「魂には肉体以上の強さを与える力がある」という持論からハドラーから魂を与えられたと考え、その事実を何よりの誇りとする親衛騎団らしい忠義の騎士である。
ちなみに大魔王バーンは魂の力の強さを否定しており、そういう点ではシグマとは対照的ともいえる。


しかしその冷静沈着さから思考回路が若干常識人寄りであり、ポップの魔法使いらしからぬスペック以上のタフネスに困惑し、
「ゾンビか何かじゃないのか」と若干引き気味の反応もしていたりする。*1


戦闘能力


人間でここまでの力とスピードを身に着けるとは見上げた努力よ…!!
しかし!

跳躍と速度でこのシグマに勝つのは天馬とて無理な事…!!!


親衛騎団全員に共通する特性として、オリハルコン製のボディによる圧倒的な防御力を物理攻撃・呪文の両方に対して備えている。
イオ系の呪文を得意とするが戦闘でほとんど呪文は使わず*2、代わりに『ナイト』の名の通りオリハルコン製のランス「疾風の槍」を装備。更にマァムをも上回る圧倒的な機動力で戦場を駆け巡りながら槍術で圧倒するファイトスタイルを得意とする。
また胸部には伝説のアイテム「シャハルの鏡」を格納し、いざという時には自分自身が呪文の盾となる事で呪文を一方的に弾き返してしまう。

だが何より一番厄介なのは他者を決して侮らないその性格と冷静な思考回路であり、所謂アバン先生のように、ダイ世界で時折出てくるカタログスペック以上に存在が脅威となるタイプのキャラクターの1人である。
冷静な頭脳を持つが故に感情を荒げることもなく、心理的な駆け引きも得意な巧者でもあり、それ故にポップの潜在能力をいち早く看破し最大限の評価を下して明確な脅威として認識。
劇中では一切慢心も油断も過小評価もしなかったことで「今までの中で最高にやりにくい相手」と対戦相手のポップは愚痴っていた。


  • イオ(初級爆裂呪文)
口から放つ。

  • ライトニングバスター
シグマの必殺技。
右手首に内蔵された銃口を直に当て、超至近距離からイオナズン級の衝撃を与える奇襲の一撃。アニメでは時間差で衝撃が発生する演出がなされた。
端的に言えばサイコガン、あるいは魔法寸勁(マジカルワンインチパンチ)
偶然ながら、使用時には右手が外れるという特性により拘束回避手段としても役立った。使用後は右拳が外れっぱなしになっていたため、自分で回収しないといけない模様。


装備

  • 疾風の槍
オリハルコン製の馬上槍に似た騎士槍。
特筆すべき機能などはないものの、単にオリハルコン製の大型武器であるというだけで十分な脅威と言える。
必要なら投擲も行い、作中ではゴメちゃんに向けてブン投げたりもした。

  • シャハルの鏡

ハドラーから与えられた伝説の武具。材質は明言されていないが、おそらくオリハルコン製と思われる。
普段は胸に格納されているが、胸部から取り外して腕に装備もできる。*3
マホカンタと同等の効果*4を有しており、魔法使いの天敵とも言える凶悪な性能を持つ。
これにより対オリハルコンの切札であるメドローアをも封じ、勇者達を苦しめた。
おまけに「究極の盾」とシグマ自身も自負したように純粋な防具としても最上級の強度を誇り、マァムでさえ「あの盾を砕くのは無理」と判断するほどであった。
余談だが、ドラゴンクエストのゲームシリーズに「マホカンタが常時オンライン」という防具は存在しない(精々が中確率での発動)。

「隠し玉にしておけば、メドローアの反射をもっと楽に狙えたのに気楽に出し過ぎじゃない?」と突っ込まれることもあるが、そもそも親衛騎団員は全員通常呪文が通じないオリハルコンボディで、さらに当時はメドローアの存在を知らなかった。
つまり元よりシグマ当人にはこれ以上呪文に対する防御力を高める理由などないのだ。
それにも関わらずこれを装備していたのは、通常呪文が通用するハドラーなどと連携する際、機動力の高いシグマが相手の呪文攻撃に割り込んで反射する攻撃的な運用を想定していたものと思われるので、そこまで出し惜しみする理由もなかったのだろう。
また結果論ではあるが、シャハルの鏡を先んじて出したことで、ポップの方にも気楽なメドローアを出しにくくする心理的効果はあり、牽制としては十分役立っている。

余談だが、結果的にシャハルの鏡がメドローアを反射することは1度もなかった。
また作中強大な呪文を複数反射したことで砕けてしまったため、反射容量にもある程度の限界があるようである。
そのため、メドローアが本当に跳ね返せたか疑問である、あるいは跳ね返せたとしても複数回の反射は難しかったのではないかという意見もある。

劇中での活躍

VSノヴァ・勇者ダイのパーティー

カール王国のサババにて各国の猛者たちを圧倒していたが、途中から現れたノヴァ及びダイのパーティーと対峙。
当初は持ち前のスピードでマァムを翻弄。更にシャハルの鏡によってポップが迂闊にメドローアを打てない状況を作り出した。
しかしクロコダインの新技『獣王激烈掌』によって左腕ごとシャハルの鏡を失ってしまい、ポップがその隙をついてメドローアを発動。
だがブロックが巨体を活かし仲間たちを地中に押し込めていたため全滅は免れた。
その後シャハルの鏡を回収し、他のメンバーと共に撤退した。この時点でポップを最重要ターゲットとして認識し、「次のメドローアは意地でもキミにお返しするぞ」と宣言。知性と警戒心の塊のような漢が意地に懸けた宣言はポップを震え上がらせた。

死の大地ではクロコダインと再戦し、互角に戦っている。
…というかシグマはどの相手でもそつなく渡り合っているので、クロコダインのタイマンでの貴重な活躍と言った方が正しいか。

VSポップ

…君は本当に人間なのか?
ゾンビか何かでないとその不死身…説明がつかん…

…よしてくれよ…おれはれっきとした人間だぜ…
臆病で弱っちい…ただの人間さ…!!

…そういう事を言う奴が最も危険だ
私は決して手を緩めない…!!


大魔宮での最終決戦ではポップと対決。
その冷静沈着な性格でポップを最大限に評価しながらも、メドローア以外の決め手がないことを即座に看破して苦しめていった。

一度は隠し持っていたブラックロッドによってシャハルの鏡を弾かれて右腕を拘束されるが、右手を外してライトニングバスターのカウンターを直撃させる。

…骨が砕ける音がした もはや助かるまい…
弔いもせずに次の戦いへ行くが悪く思わんでくれよ…我が好敵手‼︎

だがポップが立ち上がりベホマを使う場面を目撃。その不死身ぶりに納得しつつ、ある可能性に行きつく。

きっ…君は…まさかっ…賢者‼︎?

…いや 違うね…! …おれは…賢者じゃねえ…‼︎

‼︎?

………大魔道士‼

……なにっ‼︎?

…そう‼︎ おれを呼ぶなら大魔道士とでも呼んでくれっ!!!

直前に大魔道士へ覚醒したポップの経緯と魂の力を認めつつ、ハドラーから与えられた自身の魂の誇りにかけてポップの足止めを狙うシグマ。
だがポップは唯一シグマを討ち取れるメドローアの一発勝負を申し込んだ。

……シグマ…あんたは けっこう尊敬できる相手だ
だから 見習うぜ その使命感をよ‼︎

…おれは一刻も早くダイの所へ行く‼︎
そのために…あんたを倒すっ!!!

……

時間をかせぐことはできる
だが!
私も君に いたく感心した…

勝負だっ!!!
大魔道士!!!

メドローアの発射態勢を維持して駆け回り隙を伺うポップだったが、機動力の高いシグマには追いつけず、牽制のイオで態勢を崩してしまう。
その隙を見逃さずシグマは地を蹴った。

どうやら 勝利の女神は 君には微笑まなかったようだっ‼︎

…へっ あたりめえよっ‼︎
おれの女神は微笑んでなんかくれねえっ‼︎

!?

横っ面を…ひっぱたくんだよおっ!!!

遂に発射されたメドローアだったがシグマはこれを軽く回避。

甘いっ!!!

…甘いのはそっちだ!
てめえの武器であの世へ行きなっ‼︎

ポップが狙っていたのは素早いシグマではなく、その後ろのシャハルの鏡へ当てて反射させること。

だがシグマには読まれており、ポップの背後を取ると羽交い締めにして射線上へ向かわされた。

…さっきのセリフ…そのまま返そう‼︎

自分の呪文であの世へ行けっ!!!

そこへようやく駆けつけたマァムの見たものは、自らの呪文の直撃を浴びて炎に包まれるポップの姿だった…

…仲間か! 一足遅かったな!
今 彼は燃え尽きる…‼︎



!!!

な 何っ‼︎?

…燃え尽きっ…‼︎?


…化かしあいは…
おれの勝ちだっ!!!

メドローア!!!!!


消滅するはずのメドローアを受けたはずなのに「燃え尽きる」という表現をしたことへの自身の違和感に気付くも時すでに遅し。
「メドローアに見せかけたベギラマ」というフェイントに引っ掛かってしまい、防御も回避も間に合わず本物のメドローアの直撃でコアが胴体ごと消失。
頭部と自由に動かせない四肢だけという姿になって己の敗北と死を悟り、ポップと最後の言葉を交わす。


満足のいく勝負だった ハドラー様も決して私を責めまい
君の名は忘れないぞ…ポップ!

…おれもさ…騎士(ナイト)…シグマ!

…横っ面をはたくという君の勝利の女神にも…
よろ…し…く


ポップを称賛し、お互いを認め合った瞬間頭部が爆散しその命を全うした。
敗れてなお相手を素直に讃える潔さ、そして死の間際に見せたポップの発言に対するウイットも評価が高く、「味方になれていたらポップとは馴染んだ」というより敵である間から馴染んでいたようにすら見える。



満足のいく追記だった 建て主も決して私を責めまい
君の修正は忘れないぞ…アニヲタ!

…おれもさ…編集者…wiki篭もり!

…荒らしをはたくという冥殿にも…
よろ…し…く




この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ダイの大冒険
  • シグマ
  • ハドラー親衛騎団
  • オリハルコン
  • 魔王軍
  • チェス
  • 騎士
  • ナイト
  • 禁呪生命体
  • シャハルの鏡
  • 魔法反射
  • サイコガン
  • 金属生命体
  • 紳士
  • 騎士道精神
  • 正々堂々
  • 小林親弘
  • 槍使い
  • 冷静沈着
  • 生きている駒
  • 馬面
  • マホカンタ
  • スピードキャラ
  • 疾風の騎士
  • 慢心しない強敵の恐ろしさ
  • ランサー
  • 人身馬頭
  • 0歳

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月07日 08:19

*1 実際にはこっそり回復魔法を使ってヤセ我慢をしていただけだが、この時点でのシグマはポップが魔法使いで回復魔法は使えないと考えていたためこのようなリアクションになった模様。ちなみにアニメ版では「魔族か何か」というセリフになっている

*2 かく乱に用いた程度

*3 盾には2つの輪が付いておりサイズは自在に調節できる模様。原理の説明は特にされていないが鎧の魔剣や魔甲拳といった前例もあるので世界観としてはおかしくない。

*4 反射できる魔法力の上限はある模様