ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-(遊戯王OCG)

登録日:2022/01/18 Tue 07:19:44
更新日:2024/01/18 Thu 19:45:36
所要時間:約 11 分で読めます





ドラゴンを呼ぶ笛が墓地に置かれたので
カードをドローさせてもらうぞ


《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》とは「遊戯王OCG」に存在するモンスターの1つである。



【カードテキスト】

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守1100
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いのプレイヤーはフィールドのドラゴン族モンスターを効果の対象にできない。

【概要】

構築済みデッキとして発売された「EX」に収録されたカード。
このモンスターがフィールドにいる限り、全てのドラゴン族モンスターを対象にとる効果を受けなくするという、シンプルな書き方に反してややこしい効果を持つ。

「対象にとる」と効果というのは「効果発動時に対象を選択する」効果のことであることは多くのプレイヤーの知るところである。
具体例を挙げると
  • 《死者への手向け》は発動を宣言した段階で破壊するモンスターを決めるので対象をとる
  • 《地砕き》は効果解決時に破壊するモンスターが決定されるので対象をとらない
  • 《炸裂装甲》は「攻撃モンスターを対象に発動できる」と書かれているので対象にとる
  • 聖なるバリア −ミラーフォース−》は攻撃表示のモンスターをすべて破壊するので対象にとらない
  • 死者蘇生》は発動を宣言した段階で特殊召喚するモンスターを決定するので対象をとる
  • 一方で《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》は非公開情報である手札からも特殊召喚できるので、効果解決時に特殊召喚するモンスターを決定する対象をとらない効果である。

このように見れば「対象をとる」というルールもテキストも初期からしっかりと決められていたのだが、《ロード・オブ・ドラゴン》の登場はあまりにも早すぎた。

登場時期は遊戯王OCGの開始直後であり、第1期終盤時点でこのように書かれた効果はこいつだけであった。
「対象」という用語があたかも周知のものであるかのようにシレっと書かれていたため「効果の対象にならない」の解釈に頭を抱えるプレイヤーが続出。
「全てのカードの効果を無効化」「《ブラック・ホール》や《サンダー・ボルト》等の全体除去を耐える」などと勘違いしていたデュエリストボーイは多かったことだろう。

関連書籍からは、当時の関係者も「対象にとる」ルールを理解しきれず混乱していた様子がうかがえる。
ザ・ヴァリュアブル・ブック2に《サンダー・ボルト》を撃たれた場合の挙動が解説されているのだが、そこでは「サンダーボルトはすべてのモンスターを対象に取る効果なので一度はドラゴン族を守ることができるがロードオブドラゴンはドラゴンではないので破壊されるため、結果的には時間差でドラゴン族は破壊される」という、結果ありきの珍妙な解釈が載っていたりする。*1

比較的強力な効果ではあるものの、このカードのステータスは低いため戦闘破壊されやすく、さらに 自身はドラゴン族ではないため恩恵にあずかれない という弱点がある。
漫画やアニメでも高レベルのドラゴンは耐え切る攻撃に自分だけ吹き飛ばされるシーンもある。
ドラゴン族サポートは受けられないものの、後述の「ドラゴンを呼ぶ笛」といったサポートカードもあり、「竜魔神 キングドラグーン」の融合素材に指定されているためそっち方面での活躍は期待できる。
登場当初は他に強力なカードや全体除去カードも少なかったため、耐性を付与できて大量展開ができるとあってそれなりには強力であった。


原作においては我らが社長こと海馬瀬人が使用するカードとして登場。
青眼の白龍」を3枚も持つ彼にとっては展開補助と場持ちがよくなるこのカードは正にうってつけであった。
ただし、初使用は彼ではなく彼のデッキを使用したデュエルロボであった。

海馬自身が使用したのはバトルシティ準決勝の闇遊戯戦にて。
テンプレ通り「ドラゴンを呼ぶ笛」を用いて青眼を3体揃えたが、青眼の攻撃を「魔法の筒」で跳ね返されて真っ先に倒された。
この時「ドラゴンを呼ぶ笛」を使用した時に放った記事冒頭の台詞はちょっとした話題となった。(詳しくは後述)

続編の「遊戯王R」でも引き続き使用され、「ドラゴン・目覚めの旋律」とのコンボを披露している。


アニメでは出番が増えており、「DMクエスト編」ではラスボスの「F・G・D」戦にてフィールドに張り巡らされており、「ドラゴンの聖域」を形成。
ドラゴン族モンスター以外の使用を制限した(幸い、遊戯達は全員ドラゴン族モンスターを所持していたので事無きを得た)。

「乃亜編」では海馬のデッキマスターとして大門戦で登場。
能力は「500ライフ払って手札のドラゴン族モンスターを(生贄無しで)通常召喚する」というものだった。
現在では禁止カードにもなっている「血の代償」の亜種のような強力なカードであるが、初期LP4000のアニメ版では諸刃の剣と成り得る捨て身の効果(実際デュエルは大門のミスがなければバーンダメージで削られて敗北していた)。
その為か次の乃亜戦では光属性モンスターの生贄(リリース)を減らす「カイザー・シーホース」をマスターにしていた。

劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』では「藍神vs海馬」戦にて海馬の初手に存在が確認できる。
このデュエルは上級モンスターを生け贄無しで出せる次元領域デュエルだが、海馬はそれの詳細を知る前にドローしており、
通常のデュエルであった場合でも問題なく通常召喚可能なモンスターをドローしている辺りはさすがのドロー運である*2


【関連カード】

・ドラゴンを呼ぶ笛

通常魔法
(1):手札からドラゴン族モンスターを2体まで特殊召喚する。
この効果はフィールドに「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」が存在する場合に発動と処理ができる。

「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」がフィールドにいる場合のみ手札のドラゴン族を2体まで特殊召喚できる効果を持つ魔法カード。
場に特定のモンスターがいて、手札にこのカードとドラゴン族モンスターが必要と使用条件が限られるが、現在ならサーチ・リクルート方法がそれなりにあるため条件は優しくなった。
また、ファンカス等でロード・オブ・ドラゴンのカード名をコピーしても使用することができる。

原作でも効果は概ね同じだが、相手の手札も対象に含まれるというデメリットもあった。
また、前述の闇遊戯戦において海馬がこのカードを使用した際に発した「 ドラゴンを呼ぶ笛が墓地に置かれたのでカードをドローさせてもらうぞ 」の名(迷)言は有名。

原作ではテキストに書かれていない効果を発動するのはよくあることだが、
海馬は発動直後ではなくバトルフェイズ終了後(しかも話数カウントで3話に渡ることに)に発動させていることが混乱を招いた。
これは話の都合上、海馬の手札があと1枚必要であったため急遽とってつけた効果だと思われる。

なのでアニメではドロー効果は発動しておらず、原作で他にこのカードが発動されたシーンでも特にドロー効果が使われた形跡はない。任意効果かな?

・ドラゴン・目覚めの旋律

通常魔法
(1):手札を1枚捨てて発動できる。
攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2体までデッキから手札に加える。

ノリノリでギターをかき鳴らしているロード・オブ・ドラゴン。
高攻撃力のドラゴン族モンスターを2枚までサーチする効果を持つ。

一応2:2交換となっているため割にはあっており、「青眼の白龍」に限らず高攻撃力のドラゴン族モンスターを切り札とするデッキ全般で活躍できる。

・竜魔人 キングドラグーン

融合・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1100
「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」+「神竜 ラグナロク」
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。
1ターンに1度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

ロード・オブ・ドラゴンを融合素材に指定した融合モンスター。
対象耐性に加え、ドラゴン族展開効果を持つ。

遂に自身にも耐性を付与できるようになり、攻撃力も上級レベルとなったため場持ちは良くなった。
融合召喚も「竜の鏡」で墓地融合ができ、融合素材代用モンスターを使ってもよい。
相方のラグナロクは下級通常モンスターのためサポートは豊富。

相変わらず全体破壊には弱いが、「マテリアルドラゴン」と並べることでより鉄壁となる。

・ドラゴン・ウィッチ-ドラゴンの守護者

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1100
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上のドラゴン族モンスターを相手は攻撃対象に選択できない。
フィールド上のこのカードが戦闘またはカードの効果によって破壊される場合、代わりに手札からドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

ロード・オブ・ドラゴンとは対となる攻撃への耐性を付与する女性モンスター。
一応破壊耐性を持つが、手札消費が激しいのが難点。

・竜魔人 クイーンドラグーン

エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2200/守1200
レベル4モンスター×2
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「竜魔人 クィーンドラグーン」以外の自分のドラゴン族モンスターは戦闘では破壊されない。
また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターンそのモンスターは攻撃できない。

ロード・オブ・ドラゴン同様半竜と化したドラゴン・ウィッチ。
ちなみにその半身は「神竜 アポカリプス」のものである。
もっとも、エクシーズモンスターなのでその2枚を使わなくてもエクシーズ召喚できるが。
汎用のエクシーズドラゴンなのでランク4が主体のデッキではアルバスの落胤と組み合わせても面白い。
その場合はライトドラゴン@イグニスターとライバルになるか。

永続効果として戦闘破壊耐性を持ち、エクシーズ素材を消費して上級以上のドラゴン族モンスターを蘇生できる。
蘇生したモンスターは攻撃できず効果も使えないので、各種素材に使うのが基本となるだろう。

・ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの統制者-

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守1100
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、カード名を「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」として扱う。
(2):このカードが召喚に成功した時、手札から魔法・罠カード1枚を捨てて発動できる。
デッキから「ドラゴンを呼ぶ笛」「ドラゴン・目覚めの旋律」「ドラゴン・復活の狂奏」のいずれか1枚を手札に加える。

「青眼の究極竜」を模したネックが三つついたギターを持ったロード・オブ・ドラゴン。
カード名を「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」として扱う効果と、魔法・罠カードをコストに特定の魔法カードをサーチする効果を持つ。

カード名変更効果により、このカードでも「ドラゴンを呼ぶ笛」を使用したり、「竜魔人 キングドラグーン」の融合素材になれる。
(2)も各種サポートカードをサーチできるが、コストがやや重いのが難点。

・ドラゴン・復活の狂奏

通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに魔法使い族モンスターが存在する場合、ドラゴン族の通常モンスターを含む、自分の墓地のドラゴン族モンスターを2体まで対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。

竜の首のような波に囲まれて拳を上げている統制者。
フィールドに魔法使い族がいる時、通常モンスターを含むドラゴン族モンスターを2体まで蘇生させる効果を持つ。

発動条件が正に「ロード・オブ・ドラゴン」シリーズと併用しろと言わんばかりの効果であり、上述の統制者でサーチできる。
ドラゴン族モンスターを2体も蘇生できるが、そのターンはダメージを与えられないので、メインフェイズ2で使用するのがベターか。
ドラゴン族の準備自体は「竜の霊廟」等で容易にできる。

・ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの独裁者-

効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守1100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札・デッキから「青眼の白龍」1体を墓地へ送って発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):手札から「青眼の白龍」1体またはそのカード名が記されたカード1枚を捨て、自分の墓地の「ブルーアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(3):自分フィールドに「ブルーアイズ」モンスターが存在する限り、相手モンスターの攻撃対象は自分が選択する。

遂に「ブルーアイズ」専用となったロード・オブ・ドラゴン。独裁者なのは海馬のキャラクターを踏襲したものであると思われる。
手札から「青眼の白龍」を捨てて特殊召喚する効果と、「ブルーアイズ」関連カラードをコストにブルーアイズを蘇生する効果、
相手の攻撃対象を選択する効果を持つ。

(1)はデッキ圧縮や墓地肥やしをしつつ自身を特殊召喚する効果。
ただし、デュエル終盤ではコストが枯渇している可能性があるので注意。

(2)の効果は手札コストにしたブルーアイズも蘇生できる。
また、「強靭!無敵!最強!」といった墓地発動効果を持つカードとも相性がいい。

(3)の効果によりステータスの低いこのカードを守ることができる。
一応「青き眼の乙女」の効果を強制的に発動させることもできる。


この項目が追記・修正されたのでカードをドローさせてもらうぞ。

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最終更新:2024年01月18日 19:45

*1 《サンダー・ボルト》は対象をとらないので《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》に守られることはなくすべてのモンスターが破壊される、というのが正しい解釈。結果的にすべて破壊されるという点については間違っていない。なお仮に《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》が破壊耐性を付与する効果で《サンダー・ボルト》を撃たれた場合、《ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-》は破壊されるものの他のドラゴンは守られる処理となる。

*2 なお、カウンター・ゲートも初手にあるため、仮に引けていなくても一度の攻撃は防ぐことはできる。