レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

登録日:2012/03/10(土) 08:17:31
更新日:2025/04/12 Sat 01:37:01
所要時間:約 4 分で読めます





《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》とは遊戯王OCGのカードの1つ。通称「レダメ」。

星10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
(1):このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・墓地から「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」以外のドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

2007年のLEで登場した最上級のドラゴン族
長い名前が示す通り、《真紅眼の闇竜》がメタル化したという設定である。
効果は「レッドアイズ」とも「メタル化」とも一切関係なく、《真紅眼の闇竜》が持っていた自己強化効果も失われているが、優秀な効果を持っているのが特徴である。

最上級モンスターであるが自身を特殊召喚できる召喚ルール効果を持つため、通常召喚からすぐに呼び出せる。ただし除外したモンスターはこのカードの蘇生効果を使えなくなるため、《異次元からの埋葬》や《D・D・R(ディファレント・ディメンション・リバイバル)》といった除外利用があると良い。

特殊召喚モンスターではないので普通に蘇生が可能。《真紅眼の飛竜(レッドアイズ・ワイバーン)》で蘇生でき、《竜の渓谷》や、《未来融合-フューチャー・フュージョン》で《F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)》を指定するなどで墓地に落とせば、2枚、3枚と展開することもできる。


次に、手札・墓地からドラゴン族モンスターの1体を特殊召喚できる効果。
蘇生制限さえ満たせば最上級モンスターも含めあらゆるドラゴン族を呼び出すことができ、しかも完全蘇生となる極めて強力な効果。

墓地利用に長けるドラゴン族だが、その代表格であり、まさにドラゴン族デッキの切り札と言って差し支えないだろう。

さすがに自身と同名は蘇生できないが、《ライトパルサー・ドラゴン》など他の蘇生効果をもつモンスターを展開してさらに並べたり、2枚目が手札にあれば蘇生したモンスターを除外コストにして場に出せる。
主な蘇生先は
正規召喚しているなら、Sモンスターや融合モンスターなども蘇生可能など、選択肢は多岐に渡る。
忘れがちだが手札からも展開できることは覚えておこう。

細かい点だが、この特殊召喚効果は対象をとらない。手札からも特殊召喚でき、相手にとっては非公開情報である手札のカードは対象にとれないからである。そのため、《D.D.クロウ》などで墓地のカードを除外されても他にドラゴン族がいれば何かしらを特殊召喚できる。

第9期以降のテキストだと対象にとれないことが分かりやすくなっている。

また、マスタールール2が実装される前は優先権を利用して確実に一体展開可能で、実質的にバウンスへの耐性も持っていた。



攻撃力、守備力共に安定しており、下手なモンスターに戦闘破壊されない。
攻撃表示では他の切り札級モンスターでなければ太刀打ちできない。《BF-疾風のゲイル》に半減されてもなお、《BF-疾風のゲイル》だけでは勝てない。
月の書》などで守備表示にされても、2400と帝モンスターなど上級モンスターの一般ラインにあり、やはり生半可なモンスターでは突破できない。
しかし、このカード自身は何も耐性がないため、召喚反応罠や攻撃反応罠などには無力。しっかり伏せ除去をしておきたい。
特に、《奈落の落とし穴》で除外されて、帰還ギミックを組み込んでいなかった場合は墓地アドバンテージを二つ失ってしまう。

ただ実際に環境に顔を出すようになるのは遊戯王ゼアル期まで待つことになるとカードパワーに反してかなり遅かった。 
というのも当時のドラゴン族は粒ぞろいではあってもドラゴンのみで構成されたテーマデッキすら存在せず*1シナジーが薄く、かといってレベル10という当時はとしては無駄な高さ故にS召喚はおろか、エクシーズなどへの利用も難しかった。
ところが意外にも存在しなかったドラゴン族モンスターをメインにしたテーマのデッキ【聖刻】に、ほぼ同時期にランク10エクシーズの《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》が登場したことで、状況は一変。
ドラゴン族の大量展開に長けた【聖刻】では、攻撃力が0になった《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》2枚で《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》をX召喚すれば、
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》の効果も絡んだ相乗効果による凄まじい展開力から生み出される戦闘ダメージとグスタフの効果ダメージで10000ダメージ以上のオーバーキルをする事すら容易であった。
これによりこのカードを2枚特殊召喚できる状況であれば、簡単にワンキルできるようになった。

それがKONAMIの目に止まったのかとうとう制限入り。
多くのドラゴン族デッキに影響を及ぼした。

とはいえカードパワーが落ちたわけでもなくダムドさながら噛み合えばとりあえず投入されるカードとして広く認知されるようになった。


その後も変わり続ける環境の中ドラゴン族デッキの隠し玉として長く使われていたが、守護竜の登場で《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》自身を何度も特殊召喚し効果を使うのがこれまで以上に簡単になってしまった。
最終的に《破滅竜ガンドラX》を用いたワンキルコンボに採用されたのがトドメとなったか、2019/4/1の制限改訂でついに禁止カード入りが決定。

出た時期が古かったゆえに昨今のトレンドである「カード名縛りの効果使用制限」がなかったのがマズかった。

ドラゴン族のエンジンとして暴れ続けた異端のレッドアイズはこうして終焉を迎えた。


……筈だった…!!
2020年4月1日、散々悪さをした守護竜が規制されたこともあり、同名ターン1制限をつけて制限に復帰した。
効果モンスター
星10/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは自分フィールドの表側表示のドラゴン族モンスター1体を除外し、手札から特殊召喚できる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・墓地から「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」以外のドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。


ループへの悪用はできないが、本質的な強さは変わっていないし、
制限時代のようにドラゴン族デッキに隠し玉としてピン指しする使い方は今まで通り可能。

ある意味、《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》登場時の平和な遊戯王での使い方に戻ったとも言える。
その後、令和のドラゴン族グッドスタッフと言える【ドラゴンリンク】が環境争いから完全に消えたと判断された2021年10月には準制限、2022年1月には無制限へと段階を踏んで釈放された。

効果自体はまったく変わっていないにもかかわらず、同名ターン1か否かの違いだけで禁止カードから無制限にまで規制が緩められたというのは、昨今の遊戯王OCGのゲーム性をよく表しているといえるだろう。


また、《蝶の短剣-エルマ》や《深淵の暗殺者》など、同じように同名ターン1の縛りを付ければ釈放できそうな禁止カードが多く存在する中で《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》が抜擢されたというのは、やはりこのカードの人気があってのことだろうといえる。

ただしこの改定後に加えられた制限も相まって、多くのデッキにおいて多くて二枚、基本的には一枚しか採用されないのがほとんどである。

【レッドアイズでの立ち位置】

肝心の【レッドアイズ】とのシナジー自体は普通。
《真紅眼融合》で流星竜を召喚し、バーン効果でデッキから墓地に落として1400ダメージ与えつつ、「レッドアイズモンスター」専用の蘇生カードでフィールドに出せる。
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》自体はレッドアイズなどクソ食らえな効果しか持っていないが、レッドアイズカード自体は《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を運用しやすいことは【レッドアイズ】の強みの1つといえるだろう。

…といい感じに言ったものの、現実は意外と厳しい。
まずレッドアイズには確かに蘇生・リリースサーチ可能なカードは多いが、尽くレベル7までバニラだけ、という制約を付けているものが多い。
というわけでまともな蘇生カードは基本的には《レッドアイズ・スピリッツ》のみ。次点で《真紅眼の鎧旋》が破壊されたときの墓地のサルベージ効果くらい。
最近では《真紅き魂》の手札効果により呼び出すことも可能になった………が、どれも原則相手にターンを渡してから使えるもの。
つまり現代遊戯王においては正直遅い。
一応相手が自分ターン中に特殊召喚をした時の《真紅き魂》の効果なら初手でも呼べるが…。


というわけで【レッドアイズ】においてコイツを自由に繰り出せるかと言えば現代遊戯王では混ぜもの抜きでは少々困難。
また、蘇生対象やコスト対象がドラゴン族に絞られるため、無駄に種族の幅が広いレッドアイズテーマにおいてそれらにアクセス出来ないのはファンデッキ目線で少し不便。
そもそも対象としてドラゴン族のみを指定していることが、レッドアイズカードがとっ散らかりがちな原因になっている。
【レッドアイズ】下における最大のメリットは《黒鋼竜》でサーチできること。このカードはフィールドから墓地に送られると「レッドアイズ」1枚をサーチできるのだが、第9期のカードにしては珍しく、この効果には同名ターン1の制限がない。
《黒鋼竜》を召喚してすぐにLINK1ドラゴン族L召喚することで、即座に《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を出すことができる。さらに《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》で《黒鋼竜》を蘇生すれば今度はLINK2のモンスターを出し、再びサーチ効果が使える。

これを利用すれば《ドラグニティナイト-ロムルス》をL召喚し、《竜の渓谷》とコスト用のカードを確保することが可能。

詳しくは割愛するが「ヴァレット」のカードも組み合わせることで《黒鋼竜》1体から《ヴァレルエンド・ドラゴン》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》を並べることができる。

……が、レッドアイズ関係の展開をしても強い盤面を作れないことから、最近では【レッドアイズ】というよりもっぱら【ドラゴンリンク】で使われている。
お前本当にレッドアイズか。
とはいえ混ぜものありでなら、レッドアイズを引き立てるうえでこのカードは外せないため、現在では名ばかりな感が否めないとはいえレッドアイズ目線では貴重な存在となっている。


【リンクモンスター化】

2018年7月のVジャンプにおいて、Lモンスター化して収録されている。ただしとうとうレッドアイズモンスターですらなくなった。

  • 闇鋼龍 ダークネスメタル
リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/ドラゴン族/攻2800
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
同じ種族・属性の効果モンスター2体以上
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地のモンスターまたは除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はリンクモンスターを特殊召喚できない。
L素材の縛りがべらぼうに厳しいが、《セキュリティ・ドラゴン》あたりを2体出せばあっさり召喚可能。
効果そのものは《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》のアレンジと言ったところで、Lモンスターの召喚制限と効果無効化、デッキバウンスのデメリットが付与されるなど縛りが増えているが、手札の代わりに除外されたモンスターを呼べ、ドラゴン族に限らなくなっている。各種素材に転用するのがベターか。



【アニメでの活躍】

アニメGX159話の「十代VSダークネス吹雪」にて吹雪が仕様した。
アニメでの効果は、
  • 罠カード、《魔法反射装甲・メタルプラス》を装備した《真紅眼の闇竜(レッドアイズ・ダークネスドラゴン)》を生け贄にすることでのみ特殊召喚できる。
  • 自分の墓地のドラゴン族モンスターの数×400ポイント攻撃力アップ
  • 手札を1枚捨てて魔法の発動を無効にする。
というもの。
最終的に、手札が0になり、魔法を無効にできなくなったところを墓地のドラゴンを除外され弱体化し、パワーアップした過労死に倒された。

メタル化とダークネスドラゴンの性質を名前通り引き継いでいたが、OCGでは全くの別物になった。
その為、レッドアイズの最終進化形だったはずが、《真紅眼の黒竜》《真紅眼の闇竜》を必要としない効果となっている。

このカードは何故レッドアイズと呼ばれてしまったのか。
気になった人はコナミに聞いてみよう。


追記・修正は、同じ名前を持ちながらも全く別の効果になった事がある人がお願いします。

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最終更新:2025年04月12日 01:37

*1 ドラグニティもいるにはいたがあれは墓地のドラゴン族チューナーを鳥獣族で釣り上げるシンクロテーマで、場に出すには墓地に行くことに意義を見出すドラゴン族を除外しないといけないレダメとは意外に噛み合わない。