プロゴルファー猿

登録日:2022/01/29 Sat 17:22:52
更新日:2024/02/20 Tue 06:32:29
所要時間:約 8 分で読めるで







ワイは猿や!プロゴルファー猿や!!





◇概要

プロゴルファーは、藤子不二雄Aの漫画作品。
プロゴルファーを自称する猿のような少年・猿谷猿丸が彼に目を付けた影のゴルフ界を率いるミスターXが送り込む敵と賭けゴルフ対決をしていくゴルフバトル漫画。
作中では基礎的なゴルフの知識解説があったり、実在のゴルファーの活躍が描かれたりとA先生のゴルフ好きっぷりが垣間見られる。

週刊少年サンデーで1974年に読み切り版を掲載後、1975年〜1978年まで連載された。
1982年〜1988年にはコロコロコミックにて続編『新プロゴルファー猿』が連載。こちらは無印版ラストで本物のプロとなった猿の活躍を描く。アニメ化されたのもこの頃で、アニオリキャラが途中から逆輸入された。
1999年にはビッグコミックで大人になった猿が主人公の『サル』が連載される。しかし、内容は『新』とパラレルワールドで、色々あってプロテスト合格が取り消しとなり、やさぐれた大人になってしまっている。

1982年には2時間SPでアニメ化され、1985年〜1988年にテレビアニメシリーズが放送される。
内容は無印と『新』をまぜこぜにしており、中盤では『新』のシャドウマスターズ編が拡大されて物語に組み込まれた。
このアニメ版における影プロ達の存在感の強さ、そして「旗つつみ」をはじめとするゴルフ漫画界屈指の有名必殺技の要素で人気を博した。
終盤はタイトルを『新プロゴルファー猿』に変更し、影プロやミスターXが登場しない一話完結のストーリーが描かれた。
現在はYoutubeに公式チャンネルが開かれており、デジタルリマスター版が数日ごとに公開されている。

1986年と1987年には映画ドラえもんの併映で劇場版『スーパーGOLFワールドへの挑戦!!』『甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!』が上映された。
残念ながらこの2作は現状、DVDやブルーレイ化されていないため当時レンタルされていたVHSでしかまともに視聴する方法がない。
一応、原作の『新』に原作版が収録されている。

その他、ゲーム化やパチンコ、パチスロ化も行われている。
コンピュータゲーム版はディスクシステムで発売された『影のトーナメント』とWiiで発売された『プロゴルファー猿』がある。
……が、Wii版の方はファミ通誌上最低点タイというあまりに酷い評価を叩き出してKOTYに乗り込んできたクソゲーとして名を馳せている。
他にデータイースト制作のドリームキャスト用ソフト『熱闘ゴルフ』の隠しキャラとして登場する。



◇あらすじ

H県奥山市深森区にあるゴルフ場の近くに住む少年、猿谷猿丸は天才的なゴルフの腕を使い、ゴルフ場に来る客に賭けゴルフ勝負を挑む自称プロゴルファーだった。
彼の腕前を目撃した覆面の男ミスターXは猿を自分の組織に引き入れるため、自分の子飼いの影プロ達との賭けゴルフ勝負を挑む。


〇登場人物

CVは左からTV版/SP版

・猿谷 猿丸 CV:頓宮恭子 / 野沢雅子
本作の主人公。猿のような顔と身軽さを持つ自称プロゴルファー*1
自宅のある「猿谷」という山を自分のゴルフ場としており、自然を利用したコースで天才的な腕前を身に着けた。
一応、中学生だが貧乏な家庭を助けるため、ほとんど学校には通わず近所のゴルフ場に侵入しては来る客をカモに賭けゴルフで稼いでおり、兄弟や母に高価なものを買ってあげる家族思いな場面も多い。
一方、金にはガメツく、竜との勝負に勝った際は弟たちには一銭もやらず400万円の札束の中を転げまわるという守銭奴じみた光景も。

主に使用するのは木の根で出来た特製のドライバーという印象が強いが、状況に応じて弟たちが作ったクリークやウッドウェッジを用いることもある。
中盤でパター制作の名人・甚五斎から譲り受けた名刀「正宗」(パター)を使うようになる。この正宗は綺麗に打てた際に独特の音を響かせる性質があり、「ピィーン」という書き文字が使われるのはこのため。
しかし、これら特製の道具を使っていたため実は普通の道具を使いこなせないという弱点がある。
どんな時でも裸足を貫くため、滑る場所では松脂を塗って滑り止めにすることもあった。しかし、このせいで雪の中でゴルフした際に雪に埋もれた鋭い枝で大怪我を負ってしまったこともある。
また、ゴルフのルールに関する知識も不足しており池ポチャした際に水の中に入ってはいけないことを知らず、ペナルティを受けたこともある。


・猿谷 中丸 CV:高木早苗 / 菅谷政子
猿の弟。眼鏡をかけた知能派で、猿のキャディやアドバイザーを務める猿最大の理解者であり相棒。
兄のためにコースの下調べをしたり、徹夜で対処法を考えたりと活躍は多岐に渡る。
博識かつティーチングも上手い。時には猿に釘を刺して力みをとったり、逆に焚きつけて実力以上のものを発揮させたりもする。
弟たちにクラブを作ることもあり、自身は傘の柄を削ったパターを使用する。


・猿谷 大丸 CV:峰あつ子 / 青木和代
猿の弟の一人。名前の通り兄弟で一番大きな体をしている。力持ちのため主にクラブセットを運ぶ。
原作では後におっちゃんから才能を見出され、ゴルフを始める。


・猿谷 小丸 CV:原えりこ / 千々松幸子
猿の弟の一人。まだ幼児で、舌足らずで猿の事を「あんにゃー((あん)ちゃん)」と呼ぶ。
幼児のくせに酒好きで、常に一升瓶を抱えて酔っ払っている不良幼児。たまに猿も飲んでいる。
さすがにアニメ版ではまずかったため、一升瓶の中身はミネラルウォーターに変更されていた。
彼のために作られたクリークを猿に貸したり、何かと猿を助けている。


・猿の母 CV:高村章子 / 中村紀子子
猿谷一家の母親。夫については不明だが、シングルマザーの可能性もある。
藤子作品では珍しい事に作中では怒る場面がまったくない優しい母として描かれている。


・猿の姉 CV:鵜飼るみ子
猿谷一家の長女。すでに成人済みらしく、原作では剣崎の家のゴルフ場でキャディをしており、アニメではデパートの店員をしている。


・ゴエモン CV:峰あつ子
猿谷家で飼われている尻尾をパター代わりにしてパットを決める賢い犬で、猿のサポートもこなす。
アニメオリジナルキャラだったが、後に原作に逆輸入された。


・おっちゃん CV:富田耕生 / 緒方賢一
奥山カントリークラブの会員で、よく猿にカモにされているヘボゴルファー。
最新のクラブや補助道具を購入しており、猿にいくら持っていかれても賭けに応じるあたり結構裕福な模様。
雪の日に対決した際には誰も見ていないのをいいことに、こっそり雪でティーを作るという卑怯な戦法を用い、猿が不調だったこともあって勝利している。
原作では後に大丸の才能を見出してゴルフクラブ1セットを購入するなど支援するようになり、アニメ版では猿の保護者としてサポートしていた。

ちなみに声の人はこの後『笑ゥせぇるすまん』にて、『ゴルフ・ドミノ倒し』なる話にノーコンヘボゴルファー役でゲスト出演していた。


・若葉 CV:堀江美都子
おっちゃんの娘。アニメオリジナルキャラのヒロインで、後に原作にも逆輸入された。
猿の戦いについて回り、応援したりシャドウマスターズ編ではサポートもこなした。
『新』では自らもゴルフを始める。


・カンクロウ CV:田中真弓
奥山カントリークラブ周辺に住み着いているカラス
ロストボールを盗む癖がある。


・剣崎 健 CV:井上和彦 / 石丸博也
初期から登場する猿のライバルで正統派ゴルファー。
猿の家近くのゴルフ場「奥山カントリークラブ」の御曹司で、たびたび勝手に入ってきて賭けゴルフをしていた猿を倒すべく勝負を挑んだ。
しかし、猿が自分の練習で使用する猿谷のコースで勝負したのが仇となって敗北。以来、猿は自由にゴルフ場に入れるようになってしまった。
アマチュアゴルファーとして順調に経歴を重ね、たびたび猿と勝負する。
アニメ版ではプロテストで一緒にコースを回り、しのぎを削った。


・ミスターX CV:内海賢二 / 若山弦蔵
覆面にサングラスをかけた謎の男で影のゴルフ界を牛耳る重鎮。
とてつもない金持ちで猿を自身の配下とするため毎度数百万クラスの賭けを持ちかけてくる。
様々な影プロを使って猿を倒す、あるいは亡き者にしようとまでした。
あえて選手権中に賭けゴルフを持ちかけるなど、猿を罠にはめたことも。
しかし、賞金はきちんと払うなど猿との約束はきちんと守っており意外と律義な面も。
その正体は猿を成長させるためにあえて敵役を演じていた猿の父親…と噂されていたが最後まで正体不明であった。

・紅蜂 CV:平野文 / 横沢啓子(現・よこざわけい子)
ミスターXが送り込んで来た影プロの一人。ヒロイン的キャラ。
猿のクラブを破損させたり、自分のホームカントリーで勝負したりと色々やったが負けている。
敗北後は猿の戦いを見守るようになり、次第に猿の理解者となっていく。


・コング・拳 CV:西尾徳
最初に猿と戦った影プロ。見た目は怪物くんのフランケンをリアルにしたような大男。
元プロ野球選手だったが、人身事故を起こして引退し、表の世界から姿を消したという経歴を持つ。
強打者だった強みをいかし、バットで豪打する飛ばし屋。猿に負けた後はキャディをするなど、ミスターXの助手的な立場になる。


・闇兵衛 CV:中尾隆聖
パター作りの名人である甚五斎の弟子だったが、かつて「村正」という傑作パターを盗み出し、ミスターXの組織に入って影プロになった。
原作では盲目ながら確実にパットを入れる名人で、アニメ版では目隠しをするという設定に変更されている。


・竜 / ドラゴン CV:田中秀幸 / 小林清志
ミスターXが香港から連れて来た拳法家。
拳法の訓練の一環としてヌンチャクをクラブにして鉄球を打ち、正確に曲げるという妙技を持つ*2。他にトンファーや三節棍も使用する。
原作では「ドラゴン打ちの竜」と呼ばれたが、アニメでは「ドラゴン」に変更されている。
その名の通り龍の姿を模した竜ヶ峰カントリークラブで猿と死闘を繰り広げた。本作の試合の中でも特に有名な試合と言えるだろう。
モデルはどう見てもブルース・リー


・氷川 CV:納谷六朗
ゴルフロボット「タイタン(CV:二又一成)」を開発した科学者。
本人はゴルフをしないものの、自分のロボットこそ完璧であると自負しており、ミスターX側のキャラでは何度も猿と戦った一人。
劇場版では大ボスを務めるなど、けっこう優遇されている。



◇楽曲


・夢を勝ちとろう
オープニングテーマ。
作詞は原作者で、作曲は小林亜星、編曲は筒井広志、唄は水木一郎という豪華メンバー。
ページトップの台詞と共に始まり、猿が突き出た崖の上からショットして旗つつみでホールインワンするまでを描く。もっとも有名な映像と思われる。


・マイウェイ猿丸
『新』でのオープニングテーマ。
作詞は高田ひろお、作曲・編曲、唄は同じく小林亜星、筒井広志、水木一郎
引き抜いた木でドライバーを作るところからショットするまでを描く。前OPから時間がたったこともあり、作画が綺麗で非常にぬるぬる動く。


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最終更新:2024年02月20日 06:32

*1 曰く、金を賭けてゴルフをするからプロ

*2 この時、弟子たちが並んでコースを作り、そのギリギリの隙間を通して目標に当てる