墓荒らし(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/14 Sat 16:30:20
更新日:2025/04/17 Thu 21:07:14
所要時間:約 3 分で読めます




ケッ 盗みの腕なんざ勝ちてぇとは思わねぇけどな……


荒らしとは、「遊戯王OCG」に登場するカードの1つである。


【カードテキスト】

通常罠
相手の墓地にある魔法カード1枚を選択し、ターン終了時まで自分の手札として使用する事ができる。
その魔法カードを使用した場合、2000ポイントのダメージを受ける。

【概要】

第2期のパック「アヌビスの呪い」で登場したカード。
イラストには目元の隠れデフォルメされたキャラクターが墓石を背負ってにやけた笑いを浮かべている。

相手の墓地のカードを奪えるという効果を持ち、決して弱い効果ではないのだが、相手にやや依存するのが難点。
死者蘇生》等のようなどんなデッキにも入るような汎用性の高い魔法カードも存在するが、
手札に保持できるのがターン終了時までということもあり、自分が適切に使用できる状況を見極めて使う必要がある。

このカードの登場当時禁止カードのルールはまだなく、《強欲な壺》《天使の施し》やハンデス三種の神器などが制限カード準制限カードながら現役で、盗む対象は十分あったのだが、自分も採用している魔法カードなら墓地回収の《聖なる魔術師》の方が優秀だし、相手カードのコピーにこだわる場合でも自傷がなくスピードに勝る《二重魔法》の方がマシと言われていた。

基本的には、登場当時から漫画・アニメ使用者の城之内克也のファンデッキ用カードの域であるが、その後躍進目覚ましい【レッドアイズ】ともシナジーが無いので浮き気味になってしまっている。
ただし、ミラーマッチなら相手のサポートカードを逆利用できるという利点がある。

奪ったカードを使用するとダメージを受けるというデメリットもあるが、これは効果ダメージに分類されるため、
《デス・ウォンバット》で無効にしたり、《レインボー・ライフ》で回復に変換することができる。
また、サンアバロン等のダメージを受けることで展開していくデッキの始動としても使える。

ちなみにコストとして使う場合にはダメージを受けないので、《零式魔導粉砕機》のダメージ源にする使い方もできる*1



【原作・アニメでの扱い】

初代デュエルモンスターズにおいて、凡骨こと城之内克也の愛用するカードの1枚。
原作及びアニメでは魔法カード*2で、テキストは「相手プレイヤーの墓地に置かれたカードを1枚奪い取る!!」と原作カードならではのシンプルさと汎用性を誇る。


OCG風のテキストにするならば、こんな感じか。

相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードがモンスターカードの場合、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
そのカードが魔法・罠カードの場合、その魔法・罠カードの発動時の効果を適用する。

ダメージを受けるデメリットもなく、相手のカードならどんなカードでも逆利用できてしまうという非常に強力、かつ、汎用的な効果である。
OCG化にあたり原作再現不可能なレベルでの弱体化を受けたカードの1つなのだが、読者目線でも詳細があやふやだったからだろうか、後の《ラーの翼神竜》ほど弱体化をメタクソに言われはしなかった。
再現度を高めればおそらくOCG環境でも活躍したカードになったろうが、いまいちそれにそぐわないこのカード自体と城之内のキャライメージも弱体化を受け入れさせるのに奏功したのかもしれない。

初登場は王国編準決勝の「バンデット・キース」戦。
この時は《時の機械-タイム・マシーン》を奪い取り《レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン》を復活させて逆転勝利した。
ちなみにこの際キースがデッキを置いて行方知れずとなったので《時の機械-タイム・マシーン》をそのままちょろまかしているコントロール奪取した相手のカードそのまま持って帰ってしまうデュエリストあるある。再戦時に返却するのも含めて。
この辺りはおそらくはRでのキース戦前に行われた「メンド・シーノ」戦で使用した際のフォローだと思われる。

アニメオリジナルの闇遊戯戦では、遊戯の《デーモンの召喚》を奪い、自分の《真紅眼の黒竜》と融合させ(融合カードも遊戯のカードをモノマネ幻想師でコピーした)、《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》を融合召喚した。

バトルシティ編のインセクター羽蛾戦では《殺虫剤》を奪い相手の切り札《インセクト女王》を破壊した。
羽蛾は女王様を召喚するために《殺虫剤》で《代打バッター》を破壊したため、皮肉にも女王様を呼んだカードに足をすくわれる形になった。
ちなみに城之内が最後にドローしたカードは《ギア・フリード》だったため墓荒らし自体は既に手札にあり、女王様を破壊するだけなら既に手立てはある状態だったと言える。*3

リシド戦では原作効果の《おろかな埋葬》と併用し《人造人間-サイコ・ショッカー》を相手の墓地に送りつけた直後に使用し特殊召喚する等、疑似死者蘇生のような使い方をしている。


その後も窮地において使用され、城之内の窮地を救っていることから、ある意味彼の真の切り札とも言える活躍をしている。
このカード然りバトルシティ編然り遊戯王R然り、城之内は「他人のカードを譲り受ける・一時的に借りるカードを使い戦う」傾向が強いが、
《墓荒らし》はその嚆矢にして典型と言える。


【類似カード】

原作では他にも相手の墓地のカードを利用するカードが存在している。

・二重魔法
闇遊戯が使用したカード。
原作では相手が使用した魔法カードをこちらも使用できるという効果で、魔法カード限定だが複数コピーできる効果だった。
OCGでは魔法カードをコストにして相手の墓地の魔法カードを奪うという効果になり、墓荒らしの相互互換といった効果になっている。

・機械じかけのマジックミラー
海馬が使用したカード。
原作では相手の攻撃宣言時に相手の墓地の魔法カードをコピーするという効果。原作描写的には《墓荒らし》の下位互換である。
OCGでは相手墓地の魔法カードをセットする効果になり、原作再現で《オベリスクの巨神兵》に関連した墓地での効果が追加されている。

・暗黒の魔再生
闇マリクが使用したカード。
前述のマジックミラーとほぼ同じ効果を持つ。
OCGにて相手墓地の魔法をセットする効果になり、《ラーの翼神竜》に関連した墓地での効果を持つという点も同じ。

・コピーキャット
ペガサスが使用したカード。
墓地のカードをコピーするという墓荒らしとほぼ同じ効果となっている。
OCG化が遅かったためにインフレの恩恵を受け、OCG版では発動するために自分フィールドに《トゥーン・ワールド》及びトゥーンモンスターが必要になったことと同名1ターンに1枚の発動制限が付いたが原作効果をほぼそのまま再現。
とはいえ流石に魔法・罠カードの効果をその場で発動するというのは処理上の問題が発生するためか、墓地の魔法・罠カードを選んだ場合は自分フィールドにセットする形になった。


・ゾンビの宝石
同じく闇マリクが使用したカード。
相手の墓地の魔法カードを手札に加える効果を持ち、その代わり相手に1枚ドローさせてしまうデメリットがある。
現在未OCG化。






追記・修正は相手の墓地のカードを奪ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月17日 21:07

*1 VB3でもコンボとして紹介されていた。一時期はコストとしてでも「使用した」扱いとなるためこの使い方でも2000ダメージを受けるという裁定だったが、再変更でやはりコスト扱いでは「使用」に当たらないとして、現在はダメージを受けずに射出できる裁定となっている。

*2 厳密に言うと「融合解除」などと同じく「魔法・罠カード」表記。あちらと違ってトリガーに関しての描写は見当たらないため、1ターンに一枚ずつしか使用できない原作ルールでも魔法カードとは別に発動できる可能性もある。

*3 この盤面でのネックは味方を昆虫族にしてしまう「寄生虫パラサイド」と羽蛾のフィールドにある「虫除けバリアー」のコンボで城之内が攻撃できない状態だった。