リシド

登録日:2018/04/14 Sat 15:33:03
更新日:2024/02/15 Thu 10:46:06
所要時間:約 5 分で読めます





リシドとは『遊☆戯☆王』に登場するキャラクター。
バトルシティ編より登場するデュエリストであり、レアハンター集団グールズの首領、マリク・イシュタールの右腕。

CV.KONTA


【概要】

ハゲ頭(実は辮髪)が特徴的な威圧感溢れる風貌の男。
さらに顔の左半分にはエジプト古代文字の文様が刻まれている(この理由は後述)。

グールズのナンバー2に位置するレアハンター。
しかしトップのマリクを含めた他のレアハンター達が勝利のためなら手段を選ばない卑劣な連中ばかりであるのに対して、
義理人情に厚く武人肌な人物であり、デュエルも真っ向勝負を好む正々堂々とした性格。

マリクに絶対の忠誠を誓っており、他のレアハンター達と違って千年ロッドによる洗脳が行われていない。
というか余りにも強靭な精神を持っているため洗脳そのものを受け付けない事がマリクによって明言されている。
ただマリクの思念そのものは千年ロッドを介した会話のためにも必要なので植え付けてはある。

ちなみに原作での登場はバトルシティ予選の終盤でありそれまでリシドの存在は影も形も無かったのだが、
アニメDMでは原作でマリクと会話をしたりする数多くのモブのレアハンター達の役目を担っている他、モクバを拉致したりと登場シーンが大幅に増えている。


【デッキ・戦術】

デッキにはモンスターカードがほぼ入っておらず、罠カードを主体にした所謂【罠ビート】デッキ。相手の行動に合わせて無効化させる事も多いので【パーミッション】の要素も強い。
遊戯王シリーズは基本的にモンスターカードが中心でそのサポートに魔法・罠カードを使って攻めるビートダウンタイプ同士のデュエルが主流なので、
リシドはかなり異質なデュエルスタイルでありインパクトが強い。

罠カードを伏せまくって相手を警戒させることで自滅を誘う罠戦術を得意としており*1、除去対策もバッチリ。
魔法・罠ばかりなので受動的すぎかと思いきや、罠モンスターも使うので相手を罠で自滅させてからカウンターで一気にトドメを刺しにかかるスタイルのようだ。
反面、劇中でも披露されたようにサイコ・ショッカーのような罠カードをロックで封じてしまう相手には滅法弱い。

罠デッキと言いながらも、実は意外にも原作だと使用した罠カードの種類は少ない。


…ちなみにOCGではデュエル自体が高速化している上に除去効果、耐性持ちモンスターが増加している事も相まって、
リシドのような受動的な遅めのデッキはやや不遇気味。


使用カード

●王家の神殿
魔法カード。発動すると巨大な神殿が現れる。
原作ではOCGと違って魔法・罠カードのセット数に制限があるのでそれを増やせる効果(罠カードを一ターンに二枚伏せられる)を持つ。
さらにラーの翼神竜のカードを棺に収めると相手の攻撃などを受け付けなくなるとか。

OCGでは魔改造されて罠カードをセットターンにも発動できるという、どこぞの処刑人のような極悪なカードだった。
そのせいで一時は禁止カードに指定されてしまったが、現在はエラッタという名のリフォームがされて使用できるようになった。

●アヌビスの裁き
カウンター罠。原作ではノーコストのマジックジャマーにサンダーボルトに加えて破壊したモンスターの攻撃力の合計の半分のダメージを与えるぶっ壊れカード。
OCGでは魔法・罠破壊効果を「持つ」魔法カードに対してのみ有効なマジックジャマー&おまけで相手モンスター1体を破壊できる罠として登場。
ダメージに関してはやり過ぎだと判断されたのか完全再現はされなかったが、1体分のみの破壊のためか攻撃力をそのままにダメージを与えるようになったので一長一短。
最近ではハーピィの羽根帚が復帰したりしているので発動する機会は意外に多い。原作のようにハリケーンに対しては無理だけど。

●ウジャト眼の念力
攻撃してきた相手モンスターを操る罠カード。
OCG化はまだされてないが、された場合は恐らくモンスターの攻撃対象を自由に変化させるような何かしら魔改造が施される可能性がある。

●アポピスの化神
OCGでは初の罠モンスターとして登場。
ちなみに原作ではバトルフェイズの攻撃宣言をトリガーに発動可能だったのだが、
OCGではメインフェイズにしか発動できないという制約が施されたせいでやや不便なカードとなってしまった。
更にインフレに伴い、より攻撃力が高い《鏡像のスワンプマン》と守備力が高い《量子猫》が登場している。
一応、ステータスの合計値は罠モンスターで一番高く、敵の攻撃を凌いでから反撃するという戦術であれば候補になるか。
2022年にはリメイクカード「澱神アポピス」として強力なパーミッション効果を引っ提げて帰ってきた。

●マジック・ジャマー
魔法カードを無効化するカウンター罠。
アニメDMのみの使用で、原作での該当シーンは魔法解除が使われている。

●光の護封剣
ご存じ、相手モンスターの攻撃を3ターン封じる魔法カード。戦略を立て直す際の時間稼ぎで使われた。

●封魂の聖杯&セルケトの紋章
セルケトを特殊召喚するために必要な魔法カード。
OCG化はされていないが、登場すればセルケトのサポートカードとなるのは間違いなし。
各々が他に効果を持っていたかどうかは不明。

聖獣セルケト
リシドの切り札であり、彼のデッキに入っている数少ないモンスターカード。
戦闘破壊したモンスターの半分の攻撃力を上昇し、取り込んだモンスターの分だけ生け贄にできる効果を持っていた。

詳細は項目参照。


【劇中の活躍と、悲しき人生】

彼が初登場したのはバトルシティ予選の終盤、マリクによって洗脳された城之内が遊戯とデュエルを行う直前。
バトルシティ開催中、マリクが色々と暗躍していた中でリシドは何と一人で自分とマリクを含めた12枚ものパズルカードを集めていた。
しかも正々堂々、ガチで戦ってである。実に律儀。


そんな主人思いのリシドだが、実は遊戯王屈指の不幸キャラでもある。
元々は赤ん坊の頃に捨てられた過去を持ち、そこをマリクの両親に拾われて養子として育てられる。
マリクの母親からは実子同然の愛情を注がれていたが、父親からは使用人としか扱われず毛嫌いされており暴力さえも受けていた。
それでも父として愛していたというのだから本当に健気……。*2

実質的にマリクとイシズの兄とも言うべき存在で仲も良好であり、アニメではマリクとの兄弟性が強調されておりちょっとしたエピソードも追加された。
イシュタール家伝統の継承の儀式を恐れるマリクの代わりに自分が受けようとして当然拒絶されるが、
マリクへの忠誠の証と、儀式で受けた苦痛を自分も共有するということで自ら顔に癒しの刻印を刻むが、これが闇マリクの出現を抑え込む役目を果たしていた。

その後、マリクが一族の掟を破る手助けをしたためにマリクの父親から惨い拷問を受けてしまうが、それが原因で闇マリクが出現。
闇マリクは逆に千年ロッドを奪って父親を殺害し、リシドをも抹殺しようとしたが間一髪で封印されて難を逃れる。

それからは闇マリクを封印するために、グールズを結成したマリクの右腕として仕え続ける決意をして今に至る。


そして、ナムの偽名を使っていたマリクの影武者として決勝トーナメントに参加。
その持ち前の風貌と威圧感から「こいつこそまさにグールズのボス」と周囲に思わせることに成功した。

その後は凡骨こと城之内とデュエルを行い、
得意の罠戦術で戦意喪失させるほどに苦しめるがサイコ・ショッカーで一時形勢不利になるも、切り札の聖獣セルケトで逆襲する。

対抗策が無い城之内は完全に詰んでしまい(原作では逆転はできないまでも耐える事はできたのでは?と言われるが*3)敗北確定となってしまう。
が、リシドの真のデュエリストと呼ぶに相応しい正々堂々としたデュエルスタイルが卑劣なマリクとはあまりにもかけ離れていたために本物のマリクではないと見抜かれる。

焦ったマリクがリシドを本物に仕立て上げようとラーの翼神竜のコピーカードを使わせようと余計なことをしたため、神の怒りを食らって気を失ってしまう。
その後、主人のマリクは凶悪な闇の人格に支配されてしまうことに……。

それから執拗に闇マリクに命を狙われるが残留思念となって杏子バクラに潜む主人格のマリクやイシズによって守られ、
バトルシティ決勝戦の終盤でついに覚醒。闇のゲームの生贄にされていた主人格のマリクを奮い立たせ、思うように攻撃できなかった遊戯達を勝利に導いた。

闇の人格も消滅し、マリクとイシズ姉弟とも再会を果たした彼は晴れて念願だったイシュタールの家族の一員として迎え入れられた。……おめでとう!
その後原作最終章である「戦いの儀」でもイシュタール姉弟と共に登場している。


【ゲーム作品にて】

登場した場合はアポピスの化神を中心とした罠デッキの場合が多い。
しかしバージェストマもエルドリッチもない時代の罠モンスターデッキの威力はお察し。
また原作再現で当然のことながら当時猛威を振るっていたサイコ・ショッカーに弱い。

デュエルリンクスには初期から登場。
早い時期から使えるスキル『連動トラップ』が優秀で、罠カードを発動するたびに200バーンすることができる。
ライフ4000制では無視できる数値ではなく、スキルなので罠をカウンターされてもダメージは通る。
そのため一時はリシド使いがかなり増えた。優秀な他キャラのスキルが増えた今でもデッキ構築によっては一線でいける地雷的な存在として残っている。

【余談】

原作では城之内とデュエルを行いゲームの流れ的には実質勝利していたはずだった。
その城之内は闇マリクに実質勝利していたために「リシドはマリクより強いのでは?」などと囁かれることもある。

実際、リシドの実力は非常に高く、バクラのようにトリッキーなデュエルスタイルも相まって、
海馬と当たっていた場合でも一行をかなり苦戦させていた可能性が高い。

各々のデッキ構成やデュエルスタイルを見てもリシドとは相性は以下のようにやや悪いのが明白であり、

●三人とも城之内のように罠カードそのものを封殺できるようなカードが無い

●リシドがモンスターカードそのものをほとんど使わないので、対モンスター用のカードを腐らせやすい(海馬の死のデッキ破壊ウイルスなど)

●舞はハーピィの羽根帚で罠除去も可能だが、アヌビスの裁きで返り討ちにされる可能性大

原作では使用した罠自体は少なかったが、他にも数多くの罠カードが目白押しだったのは間違いないため、
遊戯王の世界では隠れた強豪と呼ぶに相応しいデュエリストである。

前述の通り「戦いの儀」でも登場しているが、アニメではKONTA氏の都合がつかなかったのか台詞無しであった。


冥殿よ…私はアニヲタと認めては下さらぬのか…私に追記・修正をする力はないというのか…

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最終更新:2024年02月15日 10:46

*1 彼の性格から相手を煽って罠を踏ませるといった事もしていない。

*2 元々実子であるはずのマリクやイシズにさえ冷酷すぎるけど。原作者いわく『槍を刺す』ロクデナシ親父らしい

*3 城之内の手札には鎖付きブーメランと人型モンスターである魔導騎士ギルティアが存在し、ベビードラゴンを生贄に召喚して牽制くらいはできたはずだった。前のターンでも伝説のフィッシャーマンがいたので、鎖付きブーメランは使用できたはずである。スタッフもそれに気付いたのかアニメDMでは別のカードに変更され、どう足掻いても敗北確定になっている。