ドンムラサメ

登録日:2022/07/10 Sun 03:17:58
更新日:2024/12/12 Thu 12:26:14
所要時間:約 5 分で読めるというお話




※推奨BGM:「Don't Boo!ドンブラザーズ」


じか~い、次回。

お前たち、俺から一本取ってみろ!


桃井(ももい)タロウVS(とも)VSソノイ


ソノイ、アンタもだ!!


ドンムラサメ、ミッション開始(かいし)


アレは、ギイちゃん…?いや、貴様何者だ!?


ドン18 ジョーズないっぽん


…という、お話。





さあ、戦いなさい……ムラサメ。

はい、マザー……。


画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン18話『ジョーズないっぽん』より、(2022年7月3日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG



ドンムラサメとは、スーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵キャラクターである。

CV村瀬歩
スーツアクター:米岡孝弘

キャラクターソング:「Dark・Shark・Rock」


概要

ドン17話「ひかりとつばさ」ラストにて登場し、ドン18話「ジョーズないっぽん」から本格的に物語に参戦する。
脳人の元老院が、かつて実在したドン王家の技術力を盛り込み、対獣人用に生み出した生物兵器であり、彼らが潜む世界・脳人レイヤーの片隅にあるカプセルの中に培養されていたが、「マザー」(CV:能登麻美子)なる存在の呼びかけに応じて突如覚醒。
以後、人間界に降り立ち、ドンブラザーズの新たな敵として立ちはだかる。

その存在はソノイも認知していたが、人間界に来るのは想定外だったらしく、それを見た際には大いに動揺していた。


容姿・人物像

脳人側の人物だが、その姿はむしろドンブラザーズの戦士達と同じ系統をしている。
全体的にはドンモモタロウに酷似しているが、体は紫をベースにしている他、本来桃が描かれている場所には鮫の頭が描かれており、サングラス部分も開けた鮫の口の中の歯茎を思わせるピンク色になっている。
また、ドンブラザーズには無い胸当てのような形の装甲がある。

このような厳つい見た目と成人男性並みの体格に反し、幼い少年のような高い声色で話し、一人称も『僕』。
また、自我は非常に薄く、基本的にはマザーの呼びかけに応えることしかせず、初登場時はそれ以外の者とは一切対話をしなかった。
その為、キャラクターと言うよりは、「マザーの操り人形」といった印象が強い。
その一方、疲労を覚える等、必要最低限の感性はある模様。
尚、元々は意思がなく、自立稼働などあり得ない筈であり、上記のソノイの驚きはこれによるものである。

造られた生命体ゆえか、自分の存在意義について悩んでおり、戦いを通じてその悩みを相手にぶつける事も多かった。

ドン29話ではニンジャークソード状態で鬼頭はるかが描いた漫画『初恋ヒーロー』のページによる封印*1をソノザから施されていたが、ドン40話にて封印を破り、出奔*2
途中轢き逃げアタックに遭ったりしながらも偶然自分を助けてくれた犬塚翼を主と認め、行動を共にするようになる。


戦闘能力

無駄のない素早い動きや、ニンジャークソードから放つ特殊攻撃を駆使するトリッキーなバトルスタイルを持ち、その様はまるで忍者
逆手に構えたニンジャークソードで敵を斬り捨て、忍者の“水遁の術”のごとくフィールド内部に潜り込み奇襲をかける裏ワザを得意とする。

登場した時点で作中最強クラスであり、6人揃ったドンブラザーズを一人で圧倒し、アルターモードでの戦いでも、ドンモモタロウアルターとドンドラゴクウアルターの2人がかりでやっと互角というレベルである。
ただし路上教習中のはるかことオニシスターに鉢合わせしたときは車を凶器に何度も轢き逃げアタックを喰らわされるという立ち回りの前にほぼ完封負けを喫している。いや、テンション上がってデタラメなことしてくる相手の動きに対応しろっていうほうが無理だって!

さらに、アバタロウギアを使わずに歴代戦士のアバターチェンジも可能。
ドン21話では、アバレキラーにチェンジ。ウイングペンタクトでミサイルを描き、キバレンジャーにチェンジしたドントラボルトの吼新星・乱れやまびこと撃ち合った。


武器

  • ニンジャークソード

What’s Up?!

DON-MURASAME!

切り捨てSORRYYY!


システム音声:濱野大輝

ドンムラサメのメインウェポンにしてその本体
鮫モデルの忍者刀で造形はザングラソードとほぼ同じ形だが、カラーリングはピンクと青で彩られたどぎつい物であり、やはりダイヤルの桃のマークは鮫のマークに変わっている。
また、刃の部分には鮫の牙を思わせる細かな刃がついており、まるでノコギリのような印象を与える。
システム音声は狂気を感じさせるハイテンションなものであり、さながらパンクロッカーの雄叫びを彷彿とさせる。
普段はこの刀のみの姿で空中を浮遊して移動しているが、ダイヤルを自動で4度回して剣から人型のドンムラサメにアバターチェンジ。
海をかける怒涛のシャーク技を発現させて戦うだけでなく、スーパー戦隊へのアバターチェンジや、ドンムラサメアルターへのアルターチェンジを行うことができる。
最初は電気エネルギーを街の区画1つを丸ごと停電に追い込むレベルまで吸収して変身していたが、流石にこのようなことをしたのは最初だけで、後はエネルギー効率を学んだのか大規模なエネルギー吸収を行わずとも変身できるようになった。
ニンジャークソードへ戻る場合は特に何もせず、本人の意思で自由にチェンジオフする。

アバターチェンジせずとも空中を高速で縦横無尽に飛び回り、ドンモモタロウに拮抗できるだけのパワーを誇る。
そして本来不可殺の存在である獣人を殺すことができるという凄まじい特性を持つ一方で、手に持った者を人間・脳人問わず操って凶暴化させてしまうという厄介な性質も持つ。
しかしタロウは凶暴化させることは叶わず、逆に力を与えてしまう結果となり、普通の剣のように振るわれていた。
また、ドン最終話では処刑人のソノヤも精神汚染を受けることなく自由に使いこなせている。

  • 潜行能力(正式名称不明)
一鮫(いちシャーク)
斬鮫(きりさめ)ェ!

ニンジャークソードのダイヤルを1度回して発動。
まるで潜水するかのように地中に潜り、相手の足元から飛び出して斬撃を見舞う。
移動速度も非常に早く、刃だけを地中から見せて泳ぐように進む姿は、まさに「人食い鮫」そのもの。


  • 弾丸発射(正式名称不明)
二鮫(にシャーク)
暴鮫(はやさめ)ェ!

ニンジャークソードのダイヤルを2度回して発動。
苦無や鏃に似た弾丸を4発発射。弾丸と繋がった光のワイヤーを利用して相手を投げ飛ばすように引き寄せ、その勢いを利用して斬り捨てる。


ドンムラサメアルター



ムラサメ、アルターモードに……。

はい、マザー……。


Mash Up!

アルター、チェンジ……!

ARK(アーク)DARK(ダーク)JERK(ジャーク)SHARK(シャーク)

DON-MURASAME ALTER!

Wow!鮫NINJA!

画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン18話『ジョーズないっぽん』より、(2022年7月3日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG
アルター形態
【全高】15.0cm
【全幅】10.0cm
【胸厚】2.8cm
【重量】2.8kg
【スピード】150km/h
【出力】750万馬力

サメモード
【全高】10.0cm
【全幅】3.2cm
【全長】19.6cm

ニンジャークソードのトリガーを長押ししたまま、まるでエレキギターを弾くかのようにダイヤルを何度も回転させることで変身するロボタロウアルター形態。
やはりドンモモタロウアルターをベースにしているが、右腕には鮫の上顎、左腕には鮫の下顎を模したガントレットを装着しており、両肩には鮫のひれやプロペラのようなパーツがある。
尚、右腕からはノコギリ状の短剣「ビッグソー」が生えている。
ドンモモタロウアルターやドンドラゴクウアルターと異なり、本体そのものが変形している為、無防備となった肉体が放置されることはない。

ビッグソーを振り回し、ターゲットをドンドン追い詰め戦闘。サメモードに変形し、大きな口で噛みついて水中に引きずり込む裏ワザが得意。
更に鮫のような姿のサメモードとなることで水中を素早く潜航できる他、口から魚雷を発射して攻撃する。


ブラックオニタイジンムラサメ



ブラックオニタイジンです。ムラサメ!

はい、マザー……!

画像出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン32話『けっとうその2』より、(2022年10月9日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG

身長:55.0m
全幅:38.0m
胸厚:21.5m
体重:3000t
スピード:300km/h
出力:1700万馬力

ドン32話「けっとうソノ2」で初登場。
漆黒の姿「ブラックロボタロウ」に変身したムラサメが、どこからか現れた四体の黒いロボタロウと合体し、巨大化して誕生する鮫モデルの巨大暗黒ロボ。
見た目は殆ど黒と金色のドンオニタイジンと言った物だが、頭部と胸部には、ドンムラサメのバイザーを思わせるパーツが付いている。
武器は、オリジナルの目力ビームに当たる各部の顔から放つ光弾と、キジンソードにあたる二本の長刀「ソーシャークソード」
但し、ソーシャークソードは本体にはマウントされておらず、虚空から召喚されることで現れ、念動力のような物で、手に持たずに操られる。
初戦ではトラドラオニタイジンをそこそこ苦戦させたが、「精神一桃・ドンブラシャングリラ」であっさり倒されてしまった。

ドン38話ではムラサメの力が暴走する形で再登場。以前よりも威力がパワーアップしていたが、同じくパワーアップを果たしたトラドラオニタイジン極の「銀河桃一・ドンブラファンタジア極」でまたしてもあっさり倒された。
ドン41話でも再び暴走し、「ニンジャーク秘技・鮫時雨」で一度はトラドラオニタイジンを追い詰めるが、機転を利かせて分離したロボタロウ7体にフルボッコされ、再合体したトラドラオニタイジン極の「銀河桃一・ドンブラファンタジア極」で三度あっさり倒された。

ドン43話では別時空の未来から来たムラサメとの戦いで登場。まさかのブラックオニタイジンムラサメ同士の対決が描かれた。
当初はムラサメ(未来)に押されていたが、マザーの「あなたにはマザーはいないのですか?」の言葉にムラサメ(未来)が動揺した隙を突き、「ニンジャーク秘技・鮫時雨」で撃破。
初登場してから長らく負けが続いていたが、この戦闘で漸く初白星を飾ったのだった。

なお、着ぐるみは無く、フルCGで描かれている。


造られし紫苑の鮫、心に目覚め、想い輝かせる時

獣人問題が解決したドン46話以降は出番がなかったが*3、ドン最終話でニンジャークソード状態でソノヤに使われてしまう。
ソノシを瞬殺し、タロウ不在の新生ドンブラザーズを圧倒する中、突如ムラサメの意識が覚醒。
ソノヤの支配から抗うようにアバターチェンジし、新生ドンブラザーズに加勢する。


僕はあなたが気に入らない……だから反抗します!
いいですよね?マザー。

思う通りにしなさい。ムラサメ……。

ふたりのジロウとの交流、別時空の未来の自分との交戦…様々な経験を経て、己の存在意義を見出したムラサメ。
彼はもう、元老院に造られた傀儡ではない。心を持った、生命ある一人の戦士だった。

そしてドンモモタロウの参戦により、脅威の10人名乗りが実現。

ジョーズに目覚めた……ドンムラサメ!

それは、ムラサメが10人目のドンブラザーズの仲間になった瞬間でもあった…。

その後、Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』では、エプロン姿で喫茶どんぶらの従業員になっていた。
同作では戦闘シーンは無く、同じ紫の戦士であるステイシーザーとの競演を望んでいた人も少なからずいたであろうだけに残念である。

余談

◆鮫モチーフやその名前から、ベースとなった昔話として『因幡の白兎』や、妖刀村雨(ムラサメ)が登場する『南総里見八犬伝』が挙げられていたが、実際のところは商品展開の都合急遽生まれたキャラであり、昔話モチーフは存在しないことが東映公式サイトで明かされている。
これは、前作『機界戦隊ゼンカイジャー』のステイシーザー/ステイシーが好評であったにもかかわらず、元々登場を予定してなかったせいで商品展開の旬を逃してしまったことからの反省であるとのこと。

◆声優の村瀬氏は、本作が特撮作品初出演。
2010年代以降は彼をはじめとした中性的なハイトーンボイスを持ち、それを活かして小学生や女性に近いキャラまで演じられる男性声優の活躍が多くなっているのだが、
ドンムラサメのボイスは本格登場に先駆けてドン18話の予告で解禁されていたため、クレジットを見るまで女性が担当したと勘違いした視聴者も多く見受けられた。
また、その声からドンムラサメも「ショタザメ」と呼ばれているのだとか。

◆登場当初は、ジロウと激突することが多かった為、一部では「ジロウ係」とも呼ばれていた。

◆フィギュアは現在、ドンムラサメが勇動、ドンムラサメアルターがチェンジヒーローズでそれぞれ発売されているのみ。
「TAMASHII NATION 2022」にてS.H.Figuarts版が参考出品されたが、商品化には至っていない。



さあ、追記・修正しなさい……ムラサメ。

はい、マザー……。

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最終更新:2024年12月12日 12:26

*1 後のドン48話にて「ムラサメの荒ぶる魂を少しでも鎮めるよう、はるかの漫画を読ませたかったから」とソノザの口から語られている。

*2 それ以前にも自分から封印を破る場面は所々あったが。

*3 ちょうど村瀬氏がレギュラーの『ひろがるスカイ!プリキュア』が始まった頃だったので『プリキュアに出てて忙しかった』などと言われていた。