太陽王ソウル・フェニックス

登録日:2022/12/28 Wed 18:05:41
更新日:2024/09/01 Sun 09:36:23
所要時間:約 12 分で読めます






燦然と輝く太陽から一体の王が世界に舞い降りた。
*1


《太陽王ソウル・フェニックス》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-12「聖拳編 第3弾 魔封魂の融合(エターナル・ボルテックス)」に収録された一枚であり、五体の王の一角として登場した。


【概要】

大きく広げた赤き翼と足で掴んでいる2本の大剣が印象的な自然
二体のクリーチャーを進化元として召喚する新たな進化進化V(ボルテックス)を携えて登場したクリーチャーであり、同時に《暗黒王デス・フェニックス》と並んで初の種族フェニックスが実装されたカードでもある。
聖拳編の背景ストーリーでは、デス・フェニックスと共に物語のラスボスを一応担当した。

略称兼愛称はソルフェニ
「ソウフェニ」と呼ぶ人もいるが、派生カードの名称から公式的にもソルフェニの略称が正解らしい。

【解説】

太陽王ソウル・フェニックス VR 火/自然文明 (4)
進化クリーチャー:フェニックス 13000
進化V−自分のファイアー・バード1体とアース・ドラゴン1体を重ねた上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、一番上のカードだけがバトルゾーンから離れる。(下の2枚は別々のクリーチャーとなる)

上述の通り進化Vで召喚され、場を離れる際に種となった進化元のカードは分離の上でクリーチャーとして残るという当時としては異様な効果を持つ。

コスト設定に関してパワーが極めて高いのも特徴的で、4コストでありながらもパワーは13000でT・ブレイカーを所持している。
進化クリーチャーではあるが、当時のこの手のクリーチャーとしては何かしらのデメリットもないという点も特徴。
進化元に重量級とされるドラゴンがいる点を考慮した設定だと思われるが、アース・ドラゴンはドラゴン種族の中では中型も多くマナブーストが得意な自然の種族という点では大きな障害にはならない。
もう一つの指定種族がファイアー・バードという点も大きく、そもそも種族全体が極めて軽量でドラゴンのコスト軽減などのサポートに優れているため、進化に繋げやすい。

最大の特徴である進化元を残す能力によって「フェニックス」の種族設定が示すような不死的能力を持ち、除去にもある程度強い。
特に敵対色でもある水の得意とするバウンス除去に対してはかなり強く、手札に戻されても進化元が場に残るので再召喚がかなり楽になる。
単純に場にクリーチャーを残せることで進化元で攻撃することも出来るので、場のアドバンテージを失いにくいという点では進化及び進化Vの弱点である場のアドバンテージという弱点を持っていない。

しかし、一見すると完全に強そうに見えるスペックは実は五大の王の中では一番使い方に困る性能だったりもする。

除去時に進化元を残すという能力以外には、相手の妨害や自軍のカードへのアドバンテージを稼げる分かりやすい特殊能力は何も所持していない。
要はソウル・フェニックスは、場に出た後はかなり高いパワーを活かしてビートダウンしていく以外の戦法が無い。
DM-12時点のパワー設定の基準で見ればそれだけでも相手への強烈なプレッシャーとしては期待できたが、カードパワーのインフレが進んだ現在ではパワーによるごり押しも強みにはならない。

進化元を場に残す能力も、除去時にソウル・フェニックスがタップ状態だと進化元も引き継いでタップ状態になるという弱点を抱えている。
ソウル・フェニックスはビートダウンしていく以外の戦法が薄い故に除去時は攻撃によってタップされている状況が多く、そこを攻め込まれて進化元も場から排除される光景も少なくない。
ある意味殴る事しか使い道がない単純な攻撃性能に特化したスペックと進化元を残す効果が噛み合っていないとも考えられる。

更に王来篇での再構築のルール改訂で再構築の際には進化元を1体しか残せなくなり、進化元2体を場に残すソウル・フェニックスの裁定に関しては未だ暫定回答も出ていないのも向かい風。

上述のように難点も少なからずあるカードだが、それでも初期のフェニックスと五大王のインパクトの強さ故に人気は未だに高い。

プレイス

太陽王ソウル・フェニックス SR 火/自然文明 (4)
進化クリーチャー:フェニックス 13000
進化V−ドラゴン1体とファイアー・バード1体
T・ブレイカー
バトルゾーンを離れる時、かわりに進化元の進化でないクリーチャーをそれぞれ別のクリーチャーとしてバトルゾーンに出す。その後、このクリーチャーはバトルゾーンを離れる。(バトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する)
太陽王ソウル・フェニックス SR 火/自然文明 (4)
進化クリーチャー:フェニックス 13000
進化V−ドラゴン1体とファイアー・バード1体
T・ブレイカー
自分の他のクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。
バトルゾーンを離れる時、かわりに進化元の進化でないクリーチャーをそれぞれ別のクリーチャーとしてバトルゾーンに出す。その後、このクリーチャーはバトルゾーンを離れる。(バトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する)

DMPP-05「永遠の戦渦 -VORTEX OVERLOAD-」にて収録。レアリティがスーパーレアに昇格し、デス・フェニックスと同格感が増した。

TCG版からの変更点としては、進化元がアース・ドラゴンからドラゴンカテゴリの指定になったことで選択肢が広がった。
アース・ドラゴン以外のドラゴン種族も増えていくことを考えると、将来性的な意味でも非常に大きい措置と言える。

進化元を残す効果は場に残るという扱いからcipが封じられたリアニメイト方式に変更。
場に出すという形式故にTCG版とは異なってアンタップ状態で進化元を出せるようになり、殴り返しの危険性が減っている。
また、「2枚」という指定が無いのでルール上は何かしらの形で進化元が3枚以上仕込まれた場合は場に出せるという上方修正もされた。
その一方で純粋に強化された訳ではなく、進化クリーチャーが進化元の場合はTCG版では可能だった進化クリーチャーを場に残すことが不可能という弱体化された部分もある。

総合的にはTCG版よりも使いやすくはなっているが、上述したTCG版からの戦略の狭さや運用方法の単調さと言った弱点はあまり解決していない。
結局、TCG版同様に環境方面で使われる機会は少なく、スーパーレアにもかかわらず運営の想定していた使用率を下回ったことから、2020年9月17日に上方修正のアップデートが行われた。

上方修正では能力が追加され、味方のクリーチャー全てにスピードアタッカーを追加する能力が搭載された。
ソウル・フェニックスは能力の対象にはならないが、そもそも召喚酔いしない進化クリーチャーなので対象になる必要はない。

純粋に後続のクリーチャーを召喚酔いさせずに出せるようになっている点は強力。
スピードアタッカーを与えるソウル・フェニックスは相手からすれば放置する訳にはいかないが、除去しても進化元が残るというシステムクリーチャーとしては非常に厄介な性能を得ている。
後に登場したフェニックスに反応するG・ゼロ所持の《戦攻闘竜アルドロン》とも相性が良い。

しかし、スピードアタッカー付与を与えたところで強化としては焼け石に水であり、運営の思惑に反して使用率が上がることはなかった。
ドラゴンを進化元にするほかのフェニックスがどいつもこいつも強力な性能を持ち、単純にソウル・フェニックスを優先する理由が低かったことも大きいだろう。
と言っても上方修正後の性能は別に完全に弱い訳ではないので、専用デッキを組んでいるユーザーも一応いた。

ちなみに、にじさんじコラボのレジェンドバトルでは上方修正されたソウル・フェニックスは本間ひまわりの切り札カードと設定されて使われている。
ひまわりの名前を持つキャラに太陽王を使わせるのはイメージに適していると言えるか。

【派生カード】

センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼> VR 火文明 (4)
スター進化クリーチャー:フェニックス/鬼レクスターズ 6000
スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、タマシードから進化していれば、相手は自身のコストが一番小さい、クリーチャーとタマシードをすべて破壊する。
このクリーチャーが攻撃する時またはこのカードが離れた時、自分の手札を1枚捨て、カードを2枚引く。

初登場から17年以上の月日が経過してようやく出たソウル・フェニックスの派生カード。
鬼レクスターズへと変貌させられており、タマシードからの進化限定のcipによる低コストのクリーチャーとタマシードに対する全体除去とアタックトリガーでの手札交換を行える。
パワー設定も中型寄りで単色カードとレアリティとコストの数値の設定以外はソウル・フェニックスの面影がないが、スター進化のシステム自体がソウル・フェニックスを元ネタにしたような能力なのでその辺で原典の再現は済んでいるということだろうか…。

コスト除去かつ選ばない全体除去なので序盤から終盤まで腐る場面が少ない除去手段が非常に優秀。
アタックトリガーで手札の整理も出来るため、侵略へ繋げられる《キャンベロ <レッゾ.Star>》ともかなり相性が良い。

真槍電融 ソウル・ヴァイラックス SR 水/火/自然文明 (7)
クリーチャー:ディスペクター/リキッド・ピープル/フェニックス 13000
このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを1体手札に戻してもよい。そうしたら、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。
EXライフ
スピードアタッカー
マッハファイター
T・ブレイカー
このクリーチャーは、出たターンの間、ブロックされない。

五大王としては初めてディスペクターに落ちぶれたソウル・フェニックスの姿。《クリスタル・ツヴァイランサー》と融合した。
召喚コストの軽減やターン限定時のアンブロッカブルなど攻撃性が強い能力を所持している。
特にササゲールを用いて召喚する際にササゲールを発動したディスタスを回収すればササゲールと自身の効果を同時に適用して更に軽いコストで召喚しつつ、ディスタスを破壊させずに手札に回収できると言う裁定が下されているため想像以上に早く召喚できる。
ソウル・フェニックス要素としてはパワー設定やT・ブレイカーだろうか。コスト軽減効果も、コストの軽さが特徴だった点を反映していると解釈できるかもしれない。

【関連カード】

翔天妖精レチア UC 火/自然文明 (2)
クリーチャー:ファイアー・バード/スノーフェアリー 1000+
パワーアタッカー+2000
破壊される時、かわりにマナゾーンに置く。

デュエプレにおけるゲームオリジナルカード。DMPP-05「永遠の戦渦 -VORTEX OVERLOAD-」にて収録された。
DMPP-05における多色進化Vクリーチャーに対応する文明と種族を持つサイクルの1枚で、文明構成や種族設定などからソウル・フェニックスの進化元候補と設定されているようだ。
イラストもソウル・フェニックスを連想させる容姿そして滅茶苦茶かわいいのスノーフェアリーとなっており、背景ストーリー上での関連性が示唆されている。ただでは逝かない能力の性質も類似していると言えるか。
性能的にもpigによるマナブースト持ちでパワーが低いスノーフェアリーにおいてパワーアタッカーを持つクリーチャーということもあり、ソウル・フェニックスよりも《ダイヤモンド・ブリザード》と組み合わせて使われることが多かった。

【背景ストーリーでの活躍】

上述の通り、聖拳編背景ストーリーにおけるラスボス枠を担当した。

聖拳編

反多色軍として立ち上がった無限軍団がデュアル進化獣を相手に敗れ去り、今度は非進化のレインボー獣に向かってデュアル進化軍が牙を向けた恐怖政治が開始されて情勢が不安定になっていた超獣世界。
弱者の無意識の祈りに応じて、自然文明の秘境である仙界から五大王の一体としてソウル・フェニックスが復活。
目覚めた王は自分たちが不在の間に支配階級となっていたクリーチャーを処罰し、五大王への対抗策として各文明が対立の枠を乗り越えて作り上げた敵対色レインボー獣も撃破し、恐怖政治を敷く。

五大王の恐怖政治の体制が整う中、その時に存在し得ないはずの第六の王《龍炎鳳エターナル・フェニックス》が仙界より降臨。
その存在の誕生を察知したソウル・フェニックスと他の王は仙界へと舞い戻るが、龍炎鳳の放つの一撃によって《英霊王スターマン》《蛇魂王ナーガ》《聖獣王ペガサス》が焼殺。
しかし、ソウル・フェニックスはデス・フェニックスと共に龍炎鳳の一撃を耐え、何とか生存に成功するという瞬殺された他の王との格の違いを見せる。

生き延びた2体の不死鳥を葬ろうとするエターナル・フェニックスに対し、生き延びたソウル・フェニックスはデス・フェニックスと共闘する形で戦闘を開始。
世界各地に大ダメージと多くの生命の犠牲が生じる激戦を1週間にも渡って繰り広げるが、最終的にはデス・フェニックスと共に敗れ去って姿を消したのだった。

デュエル・マスターズ プレイス

出現時の様子について「燦然と輝く太陽から舞い降りた」と表現されている。
そして突如として超獣世界に出現した際、無限軍団の撃破に貢献してその勢いで自身に臆せずに戦いを挑んできた《悪魔聖霊バルホルス》を焼殺した。
バルホルスがフェニックスに敵わないと悟ったのは、自身が完全に焼き尽くされた後だったという。
また、上述したようにゲームオリジナルカードの《翔天妖精レチア》との何かしらの関連性が疑われる。

王来篇

王来大戦では他の五大王がレクスターズに加勢する中、唯一姿を見せなかった。
その裏で鬼の王の歴史でも五大王は存在していたらしく、こちらの世界においてディスペクターとして利用されていたようだ。

王来MAX

鬼の王の歴史ではディスペクター化から解放された後にセンメツ邪鬼というデモニオ鬼レクスターズとして取り込まれていたようで、《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》としてジャオウガの十王世界への侵略に加担する。
このことはフレーバーテキストにおいて「不死の炎までもが、邪なる鬼にとらわれてしまった」と評されている。

【不遇説】

背景ストーリー上はラスボス、人気種族フェニックスの初登場時の1枚、設定上はあの人気カード《暗黒王デス・フェニックス》や《龍炎鳳エターナル・フェニックス》と同格…のはずなのだが、どうも扱いが良くないと専らの評判。

  • 五大王で唯一のベリーレア
  • デス・フェニックスやエターナル・フェニックスと違って現時点まで再録もされていなければ転生版も出ておらず、派生カードが少ない
  • 五大王の中でもデス・フェニックスと同格の頭一つ抜けた戦闘力を持ちながら、背景ストーリーでは聖拳編以降の世界への影響力が語られていない*2王来MAXでは五大王の中で唯一敵側勢力の傘下に堕ちる*3
  • デュエプレ版では五大王の活動目的や出現時の超獣世界への影響力が詳細に語られる中、ソウル・フェニックスはバルホルスを焼殺した以外の影響力や活動目的が謎のまま
  • TCG版から能力を調整したデュエプレ輸入後も使われないので更なる能力の上方修正が行われる(デス・フェニックスやエターナル・フェニックスは輸入後のアップデート措置はされていない)

こう見ると確かに扱いは劣っているのだが、レアリティ設定やメディア展開的にそもそもデス・フェニックスやエターナル・フェニックスと同格の存在として扱う気はないと思われる。
むしろ五大王の中でレアリティで格下と扱われながら、デス・フェニックスと同格の存在として設定された背景ストーリーでの扱いはむしろ恵まれていたのかもしれない…。

【余談】

  • pixivにてイラストを担当したDaisuke Izuka(井塚大介)がソウル・フェニックスの公式イラストを投稿しているが、その題名は「ふくろう」。
    また、デュエルのイベントでフロリダへ行っていた際に描かれたイラストとも語られている。

  • 不死鳥編ではソウル・フェニックスと同様に「太陽」を司る《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》が登場している。
    両者に繋がりはないと思われるが、背景ストーリーの設定ではアポロヌス・ドラゲリオンも超獣世界の住民と対立関係にあったことを考えると、「太陽の不死鳥」の存在は超獣世界にとっては厄災ということなのだろうか?

  • 漫画では切札勝舞やバケツマンが使用している。デッキに色があっているとはいえ、背景ストーリーで悪役であるクリーチャーにもかかわらず主人公側が使っている珍しいカード。




突如現れた良項目に、臆する事なく闘いを挑む誤字・脱字。
しかし、アニヲタWiki(仮)の存在である良項目に敵わないと悟ったのは、Wiki篭りの編集がすべて追記・修正した後だった。

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最終更新:2024年09月01日 09:36

*1 画像出典:pixiv イラストレーターDaisuke Izuka氏 『ふくろう』 2009年9月15日掲載 https://www.pixiv.net/artworks/6159733

*2 デス・フェニックスはラスボスとして再登板を果たし、背景ストーリー上の全ての元凶と言わんばかりの影響力を持っている。エターナル・フェニックスは王来篇において《爆龍皇 ダイナボルト》との交流が描かれ、《フライパン・マウンテン》との関連性も示唆されている

*3 「暗黒王」という概念で見ればデス・フェニックスも自身を源流とするクリーチャーが敵側勢力に堕ちているが