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黄猿(ONE PIECE)

登録日:2012/02/06 Mon 17:13:37
更新日:2026/08/08 Sat 01:00:55
所要時間約 55 分で読めるんだねェ


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11月23日生まれ 11月生まれ 58歳 ONE PIECE ONE PIECE登場人物項目 いて座 おっかしいねェ~ だねぇ どっちつかずの正義 どっちつかずの正義←1番苦しい生き方 やる時はやる アーロンのトラウマ オジキ カナヅチ サターン聖被害者の会 サングラス チート バナナ ピカピカ ピカピカの実 ボルサリーノ ポーカーフェイス ヤクザ レーザー ワンピース 三種の神器 世界政府 事務所クレーム説はガセ 人間臭い 任務に忠実 光人間 光属性 光速 全世界人気投票59位 冷徹 初登場がシャボンディ諸島編 勤労感謝の日生まれ 北の海 味噌ラーメン 大将 将校 巨漢 強敵 心が折れた人 悪魔の実 悲劇のヒーロー 意外と厚い部下の信頼 意外と面倒見がいい人 懸賞金30億越え 所要時間30分以上の項目 日本神話 有能な働き者 本名だと誰かわからない人 武装色の覇気 海兵 海軍 海軍本部 海軍本部大将 海軍本部最高戦力 生姜 田中邦衛 石塚運昇 社畜 組長 組長先生 結構辛辣 置鮎龍太郎 能力者 自然系 苦労人 葛藤 褐色 見聞色の覇気 赤犬と同期 軍人 黄猿




せいぜいお気をつけなすって………

ヒヨッ子の諸君… 今はわっしもいるのでねェ…!!!



黄猿(きザル)とは、漫画ONE PIECE』の登場人物。



【プロフィール】

本名:ボルサリーノ
異名:黄猿
所属:海軍
役職:海軍本部中将(15年前~12年前)→海軍本部大将(超新星編~現在)
CROSSGUILD懸賞金:3冠(30億ベリー相当)
年齢:56歳→58歳(新世界編)
身長:302cm
血液型:XF型(現実だとAB型)
誕生日:11月23日
星座:射手座
悪魔の実:ピカピカの実(自然系(ロギア)
覇気武装色見聞色
掲げている正義:どっちつかずの正義(64巻SBS
出身地:北の海(ノースブルー)
主な上司:センゴクサカズキ
主な部下:戦桃丸・ストロベリー
初登場:単行本52巻・第504話・『海賊前線移動中!!』
好きな食べ物:みそラーメン、しょうが、バナナ
嫌いな食べ物:レモン
趣味:燻製作り
イメージ動物:チンパンジー
イメージ職業:ラジオパーソナリティ
声優石塚運昇置鮎龍太郎カクと同じ人)


【概要】

世界政府最高戦力と称される海軍の三人の大将の一人。
本名ボルサリーノ

掲げる正義は『どっちつかずの正義』。

モデルは『トラック野郎』のボルサリーノ2役*1の田中邦衛で、誕生日も彼と同じく11月23日。

外見は、濃い黄色と薄い黄色のストライプ模様のヤクザが着るような派手なスーツに、上から海軍コートを羽織っている。更にレンズが黄色いサングラスをかけており、スーツの下は濃い緑色のワイシャツにピンク色のネクタイを付けている。
2年後の新世界編では、当初は旧三大将組の中で唯一上記した2年前と同じ服装だったのだが、エッグヘッド編では黄色と黒のストライプ模様のスーツに変わっており、インナーもオレンジのワイシャツと濃い茶色のネクタイになっている。
一方で、映画のZでは2年前と同じスーツの下に深緑色のタートルネックを着ていた。

黄猿を知らない人は、派手な黄色の縞模様のスーツを着た田中邦衛、もしくは『クレヨンしんちゃん』の組長先生を想像すれば分かりやすいだろう。
部下の戦桃丸からは『オジキ』と呼ばれている。

その立ち位置の便利さもあってか、映画版での登場も多い。


【人物】

一人称「わっし」
間延びした言動が特徴で、掴み所のない底知れなさを秘めた男。
テキトーそうな言動に反して任務には非常に忠実で、海賊に対しては情け容赦は一切かけない。
まあ犯罪者相手なのでむしろそれが普通だが。

反面、間延びした口調同様どこか抜けている一面があり、盗聴用の黒電伝虫に向かって話しかけたり、実は使い方が良く分かっていなかったりと戦桃丸を呆れさせている。
そんなコミカルな顔も逆に底の見えなさに拍車をかけている。

「あ~れ~おっかしいねェ~」

掲げる正義は『どっちつかずの正義』。
一見意味不明な標語だが、彼独自の確固たる考えに基づくもの。
  • かつて『燃え上がる正義』を掲げ、世界政府と海軍を信じて情熱的に任務を遂行していたが、オハラ壊滅事件を経て『(政府の正義を絶対視せず、様々な立場の正義を許容する寛容性のある)だらけきった正義』を掲げるようになったクザン
  • 海賊を強く憎み、治安を脅かすものは可能性の段階から根絶する『徹底的な正義』を掲げ続けているサカズキ
この2人を俯瞰して見続けたボルサリーノは、『(寛容さゆえに情に流されることもある)だらけきった正義』でも、『(やりすぎることもある)徹底的な正義』でもない、『どっちつかず』を掲げることを選んだ。
普段の間伸びした話し方も、感情を極力抑えるためのものかもしれない。
ごくまれにだが間延びした話し方をしないときもある

そのため、やりすぎることも情に流されることもなく、淡々と忠実に任務を遂行する仕事人。
具体的には任務の障害或いは標的になってしまえば、嘗ての友だろうと愛弟子だろうと(彼なりの葛藤を抱えた上で)淡々と始末してくる。
その一方で任務の標的や邪魔者以外はあまり狙わない場面も多い。
とはいえマイペースすぎる性格のためかうっかり癖があり、シャボンディ諸島では力加減を間違えてヤルキマン・マングローブをへし折るほどの威力で攻撃してしまっている(本人も反省していた)。

なんの因果か、自分の師匠やかつての友などを手にかけねばならない場面も多く、飄々とした振る舞いの裏で色々と葛藤を抱えている模様。


【戦闘能力】


“光”の速度で蹴られた事はあるかい

自然系悪魔の実「ピカピカの実」の能力者である光人間

自らの身体をそのものに変化させ、光を使った攻撃と光速での移動が可能になる。
中でも、蹴り技とレーザーを多用。
「速度は重さ」と語るように、光速で放つ強烈な蹴りはシンプルながら痛烈極まりない破壊力を誇る。
レーザーの命中精度も凄腕で、軽く200mは離れた処刑台にいるルフィの持っていた鍵を正確に撃ち抜ける程の繊細な狙撃が可能。
おまけに火力も射程範囲も尋常ではない程に広く、シャボンディでは町の外れから中心地にあるヤルキマン・マングローブを一撃で倒したり、劇場版のZではレーザー一撃で軍艦を沈めたりと、本気を出した時の攻撃の規模は恐らく一人でバスターコール級のことができるレベルである。
光だけあって飛行も可能で、更には光による分身を生成して撹乱したり、光で目眩まししたり、と能力自体も非常に多種多彩な形に伸ばして使いこなしている。

しかし、劇場版で対峙した際にゼファーからは「能力に頼りすぎるなと忠告したはずだ」と注意されており、確かに「ピカピカの実」の能力に頼った戦闘法が多めではある。
実際彼の能力は、一応熟練の「見聞色の覇気」があれば光速の攻撃や移動を先読みして対処することも可能*2で、何より光であるが故に攻撃が直線的にならざるを得ないという欠点もある。

とは言っても、海軍最高戦力である大将だけあって能力を抜きにした基礎戦闘力もずば抜けており、彼自身も「武装色の覇気」の達人。
その技量は、あのシャーロット・カタクリを撃破した「ギア4(フォース)・スネイクマン」状態のルフィの猛攻を、能力に頼らず難なく捌いてみせた程であり、スネイクマンの変則的な拳の攻撃も当然の如く見切って蹴り一発で跳ね返していた。

しかも、武装色による防御を得意とする自称「世界一ガードの固い男」戦桃丸の覇気の師でもあり、今なお彼を上回る覇気の使い手なだけあって、武装色による防御力は恐らく大将の中でもトップクラス。
2年前で負った傷は、かのシルバーズ・レイリーによって負わされた掠り傷一つだけで、頂上戦争でも白ひげや不死鳥マルコといった強者と対峙しながらも、マルコの攻撃をまともに食らって吹き飛ばされてもノーダメージで、逆に彼等を悉く翻弄して深傷を負わせており、彼自身は三大将の中で唯一全くの無傷で戦争を終えている。
2年後のギア5(フィフス)・ルフィとの戦いでも、詳細は後述するが“肉体的には”最後まで特に致命的になるようなダメージを受けることはなかった。

そもそも光速での回避ができる上に、黄猿自身もかなりの「見聞色の覇気」の使い手である筈なので、いくら武装色があっても彼に攻撃を当てること自体が至難の技である。
上記したように熟練の見聞色使いならその移動を見切れるのだが、その熟練者というのはレイリーやゼファークラスのことなので、ワンピース世界には黄猿を捉えられるレベルの見聞色使いはほぼ存在しないと言っても過言ではない。

覇気以外の体術や基礎戦闘力も非常に高く、特に剣術はレイリーやゼファーと真正面から拮抗し、既に老齢の彼等を息切れにまで追い込む程に卓越した技量を持つ。
まさに海軍本部最高戦力の呼び声に恥じない実力の持ち主であり、まかり間違っても自分の能力に甘えた自然系能力者などではない。
前述したゼファーに指摘された場面も、彼はあくまでピカピカの能力が現在のゼファーと相性が良いことからあえて能力を前面に出した戦い方をしていただけで、ゼファーの指摘には「相変わらず手厳しいですね~」と返していた*3
逆にレイリーとの戦闘時は、能力を前面に出してもあまり意味がないと判断してすぐさま剣による白兵戦に切り替えており、相手や戦況によって的確に戦い方を取捨選択する判断力にも優れている。

ちなみにレーザーは、同型のものをペガパンクが海軍の人型兵器パシフィスタに実装、X・ドレークは黄猿の能力を解析したものと推測していた。
しかし実際は、ベガパンクの故郷での兵器研究を解析したフランキーや、ベガパンクの昔馴染みであるクイーンもレーザー兵器を内蔵している。
あの世界では光を研究すればレーザー型の光学兵器に行き着くのかもしれない。

技名の由来は三種の神器をはじめとした日本神話に関連するものから。

  • 蹴り
基本技。
多用するものの名称不明。
光の速さで蹴るだけの技で、恐らくルフィにとっての「ゴムゴムのピストル」に相当するような最も基本的な技だが、「速度は重さ」という台詞の通り、蹴り一発が建物を数軒貫通させる程の驚異的な破壊力を誇る。

  • レーザー
基本技。
多用するものの名称不明。
主に指や足の先から放ち、着弾すると大爆発を起こす。
こちらも黄猿にとっては最も基本的な技であり、他には目からも撃てるので、その気になれば口など全身の様々な部位から撃てると思われる。
威力も、前述通り軍艦を沈められる程の大火力から、ルフィが持つ鍵だけを撃ち抜くレベルまで調整可能。
ホーキンス戦で彼にトドメをさした時には先端が矢じり状になっており、どうやら形を多少変形させることもできる模様。

  • 八咫鏡(やたのかがみ)
円を作るように構えた手から光を照射し、形成した光のトンネルを通過して目標地点へ光速で移動する。
光のトンネルは障害物などで反射して曲げることができ、直線以外の軌道をとることが可能。
なお、光のトンネル自体に攻撃能力はなく、覇気を帯びた攻撃などで物理的に遮断されると移動が妨害されてしまう。

  • 天叢雲剣(あまのむらくも)
光を収束して大型のを形成する。
レイリーやゼファーとの戦いで使用しており、刀身を伸ばして攻撃することも可能。
とはいえあくまでただの光の剣なので、レイリーやゼファーと互角以上に渡り合えたのは純粋に黄猿自身の技量である。

  • 八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)
親指と一指し指での輪を両手に作り、そこから無数の光弾を機関銃の銃撃のように発射する連続攻撃。
一発一発の破壊力も高い上に、海中深くでも届く便利な飛び道具で、光弾は非常に広く拡散するので攻撃範囲も非常に広い。

更に、発射した光弾の一つ一つを「光の分身」として作り出す事もできる。
ルフィとの戦いで使用した分身は「天叢雲剣」を使うことができ、質量攻撃を仕掛けた上に、ルフィの攻撃で吹き飛ばされても互いに掴みあって戦線から即座に復帰した。
また、この分身達も光で出来ている為、武装色で攻撃しなければ倒せず、それぞれが光速で移動して攻撃も回避してくる。

  • 天照(あまてらす)
ブイサインの指先から強烈なフラッシュを放って目眩まし
攻撃力は皆無でダメージこそないが、まともに食らえば一定時間完全に行動不能になるので中々に凶悪。
ホーキンスとの戦いで使用して彼を行動不能に陥らせた。

  • 天岩戸(あまのいわと)
蹴りに乗せて極太のレーザーを放ち、着弾点に大爆発を起こす。
その威力はヤルキマン・マングローブの木をへし折る程で、鉄すら瞬時に焼き切る熱量がある。
ゲーム『ギガントバトル!』では、青キジの暴雉嘴や赤犬の犬噛紅蓮のように光のゴリラの頭を作り出す技となっている。


【来歴】

時系列は新世界篇基準。

◇過去

65巻のSBSには他三大将と一緒に幼少期の姿が描かれた。
他2名が貧困や殺伐の中で過酷な少年時代を送っていた事が想像できる一方で、ボルサリーノはランプの灯りの下で勉学に励む姿が描かれており、裕福な身なりこそしてないがそれなりに平穏な少年時代を送っていたと思われる。

32年前、26歳の時に海軍へ入隊。
後の大将"赤犬"ことサカズキとは同期入隊であり、共に怪物新兵として当時から名を馳せた。

以降は回想編などで明かされた本編開始以前の来歴になる。

◇ベガパンクとの出会い

26年前、非常に危険な研究に手を染めていた民間の研究機関「MADS」を政府からの命令で摘発。ちなみに当時の階級は不明*4
MADSの所長を務めていた世界一の天才科学者Dr.ベガパンクと対面する。

頭デカいね~~~!! 初めまして、おれは海兵ボルサリーノ

いくら出せる?

ベガパンクは今回の摘発が建前に過ぎず、本当は政府による自身の頭脳と技術の接収が目的である事をとうに見抜いており、開口一番「研究予算をどれだけ提供できるか」質問。
その明け透けとした豪胆っぷりにボルサリーノも「ぷぷ、面白い男だねえ~」と笑うのだった。
以降はボルサリーノがベガパンクの目付け役に任命されたようで、彼と行動を共にしているうちに個人的にも親睦を深める事となる。

◇戦桃丸との出会い

ある時、島民を襲う野生の熊退治を依頼されたボルサリーノとベガパンクは、熊退治用の発明品を携え共に山へ入る。
だがそこで目にしたのは、退治するハズだった狂暴な熊を3頭まとめて相撲で叩きのめしていた年端もいかぬ少年の姿。
それが戦桃丸であった。
生まれた時から異常な怪力を持つ暴れん坊故に生まれ故郷の村を追い出された戦桃丸は腹を空かせており、舌足らずな言葉でベガパンクに自分を雇ってほしいと要求。
それを聞いたベガパンクは彼を自分のボディーガードに雇うという名目で保護する。
だが、自分を引き取ってくれた恩人ベガパンクをきちんと護れる存在になりたいと考えた戦桃丸は、ボルサリーノに弟子入りを志願。

おじきー、どうやったらパンクのおっさん守れる? おしえてくれよ!!

オジキって…おれァまだ若ェよ

オッサン呼ばわりにボヤきつつも戦桃丸の気概を汲んだボルサリーノは彼の師となり、自らの戦闘技術を全力で教え、武装色の覇気の達人にまで鍛え上げるのだった。

◇タイヨウの海賊団追撃任務

16年前、魚人のフィッシャー・タイガーが世界政府の中枢「聖地マリージョア」を単身襲撃し、囚われていた大勢の奴隷を解放。
その翌年、タイガーは解放した魚人・人魚族の奴隷や彼を慕って集った魚人達を引き連れてタイヨウの海賊団を結成。
これを受けて、当時海軍本部中将だったボルサリーノ*5に政府から「タイヨウの海賊団討伐」及び「連れ出された奴隷の奪還」指令が下る。
ボルサリーノは海軍G2支部に対策本部を設け、タイヨウの海賊団への追撃を開始する。
だが相手は海中を自在に泳ぎ回る魚人・人魚族のみで構成された海賊団。
海戦において圧倒的なアドバンテージを誇る彼らに、海軍の偵察船はタイヨウの海賊船が視界に入った時点であっという間に海中から取り囲まれ叩かれてしまう始末。
これでは海賊団の正確な居所の把握すらままならず、ボルサリーノも手をこまねいたまま3年もの間取り逃がし続ける事となる。

状況が動いたのは今より12年前。
とある島より、タイヨウの海賊団が1人の人間の少女を故郷の島へ送り届けようとしていると通報があったのである。
少女の故郷の島にタイヨウの海賊団は確実に現れると踏んだボルサリーノは、その島で待ち伏せを仕掛け海賊団を一網打尽にする計画を立てる。
だが流石に海軍本部中将ともなると多忙な為か、いつ現れるとも知れない海賊団を現地で待ちぼうけするわけにもいかず、作戦の現地指揮は部下のストロベリー少将に任せる。
ついにタイヨウの海賊団が島へと現れ、タイガーが少女を生まれ故郷の村へと単身送り届けた帰路でストロベリー少将率いる待ち伏せ部隊が襲撃。
同時に海上を封鎖した軍艦からの砲撃で海賊船の破壊にも成功する。
だが、銃弾を体中に浴びても戦い続けるタイガーの規格外のタフネスさにストロベリー少将の部隊が手こずっている間に、海賊団No.2の魚人"海侠のジンベエ"率いる仲間達が駆け付けタイガーを救出。
さらに海賊団No.3の魚人"ノコギリのアーロン"率いる一味が海上封鎖した軍艦の一隻を海中から襲撃し強奪。
通報を受けてボルサリーノが島へと駆け付けた時には、タイヨウの海賊団は奪った軍艦に乗って海の彼方へと逃亡した後であった。

作戦は失敗したと思われた矢先、何故かタイヨウの海賊団のアーロンが単身で島へと戻り上陸。
凄まじい剣幕で島に居る人間を1人残らず皆殺しにすると宣うアーロンを、ボルサリーノは迎え撃つ。
結果、覇気を使えないアーロンは手も足も出ぬままボルサリーノに叩きのめされ完全敗北。
もはや立ち上がる事もできぬアーロンを踏みつけながら、ボルサリーノは何故のこのこと戻ったのか問うと、アーロンの口からタイガーが待ち伏せで負った重傷が元で死んだ事を知る。
その事を涙ながらに糾弾するアーロンの激情を無感情に流したボルサリーノは、さらなる事情聴取のためアーロンを逮捕し、海軍G2支部へと連行するのだった。

ともすればタイガーの善意に付け込んだ卑劣とも取れる非情なやり方で魚人族の英雄を謀殺したこの一件は、人間と魚人族間の軋轢を広げてしまうに止まらず、人間への憎悪を決定的に深めたアーロンが東の海で惨劇を起こす遠因にもなってしまう等、後の世界に大きな禍根を残す結果となった。
任務に対し一切の私情を挟まないボルサリーノらしい作戦ではあったが、その一方で逃げ出した奴隷という立場であった人間の少女を"見逃す"という条件で島の住人達に協力を取り付けたりもしており、与えられた任務外の事柄に関しては寛容とも取れる姿勢を見せている。

なお、タイガーの死後もタイヨウの海賊団はジンベエを新たな船長に迎え活動を続けたが、ジンベエが政府からの王下七武海への就任要請を受諾した事で海賊団のメンバー全員に恩赦が執行。
海軍の追撃対象ではなくなった事で、長きに渡ったボルサリーノの任務もようやく終わりを告げたのだった。

◇くま・ボニー親娘との出会い

4年前にはすでに大将"黄猿"となっている。
ベガパンクが海賊バーソロミュー・くまと密談を交わしていたとの情報を受け、五老星ジェイガルシア・サターン聖の命令で後に「エッグヘッド」と呼ばれる海軍科学班第8研究所へ来訪。
くまがベガパンクに接触したのは娘ボニーが罹患している難病を最先端技術で治療する事が目的であったが、経緯はどうであれ政府に仇なす札付きの大海賊であるくまの頼みを政府お抱え科学者であるベガパンクが聞く事など許される筈もない。
そこでサターン聖は、くまへ王下七武海への加盟とその肉体をサイボーグ化し海軍の人間兵器になる事を要求。
その条件を聞いたボルサリーノも「海軍としても、そりゃ助かるねェ」と同調する。
しかし、サターン聖が更なる条件として提示した「最終的に一切の思考と自我の消去」という実質的な"死"の要求を、「娘の命を助けてもらえるのなら」と涙を流して快諾するくまの姿には、思わず帽子を押さえて目元を隠していた。

ともあれ政府の要求を呑んだからにはくまと対立する必要も無く、くま本人の人柄を気に入った事もあって、この頃はくま・ボニー親子とも仲良くしていた。
徐々に形作られていくエッグヘッドへ時々フラリと訪れては、大将という身の上にも関わらず建築資材を運ぶ肉体労働に従事したり、戦桃丸やベガパンクも交え皆でピザを食べたり、笑いながらニカのリズムと共に踊り明かしたりと友好を深めていた*6
後述する偉大なる航路編や劇場版での活躍もあって「底知れぬ非情な仕事人」というイメージを抱いていた読者も、このシーンで印象が大きく変わったとか。

◇偉大なる航路篇

ロングリングロングランド編の青キジ(クザン)登場時に、ロビンの口から赤犬共々存在を明かされている。
同編において青キジがあまりに圧倒的な強さを見せつけた事もあり、こんなに強いヤツが海軍にはあと2人もいるのかと当時の読者を戦慄させた。

◇シャボンディ諸島編


わっしが出ましょう、すぐ戻ります

ご安心なすって

本編初登場。
シャボンディ諸島の人間屋にて、天竜人のチャルロス聖が海賊麦わらのルフィに殴り飛ばされる事件が発生。
チャルロス聖の父親であるロズワード聖より、報復のための海軍大将派遣命令が海軍本部に届く。
奇しくもこの当時、海軍本部はポートガス・D・エースの公開処刑を1週間後に執行すると新聞に載せ、彼が所属する世界最強の海賊「白ひげ海賊団」へ事実上の宣戦布告を行った直後という時期。
これからの1週間、海軍全体が最大級の警戒態勢をもって白ひげの動向を注視せねばならない状況だというのに、その初日からとんでもない面倒事が飛び込んできてしまったのである。
かと言って天竜人の要請を無碍に扱うワケにもいかず頭を抱える元帥センゴクを見かねたボルサリーノは、自ら出撃を進言。軍艦を率いてシャボンディ諸島へと赴く。

シャボンディ諸島沖合に到着したボルサリーノは、軍艦から発射された大砲の弾に乗って島の無法地帯へとド派手な上陸を決める。
先に島でベガパンク製の人間兵器パシフィスタの部隊を率いて麦わらの一味を足止めしている部下の戦桃丸と連絡を取ろうとするが、通話用の電伝虫と間違えて"盗聴用"の黒電伝虫に話しかけているので繋がる筈もなく。おっかしいねー
仕方がないので周囲で慄く海賊達に「戦桃丸という男を探してるんだけど…」とフランクに聞きまわりながら手当たり次第に粛清し始める。
懸賞金億越えの大型ルーキー海賊ですらまるで赤子の手を捻るかの如く圧倒し、ウルージホーキンスアプードレークの4名の実力者を倒す。
その暢気かつマヌケにも思える言動とは裏腹に、凶悪極まりない圧倒的な戦闘力で強豪海賊達を瞬く間に蹴散らす様は当時の読者にも底知れぬ恐怖を植え付けた。

ルーキー達をほぼ制圧しかけたその時、業を煮やした戦桃丸から連絡が入った為、当初の任務である「天竜人に危害を与えた麦わらの一味の捕縛」へと急行。
結果として4人の億越え海賊達を見逃す形になってしまったが、後にそれには理由があった可能性が浮上している。

その後、戦桃丸とパシフィスタに足止めされていた麦わらの一味と対峙。
この時、麦わらの一味はパシフィスタ1体倒す為の総力戦で完全に疲弊し切っていた。
そこへ追加のパシフィスタ1体と当時のルフィ達にとってはまだ未知の戦闘技術であった覇気使いの戦桃丸まで現れた為、とうとうルフィは戦闘を放棄して逃走を決断。
だがその矢先に両者を上回る戦闘力の大将まで現れたのだから、まさに数え厄満ともいうべき絶望的状況に陥ってしまったのである。

攻撃を喰らって目の前で倒れたロロノア・ゾロを最初の抹殺対象に選んだボルサリーノは、必死で妨害する仲間達の攻撃も一切寄せ付けぬまま、まるで踏み潰すかのような蹴りのレーザーでゾロにとどめを刺そうとするが…


——…あんたの出る幕かい "冥王"レイリー


若い芽を摘むんじゃない…これから始まるのだよ!!

彼らの時代は…!!!


間一髪のところでボルサリーノの足を蹴り上げレーザーを逸らしゾロを救ったのは、元ロジャー海賊団で副船長を務めていた"海賊王の右腕"シルバーズ・レイリーであった。
ボルサリーノは飄々とした態度こそ崩さなかったが、予想外の強敵の出現に麦わらの一味への追撃を戦桃丸とパシフィスタに任せざるを得なくなってしまう。
だがすでに一味は這う這うの体であり、2人がかりなら十分追い詰められると踏んだボルサリーノは、逆にレイリーを自分に引き付けておくべく光のサーベルで接近戦を挑む。

戦桃丸とパシフィスタの苛烈な追撃を前に死に物狂いで逃げ惑う一味だが、そこへ突如として王下七武海バーソロミュー・くまが出現。
七武海は戦争に備え海軍本部へ強制招集されてる筈の状況で、くまがこの場に現れただけでも不可解だというのに、あろうことか彼は一味の者達を次々と消し飛ばし始めたのである。
くまの悪魔の実の能力をよく知らない一味はパニックに陥るが、よく知る者達からすれば彼が一味を逃がそうとしている事はもはや明白。
七武海に就任してからこれまで政府に対しひたすら従順な姿勢を見せてきたくま。
それが何故ここへきて政府に背信してまで、彼とは縁もゆかりもない筈の麦わらの一味を救うのか。
戸惑うボルサリーノと戦桃丸はくまに問いかけるが、彼が答える事はなかった。
1人を残し麦わらの一味全員を消し飛ばしたくまは、最後に残った船長ルフィも消し飛ばすべく、己の無力さに泣き崩れる彼に迫る。


……で…そいつも飛ばして終わりかい

ちゃんと説明はあんだろうなァ

これは大問題だよォ


ボルサリーノはくまに苦言*7を飛ばしつつ、彼がルフィを消し飛ばすのを見届けるのだった。

これにてボルサリーノの麦わらの一味討伐任務は結果的に失敗
後に横暴な天竜人のロズワード聖の元へ直接謝罪に赴くハメになった。
また、任務失敗の腹いせもあったとはいえ、撤収前にシャボンディ諸島にいた海賊を500人あまり逮捕したらしく、彼の海兵としてのプロ意識の強さが感じられる*8そのせいで忙殺されるセンゴク元帥の仕事を増やしかけたけど

◇マリンフォード戦争編

海軍本部の大要塞マリンフォードにおける白ひげ海賊団との頂上戦争では、戦場を広く見渡せるポートガス・D・エースの処刑台の背後にて他の二大将と共に布陣。
総勢10万人もの精鋭海兵と5人の王下七武海より成る防衛戦線の最後詰めに座して白ひげ海賊団を迎え撃つ。

開戦 ~ ルフィ戦場へ乱入
白ひげ海賊団の艦隊がマリンフォード湾内へ攻め入ると、ボルサリーノはクザンと七武海のミホークに続き、旗艦の船首にて仁王立ちする"白ひげ"こと船長エドワード・ニューゲートへ直接攻撃を仕掛ける。
空中へと跳躍したボルサリーノは"八尺瓊曲玉"を放ち、無数の光弾で白ひげを狙い撃つが、着弾寸前で白ひげ海賊団一番隊隊長"不死鳥"マルコに全弾受け止められてしまう。
優れた再生能力をもつ動物系幻獣種の能力者であるマルコはそのままボルサリーノの元へ飛翔。
撃ち込まれる迎撃の光弾を物ともせず、ボルサリーノへ覇気をまとった強烈な蹴りを叩き込む。
マルコの蹴りを喰らったボルサリーノは腕でガードしつつも地面へ叩き落とされるが、立ち込める戦塵から然したるダメージもなく歩み出ると、動揺する周囲の海兵達へ注意を促す。

その後は後方にて処刑台の守りを堅めつつ戦況の変化を注視していたが、その最中あの麦わらのルフィがジンベエやクロコダイルといった元七武海メンバー含めインペルダウンの囚人達を引き連れて戦場へ乱入。
義兄であるエースを救うべく、処刑台へと駆けだしたのである。

こんなに早くまた会えるとはねェ~

先のシャボンディ諸島でのルフィの逮捕失敗を天竜人に叱責された事をボヤきながら、全面結氷したマリンフォード湾内の最前線へと降り立ったボルサリーノは、蹴りのレーザーで誰よりも早くルフィを攻撃。
撃ち込まれたレーザーは大型軍艦を超えるサイズの爆炎で広範囲を薙ぎ払うが、ルフィは同行していたイワンコフの機転で攻撃を避ける事に成功。
その後はルフィが周囲の海兵達との乱戦状態に突入した事と、海軍の作戦開始まで海賊達を湾内へ留めておく必要があったため、湾岸へと後退し防備を堅める。
ルフィだけを集中して狙う事はなかったが、ルフィが湾岸へと到達しそうになると即座に光速の蹴撃を見舞って吹き飛ばし、湾内から処刑台前広場への上陸を決して許さなかった。

海賊包囲殲滅作戦開始
戦況を頃合いと判断した海軍は、ついに攻め入ってきた海賊達を一網打尽にする計画を発動。
密かにマリンフォード湾頭へと回り込んだ戦桃丸率いる数十体のパシフィスタ部隊が、海賊達の後方より追撃を開始。
さらに湾岸に仕込まれていた鋼鉄の"包囲壁"が作動してせり上がり、ルフィ含め湾内にいる海賊達を完全に封じ込めてしまった。
包囲壁作動を見届けたボルサリーノは、他の二大将共々処刑台前広場に陣取り、包囲壁を越えてくる海賊を各個撃破するべく備える。
すると、包囲壁の一部を押し潰して倒れていた白ひげ傘下の巨人海賊"リトルオーズJr."が、なんと意識を取り戻し起き上がる事態が発生。
ボルサリーノは浮足立つ海兵達を制しつつ、瀕死のリトルオーズJr.にとどめを刺すべくその脳天にレーザーの照準を合わせるが、そこへ巨大な水柱と共に1人の海賊が包囲壁を越えて広場へと降り立つ。その海賊とは…


あらら、とうとうここまで………お前にゃ、まだこのステージは早すぎるよ

堂々としちょるのう…ドラゴンの息子ォ…

恐いね~…この若さ………


海侠のジンベエの助けを借りて単身包囲壁を越え、ボルサリーノ含めが揃い踏みした広場へと1番乗りしたのは、まさかの麦わらのルフィであった。
1人相手でも到底敵わない海軍の最高戦力が全員集結している目の前に、文字通り威勢だけで殴り込んできたルフィの無謀さにボルサリーノも舌を巻く。
当然ルフィも今の自分では3人に勝てない事は理解しており、持っていた船のマストを投げつけ目くらましにすると、ギア2の高速移動で三大将の脇をすり抜け処刑台へ突っ走ろうとするが…

遅いねェ~~~…

速さでは追随を許さぬボルサリーノがそれを見逃す筈もなく、一瞬で回り込み光速の蹴撃でルフィを吹き飛ばす。
だが、三大将含め広場の海兵達がルフィに気を取られている隙に、サー・クロコダイルやマルコが包囲壁を越えて参戦。
さらにリトルオーズJr.がマリンフォード湾内から海賊船を広場へと引きずり上げ、とうとう白ひげ海賊団本隊が上陸。
戦争はいよいよ佳境へと突入する。

処刑台前広場の戦い
エースの囚われた処刑台の前で、両軍死力を尽くした大乱戦へと縺れ込む。
乱戦に乗じて再び処刑台を目指すルフィであったが、この狭い広場に海軍最精鋭の海兵達や王下七武海がひしめき合っている状況。
歴戦の海軍本部中将達に目を付けられたルフィは彼らの卓越した連携攻撃に晒された挙句、ボルサリーノのレーザーで身体を射抜かれ、ついに倒れる。


度胸だけじゃねェ~…麦わらのルフィ…

"力"がねェのなら…救えねェもんは頑張ったって救えねェよォ…


地に伏したルフィを冷酷に見下ろすボルサリーノは身動き出来ぬ彼の身体を蹴り飛ばし、その後ろにいた白ひげへとぶつける。


オオ…"白ひげ"の采配にも焼きが回ったねェ~

おめェともあろう男が……!!

そんな無謀なだけのゴミクズに先陣を切らすとはねェ~…


ルフィのみならず、彼の行動を積極的に援護するよう命じた白ひげをも嘲笑するのだった。

その後も白ひげ海賊団との熾烈な戦いに身を投じるが、戦いの最中、白ひげが持病の発作によりダウン。
動揺して足並みの崩れた幹部達の隙を見逃さなかったボルサリーノは、オニグモ中将との連携でマルコに海楼石の手錠をはめ、悪魔の実の能力を封じる事に成功。
再生能力が利かなくなった彼にレーザーの連射で重傷を負わせる。
三番隊隊長のジョズはクザンが戦闘不能追い込み、病身の白ひげにもサカヅキが強烈な一撃を叩き込むなど戦況は海軍の優勢に傾きつつある中、ついにエースの処刑が執行されようとするが…


やめろォ~~~~~!!!!


絶叫と共に覇王色の覇気をまき散らし、処刑人含め一部の海兵達の意識までも奪ったのは、イワンコフのドーピングで無理矢理立ち上がったルフィであった。
完全に無意識の発露であったとはいえ、それを見たボルサリーノはルフィの秘めたる力の恐ろしさを改めて認識する。

船長命令により白ひげ海賊団の全力援護を受けたルフィは処刑台のすぐ手前まで進撃。
処刑台へと続く道を駆け上がるルフィをボルサリーノは阻もうとするも、白ひげの横槍で逆に阻まれ、その間にルフィはエースの元へついに到達。
だがそれで諦めるボルサリーノではなく、指先からのレーザーで白ひげの身体を射抜いて怯ませると、続けざまに処刑台へ指先を向け、ルフィがボア・ハンコックよりこっそり貰ったエースの海楼石の手錠の鍵をレーザーによる遠距離狙撃で破壊する。
ルフィのエース救出をとことん執拗に妨害し続けたボルサリーノであったが、運命が彼の奮戦を実らせる事はなく、処刑人に成りすましていたギャルディーノが手錠の鍵を作った事で、結局エースは解放されてしまうのだった。

海賊追撃掃討戦 ~ 終戦
ルフィによるエースの解放こそ許してしまった海軍であったが、エースは戦場からの離脱中に追撃してきたサカヅキの攻撃を受け死亡。
白ひげも戦場へ乱入してきた黒ひげ海賊団の手にかかり死亡する。
結果的にとはいえ事前に掲げていたこの戦争の絶対目標を達成した海軍は、残存する戦力を新たなる2つの目標に集中させる。
すなわち「暴れ回る黒ひげ海賊団の迎撃」「敗走する白ひげ海賊団への追撃」である。
黒ひげの相手をセンゴク元帥とガープ中将に任せ、ボルサリーノ含む三大将は白ひげ海賊団への追撃戦に参加。
三大将が狙うは、この戦争にまるで彗星のごとく現れ、見事に戦場を引っかき回す台風の目と化したあの男。
生かして逃がせば、未来の海軍にとって確実に恐るべき脅威となるであろうあの男。
目の前で兄を喪い、心身共に限界を迎えて意識を失ったままジンベエに担がれ戦場から離脱しようとしている麦わらのルフィであった。
真っ先に追撃を仕掛けたサカズキが、ルフィを"生けるエースの意思"として護ろうとするマルコ率いる白ひげ海賊団に足止めされる中、ボルサリーノは妨害のない空から悠々とルフィを追撃。
救助に現れたハートの海賊団の潜水艦に乗り込もうとするルフィとジンベエを潜水艦諸共まとめて始末するべく、指先からのレーザーの照準を合わせる。
その最中、眼下で起こったコビー曹長の必死な戦闘停止の訴えや、四皇"赤髪のシャンクス"の登場に多少気を持っていかれるも、今自分が何より成すべき事は麦わらのルフィの抹殺であると理解していたボルサリーノは構わずレーザーを撃ち込もうとするが…


何もするな"黄猿"!!

………おォ~っとっとォ、ベン・ベックマン~~…!!


軍艦のマストの上から銃口を突き付けボルサリーノに戦いの手を止めるよう迫ったのは、赤髪海賊団の副船長ベン・ベックマンだった。
海軍最高戦力のボルサリーノも四皇のナンバー2に睨まれては警戒せざるを得ず、レーザーの発射を止めて手を上げる。
その間にルフィを乗せた潜水艦は海中へと潜行するが、ボルサリーノはベックマンの一瞬の隙を突いて高空へと飛び上がると海面に向けて"八尺瓊曲玉"を放ち、無数の光弾による数撃ちゃ当たるの無差別攻撃で海中の潜水艦の破壊を試みる。
最後まで執拗にルフィを狙ったボルサリーノであったが、流石にここが潮時だと認識しており、今度こそ戦闘を停止。


———これでまだ生きてたらァ…あいつらァ運が良かったんだと、諦めるしかないねェ~~~…!!


その後、シャンクスの調停案を受け入れたセンゴク元帥が全海兵に戦闘停止命令を下し、凄惨を極めたマリンフォード頂上戦争は終結した*9

実はこの戦争でクザンダイヤモンド・ジョズの攻撃で吐血、、サカズキに至っては白ひげの攻撃で重傷を負っている中、ボルサリーノは三大将で唯一目立った傷もなく戦いを終えている。
まぁ、それ以前のシャボンディ諸島でレイリーに頬を斬られて傷を負ってるので、作中において三大将で最初に負傷描写があったのはボルサリーノになるのだが…

戦後、長らく海に君臨した世界最強の海賊の死に触発され暴れ回る海賊達に対処すべく、三大将含め動ける海兵達は世界中の海へと派遣された模様。
有力な海兵が根こそぎ出払ったマリンフォードにて、案の定生きていたルフィがさらにひと騒動起こすのだが、それはまた別のお話。

◇新世界篇

サカズキがセンゴクに代わる新海軍元帥へと昇進。
その一方で、サカヅキの苛烈な思想に共感できぬクザンは海軍を辞職。
実質的に海軍大将はボルサリーノ1人となってしまうが、サカズキが実施した世界徴兵により実力が認められた藤虎(イッショウ)緑牛(アラマキ)の2名が新たな大将へと任命され、再び三大将が揃った。

◇ゾウ編

元帥サカズキが新世界側に新設した海軍本部要塞ニューマリンフォードにて登場。
頂上戦争後、新たに王下七武海入りした"自称白ひげJr."エドワード・ウィーブルが、元白ひげ傘下の「A・O海賊団」を周囲の街ごと滅ぼしたという部下からの報告を爪切りながら聞いていた。
海賊退治は結構であるが、彼が暴れ回る度に周囲の民間人への被害が毎度毎度甚大である件に関しては流石のボルサリーノもボヤく始末。
実際、本当に白ひげの血を分けた息子なのかどうなのかも怪しいと部下から疑問を呈されるが、それに対しボルサリーノは血筋の信憑性はともかくその圧倒的な強さだけは本当に若い頃の白ひげのようだと語るのだった。
かくいう黄猿も初登場早々にヤルキマン・マングローブを一本へし折っていたが……

ちなみにストーリーが新世界編突入以降、ボルサリーノは魚人島編の過去回想やアニオリ・劇場版などで先行登場はしていたものの、現在の時系列で原作に登場するのは実はこの場面が初だったりする。

◇ワノ国編導入前

四皇ビッグマムが、同じく四皇のカイドウと接触しようとしているとの報が海軍本部にもたらされる。
頂上戦争がいい例だが、四皇勢力1つ相手にするだけでも海軍は紙一重のギリギリな戦いを強いられている有様。
万が一にも四皇勢力同士が手を組んで世界政府に牙を剥く事態になれば、海軍の総力をもってしても抗い切れるかわからず、文字通り世界の勢力図が変わりかねない。
懸念が拭えない以上、海軍としては大艦隊を差し向けてでも接触阻止に動く必要があったが、折悪しく当時は世界会議開催直前という状況。
海軍の兵士及び艦艇は聖地マリージョアに集まる世界各国の要人の警護・護送にてんてこ舞いであり、とてもじゃないが大規模な部隊編成は不可能であった。

この状況を見かねたボルサリーノは「わっしが行こうか?サカズキ」と自身が単騎で接触阻止に動く提案をするが、それに対し元帥サカズキは待ったをかける。
海軍最高戦力のボルサリーノといえど規格外の戦闘力を誇る四皇当人は流石に手に余る相手であり、さらにカイドウが根城にしているワノ国はサムライという未知の戦力も抱えている事から、あまりにリスクが高すぎると判断したのだ。
そもそもワノ国は世界政府非加盟国なので、わざわざ干渉せずとも海軍の世間へのメンツには響かないという事情もある。
よって、接触の末に双方潰し合いに発展してくれる事を期待しつつ、サカズキは今回の件を静観する決断を下すのだった。

◇ワノ国第三幕

ワノ国天上決戦においてカイドウとビッグマムが敗北し、カイドウを直接撃破したルフィが新たなる四皇入りを果たした事が世界中で報じられた頃。
それと同時期に世界会議が開催されていたマリージョアにおいても複数の大事件が発生。
ボルサリーノは海軍本部にてサカズキと共に、事件の捜査状況について海軍犯罪捜査局局長テンセイの報告を受ける。
数々の事件の中でボルサリーノが関心を寄せたのは「天竜人のチャルロス聖殺害未遂事件」
後に犯人が2揃って「麦わらのルフィの子分」を名乗ったと判明する事件がテンセイの口から挙がらない事に、「事件は解決済としていいのかい?」と問う。
なお、テンセイ曰くその事件に関しては犯人の逃亡を幇助したのが天竜人のドンキホーテ・ミョズガルド聖という事もあり、"神の騎士団"へと捜査の主権が移ってしまったようで、捜査状況は不透明である模様。
サカズキも「やらせときゃいいわい」と関心は低かった。

事件の多くは革命軍絡みという事もあってか、革命軍参謀総長にしてエースと並ぶルフィの義兄"炎帝"サボが全ての事件の糸を曳いていたのではないかと世間では噂されている状況。
サボが革命軍を支持する世界中の市民から"英雄"と呼ばれ熱狂的に崇められる裏で、その弟のルフィが世界最高峰の海賊の証である"四皇"の座を射止めた事について、ボルサリーノは感慨深げな顔をするのだった。

◇エッグヘッド編

Dr.ベガパンク抹殺指令 ~ エッグヘッド島包囲
とある人物の密告により、Dr.ベガパンクが違法とされている「空白の100年」を研究しているとの情報が世界政府へもたらされる。
この情報を受けた政府は、これまで世界の科学技術発展に多大な貢献をしてきたベガパンクの容赦なき粛清を決定する
ただちにベガパンクの本拠地「未来島エッグヘッド」の攻略任務が海軍へと下令。
作戦の指揮官にはベガパンクと長年の交流があり、エッグヘッド建造にも携わって土地勘もある海軍大将、つまりボルサリーノが任命される。
「嘗ての友」との対立を余儀なくされたボルサリーノだったが、自身はそれに表立って反対することなくその決定に粛々と従う。
作戦には五老星ジェイガルシア・サターン聖も密かに同行する中、ボルサリーノは大小合わせて軍艦100隻という空前絶後の大艦隊を率いてエッグヘッド島を包囲する。

エッグヘッド包囲後、海上で待機中の軍艦にて島内の現状把握に努めていたボルサリーノは、先行上陸していたサイファーポールから島内に麦わらの一味ジュエリー・ボニーが上陸している報告を受ける。
よりにもよってボルサリーノにとって形は違えど因縁のある者達がベガパンクの味方に付いている状況も気がかりではあったが、それ以前にそのような報告が舞い込んでくるという事は、サイファーポールによるベガパンク暗殺作戦が失敗した事を意味していた。
つまり、ボルサリーノは任務達成のために自らの手で親友を抹殺せざるを得なくなったのである。

エッグヘッド側も侵攻に対抗すべく、海上には無数の海獣兵器(シービーストウェポン)、沿岸には50体ものパシフィスタ・マークⅢを展開し、海軍の包囲艦隊と睨み合う。
そのパシフィスタ部隊を指揮していたのは他ならぬボルサリーノの愛弟子、戦桃丸であった。
戦桃丸は海兵という立場を捨て、ボルサリーノと対立してでも自らの恩人であるベガパンクを護る道を選んだのである。
ボルサリーノは軍艦の甲板にてラーメンをすすりながら、電伝虫を通じて戦桃丸と語らう。


——まさか、あんたがパンクのおっさんを消しに来るとは


"空白の100年"の研究は…庇いきれねェよ戦桃丸君

わっしは社畜だよ


現状、明確な抹殺指令が出ているのはベガパンクのみという事もあり、戦桃丸には「こっちへ来てくれねェかな」と降伏を勧めるが、彼の意思は堅く交渉は決裂。
ボルサリーノは親友のみならず「愛弟子」とも対立を余儀なくされたのだった。
ボルサリーノの能力であれば戦桃丸の頭上を飛び越えベガパンクを直接叩く事も可能であったが、パシフィスタ部隊の現状の指揮官は戦桃丸であり、彼さえ倒してしまえば海軍の所有する威権チップを使ってパシフィスタを無力化できる事。
そして何より逆賊の烙印を押されてでも恩人の盾となると決めた愛弟子の覚悟を汲んだ事で、ボルサリーノも戦桃丸との直接対決へ挑む覚悟を決める

エッグヘッド上陸開始 ~ 戦桃丸との師弟対決
サターン聖により
  • ベガパンクの6人の分身体「(サテライト)」の1体「(ヨーク)」の身柄
  • ベガパンクが自身の肉体より切り離した頭脳「(パンクレコーズ)
  • マザーフレイムを生み出す「融合炉(パワープラント)
絶対確保。その上で
  • ヨークを除く5人の猫含めベガパンク本人の抹殺
という至上命令を改めて受けたボルサリーノは、包囲待機中の全艦隊に戦闘準備を伝達。
自身は「八咫鏡」でエッグヘッド島内の工場層(ファビリオフェーズ)に陣取る戦桃丸まで光の道を作ると、ついにエッグヘッド攻略作戦を開始する

来たか……!! オジキ

光の道を通って瞬時に眼前へと襲来したボルサリーノを、戦桃丸は不敵な笑みと共に迎え撃つ。
ボルサリーノは光速の蹴撃や光弾の連射による苛烈な攻撃で戦桃丸を容赦なく追い詰める。
対する戦桃丸は彼から教わった覇気による防御術で必死に応戦。
絶え間ない攻撃を浴びせつつもボルサリーノは再び降伏を勧告するが、戦桃丸は「麦わらの一味との約束がある」と拒否。
それを聞いたボルサリーノは「いつから海賊の仲間に!?」と問うが…


誰とでも組むさ…ハァ、恩人をこの島から逃せるんなら!!!


ボルサリーノとしても、かつての愛弟子である戦桃丸は今や海賊という"悪党"に成り下がったのだと割り切るつもりで問うたのだろうが、彼から返ってきたのは大切な恩人を護るためなら自らの命をかけて文字通り何でもする揺るぎない決意
初めて出会ったあの頃より少しも変わっていない彼のひたすら真っ直ぐな性根は、今のボルサリーノの目にはある意味"光"そのものな自分よりよっぽど眩しく映っていたであろう。
だからこそボルサリーノは彼を弟子に迎え、自らの戦闘技術を全力で教えたのだ。
だからこそ彼は自慢の愛弟子だったのだ…

だが、エッグヘッド沿岸ではすでに海軍の上陸部隊と海獣兵器及びパシフィスタ部隊との熾烈な戦いが始まっており、グズグズしていては部下達の被害が拡大してしまう。
意を決したボルサリーノは戦桃丸の武装色の覇気を込めた渾身の一撃を敢えて受けつつ、彼を上回る覇気で完全ガード。
眼前にまで接近した戦桃丸にゼロ距離から強力なレーザーを叩き込み、撃破する
全身黒こげで意識を失った戦闘丸を横目に、ボルサリーノは威権チップを使ってパシフィスタ部隊に海獣兵器を攻撃するよう命令を上書き。
防衛兵器に同士討ちさせて部下の上陸を補助すると同時に、自身はベガパンクのいるエッグヘッド上空の研究層(ラボフェーズ)への侵入を開始する。

研究層へ侵入 ~ ルフィとの再戦
エッグヘッド研究層周囲に張られた強力なバリアを光そのものになれるボルサリーノは難なく突破。


傷つけちゃいけねェ物………!! "融合炉(パワープラント)"、"(パンクレコーズ)"、「(ヨーク)」…!!

そして…本当は"親友"…と


ボルサリーノは任務内容を自分に言い聞かせるように暗唱しつつも、その口からは本音も零れる。
ふと眼下を見やると、そこにはボルサリーノ自ら手を下し無残な姿で横たわるかつての愛弟子の姿。


消さなくちゃならねぇ物……"Dr.ベガパンク"


これが自分の選択した"正義"なのだと冷酷な決意を固めたボルサリーノは、いよいよ研究層内部へと侵入する。

侵入して早々、研究層内を走るベガパンク製の巨大ロボット「ベガフォース01」と遭遇。
ベガフォース01が麦わらの一味の海賊船「サウザンドサニー号」を抱えているのを見つけるが、同時に船から1人降り立ちボルサリーノと対峙する人物の姿を視認。
よく見知った顔にボルサリーノが声をかけようとしたその瞬間、その人物に躊躇なく強烈な蹴りを叩き込まれ腕でガードする。


行儀が、悪いね

黄猿!! おれ達は2年前の100倍強ェぞ


マリンフォード頂上戦争より2年…当時のセンゴクが懸念した通り、驚異的な成長を遂げた海賊麦わらのルフィであった。
ルフィはギア4"スネイクマン"を発動し、ボルサリーノへ怒涛の攻撃を叩き込む。
四皇ビッグマム海賊団最高幹部にして見聞色の覇気による"未来視"の達人であるカタクリですら全て躱しきるのは至難であったスネイクマンの超スピードの猛攻に対し、ボルサリーノはなんと己の体術のみで攻撃を捌き切る極めて高い基礎戦闘能力を披露。
だがボルサリーノもこの攻防で、今のルフィの実力が文字通り一蹴できた2年前とは比べ物にならない強さに達している事を即座に理解。
おまけにルフィは四皇カイドウを撃破したとされる奥の手を未だ隠しており、本腰入れて戦闘となれば長期戦を覚悟せねばならない。
そもそも今回の任務において麦わらの一味は単なる妨害要素の1つに過ぎず、たとえこの場で四皇ルフィを討ち取れたとしても、その隙にベガパンクに逃げられてしまったのでは何の意味もないのである。
猛攻を加え続けるルフィに「なんでお前らがリンゴのおっさんを殺してェんだよ!!!」と問われたボルサリーノは…


殺してェわけ…!! 殺してェわけねェでしょうが…!!

ベガパンクとァ長ェ付き合い…だから邪魔しねェでくれ…


複雑な心境を吐き散らしつつ、研究層から一瞬で島外の海上まで移動すると、長々距離から助走をつけて急加速した強烈な飛び蹴りをルフィに叩き込む。
ボルサリーノの飛び蹴りをまともに喰らい吹っ飛ばされたルフィは、逃走中だったベガフォース01の胴体を突き抜け両断してなお勢いが止まらず、そのまま研究層から叩き落とされてしまった。

かつてベガパンクが無邪気に興奮しながら自分に見せてくれた夢の巨大ロボットの無残な残骸を横目で見やりつつサニー号に近づくボルサリーノの前に、船から今度はジュエリー・ボニーが現れる
立ち向かってきたボニーに対し、ボルサリーノは「任務以外で…知り合いを傷つけさせねェでくれよ…」と何処か悲しそうな言葉をかけつつ、光速の蹴撃を喰らわせルフィと同様に研究層から叩き落した*10

この任務において形は違えど最も邪魔になりそうな者達を研究層から排除したボルサリーノは、手早く標的の抹殺を済ませるべく行動を開始。
研究層内の構造を熟知していた彼は一瞬にして司令室へ到達し、ベガパンクや麦わらの一味が気づいた時にはすでに彼らの背後へと回っていた。


わかってくれ…わっしだってキツイ任務……!!

長引かせたくない………


とうとう親友をその手にかけようとするボルサリーノであったが、そんな彼を突如として巨大な手で鷲掴みにする者が現れる。
ついに奥の手のギア5を発動し、ゴムゴムの能力を覚醒させた姿となって戻ってきた麦わらのルフィであった。ちなみにバリアは根性で突破した模様。
手配書写真で見たルフィのデタラメかつ神秘的なその姿にボルサリーノは戦慄を覚える。
ルフィはボルサリーノを握りしめる手を思いっきり振り回すと、空の彼方へと投げ飛ばしてしまうのだった。

工場層や近海の包囲艦隊すら飛び越えて遠い海上まで飛ばされたボルサリーノだったが、海に落ちる寸前で体勢を立て直し、身体を光の粒に変えて瞬時にエッグヘッドへと戻る。
たとえルフィがどんな姿になろうと、ボルサリーノにとって状況は何も変わらない。
最優先すべきはベガパンクの抹殺であり、ルフィは単なる邪魔者に過ぎないのだ。
だが、地上最強の生物と謳われたカイドウですら敵わなかった今のルフィの形態に、単純な力押しの火力制圧は通用しないであろう事はボルサリーノも理解していた。
同時に自分と相対した時点でルフィがその力を使わなかったのは、今の姿を長くは保てないのが理由である事も。
そこでボルサリーノは、絶え間ない高速移動によるヒット&アウェイや、無数の分身を作り出すなどの光の幻惑を駆使してルフィを翻弄し、消耗によるギア5の時間切れを狙う戦法に転換。
その間も隙あらば常にベガパンクの抹殺を狙い続ける方針を固める。

奇しくもルフィが最も苦手とする搦め手を多用した戦法は極めて有効であったが、それを差し置いてもギア5状態のルフィのデタラメすぎる挙動はボルサリーノにとっても油断ならぬ戦いを強いる。
おまけにボニーが研究層から叩き落された事を知ったベガパンクは、彼女を救うべく自ら下層へと移動を開始。
ボルサリーノも標的を見失わないよう追跡せざるを得なくなるが、当然追ってくるルフィにも気を配らなければならない。
虻蜂取らずになりかねない戦い方はボルサリーノにとっても過度な消耗を強いるが、ルフィの消耗はそれ以上であり、ギア5の時間切れはもはや目前。
ボルサリーノも目に見えて疲労の色が濃くなっているルフィを見て限界が近い事を察し、これまでと変わらず適当に迎撃しつつ、ベガパンクの速やかな抹殺に本腰を入れようとする。
だが、ルフィがギア5解除寸前で放った「ゴムゴムの白星銃(スターガン)がボルサリーノの視界外から不意打ちする形で側頭部に直撃。


(こりゃあ…いかん……!!!)

げんかい…


喰らってはマズい攻撃であった事を悟りながら、ボルサリーノはギア5が限界を迎えたルフィ共々地表へと落下。
触れた物をゴムのように変えるギア5の能力により頭部への外傷こそなかったボルサリーノだが、頭蓋を突き抜け脳へ直接伝わった衝撃の影響は甚大。
意識こそ保っていたが、全身が麻痺して暫くは立ち上がる事すら出来なくなってしまった。
ルフィと双方相討ちに近い状態で地面に転がるボルサリーノの目に入ったのは、自身の動物系悪魔の実の能力を解放し異形の姿となって島へと上陸してきたジェイガルシア・サターン聖。
そして、ボルサリーノが下層へと叩き落したボニーとそれを追ってきたベガパンクと麦わらの一味が対峙する光景であった。
ロクに身動きできぬボルサリーノは、そこでサターン聖がボニーとその父母にこれまで行ってきた非道極まりない所業の数々を聞いてしまう事になる。

くま参戦 ~ バスターコール発動
サターン聖がその手に捕らえたボニーを銃殺するよう周囲の中将達に命じる中、なんとエッグヘッドに突如としてバーソロミュー・くまが出現。
もはや自我など残っていない筈の身でボニーの元へ駆け付けたくまは、娘を護ると同時に強烈な鉄拳をサターン聖の顔面に叩き込み、ぶっ飛ばしてしまった。


こりゃ、終わったねェ…


この時点でようやく身体の自由が利くようになったボルサリーノは戦線復帰するが、貼り付いたような口元の笑みとは裏腹にその表情は極めて暗かった
何故なら、かつてこのエッグヘッドにて友好を深めた者達がとうとう全員集結してしまったからである。
すでに戦桃丸は部下達に拘束されたとの報告が入っており、ボニーはサターン聖から直々に処刑を言い渡されている。
そして、そのサターン聖を殴り飛ばしてしまったくまも、当然ただで済ますわけにはいかない。
海兵という立場上、ボルサリーノはもはや誰1人見逃す事はできなくなった。
最悪の場合、自らの手で友を全員を始末せねばならない状況に追い込まれてしまったのである。
そればかりか、身動きできぬ自分の目の前で先程まで繰り広げられていた悪魔のごとき外道な所業と発言を重ねる世界政府の首脳サターン聖と、それに対して人として真っ当な怒りをぶつける大罪人ベガパンクの対比は、己の遂行しようとしている正義は何が為にあるのかと無常感に打ちひしがれて有り余る始末。
加速度的に精神的過酷さを増していく状況であったが、それでも己の信念故に掲げた海兵としての正義に背く事は出来ぬボルサリーノは、最後まで任務を果たそうと立ち上がる。
だが、すでにメンタルが限界に近づいている事は長年の親友にもとうに見抜かれていた。


心が持たんか 悲しい男じゃのう黄猿…

みっともねェよな……もっと濃いのをかけて来るんだったよ、サングラス


そんなボルサリーノの心情など一切解さないサターン聖は、「この島は不都合に満ちている」として、ついにエッグヘッドへのバスターコールを発動
島に上陸していた海兵へ島外への総員退去命令が下る中、サターン聖は自分とボルサリーノは島に残ると発言。
これから無差別攻撃に晒される地域に要人と上官残して退去せよという命令には、周囲の中将達も流石に困惑するが…


行け


普段の飄々とした態度からは考えられないほど端的ながら冷徹な圧の込められたボルサリーノの命令には、歴戦の海軍中将であるドールですら怖気を覚え粛々と従う他なかった*11

一方のベガパンクは、人類の進歩の為に必要なあらゆる学問の最新の研究成果が刻まれたこの島へのバスターコールに異を唱える。
自らの命は差し出しても構わないから、エッグヘッドへのバスターコールを中止するようサターン聖とボルサリーノに懇願。
だがボルサリーノは俯いたまま、親友の懇願に何も答えなかった。
ボルサリーノとて、友と共に自ら汗水流して建造に携わったこの"未来を夢見る島"の破壊など望む筈もない。
それでも自分には、もうどうしてやる事もできないのだ。
対するサターン聖は自分達が支配する世界にとって不都合な「進歩など必要ない」と冷酷に言い放ち、とうとうエッグヘッドへの砲撃が始まるのだった。

くま・ボニー親子抹殺命令 ~ ルフィ復活
エッグヘッドの街が軍艦からの無差別砲撃により破壊されつつある中、サターン聖は眼前にいるベガパンクより、この場から脱出を試みているくま・ボニー親子の抹殺を優先するようボルサリーノに命令。
ボルサリーノはボニー達が乗っていた真空ロケットを「天叢雲剣」で破壊すると、くまに抱きかかえられながら空中へ放り出されたボニーをまとめて始末すべく光のサーベルを振りかぶる。


重ねて四つだ…痛みはねェからよ、ボニー


ボルサリーノがくまとボニーを一刀両断しようとしたその瞬間、自身の側面から迫った拳による強烈な一撃を喰らい、地表へと叩きつけられる。
拳の主は、何者かに与えられた無人調理器の料理をたらふく食って復活した麦わらのルフィであった
だがそれでやられるボルサリーノではなく、瓦礫の中から身を起こすとルフィがサターン聖との戦いに移った隙を突く形で行動を開始。
サターン聖により重傷を負わされたベガパンクの元へ駆け寄るボニーを視認すると、2人まとめて始末すべく指先から容赦なくレーザーを発射。
だが、レーザーはボニーとベガパンクに着弾する直前で間に割り込んだサンジの蹴りで弾き飛ばされてしまった
あまりに常識外れな離れ業を見せたサンジに対し、流石のボルサリーノも今まで見せた事もない冷や汗顔になり啞然

愛は光より強ェんだ!!

それで済んじゃあ「物理学」は終わっちまうよ…!!

ベガパンクから自分を置いて逃げるよう言われたボニーがフランキーらと共にこの場を離れる中、ボルサリーノはサターン聖と共にルフィ・サンジと対峙する。
サターン聖の苛烈な猛攻から倒れたベガパンクを護るべく抱えて逃がそうとするサンジだったが、その隙をついてサンジの眼前に回り込んだボルサリーノは光速の蹴撃を叩き込み、サンジの手からベガパンクを引きはがす。
そして、「天叢雲剣」でベガパンクの身体を貫き、とうとうその息の根を止めてしまうのだった。

すでに事切れたベガパンクを抱えて走り去ろうとするサンジに対し、親友の死をきちんと確認すべく、荒く震える息遣いを抑えながらボルサリーノは追撃をかけようとする。
が、そんな彼をサターン聖共々鷲掴みにして阻んだのは、ギア5の能力で肉体を巨大化させたルフィであった。
ボルサリーノは身体を拘束されてなおも両目からのレーザー攻撃で反撃するが、ルフィは彼とサターン聖を両手で叩き潰し、両者共々海上へと投げ飛ばしてしまう。
サターン聖は空中で身を反転させルフィへ反撃を仕掛けるが、ボルサリーノは投げ飛ばされた勢いそのままに海上の軍艦へ激突。
軍艦を中破させる勢いで叩きつけられても身体にダメージらしいダメージは見受けられなかったが、ボルサリーノはもう立ち上がる事ができなかった。
軍艦の甲板で倒れたまま動かぬボルサリーノの元へ駆け付けた部下達から怪我の手当を申し入れられるが…


傷ならある……深い傷が……もう休ませてくれ……


身体に傷はなくとも、自らの手で親友の命を奪ってしまった事実に、もはや心が耐え切れなかったのである。

島ではベガパンクが己の死後に発動するよう仕掛けていた全世界同時配信が開始され、それを阻止しようとする五老星が奮闘。
部下の海兵達も島を脱出しようとするボニー&麦わらの一味追撃や、突如として来襲した巨兵海賊団の迎撃で未だ激戦を繰り広げていた。
だが、心を折られ完全に戦意を喪失してしまったボルサリーノが、このエッグヘッドの戦いにおいて再び戦場に立つ事は終ぞなかったのである。

エッグヘッド攻略戦終結後
エッグヘッド沿岸での海賊追撃戦中に放たれた"ある人物"の覇王色の覇気によって、精鋭の海軍中将含む殆どの海兵がその場にて意識を失い昏倒。
その隙にボニーや麦わらの一味は巨兵海賊団と共に逃げ去るという、誰にも予想できなかった形でエッグヘッドの戦いは終結した。

先程までの激戦が嘘のように不気味に静まり返る艦隊の横を、小舟に揺られ通り過ぎる戦桃丸も悲痛な涙と共にエッグヘッドから去って行く。
そんな彼を軍艦の甲板から静かに見送る1人の影。
そこへ艦内の静寂を破るように元帥サカズキから報告を求める電伝虫のコールが鳴り響く。
軒並み泡噴いて倒れる乗員達の間を縫って歩き、「うるさいねェ…」と煩わしそうに受話器を取ったのはボルサリーノであった。
サカズキは今作戦の指揮官がわざわざ通話に応対した事を訝しがりつつも状況の報告を求めるが、ボルサリーノは部下は全員気絶している事だけ伝えると、他の事は「若ェのが起きたら報告させる」と返し、これ以上の報告を拒否
普段の彼からは考えられないような態度に疑念を抱いたサカズキは「甘い仕事しちょりゃせんかのう?」と問い詰める。
するとボルサリーノはサカズキの問いかけに対し、こう返す。


オイ…サカズキ…お前さん “親友(●●)”を殺した事あんのかい


ボルサリーノが思い返すのは、ベガパンクと初めて会った時からの記憶。
「500年後の未来を作りたい」という無邪気な彼の夢に手を貸し、自分をオジキと慕う愛弟子や優しすぎる海賊親子と共に、笑い合いながらエッグヘッドを作り上げた思い出。

その圧倒的な強さ故に、若い頃から海軍の重要戦力の看板を背負う事を余儀なくされたボルサリーノ。
これまで、たとえ非情とすら思えるような任務を言い渡されても、感情を殺して忠実に従い遂行してきた。
日に日に増していく重責の中で、いつしか己の本心を覆い隠す口元の薄ら笑いとサングラスが顔から取れなくなってしまっても…。

それ故にボルサリーノにとって、このエッグヘッドはとても思い入れの深い場所であった。
この地で友人らと共に過ごしたあの日々の中で、彼はまぎれもなく心の底から笑えていたのだ。
海賊にも海兵にも怪物と恐れられた海軍大将"黄猿"ではなく、1人の人間ボルサリーノであれたのである。

……だが、楽しかった過去の記憶も長くは続かなかった。
次にボルサリーノの脳裏に蘇るのは、今日これまで彼が行ってきた事。
一番の親友を自らの手で殺害し、他の友も散々痛めつけ傷つけた残酷な所業の数々
そして、今この現実に意識を戻したボルサリーノの眼前に広がるのは、燃え盛る火炎に巻かれ崩れゆく思い出の詰まったエッグヘッドの街並。
もはや全て失った……いや、自ら踏みにじったのだ。
それも人間をムシケラと蔑みその命も尊厳も平然と弄ぶ卑劣な外道共が定めし、欺瞞に満ちた法の為に。
「どっちつかずの正義」、私情より万人の為にあると信じた"法"に忠実である事を貴ぶ、己の掲げた正義に筋を通し続けた末に辿り着いた、あまりに無常で哀しき結末であった…


甘ェ仕事したかって………?サカズキ………

疑うヒマァあんならよ!!てめェの目で見に来いやクソガキ!!


ボルサリーノは受話器の向こうにいるサカズキへ、滂沱の涙を流しながら怒りをぶちまける
それを聞いたサカズキは、彼が親友であったベガパンク抹殺という今作戦における最重要任務を苦渋の末に果たした事を即座に察す。
そして、ボルサリーノがこの任務へ挑んだ覚悟を疑った事を詫びるのだった。


悪かったのう…兄弟

黙れ 今更…!!


上記の「甘い仕事しちょりゃせんかのう?」という発言は、過酷な現場で心身ともに疲弊した黄猿に対して酷な詮索には違いないものではあった。
ただし、サカズキの名誉の為に言っておくと、今作戦は世界最高権力者である五老星の勅令というだけでなく、その一角が直接現地指揮を執り、現状可能な限りの兵力と軍艦を総動員した頂上戦争以来とも言える大規模軍事行動。
だが、ここまで戦力を投入しても各種先進科学兵器に護られたベガパンクの居島エッグヘッドを制圧するのは容易ではなく、さらに世界最高峰の海賊"四皇"の一角たる「麦わらの一味」までもがベガパンク側に直接肩入れしている状況。
おまけに、この状況下にも関わらず作戦成功の為には達成せねばならないデリケートな至上目標が複数存在するという、極めて複雑かつ難易度の高い任務であった。
そんな予断など微塵も許されぬ作戦の最中、軍艦100隻もの大部隊から一斉に通信が途絶するという異様な事態が発生。
作戦の経過を現地にいる部下からの報告以外で把握する術がない本部のサカズキにとっては、ボルサリーノ1人残して部隊全滅という最悪の事態も想定される状況。
一応部隊が全滅していない事は言及したとはいえ、それ以外の詳細な報告を拒否するボルサリーノを問いただすのは上官として必至ではあった。

また、サカズキもボルサリーノとベガパンクが親友同士であった事は以前から把握していた。
実際の所、これまで如何なる任務も忠実にこなしてきたボルサリーノといえど、流石に親友をその手にかけるとなれば、任務に背いてベガパンクの命を救うのではないかという疑念も尽きなかったと思われる。
かつてオハラの事件で親友を殺して以降人が変わり、最終的に意見の対立で自分と殺し合った挙句、海軍を去り海賊へと身を堕とした同期の存在も脳裏にあったのかもしれない。

それ故に、上官への反抗とも取れるボルサリーノの発言を、サカズキは咎めるどころか自分の方が気が急いで浅慮な物言いをしたと認め、詫びたのであろう。
なお、サカズキの詫びに対してボルサリーノが吐き散らした「今更」というのは、「長ェ付き合いのくせに、自分のこれまでの任務への忠誠心を疑ったのか」という怒りと、「兄弟分なら傷心の自分へ先にかけるべきは、その労いの言葉だったろ」という若干の甘えが入り混じった、彼の複雑な心境から絞り出された言葉だったと思われる。


◇劇場版における活躍

ONE PIECE FILM Z

2012年公開の劇場版第12作。時系列は魚人島編~パンクハザード編あたり。
今作が劇場版初登場となるが、何気にストーリーが新世界編へ突入以降、原作に先行する形で2年後の彼が描かれる形となった。

新世界ファウス島の海軍基地を、「NEO海軍」を名乗る謎の武装集団が襲撃する事件が発生。
通報を受けたボルサリーノはファウス島へと急行し、基地に保管されていた大量破壊物質「ダイナ岩」を運び出そうとしているNEO海軍を単身襲撃。
だがそこでボルサリーノの前へ立ちはだかったのはNEO海軍総帥ゼット。
その正体は、かつての海軍大将にしてボルサリーノの新兵時代の教官"黒腕のゼファー"であった。

おォ~お久しぶりですねェ先生、何をしに来なすったんでェ?

ボルサリーノォ!! ピカピカの実の能力に頼り過ぎるなと、おれは忠告したはずだがァ!?

流石は元海軍大将なだけあって、ボルサリーノの光速の攻撃にも見聞色の覇気による先読みと海楼石製の戦闘義手スマッシャーを駆使して食い下がるゼファー。
だが、老齢な上に持病も抱えるゼファーに長時間戦闘を続けるスタミナはないと踏んだボルサリーノは、火力よりも俊敏さを活かした立ち回りで翻弄。
ダイナ岩を返して降伏するようゼファーに勧告する。
だが、そんなボルサリーノの隙を突いたゼファーは自爆覚悟で手元のダイナ岩を起爆。大爆発に巻き込まれてしまう。
ボルサリーノ自身は爆発も能力で回避し無事であったが、海軍基地はファウス島諸共完全に消し飛んでしまうのだった。

まいったねェ…やられちまったよ

その後は近隣の海軍基地での元帥サカヅキを交えたNEO海軍対策会議に出席。
ダイナ岩の大爆発に巻き込まれたゼファーの生存には懐疑的な発言を飛ばすが、ゼファーの目論見は世界を壊滅させかねず、楽観視できない状況である事は明白。
以降はNEO海軍討伐の実働部隊の指揮を執り、追撃を開始する。

案の定生きていたゼファー率いるNEO海軍は、ファウス島に続いてセカン島も爆破。
ボルサリーノは討伐艦隊を率いて、NEO海軍の最後の目標であるピリオ島へ上陸。
ピリオ島ではすでにNEO海軍と麦わらの一味の熾烈な戦いが繰り広げられていたが、ボルサリーノは漁夫の利と言わんばかりに両者の一網打尽を目論み、島の火山火口で戦っていたルフィとゼファーを包囲する。
だが、ルフィとの壮絶な殴り合いの中で海兵"黒腕のゼファー"の誇りを取り戻したゼファーは、自らの行いにケジメをつけ、NEO海軍の仲間達や麦わらの一味をこの場から逃がすべく、単身でボルサリーノ率いる討伐隊を迎え撃つ。
「最後の稽古」と称して海兵達を蹴散らし大暴れするゼファーに、その覚悟を汲んだボルサリーノは狙いを定める。
ボルサリーノの口からは普段の間延びした口調は消え失せ、どこまでも重い口調で別れを告げると、かつての恩師に引導を渡すのだった。


さよなら…!! ゼファー先生…


ONE PIECE STAMPEDE

2019年公開の劇場版第14作。時系列はホールケーキアイランド編~ワノ国編あたり。

数多の無法者が集う海賊のための祭典「海賊万博」が数十年ぶりに開催。
だが万博の主催者ブエナ・フェスタはどんな思惑からか、海軍にも万博開催の情報をリーク。
情報を受け取った海軍は、大将黄猿(ボルサリーノ)及び藤虎(イッショウ)率いる大艦隊を万博会場のデルタ島へ派遣する事を決定。
海軍の目論見は、万博に集まった海賊の一斉検挙、万博の景品にされている海賊王の宝」の奪取、そして万博の裏に潜んでいると思われるインペルダウン最悪の脱獄囚「ダグラス・バレットの捕縛であった。

海軍艦隊はデルタ島近海へ到着すると、部隊を2つに分け速やかに進撃を開始。
後輩大将のイッショウ率いる艦隊第一陣は島の上陸制圧に乗り出し、ボルサリーノ率いる艦隊第二陣は沖合から島を包囲封鎖。
島にいる海賊を誰一人逃さない鉄壁の陣を敷くと、ボルサリーノは艦隊指揮官として甲板から戦況の変化を注視する。

島ではダグラス・バレットが出現し、麦わらのルフィ含め最悪の世代の海賊達と交戦。
さらに悪魔の実の能力で潜水艦カタパルト号と合体した鉄巨人姿となって、海軍の上陸部隊の前に立ちはだかる。
その様子を沖合の軍艦から見ていたボルサリーノは「すごい事になってきたねェ…」と舌を巻くが、同時に部下からの報告で"噂の代物"はバレットが所持している事を知る。

出てきちまったか…海賊王の宝

能力を覚醒させたバレットは、とうとう島と一体化した巨大な「究極バレット」へと変貌。
海軍最精鋭の中将達ですら一薙ぎにする圧倒的戦闘力を見せつけ、海軍を挑発する。
完全にパニックに陥った上陸部隊からの報告が舞い込む中、事態を静観していたボルサリーノの元へ元帥サカズキからの通信が入る。
サカズキはバレットの成長が想像以上である事と、海賊王の宝の信憑性を知った新世界の各勢力も動きを見せ始めた事から、島にいる全ての海賊をこの場で根こそぎ殲滅する方針に転換。
サカズキから指令を受けたボルサリーノは、デルタ島に向けてついにバスターコールを発令する。
島には戦桃丸含め上陸部隊の海兵達がまだ多数取り残されていたが、事態への対処を急がねばならぬボルサリーノは「5分後に攻撃を開始」する旨を全海兵に通達。
味方の犠牲を顧みない性急な攻撃命令に上陸部隊の間にも動揺が走るが、小説版では少将のヒナ「大将黄猿以下、中将をそろえた海軍本部の艦隊が敗北したなどという結果は許されない。」とそのリスクを述べている。

ところが、その5分の猶予の間にバレットは共闘者の支援を受けた麦わらのルフィに敗北。
彼が持っていた海賊王の宝もルフィの手で破壊されてしまった。
だが島内の詳細な状況などわからぬボルサリーノは予定通りバスターコールを開始。
さらに島から脱出してきた海賊船の船団が包囲網を強行突破しようとしているのを知ると、ついに自ら戦線へと移動。
"八尺瓊曲玉"で海賊船団をまとめて薙ぎ払おうとするが、そこへ革命軍サボが生み出した巨大な炎の壁が出現。
炎の壁に護られた海賊船団が包囲網を突破していく中、ボルサリーノの元へようやくバレット撃破と海賊王の宝喪失の報告が届く。
わざわざバスターコールを向けるほどの目標はすでに失われた上に、島には未だ多くの海兵が取り残されていた事から、ボルサリーノはバスターコールの中止を決定するのだった。

ONE PIECE FILM RED

2022年公開の劇場版第15作。時系列はワノ国編中盤あたり。

エレジア島でライブ『NEW GENESIS』を開催していた世界的歌姫ウタが世界情勢に与える影響を危険視した五老星により、海軍へ「ウタ討伐」指令が下る。
指令を受けた元帥サカズキは、大将ボルサリーノ及びイッショウ率いる軍艦30隻もの大艦隊をエレジア島へ派遣する。

おっかしいねェ~女の子たった1人に全世界が注目してるなんて

流行りの歌には疎いのかたった1人の民間人の少女に全世界が熱狂し、彼女を抹殺すべく海軍がバスターコールを凌駕する規模の大部隊*12を送り込む事に流石のボルサリーノも疑問を投げかけるが、サカヅキはエレジア島に眠る"魔王"の存在も無視できず、決して甘く見るなと彼を窘めている。

艦隊がエレジア島近海へ到着すると、イッショウ及びモモンガ中将率いる部隊がウタを捕縛すべく島に上陸。
海軍側もウタの持つ悪魔の実の能力のトリガーが"歌声を聞かされる"事であると事前に把握済み。
全海兵に防音装備を着用させ、ウタの能力に取り込まれないよう対策を施していた。
しかし、ライブ会場で海兵達に包囲されたウタは自身の能力で精神を夢の世界に縛った観客の肉体を操り抵抗。
操られているだけの民間人に攻撃できぬ海兵達は、劣勢に追い込まれてしまう。

だが、ウタはライブを配信電伝虫を通して全世界に生配信しており、このまま放っておくと世界人口の7割がウタの能力の支配下に置かれる試算がサイファーポールより出される。
もはや一刻も猶予もないと判断したサカズキは、エレジア島で操られている人々を武力排除してでもウタを亡き者にするよう厳命。
エレジア島には、かつての船員で家族でもあったウタの暴走を止めるべく四皇"赤髪のシャンクス"率いる赤髪海賊団も来訪していたが、海兵達は彼らと群がる市民達諸共ウタを抹殺すべく容赦なき銃弾の雨を浴びせる。


正義を名乗る海軍が市民達を殺すつもりか…!
答えろ黄猿!!

犠牲を伴わない正義などありえない…
辛いねェ~子供1人止める為に、何万人も犠牲にするのは


ライブ会場へ姿を現したボルサリーノは、副船長ベックマンの糾弾に対し世界を護るためには犠牲を顧みない姿勢を明確にすると、"八尺瓊曲玉"の光弾で攻撃。
だが、即座に反応したシャンクスは光弾をサーベルの一薙ぎで全て斬り払うと、ボルサリーノの元へ跳躍。
急接近されたボルサリーノは光速移動で斬撃を躱し距離を取ろうとするも、シャンクスはすでに移動地点を読んでおり、一瞬で距離を詰められ喉元にサーベルを突き付けされてしまった。

ボルサリーノとシャンクスが膠着状態に陥る中、どうにもならない状況に絶望したウタがとうとうエレジア島に封印されし古の歌の魔王「トットムジカを召喚。

困ったねェ…せっかく用意したコレも、ああなったら意味無いねェ

魔王の出現を視認したボルサリーノは、その強大な力を前に意味を為さなくなった防音装備を破壊しつつボヤく。
見境なく暴れ回るトットムジカに操られ、なおも群がってくる市民達を容赦なく排除しようとするボルサリーノだったが、ベックマンに銃口を突き付けられその手を止める。

おっかしいねェ~
海軍が市民を殺そうとして、海賊がそれを護るなんて…

この状況への自虐とも取れる言葉を吐きつつ、何故護るのか問うボルサリーノに対し、ベックマンは大事な家族であるウタに「これ以上罪を背負わせない為」と確固たる意思を見せる。
だが、今は赤髪海賊団や市民達との小競り合いを続けるより、ウタを取り込んで力を増した魔王を止める方が先決ではないかと同僚のイッショウも意見。
状況的に致し方ないと判断したボルサリーノは赤髪海賊団と一時休戦し、ここは魔王打倒の為に協調する方針を固める。
赤髪海賊団が魔王と戦う間、海軍は操られ暴れ回る市民達を力づくで保護し、軍艦へ収容する避難活動に乗り出すのだった。


なんだ あんたも寂しかったんだね


その後、魔王はシャンクスと夢世界のルフィの連携同時攻撃により撃破され、魔王に囚われていたウタも解放。
ウタが解放の歌を歌った事により、夢世界に意識を囚われていた人々も全員解放された。
完全に衰弱し切って父シャンクスに身体を預けるウタだったが、そんな彼女に海兵達は一斉に銃口を向ける。

さぁ~て、そろそろウタを…世界を滅ぼそうとした極悪人を渡してもらおうかねェ

ボルサリーノはシャンクスにウタの身柄を引き渡すよう要求。
渡さなければこの場で海軍との全面戦争になると脅しをかける。
魔王は滅び、人々は夢世界から解放され、ウタ自身も瀕死の状態とすでに脅威と呼べる存在ではなくなっていたが、それでも海軍の立場としては世界を滅ぼそうとした彼女の大罪を見逃すわけにはいかなかったのである。
だが、シャンクスはそんなボルサリーノの要求に対し…


こいつは、おれの娘だ

おれ達の大切な家族だ

それを奪うつもりなら


死ぬ気で来い!!!


怒りの拒否と共に、精鋭の海軍中将ですら耐えられず昏倒する程の激烈な覇王色の覇気を撒き散らす。


これが、四皇シャンクスの覇気か…


全面戦争も辞さないシャンクスの本気の覚悟を目の当たりにし、流石のボルサリーノも肝を冷やす。
部下の海兵達は悉く昏倒し戦力の大半を削られた上に、ライブ会場には未だ多くの市民が取り残されている状況である事から、イッショウもここは潔く身を引くべきだと主張。
イッショウに同意したボルサリーノはウタの捕縛を諦め、市民を収容した軍艦と共にエレジア島から撤退するのだった。


【台詞】

「速度は…“重さ”
“光”の速度で蹴られた事はあるかい」

「せいぜいお気をつけなすって……ヒヨッ子の諸君…」

「どいつもこいつも…“億”を超える様な輩は化け物じみていてコワイね~…」

「まずは一人目…ここまでの航海ご苦労だったねェ~~…」

「移動もさせない…ムダだよォ~今死ぬよォ~~~!!!」

「『海軍大将』一人止めといてまだ欲張られちゃあ わっしの立つ瀬がない いい加減にしなさいよ」

「これは大問題だよォ」

「ウソをつけ~~…」

「ん~~これは効くねェ~~~」

「立ち塞がる男の覚悟潰しちゃ、こっちも格好つきません。筋くらい通させて下さいよ」

「任務以外で…知り合いを傷つけさせねえでくれよ」

「殺してえわけ…殺してえわけねえでしょうが」

「わっしは社畜だよ」

「やれやれ…くままでやってきちゃ、役者がそろいすぎじゃねえかい?さっさと終わらせよう」


【余談】

担当声優変更

アニメ等で声を担当していた石塚は2018年8月に逝去し、後任はカク役をしたこともあった置鮎龍太郎となった。
テレビ番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』2021年5月7日放送「青二プロ人気声優祭」にて、「声優の方もやりたい役はあるんですか?それが実現することはあるんですか」との質問に置鮎はこの黄猿を挙げており、後任決めはオーディションで勝ち取った旨を語っている。
声の質は異なるものの、間延びした喋り方の低い声の雰囲気はしっかり受け継がれており、極力イメージが壊れないように配慮がなされている。
なお奇しくもカクと黄猿はバナナが好物、ベガパンクの抹殺を目的に動いたと言う共通点がある。

アニオリ

エッグヘッド編にてラーメンを食べているシーンがあるが、アニオリで電伝虫の情報をキャッチした海兵から呼び出された際に「まだ食べてる最中でしょうが」と愚痴をこぼすシーンがある。
元ネタは田中邦衛氏が出演したドラマ「北の国から」に出たセリフ。

交友関係

  • ベガパンク
友人。
立場関係なく彼の仮説や研究内容を聞いていたりしていたが、あまりにも常識外れな話には呆れていた場面もあった。
そういった関係なのかパシフィスタのビーム搭載の為に自身の能力を提供したりした。
エッグヘッドでの建設に駆り出された際も愚痴をこぼしながら資材を戦桃丸、くまと共に運んでいた。

  • 戦桃丸
弟子。
ベガパンクと同行していた際に彼を拾い、覇気などの鍛錬に付き合ってあげた。
その経歴故に「おじき」と呼ばれてフランクな言葉遣いで接し、時には電伝虫を通常と盗聴用を勘違いして連絡出来なかった事ににツッコまれていた。
一方で黄猿自身も戦桃丸を海軍に抵抗する覚悟がある者と認め、サターン聖に直々に「ケジメをつけるために先に彼を倒す」と直訴した。

  • 赤犬
同期。
年齢こそは赤犬の方が若いものの一期生としてその実力は互いに認めていた。
ワノ国以降は上官になったが、なんだかんだで信頼関係はあるようで、世界情勢の大動乱にフォローする発言をしていた。

  • バーソロミュー・くま
元七武海。
彼が遺した記憶による回想シーンで、ベガパンクとくまが密会したと上の命令で拿捕に向かった際に、サターン聖のあまりにも残酷な取引に娘のためなら死を選ぶと嬉々として応じたくまの覚悟に驚愕。
その後はくまとボニーと食事したり、ニカにまつわる踊りをしたりと交流を深めていた。

  • ジュエリー・ボニー
くまの娘。
前述の通り、彼女と親交を深めていたようで始末に来た際にも複雑な心境をこぼしていた。

  • 天竜人、五老星
上層部。
シャボンディの一件で派遣され、頂上戦争では彼らから「麦わらのルフィを取り逃がした件」を責められたようでぼやいていた。
エッグヘッドの過去編ではサターン聖がくま、ボニーに対して行っていた外道な行為を聞いてしまい…

  • サターン聖
五老星の1人。
エッグヘッド編にて同行。戦桃丸の件は許可したが、友人たるベガパンクやボニーを殺さなければならない葛藤で滅入っている点については一切考慮しなかった。




速度は…“重さ”
“光”の速度で追記・修正された事はあるかい

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最終更新:2026年08月08日 01:00

*1 -本名のボルサリーノはここから由来。ちなみにボルサリーノとは帽子のブランド名。

*2 テレビスペシャル『3D2Y』より。

*3 そもそも武装色一本で大将まで登り詰めたゼファーの覇気に対する基準が高過ぎるというのもあるだろう。

*4 海軍コートを羽織っているので少尉以上の将校であった事は確実だが。

*5 ちなみにこの当時は鍔広の帽子をかぶっていた他、葉巻きを吸っていた。

*6 政府の高官であるボルサリーノが踊っていい踊りだったのかとツッコむ読者もいたが、ニカ信仰について政府は世間に公にする事自体避けており、口にした者が秘密裏に消される事はあっても、大っぴらに違法扱いにはされていない。海軍大将といえど、ボルサリーノもその辺の事情は知らなかったと思われる。

*7 過去の描写後ではくまに対する苦言がまた違って見えるであろう

*8 仕事と言うのもあるが恐らく、くまがやった行為のお茶濁しの為でもあると思われる。

*9 黒ひげも赤髪海賊団と戦うのは時期尚早と判断して撤退。

*10 ただ、この時の蹴りには明らかに威力がなく、かなり手加減していたと思われる。恐らくこの場にいるより下層にいた方が生き延びられる可能性があると判断しての行動だったのではなかろうか。

*11 ドール中将らは巨兵界賊団参戦後にはボニーら始末に再度島内へ戻る

*12 通常、バスターコールは海軍中将5名率いる軍艦10隻で発動される。