ようこそ実力至上主義の教室へ

登録日:2024/04/06 Sat 00:54:18
更新日:2025/04/26 Sat 13:47:01
所要時間:約 20 分で読めます





少年少女に見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会


ようこそ実力至上主義の教室へ』は、衣笠彰悟によるライトノベル作品。
2015年5月よりMF文庫Jより刊行されている。
イラストはトモセシュンサク。
略称は「よう実」。



【概要】

物語の舞台は完全実力主義である「高度育成高等学校」。
入学した生徒はクラス単位で学校側から課される特別試験で競い合うことになり、最も成績の良かったクラス(Aクラス)に関しては、進学・就職先ともに輝かしい未来が100%で約束される。

反面、特別試験を通じて成績を残せない最底辺の生徒や素行不良で問題になった生徒、特別試験において各クラスで諸事情により退学対象に挙げられた生徒などは退学処置を受けることがあり、文字通り「実力主義」それどころか「弱肉強食」の学校である。

こうしたシビアな環境下において主人公を含む各クラスの生徒は勝利を目指して謀略を図り、時には騙し合いを含む駆け引きが見られる。
意外な決着になったことに面食らった読者・アニメ視聴者もいるだろう。
併せて、本作に登場するキャラクターはどれも一癖も二癖もある「裏の顔」「裏の事情」を有しているキャラが多い。
そうした彼らの心境を辿り、二の手三の手を想像したり、その「裏の顔」による陰湿な展開や痛快な結末を楽しんだりする読者が多い。
なお、主人公が所属しているクラスはその中でもとりわけ、底辺生徒や難癖を抱える生徒が多いDクラスである。
Aクラスになるまでいかに這い上がれるかも注目される。

なお本作を執筆するにあたり、作者は単なる「頭脳戦」を描くだけでなく、様々な要因からなる「実力」をテーマにしているとのこと。
このため、時には駆け引きだけでなく、「暴力的要素」が勝敗の決め手になるという、本来であればイレギュラーとなる要素も物語の中に盛り込まれている。

こうした各キャラの駆け引きを辿るのが人気を得て、「このライトノベルがすごい!」2023年版では文庫部門第1位を、読者投票においては2020年以降、第1位を達成している。

メディアミックスとしては、一乃ゆゆ作画によるコミカライズ版が、紗々音シア作画による2年生編のコミカライズ版が連載されている。
また、主要キャラの1人である堀北鈴音をヒロインに添えた「ようこそ実力至上主義の教室へ √堀北」がサカガキを作画担当にして連載されている。
テレビアニメにおいては3度にわたってアニメ化され、内容は原作の「1年生編」にあたる。


【高度育成高等学校】

東京都の埋め立て地に建設された国立名門校。
入学後卒業まで外部との連絡は断たれるものの、60万平米と言われる敷地内には小さな町、と言える程の施設が充実しており、何一つ不自由する事なく生活が可能。
寮も学校全生徒が1人1室で入居出来るマンションのような形であり、正に至れり尽くせり。
そして卒業後は進学率・就職率100%と言われる程の好実績を誇っている。

+ その内実
実際は優秀な生徒のみが好待遇を受ける事が出来る実力至上主義の学校

入学試験そのものも実際にはポーズに過ぎない物であり、本来は学科試験前に全国の中学校から推薦と言う形で生徒を集めている状態であり、その推薦がないのならば例え学科試験が全教科満点であろうが不合格になる

また、進学率・就職率100%と言う売り文句は各学年4クラス編成の中クラス対抗戦を行い、結果をポイントで割り出して優勝したAクラス生徒のみに限ったもの。
そしてクラス対抗戦の為一般的な学科試験だけではなく各クラスのポイントが上下する特別試験と言うものも行われている。
入学時の振り分けは入学者を優秀な順にA→Dの順に振り分けていく形だが、純粋な能力のみで決まっている訳ではなく何らかの事件を起こしていたり、明確な欠点があるのならば純粋な能力ならもっと上のクラスのはずだが下位クラス所属やその逆もあり得る。

また、試験の成績不良や特別試験の敗北ペナルティ等で生徒を容赦なく退学させるのが特徴であり、何なら学校側からして退学者無しで卒業はおろか1年を乗り切る事すら想定していないし、退学そのものが前提になっている*1
ただし基本的に退学者は
  • あまりにも能力が低くて、クラスの足を引っ張っている者
  • 「こいつと同じクラスで、もう学校生活を送りたくない」とクラスメイトが考えるクズ
に偏っている為卒業する事のみならばさほど難しくはないし、もし退学処分となってしまった場合でも他校への編入試験を受けられる等の救済措置はしっかりと残っている。

また、「実力至上主義」と云えども学力のみに偏っている訳ではなく、例を挙げるならば部活動成績や文化活動等で顕著な成績を残せばクラスポイントがもらえるし、各種特別試験は学科試験のみ、と言う訳ではなく身体能力やひらめき、極端な物だとサバイバル技術や自分の得意分野が関係する物もある。

ただし、運動部の大会等による学外遠征は認められているものの常時監視付きで他校との接触禁止、大会終わったら即学校帰還、そもそもが家族込みで卒業or退学までは外部との連絡が完全に断たれる状況から、特に芸能活動と言った外部との関わりが非常に強く求められる活動はほぼ不可能(どころか今後に関して致命傷*2)であり、文化祭と言った外部から来賓を招待するような特別試験がそもそもない事から、こと芸能人等における一般知名度と言った物は実力として認めていないのでは?と思われる運営の描写がある。


【あらすじ】

進学率・就職率100%と言われる進学校・東京都高度育成高等学校に入学した綾小路清隆、しかし彼が所属する1年Dクラスは、進学校とは思えないような問題児ばかりだった。
さらに学校は、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業に関しては私語・居眠り・サボタージュをも黙認する放任主義。
自堕落な生活を送る生徒たちだったが、違和感を抱く者もいた——他人との交流を徹底的に避け、孤独を貫く美少女・堀北鈴音だ。
彼女は、生徒に大金が与えられているはずなのに、校内に『お金を持たない者への救済』が多く用意されていることに気づく。
やがて1ヶ月後、綾小路、堀北、Dクラスの面々は学校のシステムの真実を知る……。
(アニメHP 第1話のあらすじより引用)


【キャラクター】

綾小路世代はクラスポイントの変動でA~Dがコロコロ変わるため、そこは除外。
また、クラス移籍者の紹介に関しては入学時点のクラスに記載する。

(堀北クラス)

主人公である綾小路が所属するクラスで担任は茶柱紗枝。
問題児揃いのクラスの為素行も規律も悪く、クラスポイント一ヶ月で全て使い切るなど当初はクラスの半数以上が足を引っ張る状況だったが物語が進むに連れて成長していく。
リーダーは1年時のクラス内投票までは平田洋介が務めていたが、1年時の学年末試験以降はリーダーは堀北鈴音、サブリーダーが平田洋介という形で落ち着いている。

CV:千葉翔也
本作の主人公。
影が薄く、目立たない男子生徒。
物事に対して無気力な言動が見られ、基本抑揚のないしゃべり口調で、他人とのコミュニケーションが極めて下手。
このため、クラス内で友達を作りたくても作れず、孤立している。
入学試験の成績は『完全に中間』であり、学力・運動能力、共に平均的な生徒であると学校側から見なされている。

どこか得体の知れないところがある彼であるが、容姿は整っており、時折試験で見せ場を作ることもあることから、複数の女子生徒からは「カッコいい」と言われることもあるようだ。
また後述する主要女性キャラとのやり取りから、彼女たちの心を奪ってしまうという罪深き一面も。

実は父親が運営する教育機関である「ホワイトルーム」で英才教育を受けており、最高難易度のカリキュラムを達成した唯一の人物であり、「ホワイトルームの最高傑作」と呼ばれている存在。
このため入学試験では「中間の成績」とされていた彼だが、実際は常人離れした極めて高い学力、頭脳、身体能力、格闘センスを兼ね備えている。
ただし一般常識がない為「中間の成績」を「100点満点の試験の中間だから」と考えて入学試験を全教科50点に揃えるとかやらかしている
いわゆる完全無欠な存在にもなりえるのだが、本人は穏やかな高校生活を過ごしたいとしている。

ただしその本質は「吸収力と応用力の怪物」と言った物らしく、完全に未経験かつ身体能力がさほど影響しない競技では人並、身体能力が影響する競技でも全国レベルに近い熟練者相手だと勝てないぐらいであるとの事*3
しかし一度でも基礎を学べば即身に着けた上で応用できる物に即応用出来るとの事。

なお、特別試験でAクラス昇格を目指すためには手段を択ばないどころか、「駒」となるキャラクターを動かすためには、対象の弱みを抉るような言動も厭わない冷酷な一面も有している。
裏工作や裏取引にも応じるなど、策略家でもある。
そうした彼の「裏の顔」も本作でいう「実力」の1つということなのだろう。

詳細は項目を参照。

CV:鬼頭明里
「もの好きね、あなたも。私に話しかけても面白くないわよ」
クラスのリーダーを努める女子。
本作の主要人物の1人でもう一人の主人公と言える人物。
黒髪ロングヘアの美少女。
キャラデザのトモセは当初堀北をデザインするにあたっては目が大きく、可愛らしい巨乳キャラで作成されたが、原作の衣笠とすり合わせが行われ、釣り目(キツネ目)で胸も控えめに描かれたとのこと(ただ貧乳として描かれたのではなく、バランスの取れたスタイルにされている。まあ後に一之瀬など巨乳系の女性キャラが多く出てくることからもこの采配は理にかなっているともいえる)。

クラス内で綾小路の隣の席にいる美少女。
友達を作りたくても作れない綾小路とは対照的に、友人関係を不要と否定し、自らクラスメイトとの交流を絶っている。
こうした他人に対する思いやりや配慮に欠ける高慢さは言動にも表れてしまっており(能力不足・成績下位の生徒を見下す言動が見られる)、優秀な成績を有していながらも彼女がDクラスに甘んじているのはその背景がある。
ただ一方で強烈な一言を嘘偽りなく話す彼女の性格は、何かと裏表がある学校生徒の中において、純粋・素直であると評することもできる。

落ちこぼれの集まりであるDクラスに配属されたことに納得いかず、Aクラスへの昇格を目指す。
同時に彼女がなぜAクラス入りを目指しているのは優秀である3年の兄の背中を追いかけているからである。
しかし、兄の背中を追うがあまり、その言動や仕草、趣向が兄の「模倣」と化していることから、兄に突き放されることになった
その結果、彼女としては兄に突き放されたのは自身の未熟さによるものと考え、ますます兄の模倣を意識するようになってしまった。
そしてその結果「鈴音の能力特性は自分の模倣では全く生かせない」と考えていた兄にますます矯正の為突き放され、と言う悪循環であり、そもそも兄がこの学校に来た理由が「物理(距離)的な意味で突き放す為」と言う節がある程。

そんな彼女が自身の未熟さと向き合い、自分の信じる道に向けて成長していくことになる。
彼女が特別試験で大きな壁にぶち当たり、その中で自分を見つめ直し兄と向き合う10巻の展開は一見の価値がある。

「今日兄さんに話がしたかったこと、それは・・・、私に、勇気をください」

こうした成長を踏まえ兄が卒業する際には、それまでの自分をリセットする意味も込めて特徴的だった長い黒髪を切り、兄との学園での別れを迎えることになる。

なお、堀北をヒロインとして認定するかについては議論の分かれるところである。
アニメ1期に関してはメインヒロインのような扱いであるが、それ以降の扱いや綾小路に対する感情を恋愛かと問われると判断を窮するところ。
併せて軽井沢・一之瀬・坂柳などといった綾小路にアプローチしてくるヒロイン勢と比較しても、彼女の立場はヒロインと言えるか難しい。
もう一人の主人公と考えてもいいかもしれない。
しかし、今後の原作の展開などから、彼女がスポットにあたる可能性も大いにある。

初期の相手の言動全否定から入る態度、作中で「そこから成長して行く」姿が描写されて行った事からやたら二次創作では下記須藤と同じくアンチ対象になる事が多い*4

詳細は項目を参照。

  • 櫛田(くしだ)桔梗(ききょう)
CV:久保ユリカ
「ここにいるみんなと仲良くなることが目標です」
容姿端麗で男女の両方から絶大な人気を誇る、Dクラスのアイドル的存在。
社交性に優れ、学力、身体能力、共にクラスでは上位クラス。
学校中のみんなと友達になることを目標とし、Dクラス内だけでなく他クラスや他学年の生徒たちとも広く交流を持っている。
気配りもできるなど、天使のようなクラスメイトと言えよう。
他人との交流を避けて孤立している堀北を気にかけ、彼女と友達になろうと積極的にアプローチしている。

しかしそれは表向きの姿で本性は、恐ろしいまでに承認欲求に飢えており、傲慢で利己的な性格で周囲の人間を見下している。
マウントをとれるようにクラスメイトの弱みをといった負の情報収集においてかなり正確なものになっている。

幼少期は学業と運動面で優れた成績を残していたが、成長するにつれ頭打ちになり、周囲に追い抜かされ埋没してしまう。
その代わりに拠り所を求めたのがクラスメイトの相談役になることによって、承認欲求を満たしていたとされる。
しかし、その結果、周囲の感情に触れることでストレスを蓄積させる結果を招き、匿名ブログでその悪口を発散させていたが、その事実がクラスメイトより暴露されてしまう。
本来なら虐めのターゲットにされそうなものだが、逆上した本人はブログで記載されていること以外の内容を暴露して学級崩壊を引き起こした。

堀北にアプローチをかけていたのも、当時同じ中学だったことから彼女に弱みを握られたくないから。
よって、Dクラスを裏切り、彼女を退学させようと暗躍していた。
しかし、ブラコンな兄の背中を追っていた彼女は櫛田が作り上げた学級崩壊には眼中になく、正直真相も知らなかった。
何なら暗躍を受け続けた結果過去の関わりを思い返してみてようやく同じ中学校だった事を思い出した(=それまで高校入学まで繋がりすらないと思っていた)有様だった為、完全にとばっちりを受けた格好である。
こうした振舞や彼女の闇の部分は綾小路に危険視され、Dクラスにおいて排除されるべき存在と認定されるに至ってしまった。

なお中学時代に収集したクラスの悪口、ブログに記載しなかったであろう部分の内容がアニメ版でチラっと描写されたが、明らかにこのDクラスがかわいく見える程のとんでもないゴミクラス*5だった為んなもん抱えさせられた事に同情の声も上がった

  • 軽井沢(かるいざわ)(けい)
CV:竹達彩奈
本作のチョロインヒロインの1人。
ポニーテールの髪型でギャル系の見た目をしており、Dクラス女子の中心的な役割をになっている。
学力や身体能力は平凡だが、綾小路曰く「場を支配する力」を兼ね備えており、会話において主導権を握る才能を有しており、頭の回転は悪くない。
何かと交渉事や裏取引が平然となされる当学園内においては有効な能力ともいえる。
言動には傍若無人な一面もあり、一部クラスメイトから反感を買っていたところもある。

学校入学早々、当時クラスのリーダー的な役割になっていた平田と交際するも、これは平田を隠れ蓑にして、自身の影響下以外の生徒から反感を買うことを回避するためでもある。

この背景には中学時代に壮絶な虐めを経験しており、ある意味人間不信に陥っていたと言える。
何せ作中に授業や休日にプールでヒロイン達が水着を、と言うシーンがあるがそこに中学時代にカッターで脇腹刺された傷が残っているからと言う理由(周囲には一切バラしておらず逐一別の理由をでっち上げている)で一切参加していない程。
平田との交際も恋愛感情によるではなく、「寄生している」と称していることから、彼女にとっていじめという事実がトラウマになっていることが見て取れる。
作中(特に序盤)の傍若無人な言動も舐められない為に自分を虐めていた人達の言動を模倣している形。
「私は、寄生虫。一人で生きることの出来ない、弱い生き物なのだ」
学力が低い理由も中学時代の虐めが壮絶すぎて勉強なんざ出来る訳がない状態だったからと言うのが大きく、描写のそこかしこに「実は地頭はいいのではないか?」と思えるようなものが挟まっている。

そんな彼女にスポットライトが当たるのは原作3巻以降の無人島試験以降だが、この時は彼女の傍若無人ぶりが映し出されるだけで、本格的なのは次の4巻の船上試験の頃かと思われる。
Cクラスの真鍋達と大きなトラブルになり、平和的解決を考える平田に愛想をつかしてしまう。
その後、トラブルはエスカレートしていき、それはより本格的なものになってしまう。
ちなみにこの一連の流れは彼女をめぐる騒動を目撃した綾小路により仕組まれたものであり、彼に脅される形で、協力関係を組まされることになる(その際綾小路は彼女のことを「」として認識している模様)。

綾小路に協力していくため、彼に「寄生」していく中で彼への信頼する気持ちも生まれていく。
とりわけそれが決定的になったのが、Dクラスの黒幕を暴こうと画策するCクラスの龍園により屋上(アニメでは工事現場)に呼び出され、寒い中で冷や水をかけられる拷問を受けたときである。
過去のいじめを彷彿とさせる出来事であったが、その際「何かあった際には必ず助けに来る」と言っていた綾小路に助けられた。
その際、真鍋によるいじめの真相を知らされることになったが、より彼への依存と恋心を自覚するようになっていった(これも綾小路の策略によるものであったことはいうまでもない)。

その後、協力関係のような二人だったが春休みの際、綾小路の方から告白されて、二人は交際関係に発展する。
しかし、綾小路にとっては恋愛という考え・価値観を学ぶために軽井沢を利用しているとされ(いわゆる「恋愛の教科書」として、である)、果たして彼女の気持ちがこのまま成就していくのか、幸せになっていくかはまだ見通せない。

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
その後2年生編ラストにおいて綾小路から別れを切り出され、交際関係を解消する。
ただし、その理由は「恋愛の教科書として恋愛感情がないまま交際したが1年経っても軽井沢に恋愛感情を抱かなかった為」と言う綾小路にしては最低だが理解は出来る理由であり、「もし交際中に恋愛感情が芽生えていたら交際を継続していた」「むしろ芽生えろぐらいには思っていた」事も内心描写ながら描写された為さほど叩かれる事にはなっていない。

余談だがイラスト担当のトモセは軽井沢をヒロインとしてではなく1回きりの使い捨てキャラだと思ったとのこと。

  • 平田(ひらた)洋介(ようすけ)
CV:逢坂良太
1年生編のクラス内投票までは堀北と共にDクラスをまとめるリーダー的存在で、サッカー部に所属している男子生徒。
「優秀な学力」「運動能力」「甘いフェイス」そして善人を絵に描いたような正義感と気遣いに満ちた性格の持ち主で、スペック自体は何故Dクラスなのかが不思議なぐらいの持ち主。

そんな彼だが、中学時代に幼馴染みである杉村に対するいじめを自らの保身のために傍観した結果、彼の自殺を招いてしまう。
二度と同じ過ちが繰り返されないように平田は自らがスクールカーストの頂点に君臨。
それ以外の生徒が全員カースト最下位になった事で学校からいじめは根絶された。
現実にも平田みたいな奴がいたらいじめも減りそうだ。
しかし、皮肉にも龍園同様の暴力を用いた支配だったがために一つの学年が機能不全になるまでに至り、全部のクラスが強制的に解体され、再編される形となった。

入学早々に軽井沢の彼氏役を引き受けたのも、かつての杉村に対する償いのためである。

  • 須藤(すどう)(けん)
CV:竹内栄治
バスケ部に所属する不良っぽい赤髪の男子生徒。
物語初期はトラブルメーカーで試験対策における懸念事項において、だいたいこいつのせいであることが多い。
とはいえ、身体能力に関しては学年でもトップクラスでバスケに関しては真剣に打ち込んでいるなど、根っからの不良という訳でもない。
学力に関しては物語当初は学年でも最低レベル*6であったが、堀北の指導により物語が進むにつれて改善していき、精神面でも大きく成長を遂げていく。
紆余曲折あったが、体育祭において堀北に説得され、彼も頑張る姿勢を見せてくれるなど成長する様子が見て取れる。
当初は堀北に反抗的だったが、自分の窮地を救ってくれた堀北には次第に思いを寄せるようになっていき、堀北の指示には忠実に従うようになる。

  • (いけ)寛治(かんじ)
CV:阿部大樹
須藤・山内併せて3バカトリオと言われており、学力や身体能力は低いが、明るい性格でコミュニケーション能力は高くクラスのムードメーカー的存在。
無人島試験では親に連れられて豊富なキャンプ経験があった為唯一知識がある人間として活躍を見せた。
が、同時に綾小路最大のピンチも招いた
物語が進むにつれてクラスメートの篠原さつきとの距離が縮まっているようで…?。

CV:岩中睦樹
よう実キャラの中でも屈指のインパクトを残した名脇役。

詳細は項目を参照。

  • 高円寺(こうえんじ)六助(ろくすけ)
CV:岩澤俊樹
「高円寺コンツェルン」の一人息子。
その容姿からお前本当に高校生なのかという突っ込みはさておき。
学力と身体能力に関しては作中に登場する生徒の中では最上位クラスだが、徹底的な唯我独尊な性格が幸いして、誰も彼も止められないどころか、特別試験にも積極的に参加しない(例:無人島試験で体調不良と訴え早々にリタイアするなど)など自分の興味の無いことは一切やらず自分のやりたいように振る舞うなど、自由奔放&傲岸不遜を絵にかいたような男で作中でも屈指の問題児。
協調性は皆無*7で須藤とは犬猿の仲。
が、何故か王だけは(高円寺なりのではあるが)気に掛けている面が見えている。

  • 外村(そとむら)秀雄(ひでお)
CV:川辺俊介
眼鏡をかけて太っている体型の典型的なオタクの男子。
友人からは『博士』と呼ばれている。学力は平凡で身体能力も低く運動は苦手だがコンピュータ関連の能力は高く、1年時学年末試験の坂柳クラスとのタイピング技能対決では貴重な1勝をクラスにもたらした。

  • 佐藤(さとう)麻耶(まや)
CV:Lynn
軽井沢の友人の一人。
体育祭で綾小路が3年の堀北兄とリレーで激しいデッドヒートを繰り広げたのを見てカッコいい!と感じ、彼に一目惚れに近い感情を抱いた模様。
彼と連絡先を交換してデートするにまで至るものの、彼に恋愛感情はなく、告白するも振られてしまう。
ぶっちゃけ付き合っても駒として利用されて終わるだけだからそれでよかった気がする。
その後も綾小路への想いは抱き続けている模様。
はかない乙女みたいな一面がある。

  • 松下(まつした)千秋(ちあき)
CV:田澤茉純
軽井沢の友人。
学力も運動能力も平均的だが実は彼女も自らの実力を隠しており、本来の実力はクラストップクラス。
要するに女版綾小路である。
選抜種目試験での一件で綾小路の真の実力を見抜き、彼に興味を抱くようになる。

  • 篠原(しのはら)さつき
CV:香田沙織
軽井沢の友人。
学力、身体能力どちらも平均以下だが、社交性は高くクラスの女子の中心人物の一人。
物語が進むに連れて池寛治との距離が縮まっているようで…?

  • (ワン)美雨(メイユイ)
CV:桜木アミサ
中国からの留学生の小柄な女子生徒で、日本語も流暢に話せ学力もクラスでは上位レベルだが、運動は得意ではない。
友達からはみーちゃんと呼ばれており、平田に好意を寄せている。
また、なぜだか高円寺からはそれなりに気にかけられてる様子で...?

  • 小野寺(おのでら)かや乃
CV:小市眞琴
水泳部に所属する女子。
学力は平均レベルだが、水泳に留まらず、様々なスポーツが得意。
その運動能力は堀北をも上回り、女子の中では(実力を隠しているであろう松下を除いて)トップクラス。
物語が進むにつれて須藤に好意を寄せるようになっていく。

綾小路グループ

ペーパーシャッフルテストにおいて、一緒に勉強したことがきっかけで結成されたグループ、リーダーは綾小路。
もともと特定の親しい友人を作ってこなかった面子が自然体で話せるということで始まったグループである。
冷徹な思想を持つ綾小路も、気軽に会話や遊びができるこのグループには居心地の良さを感じている。
一見、グループの結束力も強いように見えるが徐々に綾小路とそれ以外のメンバーとの間で認識に差が生まれており...

  • 幸村(ゆきむら)輝彦(てるひこ)
CV:郷田翼
非常に高い学力を持っている男子生徒、運動はかなり苦手と須藤とは真逆のタイプ。
当初は堀北同様、落ちこぼれのDクラスに配属されたことに納得してなく、学力のみで人を判断する傾向にあったが、体育祭や無人島試験で自分の無力さを痛感したため、その考えを改めることになる。
実は自身と父親を置いていった母親に恨みを抱いていたという重い経歴がある。
その為自分の「輝彦」と言う名前*8を嫌悪しており、グループ内でも苗字呼びか父親が本来付けようとしていた「啓誠(けいせい)」と言う名前で呼ぶように頼んでいる。

  • 三宅(みやけ)明人(あきと)
CV:鈴木峻汰
綾小路グループの一人で、弓道部に所属している男子生徒。
中学時代は不良で問題児だった模様。
今はそのようなことはなく、グループ内の中も良好。
密かに長谷部に想いを寄せている。

  • 長谷部(はせべ)波瑠加(はるか)
CV:巽悠衣子
端正な顔立ちで胸も大きめ。
よって自身に性的な視線を向ける男性に嫌悪しているが、グループの男子はそうした感情を持っていないため、気さくに接しており、居心地の良さを感じている。
なお友達と思ったメンバーにはあだ名呼びをする(綾小路→きよぽん等)。
あれっ?愛里はあだ名呼びじゃないのかな?

  • 佐倉(さくら)愛里(あいり)
CV:M・A・O
綾小路グループの1人。
グループ結成の際に飛び入りで参加した。
内気な性格と地味目な容姿でいるが、実はその正体はグラビアアイドルの「雫」であり、現在は活動休止中だが、ネット上ではその綺麗な容姿を活かした画像を公開するなど活動はしている。
ストーカーによる嫌がらせを受けており、その問題を綾小路が解決させてから、彼に想いを寄せている。

しかし...

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
「クラスの中で、要らない子がいるとしたら……多分、それは私、なんじゃないかな……」

総合能力自体は堀北クラスの中では最底辺である*9ため、綾小路から内心では堀北クラス内では最も価値が低い存在だと思われており、それが災いして2年生編の夏休み明けにおこなわれた満場一致試験では、クラスを裏切ってはバレた腹いせでクラスメイトの秘密を暴露した悪人ではあるものの有能である櫛田を残す*10代わりの退学者へと選ばれてしまい、山内に次ぐ二人目の退学者となってしまう。
想いを寄せていた綾小路から事実上の戦力外通告を受けることになってしまったのであった。

そしてその結果意図して同じグループ内の人間を切り捨てた事から長谷部の激怒を受け*11綾小路グループが崩壊する原因となった。

また、その試験の後に入学後初めて活躍出来る特別試験であるのが確定していた高育史上初の文化祭があった事*12、しかもその「活躍出来る事」を知っているor気付けた存在がよりにもよって「戦力外である」と直接切り捨てた綾小路と直前まで切り捨て対象だった櫛田だった事*13により、よう実で一番賛否が分かれる結果となった*14
ちなみに、佐倉退学巻発売10日前が偶然誕生日であり、公式Xが「これからの活躍にご期待ください!」とおめでとうコメント入れた直後のこれ*15と言う事から公式が炎上する事となった。
後地味に公式スリーサイズとカップが一人だけ凄まじいぐらいに悪い方向に乖離している*16
さらに特にOAA関連や学校評価関連だと異様にご都合悪い主義と言わんばかりに佐倉に都合が悪い状況、評価しか起きない*17*18*19為、作者に嫌われている疑惑すら発生している


(龍園クラス)

龍園の暴力による独裁体制で成り立っているクラスでリーダーは当然龍園が務めている。
担任は坂上和馬が務めている。
ただし、特別試験での負けが原因でクラスがDに降格してしまった事や龍園自身のそもそもの性格の問題もあってクラス内での不満や反発の声も高まっており、1年生編中盤にて遂に石崎による形式上とはいえ下克上を許してしまう。
その後、龍園はクラスの指揮を放棄すると同時に傍観者として孤立する道を選び、1年生編中盤からは石崎や椎名によってクラスが指揮されていたが1年の学年末試験で龍園が司令塔として一之瀬クラスに完勝したことにより、再び龍園がリーダーに返り咲いた。

  • 龍園(りゅうえん)(かける)
CV:水中雅章
愛すべきドラゴンボーイ
クラスのリーダーを努める男子生徒。
頭の回転が速く、恐怖で支配することを信条とする。
その手法は手段を選ばず、裏で暴力や器物破損行為も平然と行う非情さを持ち合わせている。
いわば「バレなきゃ犯罪にならないんですよ」みたいな状態。

このため、クラスからは嫌われているが、綾小路や坂柳のような策略家からは認められている。
根っからの悪人思考であるが、根は真面目なところもある。
また意外と努力家で、勝利のためには努力を惜しまず、無人島試験の際には一部を除き一人で無人島でサバイバル生活を演じて勝利を目指すなど、勝利に向けて労を惜しまないところがある。

彼の人格形成の背景には小学生時代に蛇と出会ったことにある。
周囲は蛇に対して恐怖心を抱いていたが、平然と蛇を殺したことによって、相手を屈服させる快感を覚えたという。
また、常人と比較して恐怖への耐性が強く、Cクラスのリーダーに至るまで数多くの修羅場を潜り抜け数多くの敗北を経験したが、恐怖で心折れることなく、機転の良さで相手を追い詰めて屈服させて来た。

そんな彼が恐怖を思い起こしてしまったのが綾小路と対峙した時である。
軽井沢を屋上(アニメでは工事現場)で拷問をかけた際、綾小路が現われ、彼の圧倒的な力の前に敗北。
恐怖どころか愉悦も快楽も感じない「無」の境地で殴り続ける彼に龍園は「恐怖」を呼び起こすことになり、完全敗北することになった。

ドラゴンボーイ「ああ…あ…」
綾小路「ああ、それだ龍園」
綾小路「見えたみたいだな。自分の中にも恐怖が存在することが」

その後は初めての挫折を味わった事もあって混合合宿では特に動かず、クラス内投票でもクラスが降格した責任をとって何もせずに自らの退学を受け入れる態度を見せるなど、自らクラスで孤立する道を選び、事実上の傍観者に徹していたが、自身を慕う石崎と伊吹が自身の退学を阻止するために動いたことにより退学は無事に回避されることになった。

流石にこの一件には思うところがあったようで、1年時の学年末試験時では負ければ退学になるのを承知で司令塔として一之瀬クラスと対決し、一之瀬クラスに完勝したことで完全にリーダーに復活した。

ちなみに主人公の綾小路と誕生日が同じである。

  • 伊吹(いぶき)(みお)
CV:小松未可子
龍園クラスに所属する女子生徒で龍園クラスの主要人物の一人。
龍園に反抗しているように見えるが、同時に彼の実力を認めていることもあって、彼の指示には忠実に従っている。
無人島試験の一件以降、堀北を一方的にライバル視している。
屋上事件の後、彼が退学を視野に行動している際に𠮟責したり、クラス内投票の際には彼を退学から回避すべく綾小路に助けを求めたりするなど、彼女なりの義理堅さを感じる。
尚、女子でありながら身体能力も高く格闘術にも長けている。

  • 石崎(いしざき)大地(だいち)
CV:帆世雄一
龍園の部下、問題行動を起こしている不良。
伊吹同様に彼には反発していたが、彼に屈した後は忠実に従っており後に龍園を慕うまでになる。
不良といえる問題児だが意外にも話せばわかるタイプで場の空気を読む能力や協調性は低くなく、合同合宿で一緒になった幸村にも力を貸していた。
なお、屋上事件の後は龍園に代わってクラスのリーダー的な存在となるが、本人は龍園を慕い続けており、クラス内投票の際には伊吹と共に綾小路に龍園を救って欲しいと助けを求めた。
綾小路の計らいで龍園が救われたことから綾小路に対する態度を大きく改め友好的に接するようになる。

  • 山田(やまだ)アルベルト
CV:Ricky
お前本当に高校生なのか!?どっかのマフィアの一員じゃないのか。
日本人と黒人のハーフで、高校生離れした体躯を持つ龍園のボディーガード。
戦闘能力や身体能力は龍園以上で、実際喧嘩で彼に勝利したこともあるが、彼に屈した後は彼に忠実である。
作中でもトップクラスの強面だが、本人は争い事は嫌いで龍園の指示以外で暴力を振るうことはなく龍園に従っている限りはクラスメートに対しても寛容である。
その高校生離れしたと容姿とキャラクター性で読者やアニメ視聴者からネタ的な意味で隠れた人気を持っている。

  • 椎名(しいな)ひより
CV:高橋李依
綾小路とは読書仲間の女子生徒。
読書が趣味ということもあり龍園クラスの中ではトップクラスの学力の持ち主。
おっとりしていて、天然で優しい性格をしている。
アウトローな連中ばかりのクラスの中ではある意味、異質と言える存在。
一方で特別試験に対してはそこまで積極的でなく、協調性もない。
しかし、洞察力が高めで冷静沈着なところがあり、彼女の発言も分析を踏まえた慎重なものである。
そんな部分を龍園に評価されていたためか、屋上事件の後は龍園に代わってクラスのリーダー的な存在になった石崎の補佐を担当しており、石崎からも一時期はひより姐さんと呼ばれて敬語を使われていたほどに慕われている。
また、綾小路から唯一自発的に下の名前で呼ばれている女子でもある(軽井沢は駒にするため、佐倉と長谷部はグループのルールのためであり、自発的に呼んでいるのはひよりのみ)。

龍園クラスに所属するキャラの中では読者人気も高く人気投票でも上位常連のキャラである。

  • 金田(かねだ)(さとる)
CV:堀川誉
マッシュルームのような髪型の男子。
クラスでは参謀的な立ち位置であり、椎名と並び龍園クラスでは数少ない学力が高い生徒。
龍園からも外見以外は使いどころがあると地味にディスられているがそれなりの評価を受けており、クラス内投票では龍園クラスの賞賛票1位を獲得した。

  • 真鍋(まなべ)志保(しほ)
CV:富田美憂
伊吹と同様に気が強い性格の女子。
クラスの女子のリーダー格でもあり、伊吹とは犬猿の仲。
龍園のような強い者には弱腰だが、一方で弱い者には傲慢な態度を見せる。
船上試験の際、軽井沢が起こした問題行動にクラスメートの一人が巻きこまれた事を理由に綾小路に仕向けられる形で取り巻き達と共に軽井沢をいじめた(ただし、非は勝手な行動を取って謝罪もしなかった軽井沢にもある)。
その結果、綾小路に弱みを握られる形で取り巻き共々、スパイとして利用される。
後に龍園に裏切り行為が露見するが自分達を操っていると思われる人物の名を挙げた事で何とか事なきを得た。
龍園がリーダーを退いた後は支配される恐怖からの解放もあって今まで以上に威張り散らしていたが、クラス内投票試験では退学候補となった龍園を救いたい石崎の策略で龍園の身代わりにされる形で批判票1位になり呆気なく退学に追い込まれた。

山内や戸塚と異なり、原作だと退学が決まった際の描写はなかったが、アニメ版では自らの退学が決まって絶望するシーンが追加されており、その姿は龍園曰く「阿鼻叫喚」だったらしい・・・。

  • (やぶ)菜々美(ななみ)
CV:田中美海
真鍋の取り巻き。
大人しそうに見えるが結構気が強い性格。
真鍋の事も呼び捨てで呼んでいる辺り、お互いに信頼関係は高め。
軽井沢のいじめに関与した事で真鍋と共に綾小路からの脅迫を受ける羽目になる。

  • 山下(やました)沙希(さき)
CV:鈴代紗弓
真鍋の取り巻き。
藪とは違って小心者な性格。
彼女もまた、軽井沢のいじめに関与した事で真鍋と共に綾小路からの脅迫を受ける羽目になる。

  • 木下(きのした)美野里(みのり)
CV:中野さいま
陸上部に所属している女子生徒。
クラスのためなら多少は悪い事にも手を染める性格。
体育祭にて自らの足を骨折させてまでして堀北を陥れる龍園の策に協力するが、真鍋達の裏切り行為が原因で最終的には失敗に終わったため、文字通りの骨折り損となった。
ある意味、体育祭における龍園の謀略の最大の被害者である。
龍園から足の治療費と報酬を貰えたのなら話は別だが。

これっきりの出番だと誰もが思っていたが?

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
夏におこなわれた無人島サバイバル試験にて何者かに襲撃され、またしても足を骨折してしまう羽目になる。
これには流石に読者達の間で同情の声も出たんだとか...

  • 西野(にしの)武子(たけこ)
CV:島田愛野
龍園クラスの女子。
胆の据わった性格であり、思った事は迷わず言うタイプでもある。
それは龍園に対しても同じであり、彼に平気で口答えできる数少ない女子。
特に原作だと携帯の履歴を検査しようとした龍園に真っ向から反発して結果的に自分の携帯の履歴が見られるのを阻止している。
そのためか、クラスでは取り巻きがいる龍園以上に孤立して問題児扱いされているが、本人は全く気にしていない。

その一方で真鍋のように他者に対して傲慢に振る舞うといった行為はおこなっておらず、原作のクラス内投票では石崎の頭の中では最終的な退学者の候補として西野か真鍋かの二択であったが、意見を求められた伊吹が普段から自分に威張り散らして気にいらないという理由で真鍋を指名しており、この僅かな差が真鍋との明暗を分ける形となった。


(一之瀬クラス)

リーダーはクラスメートから絶大な信頼を寄せられる一之瀬を中心とするクラスで、担任は星之宮知恵が務める。
団結力は学年一だが、それゆえに攻めの戦法に出れないという致命的な弱点が存在し、龍園クラスの椎名曰く『特別な脅威を持たない仲良しクラス。』と評されている。
1年時はなんとかBクラスを死守することが出来たが、2年生編に入ると次第に低迷していきクラスの弱点が浮き彫りになっていく。

  • 一之瀬(いちのせ)帆波(ほなみ)
CV:東山奈央
「ダメかな?ほかのクラスのことに興味を持ったら」
本作のヒロインの一人。
クラスのリーダーを務める女子生徒。
容姿端麗でスタイル抜群、明るくて社交的な性格も幸いして、クラスメイト・同級生・教師からも信頼されている。
何かと黒い裏の顔を持つ人物が大半を占める中、数少ない裏表のない善人である。
それ故にクラスポイント獲得よりクラスメートを守る戦略を取ることが多く、非情な決断が出来なく正攻法でしか戦えないという弱点があり、これが災いして2年生編以降では次第にクラスは低迷していくことになる。
また、他の生徒とは比較にならないほどのプライベートポイントを所有している。これは一之瀬本人がクラスの金庫番のような役割も兼ねているからである。
こうした彼女のキャラについて担当声優の東山は最初裏があるのではと思ってしまったらしい・・・。
しかし、実際の彼女のクラスは団結力が強く、安定感のあるクラス運営をこの1年間を過ごすことが出来た。
これは彼女の人柄によるところが大きいだろう。

一方で中学時代には万引きをしてしまった過去があり、これを基に坂柳に中傷される噂を流された。
しかし、彼女のクラスメイトに対する懺悔と謝罪がBクラスの結束を固める結果にもつながり、度重なる特別試験の際にもいかにクラスから退学者を出さないように心を砕いている。

綾小路とは物語初期から面識があり、度重なる問題を共に解決したりクラス間で同盟を結んだりするなど交流を深めてきた。
自身が追い込まれた脅迫事件の際には彼に精神を一度おられるも(これは綾小路の策略でもあるが)、立ち直らせてもらったことから、彼へ想いを寄せることになった。
春休みに綾小路に会った際、1年後、お互い成長した姿でまた綾小路の部屋で会う約束をしている。
これは何を意味しているのか?

  • 神崎(かんざき)隆ニ(りゅうじ)
CV:若山晃久
一之瀬クラスの男子でクラスでは一之瀬の参謀的な存在。
クラス内でも学力と身体能力どちらもバランス良く高いがコミュ力はあまり高くない。
自身にはない一之瀬のカリスマ性は認めているが、物語が進むに連れて一之瀬の方針でクラスが低迷しだしたことから、一之瀬の甘い方針に危機感と疑問を抱くようになる。

  • 白波(しらなみ)千尋(ちひろ)
CV:白城なお
一之瀬の友人で美術部に所属している女子。
男子には当たりがきつい。
実は一之瀬に恋愛感情を抱いており、彼女に告白するがフラれている。
しかし、それでも諦めていない模様。

  • 網倉(あみくら)麻子(まこ)
CV:綾瀬有
一之瀬の友人。
いつも明るく協調性も高い。
一之瀬や白波や小橋と行動を共にする事が多い。

  • 小橋(こばし)(ゆめ)
CV:佳穂成美
一之瀬の友人。
原作では白波、網倉と比べるとやや空気だがアニメ版では一之瀬クラスの女子として3人セットで登場している。

  • 浜口(はまぐち)哲也(てつや)
CV:石谷春貴
一之瀬クラスの中性的な顔立ちの男子。
身体能力は低いが高い学力の持ち主であり、一之瀬クラスの参謀ポジションを務めている。
基本的にクラスメートからは頼りにされてるが時には手段を選ばない一面もある。

  • 柴田(しばた)(そう)
CV:石川界人
サッカー部に所属している男子生徒で、堀北クラスの平田とは仲が良い。
体育祭にて1年生の最優秀賞を受賞するほどに運動神経が高く、女子からの人気も高いが本人は一之瀬に想いを寄せている。
二人三脚での一之瀬との挿絵は多くのファンを嫉妬させたとか。

  • 姫野(ひめの)ユキ()
CV:未定
一之瀬クラスの女子。
2年に進級してからボロを出し始めた一之瀬の方針に神崎と同様に疑問を感じている数少ない生徒の一人。


(旧坂柳クラス)

学力は学年一で堀北クラスとは対照的に問題児が少ない優等生揃いなクラスで担任は真嶋智也が務めている。
当初は攻撃的な坂柳と保守的な葛城が派閥争いをしてたが、中盤以降は完全に坂柳一強体制となる。

  • 坂柳(さかやなぎ)有栖(ありす)
CV:日高里菜
愛すべきリトルガール
本作のヒロインの一人。
学園の理事長の娘。
自らを「天才」と称するほどの頭脳を持つクラスのリーダー。
しかし、先天性の疾患を抱えており、運動は基本的にNG、常に杖をついている。
本作のキャラらしく裏に様々な思惑を有する腹黒ヒロインである。
言葉遣いは丁寧であるただし、幼女扱いされるとキレるが、同じクラスでリーダーをめぐってクラス内抗争をしていた葛城を仲間を使って信用失墜させたり、一之瀬の弱みを握って彼女を中傷する噂を流したり、自身を転ばせて無礼な態度を取ったというだけで堀北クラスの山内を退学に追い込むなど極めて攻撃的な性格でありプライドも高く、陰湿な行動も目立っている。

実はかつて父親と共に見学したホワイトルームで綾小路の姿をみたことがあるため、綾小路と同学年の人物では綾小路の過去を知る唯一の人物。
当初は父の教えである人工で生み出された天才の存在を否定するためにライバル意識を燃やしていたが、同時に彼には幼馴染としての恋愛感情に近い物を抱くことになる。
学年末試験の際、念願だった彼とのチェス対決を興じることになり、普段の彼女には見られないような嬉々とした言動や距離感の近さを感じる場面がいくつか見られた。
結局この試験は学園側の介入もあり、彼女の思うような決着に至らなかったが、後に綾小路への気持ちを吐露している。

「私はあなたのことを知りたくて知りたくて仕方がないんです。ずっと追い続けてきた出会うことのなかった幼馴染のような心境なんです」

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
2年生編の学期末試験で龍園クラスの龍園と退学を賭けて直接対決を行うことになるが、勝負自体は龍園を押して坂柳が勝利寸前まで持ち込むも、試験中の龍園との会話で綾小路の真意を知ったことで自ら敗北する道を選び、自主退学をすることとなった。

  • 葛城(かつらぎ)康平(こうへい)
CV:日野聡
クラスで坂柳とリーダーを二分している実力者。
スキンヘッドだが、これは全頭無毛症によるものである。
それにしても高校生らしからぬ風貌をしているが・・・
外見に似合わず保守的な思想の持ち主であり、考え方の違いからクラス内では坂柳と敵対関係にある。
しかし、後に無人島試験、船上試験と自らが指揮した特別試験でAクラスの大敗が続いた事が原因でクラスメートからの信頼を失い、結果的に坂柳がクラスの絶対的なリーダーに君臨する事を許す羽目になる。

その一方で、坂柳からもその優秀さは認められており、クラス内投票においても「敵対はしているが優秀だった」という理由で退学者には選ばれなかった。

その後は...

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
前述のように二度の特別試験で大敗したことでクラスメートからの信頼を完全に失い、坂柳との派閥争いも完敗してしまう。数少ない自身の側近である戸塚弥彦も坂柳によってクラス内投票で退学を余儀なくされてしまい、もう坂柳クラス内では葛城のクラスカーストは最底辺であると言っていい状況であったため、その状況を見た龍園から自クラスに勧誘され、2000万クラスポイントを使い龍園クラスに移籍することを決意し、高度育成高等学校歴代史上初となるクラス移動を果たした生徒となった。その後は龍園の参謀的な立ち位置で彼を支えている。

  • 戸塚(とつか)弥彦(やひこ)
CV:本橋大輔
葛城派の男子生徒で葛城を「さん」付けで呼ぶほど、慕っている。
Aクラスの生徒としてのプライドが非常に高く、下位のクラスの生徒を見下しているが、その一方で自身も特に際立った能力はない。
葛城が失脚した後も側近として彼を支え続けたがそれが仇となり、クラス内投票にて坂柳に葛城に従った者への見せしめとして退学に追い込まれた。
余談だが、生徒の中にはクラス配属に疑問がある者が何人かいるが、コイツがAクラスに配属された理由が一番の謎である。

  • 神室(かむろ)真澄(ますみ)
CV:佐倉綾音
坂柳の側近の一人。
口数が少ない上に協調性に欠けており、親しい友人もいなかった。
坂柳にとある弱味を握られており、身体に障害を抱える彼女の手足として色々とコキ使われている。
身体能力に弱点がある坂柳とは対照的に作中に登場する女子生徒の中では身体能力は密かにトップクラス。

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
2年生編終盤の生存と脱落の特別試験の結果、退学者となってしまう。

CV:阿座上洋平
坂柳派の男子生徒。
見た目は金髪でチャラい雰囲気が特徴。
学力、身体能力、コミュ力全てが総合的に高く情報収集が得意。
坂柳の指示にも忠実であり、彼女の指示で無人島試験にて龍園と組み、葛城を敗北に追いやった。
しかし、本心では最終的には自分がAクラスが卒業できればいいという考えであり、場合によっては坂柳を裏切る事も考えている。
そのために綾小路や龍園といった他のクラスの生徒とも密かに繋がりを持っている。

詳細は項目を参照。


  • 鬼頭(きとう)(はやと)
CV:野津山幸宏
坂柳派の男子生徒。
コイツもまた、高校生らしからぬ風貌をしているが・・・
武闘派であり、高い身体能力を有している。
坂柳と行動を共にする事が多く、彼女のボディーガード的な立場である。

CV:未定
2年生編から登場した坂柳クラスの女子。
三馬鹿に代わる新たなコミカル担当でもある。

詳細は項目を参照。

2年生→3年生→卒業生

  • 南雲(なぐも)(みやび)
CV:斉藤壮馬
生徒会副会長→生徒会会長。
軽い口調で、その中には傲慢さが目立ち、一学年上の生徒会長である堀北学の実力は認めているが、彼の保守的なやり方には不満を抱いている。
しかし、その実力は相当なものであり2年生全クラスは彼により掌握されているという。
女性関係に関しては割と奔放な性格とのこと。

  • 朝比奈(あさひな)なずな()
CV:雨宮天
2年Aクラスの女子で南雲とはクラスメートでもあり、それなりに親しい間柄である。
ギャル風の外見と口調に反して優しく義理堅い性格。
軽井沢にも見習ってほしいものである。
ちなみに綾小路からは2年生の中で一番まともと評価されている。
他の2年生のキャラが強すぎるため、あながち間違いではない。

  • 桐山(きりやま)生叶(いくと)
CV:山下誠一郎
2年Bクラスの男子で南雲の後任となった新たな生徒会副会長。
かつてはAクラスだったが南雲が率いるクラスに負けた事でBクラスに降格している。
綾小路の実力には懐疑的だが、一之瀬の噂が流された際には綾小路と協力して事態の収拾に間接的に貢献している。

3年生→卒業生

  • 堀北(ほりきた)(まなぶ)
CV:梅原裕一郎
3年Aクラスに所属する生徒会長
厳格な性格で頭脳明晰・文部両道と歴代生徒会長を超える程の逸材と言われている。
ただし、長期連載による設定改変のせいでどんどん実績が下げられてるが。
妹の鈴音に対しては冷たく接しており、そこには失望ともとれる感情が見え隠れしていた。
その真相は彼女が自身を追うがあまり、自身の模倣に徹してしまい、自分を封印してしまったことにあった。
結果、自身の幻影に囚われた彼女に失望してしまい、彼女とは確執が生まれる。
しかしDクラスを引っ張る存在へと成長していき、自分らしさを取り戻した彼女を見て、和解することになった。

なお、鈴音が黒髪ロングヘア―になったのは、学が鈴音から好みの髪型を聞かれた際に、好みの髪型はロングヘア―であると答えたためである。
しかしこれは鈴音が彼のいうことを真に受けるか試したものであり、事実彼女はその通りの行動をとってしまったことで失望してしまったことがある。
だからこそ、以前の自分自身の意思で生活していた頃のような短めの髪になって、自身の前に立ってくれた際はとても穏やかな笑みを浮かべて妹を迎えてくれた。
この一連の卒業式のエピソードは必見である。

学「2年後、正門の外でお前を待っている。成長したお前を見せてもらう」
鈴音「はい、精一杯最後の最後まで戦い抜いてきます」

  • (たちばな)(あかね)
CV:小原好美
3年Aクラスに所属する生徒会書記。
お団子が可愛い。
混合合宿にて南雲にターゲットにされ、退学に追い込まれそうになるが学の機転で助けられる。
綾小路によれば学とは「上下関係以外のものを感じさせるのは明らか」らしく、実際に学に好意を寄せていると思われる描写が見られる。

  • 藤巻(ふじまき)()
CV:田島章寛
3年Aクラスのナンバー2。
しかし、学と比べると影が薄い。
実際、南雲にも舐められてたし。
体育祭にて赤組の総指揮を執って1年生達に体育祭は非常に重要なものだと肝に銘じておくようにというアドバイスをし...いや、アドバイスになってねぇよ!

  • 猪狩(いかり)桃子(ももこ)
CV:金澤まい
3年Bクラスに所属する女子生徒。
混合合宿にて利害が一致した南雲と協力し、橘を退学に追い込んでクラス昇格を図るが、最終的には失敗に終わった。

新1年生→新2年生

2年生編第1巻から登場した新入生。
天沢、八神、椿、宇都宮、七瀬、宝泉の6人の中にホワイトルーム生がいる事が事前に明かされており、ファン達の中で様々な考察がなされていた。

CV:未定
1年Aクラスの女子。
如何にもギャルっぽい見た目とは裏腹に高い学力と身体能力の持ち主。
自由奔放な性格であり、綾小路並びに彼の周りにいる人物をかき乱すような行動に出ているが、果たして彼女の真意は...?

詳細は項目を参照。

  • 八神(やがみ)拓也(たくや)
CV:未定
1年Bクラスの男子。
学力が高く、温厚な性格。
櫛田と堀北とは同じ中学校出身らしく、櫛田自身も彼の名前は覚えており、お互いに顔見知りだった模様。
なお、他人に全く興味のなかった堀北は当たり前のように覚えていなかった。
南雲が主催した綾小路を退学に追い込む特別試験には否定的であり、綾小路に注意を促しているが...?

  • 椿(つばき)桜子(さくらこ)
CV:未定
1年Cクラスの女子。
同じギャル風の天沢とは異なり、サバサバした印象で間延びした話し方をする。
学力や身体能力は高くないが、洞察力は高い。
ちなみに名前に花の名前が2つ入っており、それぞれの花言葉の中に「誇り」「優れた教育」というものがあったために読者からはホワイトルーム生最有力候補と見なされていたが...?

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
「先輩は雪って、好き?」

0巻にて綾小路の同期のホワイトルーム生で椿と容姿が酷似しているという女の子が登場。
雪に妹が存在している事や雪の好きな花がである事などから、彼女との関係性が話題になった。
さらに11巻の交流合宿にて綾小路に「ある日、存在を隠されていた姉が現れたらどう思うか?」と問いかけている。
極めつけには雪椿という名の花も存在している。

これらの事から椿は雪の妹である可能性が高いとされている。

また、雪はホワイトルーム時代から綾小路に好意を持っていたが望まぬ形で綾小路と無理矢理引き離されてしまった事、椿も雪の事を綾小路に負けないくらい大好きと発言している事から椿の目的は綾小路を退学に追い込んで雪と再会させる事という説がある。

  • 宇都宮(うとみや)(りく)
CV:未定
1年Cクラスの男子。
クラスではリーダー的な存在で喧嘩の腕もそれなりに高い。
後述の宝泉とは仲が悪く、クラスメートの1人が退学に追い込まれたのも彼の仕業と考えている。
敬語に対して何かしらのトラウマがあるのか、綾小路をはじめとする上級生と会話する度に口調が崩れている。
椿と行動を共にする機会が多く、彼女を気にかけているような様子を見せるが...?

  • 七瀬(ななせ)(つばさ)
CV:未定
1年Dクラスの女子。
明るく社交的な性格で同級生に対しても敬語口調、おまけに爆乳。
暴力には屈しない信念の持ち主でクラスの独裁者である宝泉に意見できる唯一の存在であり、宝泉からも一目置かれている。
その一方でたまに一人称がボクに変わって憎悪を思わせるような言動をする事があるのだが...?

+ 2年生編の内容につき、原作未読者はネタバレ注意!
「『ボク』がここで、あなたを止める。」

その正体は綾小路家の執事、松雄の息子の栄一郎の幼馴染み。
彼女は栄一郎に好意を寄せていたのだが、栄一郎の父の松雄が綾小路を高度育成高等学校に逃がした事で二人の運命は狂わされてしまう。
松雄が粛清された後、栄一郎も巻き込まれる形で自殺に追い込まれてしまう。

月城から栄一郎が悲惨な末路を辿ったのは綾小路の脱走が原因と唆され、彼女は栄一郎の仇を打つために高度育成高等学校に入学したのだった。

最終的には綾小路との対話で自らが復讐すべき相手は綾小路ではないと理解し、彼に協力する事を誓うのだった。
これが忠犬ナナセの誕生秘話である。

ちなみにボクという一人称は栄一郎の人格を演じている時のものである。
これによって正真正銘の女である事が明かされ、一部で囁かれていた男の娘説は完全に否定された。

  • 宝泉(ほうせん)和臣(かずおみ)
CV:未定
1年Dクラスの男子。
粗暴な性格で龍園同様に暴力を用いてクラスを支配している。
龍園と比べると学力は高く、特別試験では知恵が回るような描写も見られる事から、決してただの脳筋ではない。
中学時代は同じく不良だった龍園や三宅に名を知られる程の番長格だったが、実際に彼らと会った事はないらしく...?

新1年生

3年生編1巻にて入学した新入生。

教職員

  • 坂柳(さかやなぎ)成守(なりもり)
CV:宮本充
高度育成高等学校の理事長で坂柳有栖の父親。
綾小路清隆の父親の綾小路篤臣のかつての部下であり、高育の理事長になった事で篤臣からは敵視されているが、彼の事は今でも尊敬している様子。
清隆の事も昔からよく知っており、彼がこの学校に入学できたのはこの人のおかげである。
配属させるクラスをミスったのはおいといて。

  • 月城(つきしろ)常成(ときなり)
CV:竹内良太
綾小路篤臣の策略で謹慎に追い込まれた坂柳成守に代わって赴任した理事長代行。
実は綾小路篤臣によって清隆を退学に追い込むべく、送り込まれた人物。
クラス内投票の実施や1年生最後の試験の極秘で介入するなどの強硬手段に出る。
新学期からは新たにホワイトルームからの刺客を新入生に紛れ込ませる事を清隆に伝えた。

ちなみにこの作品初の糸目キャラ。
その表情で清隆に襲いかかるシーンは軽くホラー。
なお綾小路関連を除くとやった事が高育初となる学園祭と修学旅行を追加した事だったりするので普通に綾小路関係ない一般生徒からしたらとてもいい学園長をやっている

  • 茶柱(ちゃばしら)佐枝(さえ)
CV:佐藤利奈
綾小路が所属する堀北クラスの担任を務めるクールビューティーな女性教師、年齢はアラサー、担当教科は日本史。
自身も高度育成高等学校のOGであり、かつてDクラスに所属していた。
学生時代のとある事情により、密かに自身のクラスをAクラスに上げようとする野望を抱いている。

  • 星之宮(ほしのみや)知恵(ちえ)
CV:金元寿子
一之瀬クラスの担任を務める女性教師、学校では保険医を務めている。
容姿は美人で生徒からも慕われているが、酒癖が悪く二日酔いでホームルームを行うなど残念な美人の一面もある。
綾小路の担任である茶柱とは同期で旧知の仲で学生時代はライバル同士であった。

  • 坂上(さかがみ)和馬(かずま)
CV:山本兼平
龍園クラスの担任を務める眼鏡をかけた中年男性。
龍園の独裁体制を黙認しており、生徒と結託して堀北クラスを陥れようとするなど教師らしからぬ態度も目立つ。

  • 真嶋(ましま)智也(ともや)
CV:杉崎亮
坂柳クラスの担当を務める男性教師で、担当教科は英語。
普段は堅物で無愛想だが実は生徒想いで、綾小路の学年の担任を担当する4人の教師の中では一番教師らしい教師と言える人物。
茶柱や星之宮とは同期で学生時代から旧知の仲。


その他

  • 綾小路(あやのこうじ)篤臣(あつおみ)
CV:増谷康紀
清隆の父親。
傲慢で非情な性格。
職業は不明だが、国内全ての場所に手を回す事ができるほどの絶大な権力を持っている*20
ホワイトルームの運営者でもあり、清隆に対しては親としての情は持っていないが、同時に「いずれ自分を超え日本を動かしていくべき存在」とも評価しており、自らの後継者にしようとしている節が見られる。

自らの意に反して高度育成高等学校に入学した清隆を退学に追い込むべく、月城を送り込んだ。

  • 松雄(まつお)
CV:未定
綾小路家の執事。
清隆を高度育成高等学校に逃がした事で篤臣の怒りを買い、粛清される。
清隆曰く、「非常に面倒見が良かった」とのこと。
清隆と同い年の息子がいる。

  • 鬼島(きじま)
CV:未定
現内閣総理大臣。
高度育成高等学校を設立した張本人であり、篤臣とは対立関係にあたる。


【用語】

Sシステム

高度育成高等学校が独自に取り入れているシステム。
現在在籍している生徒をリアルタイムで評価し数値として算出している。
ちなみに算出の根拠に関しては原則非公開で、生徒たちはその要因を自分たちで推測するしかない。
ちなみにこのシステムに関しては単純に学力による査定ではなく、部活動実績・他の生徒とのコミュニケーション状況など多岐にわたる。

クラスポイント

Sシステムで採用されているポイントのうち、クラス全体で評価したポイントを指している。
テスト結果や授業態度・授業時間外での行動などが算出根拠になる。
これはつまり、いかに優秀な成績をたたき出した生徒がいても、素行不良・試験への取り組みが不十分な生徒がいた際は減点の対象になるため(もちろん退学者を出した際でもある)、Aクラスになるためにはクラス全体で戦略を立てて、協力する姿勢が求められる。

なおクラスポイントに応じて各生徒に割り当てられるプライベートポイントの数値も変化していく。

プライベートポイント

Sシステムで採用されているポイントのうち、学園の敷地内にある様々な施設を利用する際現金代わりとして使用することが可能である。
また、このポイントを活用して、テストの点数を購入したり、他クラスへの移籍、はたまた退学になる生徒を救済することも可能である(とはいえ、そのためにはそれ相応のポイント数が必要*21)。
なおこのポイントを使い、一部生徒間では賄賂や裏取引に活用されることも多い。

なお、プライベートポイントが0ポイントになった場合は、学園から救済措置がとられるため、最低限の衣食住は可能である。

特別試験

クラスポイントが大きく変動される試験である。
通常の学力試験とは大きく異なり、そのジャンルもゲーム的なもの、アウトドアなもの、他クラスと合同実施されるものなど多岐にわたる。
都度、クラス内でのチームワークやクラス間での駆け引きが求められる。
本作の醍醐味とも言える要素の1つで、駆け引きによる心理戦やハイレベルな頭脳戦が展開される。

特別試験一覧

  • 無人島試験
作中、最初におこなわれた特別試験。

  • 干支試験
無人島試験の直後豪華客船内にて開催。

  • ペーパーシャッフル試験
この特別試験で年に数名が退学となっている。

  • クラス内投票
原作、アニメ共に山内春樹の見せ場。

ホワイトルーム

綾小路篤臣が運営している教育機関。
室内も、廊下も、自分に与えられた部屋も、何もかもが真っ白なのが特徴。
幼少期から徹底的な教育を施す事で天才を生み出す施設であり、清隆は歴代の中で篤臣が唯一、自ら指導をおこなった4期生にあたる。
カリキュラムの難易度は高く、訓練や試験で一定の成績を出せなかった場合は脱落者と見なされて退出させられ、以降はカリキュラムに参加できなくなる*22*23
一方で篤臣と対立している鬼島は彼に対抗する目的でホワイトルームに似た新たな施設の設立を水面下で進めている。


【テレビアニメ版】

3度にわたりアニメ化された。
第1期は2017年7月~9月まで放送され、第2期は2022年7月~9月にかけて放送された。
第3期は2024年1月~3月にかけて放送された。
製作はLerche。

第1期は堀北鈴音、第2期は軽井沢恵、第3期は坂柳有栖が主人公に並ぶメインキャラを務めた。

賛否両論点

  • 堀北鈴音の優遇扱い
第1期に関しては原作だと一之瀬や軽井沢が担当するシーンをアニメでは堀北が担っている事が挙げられる。
これは、前述のように第1期の作風が堀北メインで添えている所があることからシナリオの流れとして堀北をメインに描いた方が自然であるという考え方によるものと思われる。

  • 作画
第2期に関しては一部の場面で作画が危うい場面も見られた。
例えば体育祭エピソードの競走の一幕等。
一方で第2期第12話においては綾小路VS龍園の戦いの描写に関してはそのクオリティの高い作画も相まって評価している声もある。

  • 一部の生徒の存在抹消
原作だと各クラスの生徒の人数は40人だが、流石に多すぎたためかアニメでは25人にまで減らされている。
その結果、クラスの人数が40人である事を前提としておこなわれた特別試験は内容が変更されている*24
しかし、存在を抹消されたキャラの中には前園のように2年生編にて重要な役割を果たしたキャラもいるため、この辺りがどうなるのかは未定である。

  • 出番の格差
綾小路が所属している1年Dクラスのキャラはそこまで原作と出番の差はないが、他のクラスや他学年のキャラはそうもいかない。

例えば、伊吹は原作だと夏休みにて綾小路と一緒に占いに行ったり、エレベーターに閉じ込められたりと綾小路と縁ができた事で龍園が彼を黒幕Xと疑った時も否定していたりとそれなりに親交があったが、アニメだと全てカットされており、綾小路VS龍園の対決までお互いに絡みがない状態となっている。

また、南雲は夏休みでの描写や体育祭における堀北学とのやり取りが全てカットされており、まともな出番は第3期の混合合宿までお預けとなっている。

柴田に至っては見せ場といえる体育祭での一之瀬との二人三脚のシーンが完全にカットされてしまっている。

その一方で原作だと第2期部分にて初登場したアルベルト、坂柳、神室、橋本、鬼頭は第1期から既に出番があるなど、キャラごとに出番の格差が激しい。

  • 一部のシーンの改変、カット
アニメの尺の都合の問題で仕方ないのだが、原作の一部のシーンに改変、カットがおこなわれている。
龍園のドラゴンボーイはカットしなかったのに坂柳のリトルガールだけがカットされた理由は永遠の謎。
軽井沢が龍園達に拷問を受けた場所が変更されていたり、体育祭での一部の競技がカットされていたりと意外と違いが多いので気になる人は原作とアニメを見比べてみよう!

このような賛否両論点が存在しているが、こうしたことを含め多くの視聴者に話題性を呼んだともいえる。
本作の人気はアニメ化を経て高まっていることは確かであり、一定の効果を上げていると言えよう。

主題歌

  • 1期
「カーストルーム」
ZAQによるオープニングテーマ。3期の堀北兄妹にスポットを当てた話でも使用された。
「Beautiful Soldier」
Minamiによるエンディングテーマ

  • 2期
「Dance in The Game」
ZAQによるオープニングテーマ
「人芝居」
渕上舞によるエンディングテーマ

  • 3期
「マイナーピース」
ZAQによるオープニングテーマ
「今世大革命」
ニノミヤユイによるエンディングテーマ
「Fixer」
ニノミヤユイによる特殊なエンディングテーマ


【「このライトノベルがすごい!」】

毎年アンケート方式で人気を集計している。
綾小路清隆が2020年に上条当麻から奪って以来4年連続で男性キャラ部門1位を獲得するなど凄まじい人気を誇る。
2020年には軽井沢恵も計8年1位を獲得している電撃女王御坂美琴(2015年に雪ノ下雪乃に割り込まれて以来4年連続1位だった。
ていうかとある勢強すぎねえ?)から女性キャラ部門1位を奪い2年連続でキャラランキングを席捲した。
作品部門としては2023年にようやく文庫部門で初の1位を獲得。
ちなみに単行本部門は本好きの下剋上(3度目)。
2024年はついに綾小路清隆の牙城が陥落したが、それでも3位と人気は健在。
今後盛り返せるかどうかに期待したいところである。




追記修正は実力でAクラスに成り上がった時にお願いします


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  • 山内春樹
  • 天沢一夏
  • 森下藍
  • 橋本正義
  • シリアスなバカテス
最終更新:2025年04月26日 13:47

*1 とは言え「絶対に誰かが退学する」ような試験はほぼなく、「歴代初めてこのタイミングまで退学者が一人も出ていないから急遽絶対に退学者が出る試験を追加する」と言った行動を学校が取れば教師が一丸となって反対する、と言った最低限の理性は働いている

*2 つまり退学せずに卒業出来たと仮定するとその間TV出演や取材等は電話出演込みで不可能、せいぜい自撮りでオフショットをSNS等でアップロードする活動ぐらいしかできない為実質「学業専念の為活動停止」状態となり、3年間一切の世間の露出がなくなった芸能人の一般知名度は急降下するのは確定状態

*3 現に綾小路本人が元々バスケ強豪校からの推薦の声がかかっていた程全国区に近いバスケプレイヤーな須藤とバスケ勝負した場合を想定した場合、「経験の差で負ける」と明言している

*4 最初は最悪だったのに事件を経る事で成長して行く=その成長フラグを叩き折れば最悪のままで進む+特にオリ主物では活躍場面を作ろうとした結果成長フラグ場面を奪い取ってしまう事が多いと言う事から

*5 犯罪行為が普通の領域

*6 円周率の存在を知らなかったり、連立方程式すら解けない程で、態度を表に出さない櫛田ですらあまりの学力の低さにドン引きする程。

*7 これはAクラスの特権が「どうせ卒業すれば高円寺コンツェルンを継ぐ」と言う彼の状況からして無意味である為、Aクラスを目指す意味が皆無である事も大きい。

*8 母親がゴリ押しで付けたとの事

*9 ただし、先述通り佐倉だけが「一点特化の能力傾向なのにその長所を学校が実力として認めない」的な状況の為不当に下げられているような状態ではある。同グループの幸村で状況を例えると「学力試験がないため学力が評価されずに運動神経しか見られない」レベル

*10 他全員は切り捨てで賛成していたのにクラスリーダー格の堀北が全力で抵抗していた為仕方なく

*11 偶々長谷部の妹の名前が同じ愛里だった事から親友として可愛がっており(その妹に思うところがあるから佐倉をあだ名ではなく本名で呼んでいるのかもしれない)綾小路への恋愛相談も受けていた

*12 試験内容が各クラス模擬店を出しての売上勝負であり、Dクラスはメイド喫茶を行い、メイドとして佐倉も参加予定だった為、「現役グラドルがメイドとして接客してくれるメイド喫茶」と言うとんでもない武器となっていた

*13 綾小路は一般常識に異常に疎い為ガチで気付いていなかった可能性が高い。櫛田も佐倉がグラビアアイドルである事には気付いていた為気付ける立ち位置にいたが、「直前までリーダー以外全員が切り捨て賛成してたギリギリの状態」だった為言うに言えない(どう見ても「じゃあやっぱりお前が消えろ」となる)状態だった

*14 さらに言えば、文化祭の前と後に体育祭と修学旅行といったイベントが存在していて、参加する直前で唯一退学した佐倉に同情を禁じ得ない。

*15 先述通り「入学後初めて、それも大活躍が確定している試験直前での退学」の為「活躍の機会がない事を把握している(当然ながら発売10日前ともなればとっくの昔に原稿は編集部に上がっている)」状況でこんな煽りをぶち込んだと言う事である

*16 スリーサイズからカップを計測するツールに佐倉のスリーサイズを入力するとIカップ相当のはずが公式でFカップと3カップも悪い。そしてこの作品は「他のスリーサイズとカップサイズが割れている全登場人物がツールよりズレていて1カップ」であり、「グラビアアイドルと言う職業からして一番スタイルが美しい=理想のボディラインに近いキャラでないといけないはずの佐倉が全登場人物の中で現状ぶっちぎりでスタイルが悪い」と言う意味不明な状況になっている

*17 高育の入学者は入試以前に学校側が決めている事が明言されている+初めて能力的に活躍できる文化祭が「これまでの理事長が休職中に代理就任した理事長代理の元で初開催」の為逆説的に「この学校設立以来一度も外部知名度を活かせる試験がなかったのにも関わらず外部知名度特化の佐倉を選んで入学させた」が成立する

*18 2年開始時に生徒に開示されたOAAにて「佐倉が学年ブービーの身体能力」と明言されているが、実は生徒に開示されていない1年時の能力評価ではネームドに佐倉以下(で最下位の坂柳の間)の身体能力が2名おり、身体能力が上がった描写がないにも関わらず佐倉より上に評価が改定されている

*19 さらにコミュニケーション能力を表す機転思考力評価も他綾小路グループが「同じタイミングでそれなりに親しかった池、山内と疎遠になった」と言う下がる要因がある綾小路、そして佐倉以外の3人が1年時より上がっているにも関わらず佐倉「だけ」据え置き。なお結成経緯を見ると「佐倉だけ勉強会に参加予定なかったのに自分の意志で飛び入り参加」とむしろコミュニケーション能力として考えると「一番評価上がりやすい」状況である

*20 ただし、政府が運営する高度育成高等学校を敵地と認識しているため、政府関係者ではない模様。

*21 点数の購入には1点につき、10万ポイント、クラス移籍と退学者の救済には2000万ポイントが必要となる。

*22 実際に清隆以外の4期生は全員が脱落しており、5期生もごく僅かを残して全滅している。

*23 脱落者がその後はどうなるのかは詳しくは明かされていないが、その内の一人である雪は実家に帰されている事が判明した。

*24 船上試験→グループ名が干支モチーフから惑星モチーフに変更。クラス内投票→票数が明かされず、結果のみの発表。