簡易領域(呪術廻戦)

登録日:2024/12/29 Sun 02:20:00
更新日:2025/01/31 Fri 17:52:23
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簡易領域(かんいりょういき)とは漫画『呪術廻戦』の作中に登場する技術である。

●目次

概要

領域展開と同じ呪術における結界術の一種。
自身の生得領域を具現化して展開し術式を付与する領域展開と異なり、自身の周囲に小規模の「簡易的な領域」を展開する技である。
領域展開に対するおそらく最もポピュラーな対処策であり、領域の必中効果を中和し身を守ることができる。
また簡易的であっても「領域」なので、内部にいるだけで敵の術式の威力は軽減され、術者の呪力出力は向上するなど単なる領域対策に留まらない利点がある。
とはいえ本物の領域相手に互角に押し合いができるほどではなく、せいぜい時間稼ぎが限界である。(※初期設定)

名称からまるで領域展開の劣化版のような印象を受けるが別個の技術であり、出力・必殺性では及ぶべくもないが取り回しの良さでは上回る。
領域展開が使えない、それ以前に生得術式すら持ってない術師でも習得できるため"領域"から身を守るための弱者の"領域"と称されるが、実のところは領域展開が使える強者でも持っておくべき必須技術である
なぜなら領域展開は多大な呪力消費や術式がしばらく使用困難になるなどの特級呪術師でも例外ではないデメリットを背負わされる。
そのため、緊急時の切り札として簡易領域を習得する必要があるとも言える。

そして、「簡易領域を学ぶ」ということは「結界術の基礎を習得する」という扱いになるので、術師の才能によっては領域展開習得までの道程を一気に縮める助けになる。

とても便利な技術なのでよくファンの間では「高専は簡易領域を必修科目にしろ」と言われるが、呪力さえあれば誰でも覚えられるものなのか、最低限の結界術の素質が必要なのかは不明。

現代で最も広く伝わっているのは蘆屋貞綱を開祖とする「シン・陰流簡易領域」
一般的に簡易領域と言えばこれを指すことがほとんどである。

シン・陰流一門

シン・陰流簡易領域の使い手が属している呪術界の一グループ。
簡易領域は呪術全盛の平安時代、凶悪な術師や呪霊から門弟を守るために蘆屋貞綱が考案したもので、故意に他者へと広める事を禁じた「一門相伝」という"縛り"を科している。
呪詛師への技術流出を防ぐ為に作られた縛りであり、簡易領域を使う呪詛師が作中に登場しなかったことから目論見は概ね成功しているようだ。
また何かを引けば何かを得られるのが呪術における縛りであるため、縛ることで性能の底上げにも繋がっていると思われる。

三輪が師範のスカウトで入れたあたり、単純に門戸が広いのか結界術の素質持ちは積極的に招いているのかは不明(簡易領域の習得には最低限の素質が必要説)。
ただし門外不出の縛りには穴があり門下生が部外者に教えることはできないが、部外者が技を盗み見て勝手に覚えることは可能
そのため、作中では意外と流派外の習得者が多いのも特徴。
しかし、これはあくまで裏技であり、後の描写から正規の修行と見様見真似では熟練度に差が出ているように見える。

なおこれだけ有用でかつ再現性のある技術にもかかわらず、劇中には「シン・陰流ではない簡易領域の流派」ないし「シン・陰から盗んだ技術で興した新規参入の簡易領域の流派」は最後まで現れなかった。

当初の理念及び技術は素晴らしかったものの代替わりを重ねるうちに組織はいつしか公益性を失い、「門外不出」だけでなく当主による「出動要請」や「寿命の徴収」などの私利私欲に利用される形になってしまった。
シン・陰流に属する術師たちにとっては人質を取られたようなものである。*1
新宿での決戦を控えた虎杖達は簡易領域をはじめとする技術の習得を必要するのだが……


類似の技

  • 落花(らっか)(じょう)
御三家に伝わる領域対策の秘伝。
全身を薄い膜のような呪力で覆い、必中の術式が命中する瞬間に自動で呪力を放出し打ち落とすというカウンター攻撃。
領域自体に特殊な効果が付与されている場合は対応不可能だが、単純に物理攻撃する領域では有効。
簡易領域と比べ用途は限定的だが、結界術ではないため「領域の中でも剥がされることがない」のがメリット。
秘伝ではあるが門外不出の縛りが科されているかは不明。
作中では禪院直毘人禪院扇五条悟が使用。

  • 領域展延(りょういきてんえん)
あえて術式を付与していない領域を水のように纏わせて展開することで、触れた相手の術式を無効化するというもの。
術式というデータを入れておく「箱」を空っぽにして相手に触れることで、相手の術式が箱に流れ中和されるという仕組み。
ただし展延と生得術式の同時使用はできない。
技術としては簡易領域よりも領域展開の応用であり、日下部程の使い手でも使用不可能。
劇中では主に無下限呪術対策として使われており、漏瑚と花御が五条の無下限の中和に成功した。
ただし展延の出力は術師の力量にかかわらず一定であるらしく、宿儺でさえ無下限は中和できても蒼や赫は中和し切れずダメージを負う。
相手だろうと関係なく術式無効化できる強みがある。
作中では漏瑚花御宿儺日車寛見が使用。

  • 彌虚葛籠(いやこつづら)
その名の通り球状の葛籠を展開し領域の必中作用を打ち消す。
ただ、こちらもあくまで無効化できるのは必中作用だけで術式に当たれば普通に喰らってしまう。
シン・陰流簡易領域の原型であり、こちらは両手の指を組み続けなければ効果を継続できない。*3
使い勝手*4か習得難易度の問題か、現代では簡易領域に取って代わられ廃れてしまった技。
作中ではレジィ・宿儺が使用。鹿紫雲も未披露だが使用可能。

作中の使用者

シン・陰流門下生。作中最初に登場した簡易領域の使い手。
領域の範囲は半径2.21mであり、入った物にオートで刀によるカウンター攻撃を行う。
三輪の場合プログラムを細かく設定できないので取り回しがやや悪い(デコイに反応してしまうなど)。
また「両足を地面に付ける事」を縛りに成立させているため、足を止めた状態でなければ使用できない。

シン・陰流に入門していない部外者だが、三輪のそれを見て習得。
自分の周囲に展開する基本形ではなく、簡易領域をカートリッジに込め弾として撃ち出すという応用で真人の不死身の肉体に有効打を与えた。

シン・陰流師範代。
簡易領域の展開可能範囲と強度で三輪を上回り、かつ縛りを科すことなく発動できる。つまりは移動しながらの展開、抜刀が可能。
また領域の範囲を任意で拡大・縮小させ相手を待たずとも自ら領域に引き込める他、独自に考案した呪力プログラムを組み込むなど存分に使いこなしている簡易領域の達人。

シン・陰流門下生。
本人の性格から考えると冥冥の指示で入門したものと思われる。

シン・陰流の部外者である九十九由基から教わり習得。
真人の自閉円頓裹に対して発動を試みるが、防御が間に合わず必中となった無為転変を食らう。
0.2秒の瞬間的な展開であったため左手のみの変形で済んだ。

シン・陰流の部外者。
メカ丸同様、シン・陰流の術師を真似する形で習得した模様。
ただし羂索の胎蔵遍野の内ではろくな時間稼ぎにもならず、ものの数秒で全て剥がされ深手を負う(天元が途中で領域を解体したため即死には至らなかった)。

おそらくシン・陰流の部外者。
五条の場合は簡易領域と反転術式の併用により、回復と防御を同時に行う離れ技が可能。
とはいえ宿儺の伏魔御廚子の内ではあっという間に剥がされてしまった。
その後は簡易領域ではなく、直接攻撃に対して相性の良い落花の情で凌いでいる。

最終決戦に向けた準備期間中に、日下部との修行で習得。
無傷とはいかなかったものの、出力が落ちていない伏魔御廚子を99秒間耐え切った。*5
この描写から同じ簡易領域でも正規の修行と見様見真似では熟練度に差が出るのではないかと考察されている。

虎杖と同様に習得。
伏魔御廚子に巻き込まれたのは虎杖・脹相・猪野・真希・三輪*6の5人だが、虎杖と脹相以外は展開中に東堂と憂憂のサポートで脱出しているため99秒間耐えたわけではない。






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最終更新:2025年01月31日 17:52

*1 これらの縛りを解けるのは当主のみで後述の冥冥の一件までは縛りが作用していたことになる。

*2 高弟が当主になっても本人が自ら「私がシン・陰流の新当主である」などと公言しない限りは見抜くことは出来ない

*3 縛りというより仕様らしく、宿儺でさえ発動中は両手をフリーにできない。ただし彼は腕が4本と口が2つあるため、2本の腕と1つの口で彌虚葛籠を使いながら残った腕で肉弾戦・呪術戦を行うことができる

*4 領域展開中でもやろうと思えば術式と肉弾戦の同時攻撃は普通に可能なため(実際に作中でも描写が多々ある)、両手が使えないことは通常かなりのデメリットとなる。

*5 この時の伏魔御廚子は効果範囲・出力はそのままだが99秒の時間制限があった

*6 伏魔御廚子を防ぐ術のない真希を守るため一時的に前線参加した。