登録日:2016/06/06 Mon 11:09:27
更新日:2025/03/24 Mon 20:53:09
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【概要】
空間を超える力で数々の異世界を渡り歩いては破壊と虐殺を繰り返す殺戮集団。
その活動目的は
自分たち以外の他者を苦しみ、悲しみ、嘆かせた末に滅ぼすこと、ただそれだけであり、
それまでウル忍が戦ってきた
朧党とは比べ物にならない
純粋な悪としてガイアの住む世界を始め多くの世界を滅ぼし、ウル忍たちの住む世界にもやってきた。
破壊と滅亡の王「
虓魔王」を頂点とし、その直属幹部「
四鬼獣」、更にその手下に虓魔忍獣と一般兵として大勢のフォーガスで構成されている。
棘の生えた立方体の様な巨大な宙に浮く砦「
虓魔城」を拠点としている。
構成員
虓魔忍獣
「ギ…ギギ…虓魔衆 コノ世ノスベテヲ滅ボス為ニ 虓魔王トトモニ時空ヲ超エヤッテ来タ・・・」
ウル忍たちの前に現れた最初の虓魔衆の刺客。手下のフォーガスを多数引き連れてウル忍たちに襲い掛かった。
体に纏わりつく植物を自在に操り、ふざけて戦うマンにウル忍が呆れている隙を突いて植物で全員を動きを封じそのまま養分を吸収しようとする。
この時点ではウル忍たちもまだ虓魔衆のヤバさがわかっておらず完全に油断していた為、早くも全滅の危機に陥れたが、駆け付けたガイアのフォトンエッジを受け一撃で倒された。
「きさまらの命このオレがもらったァ!」
ガイアとマンたちに氷鬼が倒された頃、別れて行動していた
セブン一行の前に現れた虓魔忍獣。本人は直接攻撃はせず巨大なアネモスを操る猛獣使い。
アネモスが吐き出したガスによる煙幕によって視界を塞ぎ動揺するセブンたちを追い詰めるが、力に目覚め始めた21の無意識のサポートによって
ガスが晴れてしまい、視界を取り戻したセブンと
エースによってアネモスを倒される。
戦力であるアネモスを失い一人残ってしまって生け捕りにされそうになるが、直後に炎鬼に見限られセブンたちの目の前で焼き殺された。
モチーフはそれぞれ、『
ウルトラマンティガ』の巨大
機械人形ゴブニュ(オグマ)、『
ウルトラマンガイア』の超空間共生怪獣アネモス。
みどー曰く「近所でソフビが売っていたので選抜。見ながらじゃないと描けないってこんなデザイン」。
虓魔衆の一般兵。無数の針状の手裏剣を武器にする。
基本的に「ギャッギャ!」と鳴き声を発しているが喋れないわけでないらしい。
モチーフは『
ウルトラマンダイナ』の菌糸怪獣フォーガス(外見は怪獣形態ではなく怪人体の方)。
四鬼獣
「ばかめっ オレさまに勝てると思うか!!」
四鬼獣の一番手。鶴亀の国から南にある村を襲い、村人全員を生きたまま氷漬けにして生かさぬよう殺さぬよう延々と苦しませ続けていた。
本人曰く
「1000年でも10000年でも老いることも凍死することも無く苦しみ続ける」とのことで、恐らくこいつ自身の寿命もそれ相応に長いものと思われる。
大気中の水分を一瞬で凍結させて攻撃する氷結忍術を得意とし、マンと
ティガの攻撃をノーガードで直撃しても平然とするタフさを持つ。
モチーフは『
ウルトラマンネオス』の脳魂宇宙人ザム星人(モノクロだから分からないが、多分パイロット版の方)。
「地獄氷柱の仲間入りをさせてくれるわ~~~!」
実は氷鬼はザム一人と見せかけて実際は彼との二人で一人のコンビ。
ザムが相手の注意を引き雪中に隠れたデモスが死角から攻撃していたが、それを見抜いていたガイアに分断され、デモスは懐に飛び込んだ笹比羅の鎌鼬で切断され、ザムはガイアとの一騎打ちでそれぞれ倒された。
「ヒハハハッ 燃えろ燃えろ!!山も岩も草も木も村も家も!! そして…人間も!!」
四鬼獣二番手。炎を操り
近隣の村々の住人やかつてウル忍に助けられたペテロ族を悉く焼き殺していき、単純な人的被害なら恐らく最も多い。
岩山をくり抜いて作った炎鬼城を拠点とし、そこに突入したウル忍たちを迎え撃つ。
体内に発火能力を持つ蜘蛛を無数に飼い、それを相手の耳や鼻から侵入させて体の内側から焼き殺す戦法や、
5万℃の灼熱の炎で直接焼き尽くす、
全身を炎に変えてあらゆる攻撃をすり抜けるなど高い戦闘力を持つ。
タロウ、レオを立て続けに手にかけて殺害するが、笹比羅の命と引き換えの機転によって炎をかき消された所にマン、ティガ、ガイアの総攻撃を食らって倒された。
「きさまの仲間タロウ レオ 笹比羅は、死んだぞ!!」
四鬼獣三番手。
21の力に気付いた虓魔王に、完全に覚醒する前に仕留める様命じられ鶴亀の国のダイナの道場に直接襲撃。
炎鬼との戦いでタロウや笹比羅たちが戦死した事を一同に突き付けなながら襲い掛かる。
21を直々に始末すために送り込まれるだけありその戦闘力はかなり高く、
地面を這う稲妻「稲妻地走り」など、全身から激しく放電する稲妻忍術を得意とする。
道場には笹比羅の息子の守もおり、子供の前で父親の死を残酷に告げる雷鬼に激怒した
冥府羅州が本気の忍法を放つもまるで意に介さず反撃の一撃で彼のあばら骨を折り砕いた。
続くダイナの猛攻も効果なく、「
荒神流編」で会得した奥義「発勁」を
直接心臓に向けて放たれてなお平然とするなど驚異的なタフさで冥府羅州すら呆然とさせた。
雷撃で全員まとめて葬り去ろうとしたが、遂に完全に覚醒した21によってエネルギーを吸い取られ、弱ったところをダイナの拳を顔面に叩き込まれる。
そしてトドメに
タロウの技であるはずの「ストリウム光線」を21が放った事で完全に倒された。
モチーフは『
ウルトラマンパワード』の棲星怪獣
パワードジャミラであり、重厚でがっしりとした体形をして顔が剣道の面の様なもので隠れているのはパワードジャミラの特徴である。
ちなみに初代ウルトラマン版のジャミラは『疾風』3巻の「海外遠征はこりごりの巻」にガラモン王の家臣として登場している。
「バカを言え…おふくろを殺したのは親父だろ そしてその親父を殺したのは、ガイアおまえじゃないか!」
四鬼獣最後の刺客。
腐肉を操り相手も腐肉に変えそれを喰う。口元の発光器官を一定の順で光らせることで光を見た相手を洗脳し同士討ちを狙う。
かつてガイアの父を洗脳して母を殺させ、さらにガイアの手で父を手に掛けさせたド外道。
エースを洗脳しセブンとマンを襲わせ自身はティガを捕えて喰らおうとしたが、時空を超えて現れた21の攻撃でダメージを受けたところをガイアのフォトンエッジを受け爆死した。
虓魔王
「化け物…褒め言葉だ! きさまらだれを相手にしている!? わしは虓魔王だぞ!!」
虓魔衆を総べる破壊と滅亡の王。
全身を
マントで包み、顔には『
ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の電脳魔神
デスフェイサーを象った黒鉄色の仮面を着けている。
人々の嘆きや悲しみ、絶望や苦痛を快楽とし、またその負のエネルギーを糧として数多の世界に破壊をもたらし滅ぼしている。
空間を操る能力を持ち、序盤では鶴亀の国を異空間へと転送したほか、砦に乗り込んできたウル忍との決戦では唯一自身に匹敵する力を持つ21を隙を突いて異空間に封印し、
残るマンたちにはすでに死んだ四鬼獣の能力を空間を繋げて呼び出しぶつけるという方法で圧倒、更に時空の穴を開けてバラバラに引き裂いて惨殺しようとした。
しかし自身の能力で空間に開けた穴を21が逆に利用して脱出し、一瞬怯んだところを21の攻撃で仮面にヒビが入った。
首から下は刺されようとも粉々に吹き飛ばされようと全く効果が無いが、唯一仮面の部分にだけは攻撃が通る弱点だった。
エースの刀で仮面を突き刺し、そこにマン達の総攻撃を喰らい仮面が砕け遂に虓魔王を撃破した。
オレは・・・
あたしは・・・・
わしは・・・・ わらわは・・・
真の虓魔王
倒された虓魔王が消滅すると同時に、砦が砕け卵から生まれるかのように出現した虓魔王の真の姿。
外見は『G』の邪悪生命体
ゴーデス(第二形態)そのもの。
虓魔王の正体とは、数多の時空のありとあらゆる人間の欲望の思念が凝縮された事で誕生した怪物だった。
人間サイズの虓魔王は自分自身を維持するための唯一の自我の化身の様な物であり、彼が倒されることで真の姿が現れるが、
欲望の塊である真の虓魔王には最早知性や理性は存在せず、あるのは純粋な破壊衝動のみ。大勢の人間の意思が混ざり合った存在である為一人称もバラバラ。
山より巨大である為ただ適当に暴れただけでも大災害となるが、口から吐く熱線も山が一瞬で蒸発する威力を持つ。
額部分には虓魔城の肉壁に囚われていた
ゾフィーがそのまま取り込まれており、
また城の内部が全て「
巨大生物の体内」を思わせるような有機的な肉質で覆われていた事から、
虓魔城自体が休眠状態の真の虓魔王の肉体そのものだった可能性が高い。
圧倒的な力でウル忍たちを追い詰めるが、21の全力の超能力と、体の一部に融合されたゾフィーによって動きを封じられる。
そしてなおも希望を諦めないマンたちもまた、最後の力を振り絞る。
マン「俺たちが負けるわけがねぇんだ!! 虓魔王があらゆる欲望の塊ですごいパワーを持ってても… 俺たちには奴に無いパワーを持ってる!!」
空に舞うウル忍たち、そして密かに21のパワーによって蘇生されていたタロウ、レオ、笹比羅によって、空に巨大な六芒星が出現し光が虓魔王を呑み込んだ。
負の感情の塊である真の虓魔王には絶対に得る事の出来ない力の前に、遂に虓魔王は光の中に消滅していったのだった。
死んだはずの仲間たちとの再会、そして虓魔王に取り込まれていたゾフィーも無事分離して帰還し喜ぶウル忍たち。
21が戦死したタロウ達の技が使えたのも、密かに彼らの魂を玉の中に保護し、その力を借りていた為だった。
そして全てが終わった後…元に戻った鶴亀の国では今日も人々が笑いあい、ウル忍たちがまたいつもの様にバカ騒ぎする姿で、長い戦いは幕を閉じた。
【余談】
普段がお馬鹿ネタ、
下ネタ、ゲスネタのオンパレードである本作だが、虓魔衆が登場した「虓魔王編」ではかつてない完全悪の敵勢力の出現により、シリーズでも特に終始シリアスで王道な熱血バトル漫画として描かれている。
まぁ、その後に展開されたギャグ中編「ネオ朧党編」でそれまでの緊迫感・感動が台無しになってしまうのだが……。
また虓魔衆という組織名が決まる以前は組織名が多数考案されていた。
追記・修正は鶴亀の国ごと異空間の中に消えていってからお願いします。
- 懐かしい・・・・この数ヶ月はいつもギャグのウル忍が超闘士激伝レベルのシリアスモードになってて衝撃だったな・・・・(以前にも荒神流編とかもあったけど)。タロウとレオとササヒラーは最終的に生き返ったけど、ペテロ族は一人残らず全滅したままなんだよね・・・・ -- 名無しさん (2016-06-06 16:53:50)
- ↑1 別の地に旅立っていた、ペテロ族がいたら良いのにな。 -- 名無しさん (2016-06-06 18:43:47)
- 最終的にウル忍と和解できた邪気姫(原因は部下の離反だが)や哀しき悪役だったシャドー(やや自己中心的な動機だったが)と違って純悪だったからな虓魔王 ・・・ -- 名無しさん (2016-06-06 19:14:18)
- ザム繋がりのグローザムの氷使い設定に、本作のザムを思い浮かべた。 -- 名無しさん (2016-06-06 19:20:15)
- アグル出たら敵側に回ってただろうな・・・ -- 名無しさん (2016-06-06 23:35:57)
- 虓魔王の正体は言ってみれば誰でもない誰か(の思念エネルギーの集まり)。異世界、異空間に集まる人間の感情エネルギーとか龍騎の初期設定である隙間世界、隙間モンスター思い出す -- 名無しさん (2016-06-07 08:32:53)
- 仮面ライダーSPIRITSにドはまりしていたころ、これのライダー版考えてたっけなぁ -- 名無しさん (2016-06-08 12:24:56)
- ↑1 疾風伝説が近いな。 -- 名無しさん (2016-06-08 23:39:08)
- 本作では、ガイアがレオポジションだったな(元の故郷を失う) -- 名無しさん (2016-06-08 23:48:05)
- 虓魔王は人間の思念から生まれた魔神という点では、ザ・ドラえもんズの百目王を連想するな。人の心から生まれた悪魔はやはりラスボスの王道か -- 名無しさん (2017-07-29 17:13:26)
- まさかこの漫画で味方にガチの死人が出るとは思ってなかったから連載当時はタロウの戦死に愕然とした思い出 -- 名無しさん (2018-05-28 00:21:38)
- セブンの息子が物凄い能力を持っている設定はこの頃からあったというね……もし連載された時代が時代なら21のポジションはゼロになっていた可能性 -- 名無しさん (2021-07-23 15:42:34)
- 21の力がまんまゼロで笑っちゃう -- 名無しさん (2022-08-10 18:37:19)
- 著作権保護のため、「虓魔王編(ウルトラ忍法帖)」から「虓魔衆(ウルトラ忍法帖)」に変更しました。 -- 名無しさん (2023-09-01 16:52:13)
最終更新:2025年03月24日 20:53