かおマリオ

登録日:2025/09/06 Sat 11:25:00
更新日:2025/09/11 Thu 17:53:49
所要時間:約 14 分で読めます






マリオをさわる、マリオとあそぶ。


『かおマリオ』とは、2025年8月26日に任天堂から配信されたゲームソフト及びスマートフォン用アプリである。
Nintendo SwitchNintendo Switch 2の他、スマホ・タブレット端末(iOSAndroid)に対応。無料でダウンロードして遊ぶことができる。

対象年齢は0~5歳。



【概要】

任天堂では、2025年8月よりマリオシリーズを題材とした幼児向けシリーズ『マイマリオ』を展開しており、これまでに積み木やぬいぐるみ、仕掛け絵本などが発売されている他、YouTube公式チャンネルではマリオが登場するストップモーションアニメ『コマどりマリオ』シリーズが公開されている。
「かおマリオ」はそんな幼児向けに特化した「マイマリオ」シリーズの一つとして配信されたコンテンツである。

公式サイト曰く「おもちゃのようなアプリ」

画面上に現れたマリオの顔をタッチ操作で突いたり引っ張ったり、アイテムを与えてみたりして、その多彩な表情やリアクションを楽しむというのが本作の狙いである。

絵本や子供服、雑貨、玩具など乳幼児を対象にしたマリオシリーズのグッズは過去に多くの種類が発売されてきたが、「任天堂のゲームソフト」としての幼児向けマリオ作品は今作が初*1
また、マリオシリーズのスマホアプリとしては『スーパーマリオ ラン』『マリオカート ツアー』に続いて3作目となる。

ゲームというよりはいわば知育玩具的な側面が強く、従来のマリオシリーズ(特にスーパーマリオシリーズ)の基礎とも呼べるアクション性や「コース」「クリア」「ミス」といった概念は存在しないのが特徴。

それでもマリオシリーズの世界観に忠実かつ他作品で馴染み深い要素が随所に織り込まれている点は、制作者の遊び心と細部に至る作り込みが感じられると好評。
ジャンルや対象年齢が変わってもマリオらしさを忘れず、初めてマリオに触れる子供だけでなく親御さんも唸らせるファンサービスの旺盛さは今作でも健在である。
親子でマリオと戯れる楽しい時間を過ごそう。

なお、Switch版では本体を用いてのタッチ操作に限定されるため、TVモードでは遊べない。
Joy-ConのAボタンなどを押すと様々な効果音と共にマリオの顔を振動させるおまけ要素が存在する。


【遊び方】

画面下に引っ込んでいる赤い帽子。「ひっぱって!」の指示通り上へ引っ張るとご存知マリオの登場だ。

この顔だけのマリオは、こちらのタッチ操作に応じて様々なリアクションを取ってくれる。
鼻を突いてみたり、自慢のヒゲを引っ張ったり、顔面をグシャグシャにしたり、グルグル回してみたり…あらゆる操作に合わせてなかなかに愉快な反応を見せる。

帽子が脱げてしまったり、どこかで見たようなサングラスをかけたり、ヒゲがギザギザに変形しちゃったりなど、隠し要素も豊富。マリオ自身もそれぞれに独特の表情やボイスを披露するので、子供たちを飽きさせない。
ちょっと意外なヒゲの構造も明らかになるかも?

さらに目を見張るは、さすがは常に陽気なマリオと言わんばかりに、どんなに顔をいじくられても片時も笑顔を絶やさない底抜けの明るさである*2
今までも老若男女のプレイヤーを虜にしてきたミスター・ビデオゲームことマリオだが、ちびっ子のためにここまで体(顔?)を張ったのは今作が初めてではないだろうか。まだゲームが遊べない赤ちゃんさえ楽しませるゲームヒーローの底知れぬポテンシャルを思い知らされる。


左上のハテナブロックをタッチするとメニューが現れ、いくつかのアイテムやキャラクターを出現させたりマリオの状態を変えたり雰囲気を変えることができる。アイコンは以下の通り。

マリオ
マリオがいないいないばあをする。\Peek-a-boo!/
かつてヨッシー子守をされていたマリオが、今こうして懸命に画面の向こうにいる赤ちゃんをあやしている姿は感慨深いものがあるだろう。
稀にマリオが顔を隠している隙を見計らい、暗闇と共にある敵キャラが現れることも…?

●ハテナブロック
ハテナブロックがマリオの横に現れ、コインが数枚手に入る。本編譲りの何度も叩きたくなるあの感覚を好きなだけ味わえるが、今作はコインの枚数はカウントされないため、いくら集めても残機数は増えない。そもそも残機の概念もないのだが。

スーパーキノコ
説明不要のパワーアップキノコ。そのまま放置すると画面外へ消えてしまうが、マリオに与えると巨大化する。
画面を埋め尽くさんばかりのド迫力マリオの顔面を盛大にいじり倒すもよし…だが、ある拍子で元のサイズに戻ってしまうので注意。
後述のプクプクでダメージを受けたマリオを通常サイズに戻す時にも、同様にキノコを食べさせればよい。

●スーパースター
お馴染み無敵アイテム。一定時間マリオが虹色に光る。この状態で顔を強く引っ張ると…。

●土管
縦向きか横向きのいずれかが画面端から伸び、マリオを近づけると吸い込まれてしまう。
縦向きの場合は3本の内どの土管にマリオが隠れているかを当てる。他の2本は敵キャラクターが隠れている。
横向きの場合は土管が斜めにセットされ、シャボン玉を連続で割るミニゲーム(詳しくは後述)が開始される。

●ゲッソー
ゲッソー(稀に子連れゲッソーになる場合も)が現れ、マリオの顔に近づけるとマリオカートよろしくスミを吐いてくる。マリオの顔も真っ黒に。でもすぐ元に戻るのでご安心を。

プクプク
周囲を飛び跳ねており、マリオに当たるとパワーダウンしてしまう。

●音符ブロック
選ぶたびにBGMと背景が切り替わる(全3種類・BGMはすべてアレンジ版)。出だしに合わせてマリオが歌うという珍しい演出も。

キノピオ
マリオの味方サイドでは唯一の登場キャラ*3
カメラマンのキノピオの合図に合わせてハイ、チーズ!
撮られたマリオのプレイヤーの好奇心によって変わり果てた形相にされた顔は1枚までメニューに保存される(次回起動時にはリセットされているため注意)。
Switch版ではJoy-Conを外した状態でのプレイが推奨されており、その場合スクリーンショット機能が使えなくなるため、代替となる機能として収録されたと考えられる。
撮影の合図として、『スーパーマリオ64』でキノピオに話しかけた時に流れる効果音と『進め! キノピオ隊長』のタイトルBGM冒頭部分を組み合わせたアレンジが流れる。


ここからは、とあるおまけ要素について。

マリオの顔を横に大きく引っ張った状態で離すと、おはじきのようにマリオの顔を使って周囲のシャボン玉を連続で割るミニゲームが始まる。
シャボン玉の中にはボムへいが入ったものもあり、これを割ると爆発のショックでマリオが大きく弾き飛ぶ。
連続で割った個数がカウントされ、100個を達成すると……その先は自分の目で確かめていただきたい。
目を回しながらも上機嫌でシャボン玉に入った敵を蹴散らしていくマリオの楽しげな様はなかなかシュール。「かおマリオ」における数少ないゲーム性の強い要素でもあり、子供(と大人)も自ずと夢中になること間違いないだろう。

一応このミニゲームは100個で打ち止め扱いとなる。限界に挑みたいプレイヤーは残念に思うかもしれないが、対象年齢が年齢なので致し方なし。
ちなみに配信開始直後からこのミニゲームの最速記録に挑むRTA走者が早くも何名か出現している。


【その他】

  • 小学館からは同名の絵本『かおマリオ』が発売された。こちらはページに組み込まれたギミックを動かしながら読み進めていく「仕掛け絵本」の一種で、ゲームの「かおマリオ」と同様にマリオの顔を回転させたりヒゲをいじったりして遊ぶことができる。

  • 「マリオの顔をプレイヤーがいじる」というコンセプトから、『スーパーマリオ64』の冒頭にあったマリオの顔をいじるモードを想起させる者も多い。「64」に存在した引っ張ったパーツを固定する手段がなくなったことを惜しむ声もあるが、前述した様々なリアクションが追加された点を加味すれば約30年の時を経て「マリオいじり」も大いに進化を遂げたと言っても過言ではないだろう。
    「64」のリメイク作『スーパーマリオ64DS』では、マリオまたはヨッシーの顔の線画をタッチスクリーンでいじれるモードに差し替えられたため、「タッチ操作によってマリオの顔をいじる」要素としてはこちらが元祖と言える。

  • 幼児向けのゲームという性質上、本作はプレイ時間に独自の制限が設けられており、起動から一定時間(10分程度)が経過すると自動的に終了する仕組みになっている。もう一度遊ぶには終了後再度ゲームを起動する必要があるが、起動時に特定のコマンドを入力すると時間制限を解除することが可能。コマンドはニンテンドーeショップで確認できる。


                   
では具体的にどのように終わるのかというと………
                   
     
                   
                   
                   
                   
ファ~ア……
                   
                   
                   
                   
…あれ?
                   
                   
ムニャ…
                   
                   
おやおや、マリオはもうおねむのようです*4
                   
                   
Zzz……
                   
                   
どこかで聴いたようなオルゴールと共に、
マリオは安らかな眠りにつくのでした……。
                   
Zzzzzz…………
                   
                   
おやすみ、マリオ。
                   
                   
                   
またねー!
                   
                   
                   
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      (Nintendo®︎           
                   
                   
                   
                   
追記・修正は、マリオを寝かしつけてからお願いします。
                   
                   
                   


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最終更新:2025年09月11日 17:53

*1 1994年には未就学児童を対象とした学習ゲーム『Mario's Early Years』シリーズが海外で発売(日本未発売)されていたが、こちらの開発はThe Software Toolworksによるもので、任天堂はライセンス貸与のみであり開発には関わっていない。

*2 といっても、眠くなった時やクシャミが出そうになった時など強いて挙げれば例外もある。

*3 本編ではないが起動直後の注意画面ではマリオと共にルイージピーチ姫、ヨッシーが登場している。これらは「マイマリオ」シリーズとして発売された玩具『つみきマリオ』と同一のデザイン。

*4 マリオが眠そうな顔をした時点でメニューを開くことができなくなる。また、顔を引っ張ることはできるがシャボン玉ゲームや顔の回転など特別なリアクションは見せなくなる。