都電荒川線の概要
かつては東京中を網の目のように走り回っていた東京都電。
しかしモータリゼーションの進行やバスの発達、さらには輸送力増強のための地下鉄建設が進んだことですっかり廃止されてしまった。…そう、たった1系統、荒川線を残して。
荒川線は下町の三ノ輪橋から荒川・巣鴨を通って大学の街・早稲田へと走る12.2kmの路線で、この路線には全部で30もの電停(電車停留所)がある。地元の人たちに愛され、今日も荒川線は走り続ける。
…しかし、荒川線は実は4つの路線で出来ているという事実は全くと言っていいほど知られていない…。
路線データ
正式路線名 |
東京都電車三河島線・荒川線・滝野川線・早稲田線 |
営業キロ |
12.2km(三河島線3.0km・荒川線3.0km・滝野川線2.9km・早稲田線3.3km) |
開業初日 |
1911年8月20日 |
軌間 |
1372mm |
電気方式 |
直流600V(架空電車線方式) |
複線区間 |
全線 |
電停数 |
30箇所 |
事業者 |
東京都交通局 |
探訪!
(写真は特記なき場合2009.9.19.撮影)
さて、荒川線は今までに何度も乗車してきているが…久々に訪れてみたら驚いたことがある。それは!
…三ノ輪橋の電停ってこんなだったっけ?
…こんなだったっけか!?
と思ってたら、実はこーゆーことだった。
あぁ、この9000形車両の登場に合わせてリニューアルしてたのね!Wow!
そう、先ほどの電停名標は、都電全盛時代に使われていたものを再現しているのである。
ちなみに庚申塚電停も似たような感じにリニューアルされている。
……でも、9000形のイメージは開業当時の東京市電だから…ある意味時代考証がメチャクチャな気も
しないでもない、が…寧ろ黄色の7000形のほうが逆にしっくり来るかも!?
さて、新設軌道がメインの荒川線だが、熊野前~小台間と王子駅前~飛鳥山間は併用軌道。
このうち前者は所謂センターリザベーションで電車の通行帯がコンクリブロックで仕切られているのだが…
王子駅前~飛鳥山間はご覧の通り、クルマに混じって走る。当然渋滞が起きてしまうと電車もうかつに動けない。この区間はなんと66‰もあり、ちょっとした急勾配が楽しめるスポットだ。
…7000形・7500形の早稲田行き電車に乗車した場合、力強い釣り掛けの唸りか聴けるので要チェキ!
このほかにも急勾配区間に鬼子母神前~学習院下間があるけれど、今回写真を撮り忘れたのでまた今度。撮影次第追加予定。
沿線の「鉄」スポット
◆荒川車庫(荒川電車営業所)・都電おもいで広場
都電のねぐら、荒川車庫。
この写真のみ2009.10.12.訪問時のもの。最新鋭の8800形が2両並んでいました。いまだこいつには乗ったことがない。乗ってみたい。……あれ、都電って緑だよね?緑じゃなくない!?
で、そのお隣が「都電おもいで広場」。
ファンなら知っている「PCCカー」、全盛期の都電では数少なかった高性能電車5501。中は資料館風に改装されていて、そのせいで座席が取り払われているのが残念でならない。でも、運転台が登場当時のペダル式に復元されているところは評価したい。
非冷房がたたってお役御免になった7504号、通称「学園号」。朝ラッシュ時専用だったんだけど、冷房がついてないしビューゲルだし、何かと不都合があったのでしょうな。こちらは内装もほとんどそのまま。
ちなみにこのほかにイベント用の電車として6152号、通称「一球さん」が走っていたのですが、こちらは現在あらかわ遊園に保存されております。写真撮影次第追加予定。
◆飛鳥山公園
さて、続いての鉄スポットはこちら!飛鳥山公園です。ここには…
はい、やっぱり都電です。1976年のワンマン化でお役御免になった6080号。一時期かなり荒れ放題だったようだが、現在ではすっかり整備されて、さらに上屋もついている。車内もほとんどそのまま残されていてよい雰囲気。
しか~し!飛鳥山公園に展示されているのは都電だけではないッ!
日本を代表する蒸機、「デゴイチ」ことD51は853号機が保存されているのだ。
残念ながらキャブには乗り込めない様子だが、状態は良好。
しかし、ここを訪れたのにはもうひとつの理由が…
それがこちら↓
王子駅から飛鳥山に上がるこちらのモノレール。といっても法的には鉄道や軌道の扱いではなく、寧ろエレベーターの一種と捉えたほうが近いかもしれんが…
「レールがあって車両があれば趣味的には鉄道だ」という方針にのっとり「鉄的物件」として紹介。
呼び出しボタンを押すと搬器がやってきて、あとは自動制御で上ったり下ったりするという乗り物。運がよければこのように、都電とのツーショットも撮れますよん。
雑感
さて、気になる利用状況だが、なんといっても地元の利用客が多い。巣鴨のおばあちゃんたちも都電をよく利用されているようで、気軽に乗れる地域の足として根付いている様子。…は、いいことなんだけど、途中電停から乗るとまず、必ずと言っていいほど座れない状況が出てくるのでちょっとこれは…。
あくまでも個人的なワガママに過ぎないんだが、うん、いい加減連接車両入れたほうがいいんじゃないかなと思う。あくまで俺個人のワガママなんだけどね!
最終更新:2009年11月22日 19:18