秦こころ

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秦こころ - (2017/02/04 (土) 20:28:12) の編集履歴(バックアップ)



「何だ何だ? こういう時はどういう表情が……。」

『東方Project』第13.5弾「東方心綺楼 〜 Hopeless Masquerade.」のラスボス。
『東方Project』第14.5弾「東方深秘録 〜 Urban Legend in Limbo.」ではプレイアブルキャラクターとなっている。
苗字の読みは後述の理由で格助詞が入り「 はた の 」。
種族は面霊気(付喪神)で「感情を操る程度の能力」を持つ。
二つ名は「表情豊かなポーカーフェイス」。テーマ曲は「亡失のエモーション」。

妖怪で正体は古い能面の付喪神(六十六枚セットで一つの付喪神である)。
こころ本人は無表情で周囲を漂っている面をかぶるとその面に対応した感情になるという特徴を持つ。
六十六枚全てに感情が割り当てられているが流石に多いので普段は喜怒哀楽の面くらいしか使用しないらしい。
ただし決して無口ではなく会話は普通に成立しており、会話シーンでは無表情のまま口調が次々に変化するという妙な光景が見られる。
トップのイラストではわからないがスカートは人の表情を模したような穴開き。

+ 詳細な原作設定
普段はただの静かな付喪神なのだが、面の1つである『希望の面』が失われたことにより、能力が暴走。
そのため幻想郷から希望が失われ、人々が一時の享楽を求めるようになったのが『心綺楼』の騒動の発端。
丑三つ時の人間の里に現れ、プレイヤーの集めた希望を奪い取り新たな希望の面とするため襲い掛かってくる。
彼女の製作者である豊聡耳神子が新たな希望の面を作ることで暴走自体は収まったかに見えたが、
新しい面は「道具として」完璧すぎてその面を使い続けていると「付喪神であるこころ」が無くなってしまい
道具に戻ってしまう物だった(神子もそれを目的に作っていた)。
これに反発したこころは聖白蓮の元で修行して自我を確立しようとしてみたり
屋台のお面屋で希望が付いている面を探して代用しようとしたりしていたが、
二ッ岩マミゾウに諭されて自分の感情を会得して神子の作った希望の面を使いつつ付喪神のままでいることを選択する。

こころ本人のルートでは雲居一輪に教えられた「最強の称号をかけて勝負だ」の合言葉で次々と戦いを挑みながら
至る所で天然ボケを炸裂させ、この行動を教えたはずのマミゾウにすらどうしてこうなったと言わしめるアホの子ぶりを発揮するのだった。
しかし、最初は弾幕ごっこを楽しみながら感情を理解していったのだが、その末に自我に目覚め始めると、
今回の異変のなかで他者の感情を煽り人気集めに利用していた宗教家たちに対して憤り、再び能力を暴走させてしまう。
またも感情が失われた丑三つ時の人間の里で、この事態を察知して飛んできた霊夢・聖・神子ら宗教家相手に勝負を挑み、
主人公&ラスボス&ラスボスの3人をまとめてぶっとばすという前代未聞の大活躍(?)を見せてしまった。

この一連の騒動で戦うことの「楽しさ」や勝利する「喜び」、敗北することの「哀しみ」、そして宗教家たちへの「怒り」を覚えたことで
面に頼らない自分自身の感情を手に入れたこころは暴走が治まり、改めて異変は収束した。
それ以降は神社で能楽を演じたりして過ごしているようで、『鈴奈庵』では感情を安定させるために能を舞っている姿が見られる。

このように表情はなくとも感受性や情緒は豊かであり、勝利ポーズで無表情のまま大きく三連続ガッツポーズを決めるなど、
面だけでなく全身で感情を表現してくる。
また表情も変えられないわけではないようで、今作のエンディングで「少しは表せるようになった」という程度の事が書かれている。

ゲーム中では能楽をモチーフにしたキャラゆえか薙刀や扇を使い戦う。
また周囲に面が何枚か浮かんでおり、これを飛ばしてぶつけたり弾幕の発射に用いることもある。
戦闘時には基本的に顔には面を被らないが、一部のスペルカード発動時には被ることもある。
なおリリース当初は「一応ストーリーモードで使用可能だが通常技以外搭載されていない」という未完成状態だった。
まあその状態でも一応クリアは可能ではあったが。

今回の一連の異変の原因は彼女であったが、希望の面が失われたのは地割れの発生という不可抗力によるものであり、
彼女自身も異変の収束を望んでいた。
そのため他者と利害がぶつかるような意思は最初から持っておらず、本人の一種の向上心もあって、
作り手である道教勢力、修行した仏教勢力(命蓮寺)、神楽を踊る神道勢力(博麗神社)いずれとも比較的良好な関係を築いている様子である。
また希望の面の所有を巡って争った古明地こいしともその後もライバル的な意味で親交が続いている描写がある。

続編の『深秘録』ではオカルト「口裂け女」を伴って参戦。
両手の指で口を横に引っ張ってむにーと引っ張る姿が可愛いと評判。
オカルトになり切ろうとした結果またも暴走し、今度は会った者に片っ端から「アタシ、キレイ?」と問いかけるのだった。まるで成長していない…
他のキャラのストーリーモードで登場した際はにとり・こいしと同様、通常の対戦を挟まずに奇襲気味に1つだけ個性的なスペルカードを披露してくる。


+ こころのルーツ
苗字の元ネタは、飛鳥時代の豪族・秦河勝。
聖徳太子の側近であり、猿楽、後の能の始祖であるとされている、幻想郷でもでさえ知ってる有名人である。
こころの本体である六十六の面は、元を正せばかつて豊聡耳神子が作った河勝の面であることが作中で明言されている。

この元ネタは、能の大成者であり河勝の子孫を自称する世阿弥の室町時代の著書『風姿花伝』に出てくる
「聖徳太子が秦河勝に六十六の面を与え神楽を奏させた」という話である。
さらにこころの種族「面霊気」は、鳥山石燕の江戸時代の著書『百器徒然袋』に登場する、この河勝の面が変じたとされる妖怪である。
東方において神子は聖徳太子と(おそらく)同一人物であり、これらの話は事実であったということであろう。

そうするとこころの面は、千数百年の来歴を持ち、日本史でも有数の聖人と称される人物直々の作で、
しかも呪術そのものである神楽に用いられたという、実は考古学的にもマジックアイテム的にもかなり凄い代物ということになる。
そんなものが特に説明もなく今まで普通に存在していた幻想郷もまた恐ろしい土地であるが。

+ 二次創作での扱い
二次創作では、白蓮と神子など幻想郷の各勢力を結びつける橋渡し役として機能している。
(特にこの2者絡みだと、白蓮ママと神子パパで完全に夫婦とかよく言われる)
その他、感情と表情についての関係が全く対照的なこいしとのカップリング(通称「こいここ」)も人気。
先に登場した小傘や、次作である輝針城で多く登場するいわゆる「付喪神勢」としての関連付けも多い。

また「66の面の全貌が不明瞭」「感情を覚えたい盛り」「すっげえキモいデザインな新しい希望の面」*1
などなど基本設定にイジり甲斐のある要素盛りだくさんなため、傾向が似通いつつもネタは多彩。
具体的には手持ちの能面がライダーだったりガンダムだったり石仮面だったり、変な感情を教え込まれ変な仮面を手に入れたりといった具合。

表情については「感情が一切顔に出ない、というか動かない」か「よっぽどの事ならちょっと顔に出る」かは人によりけり。
ただし無表情のまま感情豊かでよく喋るという性格は静止画だと意外に再現しにくいのか、
単に無口やダウナーな綾波系キャラになってしまっている二次創作も結構見受けられる。
あと感情を覚えるために如何わしい事に手を出したり、如何わしい事が切欠で感情豊かになったり…エロ本みたいに!

第10回人気投票では、新登場キャラながら総合15位と非常に高い人気を示した。


東方心綺楼での性能

カードの出そろったVer1.20以降のプレイヤー版を主に解説。
固有の特技「変幻自在の感情移入」により、必殺技を使用する度に技ごとに決められた信仰に性能が変化するというもの。
信仰が変化すると自身の発する霊気とスカートの色が変わる。
+ 信仰チャート基礎知識
「東方心綺楼」ではデッキにセットしたカードの種類によってチャートに偏りが生じ、その信仰バランスにより
無信仰(初期状態)、神道(攻撃範囲、誘導特化)、道教(射撃強度、弾速特化)、仏教(打撃強化、近接戦闘特化)
と通常技の性能が4パターンに変化するシステムが採用されている。
ここでは「追加技の組み合わせによってアルカナが決まる」くらいの意味に捉えておけば良いだろう。
この特技により秦こころは全キャラ中唯一戦闘中に信仰を切り替えることができるキャラとなっている。
ただし特定の技使用時や被弾でデフォルト信仰に戻る。
また変化先が神道仏の3つだけなので自身によるデッキによる初期信仰が無以外だと無信仰性能の技は封印となる。
効率的な運用には慣れが必要だが変幻自在な立ち回り、他ゲーで言えば「構え変更」系のテクニカルキャラである。

+ そう思ってた時期が黄昏フロンティアにもありました…
しかしながら最新のver1.33ではほぼ無信仰オンリーのこころが心綺楼最強キャラとなってしまった。
実装当初は弱く、実装の遅れから研究も進まなかったのだが
1.33のパッチと研究の進みでみるみる頭角を現していった。

まず立ち回りの基本となるのが無信仰のX射撃。
お面を3つ飛ばすのだがホーミング能力がものすごく高く、相手はほぼ逃げ切れない。
おまけに隙も少なくヒット・ガード時の硬直が長いのでガードしてしまうとこころ有利に。
このXで何でもフォローしつつ判定の大きい2B、何故かガードさせて有利な8Bなどをぶんぶんするのがただただ強い。

当然隙の少ないXは固めでも活躍。チキガ(心綺楼のアドバンシングガードのこと)に対して有効なH2Bでチキガを牽制。
ガードさせて有利な8B、X、前進するDAなどでガリガリ固める。

さらにこころ、火力も高い。
Xのホーミング力・スタン値・硬直・霊力消費の少なさを活かしたXと通常攻撃をループさせるコンボは
全キャラ中でもトップクラスのダメージを叩き出す。

そしてそしてこのキャラ最大の武器が、研究により狂気の壊れ性能が明らかとなったスペルカード 憑依「喜怒哀楽ポゼッション
このワザは自身が信仰を切り替えていると、その信仰毎の特殊効果が得られるのだが…
仏信仰で当てると相手が怒り状態になりチキンガードができなくなる。(通称:おこポゼ)
チキガを封印したら攻撃を延々ガードさせて確定でガードクラッシュさせられる
これによりこころは後宣言で6~7割近いダメージ&人気差40~50を奪うことができる(他キャラはせいぜい4~5割)
通常はポゼッションヒット時は相手が移動起きできる「寝スタン」になるのだが、
設置技と合わせることで移動起きできない「立ちスタン」にする連携が開発され、
ポゼ宣言可能状態で攻撃を食らったらもう安らかに死ぬしか無い。
(無敵で切り返せば?と思われるかもしれないが、この心綺楼というゲームは無敵技がほぼまったくないのだ。
 一部スペルカードにはあるものの、それも一度宣言という行為を挟まなければならないので切り返せない。
 唯一共通無敵切り返しの「霊撃」が存在するが、枠の都合上デッキに入ってないことが多い)

ポゼに隠れているがぶっぱして隙ほぼなし、ガードさせれば1F有利な上突進ワザなので固め直行、
グレイズできない打撃属性の怒符「怒れる忌狼の面」もかなり凶悪な性能。

おまけにこころのコンボはほとんど通常技で構成されるので、デッキに余裕が多い。
そのため切り返し霊撃やダメージ軽減盾などの防御札、スペカなどを詰め込むことができ、
防御力もワンチャン火力も他キャラとは一線を画している。

…といった立ち回り火力固めなんでも強い性能、黄昏の想定する信仰システムをほぼガン無視した戦法、
確定ガードクラッシュという初期の箒ゲーを彷彿とさせる様などから、
こころは心綺楼の闇と呼ばれプレイヤーから恐れられている…。



MUGENにおける秦こころ

へちょ氏による手描きのもの、及び原作ドットを使用したものが複数存在する。
後者は元々が空中戦を想定しているドットであるためか、開き直って凶悪キャラにされていることも。
そのため、狂未満のランクの大会で登場するのはへちょ氏のものが殆ど。

+ ネンミン氏製作 原作ドット
原作ドット。移動動作に原作再現がなされている。
デフォルトAIは搭載されていない。

+ へちょ氏製作 手描きドット
原作では格闘ゲームするにはしゃがみ等のモーションがないため、氏はあえて手書きで制作している。
ドットのベースはうどんげの模様で、各種技は心綺楼再現に近いチョイス。
操作方法は飛翔やデッキ方式の緋想天スタイル。スキルの性能もレベルで変更されていく。
オリジナルの天候「心綺楼」も搭載。攻撃を防御した瞬間に画面内横方向のどこかへ瞬間移動する。
ラストワード「仮面喪心舞 暗黒能楽」 は相手の体力の4割を固定で減らすというものだが、処理の関係で
体力が極端に多くdefが低いキャラに使うと一撃で必殺になるほどの威力になる。

以上で更新は一区切りしていたが、『深秘録』続投に際して2015年5月27日に更新が入った。
『深秘録』での新技「口裂けの感情」、どこかで見た仮面を付けて斬りかかる呪面「月追の兎面」の他、
面の力を解放するオリジナルの5ゲージ技「ファタモルガーナの希劇」が追加された。
また、「仮面喪心舞 暗黒能楽」の処理が変更されたことで、特定のキャラに対して即死級のダメージにならなくなった。

Air氏による外部AIが存在したが現在は公開されていない。
2014年8月にはホルン氏のAIも公開された。

+ 大会ネタバレ
KOFごっこではハートチームの一員として参加。
投稿する動画に併せたキャラ改変に定評のある邪氏により仮面が一新されての登場(例:不思議な事が起こった時の表情)。
その後のパートでも新しい仮面を入荷している。

ちなみに、同大会ではライバルとの直接対決も実現している。

+ エメル氏製作 天仙娘々
ネンミン氏の秦こころの改変キャラ。
浮遊キャラでなくなり立ちやしゃがみが追加されたことで動作が格ゲー風に。
ただし使用技に立ち・しゃがみ・空中の区別は無い(空中で慣性が付く等の違いは出る)。

それぞれの面に対応した3つのモードを変更しつつ戦うキャラクター。
鬼面モードは接近戦に優れ、飛び道具無敵技を持つ(デフォルトがこれ)。
福面モードは豊富な飛び道具を駆使した遠距離戦が得意。
翁面モードは当て身や投げが得意で、ゲージ溜めも使用可能。

デフォルトAIは搭載されていない。

+ speldy氏製作 本気こころ
原作ドットを用いた凶悪キャラ。
カラーは原作に近め。
技によって左上に表示されるお面の属性が変化する。
また、ライフが心綺楼風ゲージで下に表示される特徴がある。
12pは上位神クラスの殺傷力を持つ。

+ 影縫氏氏製作 オーメン
原作ドットを用いた凶悪キャラ。
ジェダ・ドーマ等のボイスを使用したおどろおどろしい改変。
ライフが正負逆に表示される残機制。

+ EINZBERN氏製作 こころぴょんぴょん!
原作ドット。
複数のこころがぴょんぴょんするだけで相手は死ぬ。
専用BGMの種類によって強さが変わる風変わりな仕様。



因みに彼女のMUGENデビューはMoiky氏の豪族台車にイントロで跳ね飛ばされるバイトとしての登場。


出場大会

出演ストーリー



*1
元のお面の作者である豊聡耳神子が、無くしたお面の代わりに作ってあげた新しい希望の面。
「人心を一身に集める希望の象徴」たる自分(=神子)をモチーフにしたデザインらしいのだが…
+ そのデザイン(AA注意)
     l|
     !丶                              /l
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    /   ヽ、                         /    l
   /     ヽ、                      〈     |
   }       `ヽ、                   /     |
   i゙         .`ヽ、             , --- '´       .ヽ
   |            `ヽ,         /            l |
.  |              l、  ___  /             l | |
   l           _-─  ̄     ̄ ─- _          /ノ |
.   i        - ̄             r-,ヽ、       .// /
   ヽ     /                ゝ'  `ヽ     ソ /
  l\ヽ  /   , --- 、 λ       ._ -- __   ヽ、     /
  `l ヾ /  /´     ./ |        ,    `ヽ、  ヽ、  /
   |  ./      /ヽ /  i       /ヽ  八      i  ∠,
   ヽ /    /ヽ ./ ヽ/  ヽ     /  }_ノ  ヽ  ./|  ヽ /
   /V    / ヽi __   \   /      .ヽ/ .|    /ヽ
  /  |  l / / r--、`ヽ   \/  /´´二 -、   |/l  /  ヽ
 /|  |  | l (  {  )  }        l、.(  .) ヽ   l /  | .i
./ l  /  i | ヽ _ ̄_ノ         ヽ_ ̄   ) / \  .|  |
i | /   /\l.     ̄               ̄ ー´     `> |  |
| |/__ノ             - __,            \/ |  |
ヽ |   |                            | ヽ、 .| ∥
 V  /.|          _______        |  .ゝ  //
  \ | .|          l           l        |  ヽ//
   |` |          \       /        |   ソ
   |  l            `ー── ´          /    /
   ヽ  ヽ、                         /    |
    i   ヽ、                       /     i
    ヽ   ヽ、                    / ,イ    i
     ヽ    ヽ、                 ´ / |   /
      ヽ、   >、               ./    .l  /
        ヽ、 /  `ー─- ___ -─  ̄       ゾ
※とても再現度の高いAAです

……まぁ デザインセンスはともかく 、新しい希望の面としては上述の通り「完璧過ぎてお面同士の均整が取れ、こころとしての人格が消えてしまう」ほどの代物らしい。
この他にも神子により作られたマジックアイテムは基本的にかなり高度であり、その作成スキルの高さが窺える。
デザインセンスはともかく。 いくら事実とはいえ自分の顔を希望の象徴にする感覚もどうかと思うが

ちなみに元の希望の面は、拾ったこいし曰く「真っ白い子供の面、どこかしらお地蔵さんを彷彿させるような」見た目とのこと。