ウッディ・プライド


"You're my favorite deputy!"

(あんたは俺の相棒だぜ!)

+ 日本語吹替声優
唐沢寿明
映画本編、各種短編作品、一部玩具、CM
山寺宏一
初回収録版
辻谷耕史
『ディズニー・オン・アイス』、『ポンキッキーズ』、『2』『3』予告編、『スペースレンジャー バズ・ライトイヤー』
各種CM
『東京ディズニーリゾート』各種アトラクション(2019年まで)、『キングダム ハーツIII』、各種玩具
松本保典
『トイ・ストーリードロップ』『ボー・ピープはどこに?』、『東京ディズニーリゾート』各種アトラクション(2020年以降)

ちなみに原語版の声優はmugen界隈でもお馴染みトム・ハンクス氏。
スピンオフやゲームなど一部の作品で代役を務めているジム・ハンクス氏は苗字からも分かる通りトム氏の弟であり、兄弟で同じ役を演じている。

ディズニー・ピクサーの3Dアニメーション映画『トイ・ストーリー』シリーズの主人公。
決してこいつの掛け声ではないし、キツツキでもない
昔ながらのトーキング機能が付いたカウボーイ人形で、持ち主であるアンディの玩具達のリーダーでもある。
なお、名字の「プライド」は無印から『4』まで終始作中で呼ばれないため、
彼の事は単に「ウッディ」がフルネームと思っていた人は多いかもしれない。
プライド(傲慢)が名字とか……と思うかもしれないが、英語圏のイメージとしては「誇り高き」とかそんな感じのニュアンスである。
紛らわしいが『X-MEN』のキティ・プライドは綴りが異なる。コミック内でも間違われる事があるらしいが

アンディが小さい頃からのお気に入りの玩具であり、
ベッドの上に彼だけの場所を持っていたり、右足のブーツの裏にはアンディの名前が書かれている程。
自身もそうした立場を誇りに思っており、強いリーダーシップで玩具達からの信頼も厚かった。
……が、アンディの一番のお気に入りの玩具がバズ・ライトイヤーに移り、
西部劇一色だったアンディの部屋や遊びが次々宇宙モチーフに塗り替えられ、ベッドカバーもバズ・ライトイヤーに変更されてしまう。
このためウッディは嫉妬し、意地悪な言動を取ったり「アンディはお前のもんじゃない、俺のもんだ!」と言い張る等、
バズに対してライバル心を燃やしていた(この時点では自身が玩具だと自覚していなかったバズはウッディの主張をほぼ無視していたのだが)。
しかし、様々なハプニングの末アンディの自宅を離れてしまったバズとウッディは、
よりによってデイビス家の隣に住む玩具をいじめる事が好きで「おもちゃ殺し」の異名を持つ少年シド・フィリップスに拾われてしまう。
だが、彼の家で出会った見た目は改造されて恐ろしいが善良な玩具達との交流を経てウッディは改心。
自身の出自を知ったバズとも和解して親友となり、互いに助け合いながら二人はアンディの元へと帰るのであった。

+ その後のウッディ(『2』以降のネタバレ注意)
続編の『トイ・ストーリー2』では『ウッディのラウンドアップ』という白黒放送時代に人気を博した人形西部劇の主人公(の市販品おもちゃ)であり、
実はとてつもないプレミアの付いた人形である事が明らかにされた。
どうも設定上はアンディの亡き父「大アンディ」がこの『ラウンドアップ』を見て育った子供であったらしく、
ウッディはそんな父の玩具として、子供であるアンディに受け継がれたようだ(実はブーツの裏のサインも父のもの)。
本作でのウッディはアンディと共にサマーキャンプに行く事を楽しみにしていたのだが、直前に腕部が破損。
家に置いてきぼりにされた上に、目の前でアンディママが勝手にアンディの古い玩具をバザーに出し
ウッディはその玩具の救助にこそ成功したものの、入れ違いでバザーに商品として取り残されて意気消沈してしまう。
アンディママはその手違いにすぐ気付き、購入希望者(ウッディのプレミア価値目的)にも息子の大切な玩具は譲れないと断ったのだが、
博物館に売却するため窃盗(誘拐)されてしまったウッディは、『ラウンドアップ』の仲間と出会って出自を知り、
また、ロケットが飛んで宇宙開発時代の到来と同時にSFの人気高騰、西部劇というジャンルの人気低迷により、
『ラウンドアップ』が最終回未放送で打ち切りにされた事や、同じ版権由来の仲間が子供が大人になった際に捨てられた(中古屋に引き渡された)事、
主役キャラであるウッディがセットでいないとまた箱詰めされて倉庫に逆戻りする事を聞いて、
このままアンディに飽きられて捨てられてしまうよりは、仲間達と博物館に収まった方が良いのではないかと苦悩する。
しかし救助に駆け付けたバズの説得を受けてアンディのもとに戻る事を決意し、『ラウンドアップ』の仲間達も一緒に来ないかと誘う。
……が、それを『ラウンドアップ』の仲間であるキャラクター、プロスペクターが許さなかった。
捨てられはしたが子供達に遊ばれた経験のあったジェシーやブルズアイとは違い、
箱入りのまま新品同然でずっと売れ残っていた彼は、最早子供達を信じる事が出来ないほど心が歪んでいたのだ。
ウッディの帰宅を妨害するプロスペクターだったが、空港の荷物輸送エリアまで追ってきたバズ達とウッディ自身の抵抗により失敗に終わる。
ウッディはプロスペクターをたまたま空港で行きあった女の子の手荷物に押し込むと、アンディの玩具として、いずれ来る別れの時までそう在る事を誓った。

「馬鹿め! いずれガキ共に壊されるんだ! バラバラにされ、捨てられて!
 どこかの埋立地でゴミにまみれて腐っていく!」
「……勝手にほざいてろ! お前も遊びの楽しさをそろそろ知るべきだな!」

『トイ・ストーリー3』では、大学に入学するまでに成長したアンディとの「その時」が遂に訪れる。
バズを含む他の玩具を屋根裏にしまい、ウッディだけを連れて大学生活を始めるつもりだったアンディだが、
ママが手違いからバズ達を捨ててしまうというハプニングが発生。アンディママは『2』でもそういう事やったよね
それを知ったウッディは仲間達の救助に奔走するのだが、寄付された幼稚園で子供達に遊ばれる事に喜びを感じていた仲間達からは、
(アンディに見捨てられたと誤解していた事、仮にそうでなくとも屋根裏にしまわれてしまう事もあって)帰還を断られてしまう。
失意のまま幼稚園を後にするウッディだったが、ウッディ自身も帰還の過程で近所の子供ボニーに拾われる。
ボニーの想像力溢れる魅力的な遊び方で久々に玩具としての喜びを感じたウッディは、そこで寄付された幼稚園の実態を知る。
幼稚園のおもちゃ達の顔役を務めるテディベアのロッツォは、人当たりの良い性格とは裏腹に恐怖政治を敷く独裁者だったのだ。
ロッツォは遊びに行った先で持ち主の子供に忘れられてしまい、死に物狂いで持ち主の家に帰ってみれば、
自分(と同じ玩具)が新しく買い直されいたのを目の当たりにして、心が歪んでしまったという過去を持っており、
新入りのおもちゃ達や反抗的なおもちゃ達を、おもちゃを乱暴に扱って壊してしまう低年齢層のクラスに送り込んで処刑していた。
仲間達の救助に再び幼稚園に戻ったウッディは、ロッツォの策略で一時はゴミ焼却炉に放り込まれるという窮地に陥るも生還を果たす。
一方のロッツォはゴミ収集車のドライバーに拾われ、子供の頃からぬいぐるみが大好きだったという彼によってトラックのマスコットにされてしまう。
ロッツォの去った幼稚園では、おもちゃ達はローテーションを組むことで低年齢クラスの子供達との遊びも楽しむようになり、状況は改善。
そして帰還したウッディはアンディにボニーの家の住所を書いたメモを見せ、アンディの手によって仲間と共にボニーに託される道を選んだ。
最後の最後に、ウッディ達を使ってボニーと遊ぶアンディ。そして、車に乗り込み玄関先に並べられた自分の玩具達へ、最後の言葉を告げる。
それは大切な友人達への別れの挨拶であり、心からの感謝であった。

「──ありがとう、みんな……」
「……あばよ。相棒……」

玩具としてはプラスチックにハンドペイントされた頭部と手足、それ以外は綿入りの天然染め布製パペットとなっている。
付属している帽子などはポリビニール製。腰にはホルスターを下げているが最初から銃は入っていないため、欠品というわけではない。
ただ帽子他の付属品は欠品している事が多く、本編劇中のウッディは完品であるという事もその希少価値、プレミア価格に繋がっている。
胴体にはレコードが内蔵されており、背中の紐を引く事でゼンマイが巻かれ、レコードに吹き込まれた音声が再生される。
「銃を捨てろ、手ェ上げな!」「あんたは俺の相棒だぜ」「俺のブーツにゃガラガラヘビ*1」「やられたぜ、汚い手使いやがって……」
など『ウッディのラウンドアップ』で登場したセリフばかりとなっており、当時の子供にとっては嬉しいものだったろう。
アンディはシチュエーションにあった狙ったセリフを再生させているので、紐を引く長さなどで調整が効くのかもしれない。
実際に現実で発売されたウッディの玩具でもこれらの仕様は原作通りに再現されているが、
残念ながら流石に内蔵音声はレコードではなく電池式のサウンドボックスとなっている。
ウッディ自身はバズのサウンドボックスに対して、自分のレコードをコンプレックスに思っていた節があったので、ある意味良かったのかも
またぴかぴか光るだけのレーザーを持っているバズに対してウッディに武器らしい武器は無いのだが、
ウッディが何かアクションをしなければならない時は、背中の紐を投げ縄代わりに使って器用に引っ掛けている。
玩具としてのウッディは自立できないのだが、アンディの目がない所では普通に立って歩く事が可能で、
さらに『2』以降はアンディ家愛犬のバスターや「原作」での愛馬ブルズアイに騎乗して、巧みな連携も披露している。
加えて作戦立案と指揮能力が際立って高く、彼を信頼してくれる仲間達の協力があってこそとはいえ、
ウッディの立てた作戦は『1』冒頭のアンディ誕生日プレゼント偵察から『3』最後の決断まで、ほぼ失敗した事が無かったりする。
「原作」ではカウボーイにして保安官という設定で、玩具であるウッディの胸にも保安官バッチが付属しており、
これもあって『1』で出会った当初のバズからも「現地惑星の保安官」と認識され、好意的に接されていた。
なので「相棒(Deputy)」も、文章だけ直訳すると「お前は最高の保安官代理(副保安官)だ」といった意味。
アンディお気に入りの玩具として「絶対に仲間を見捨てない、強くて優しい西部一の保安官」役で遊ばれる事が多く、
これが玩具の彼の人格形成、アンディの玩具達のリーダーとしてのポジションに繋がっていったのだと思われるが、
こうしたウッディの性格は『ウッディのラウンドアップ』でも同様だったらしい事が、番組主題歌などから察される。
アンディ自身は『ラウンドアップ』を見ていないので、恐らく父親からウッディを託される際にそう教わったのだろう。

その人気からか、海洋堂から発売されているアクションフィギュア「リボルテック」化もされている。
……しかしこのフィギュアに付属している表情「悪だくらみ」顔がどう見てもヤベーやつにしか見えない事から、
ネット上では所謂「スケベブンドド」に使われており、主に美少女達があられもない目に遭っている。
おかげで幾度となく再生産されているにも拘らずプレ値が付いていた。ボーさんこいつおまわりさんです、女性の敵です

ちなみによく「この変顔は原作にあるのか?」とツッコまれるがちゃんと存在する
(第一作目の序盤でバズが「飛んで見せる」といって「スタイリッシュに落ちた」のをウッディが笑う場面参照)。
実際は眼球可動ギミックの悪用で劇中よりずっと酷い顔になっている事が多いが……。


ゲーム作品におけるウッディ・プライド

SFCで発売されたゲームではプレイアブルキャラとして登場。
海外ではジェネシス(海外版メガドライブ)、ゲームボーイ、Windowsでも発売された。
当時のCS機としては珍しい3Dグラフィックを使用した美麗なグラフィックは必見。
ゲームとしてのボリュームとの兼ね合いもあってか、バズを窓から落とした事を玩具達に詰め寄られた際、
レックスに乗ってアンディの家から脱出する等のオリジナル要素が多数見られる。
攻撃手段は基本的に縄による捕縛のみで、敵を直接倒す事はできなかったり、ウッディの当たり判定が大きかったりと、
子供向けのゲームとしては難易度が高め。
Windows版

KINGDOM HEARTS III』でも味方キャラとしてゲスト出演。
『KH』シリーズのゲストキャラはアラジンのように「原作の物語にソラが介入したIF」、
もしくはヘラクレスのように「ソラ達が出会ったのは原作のアフター」のパターンが多かったが、
『トイ・ストーリー』をはじめとするピクサー作品は原作サイドからの要望により、
「トイ・ストーリーシリーズの正史の中に組み込まれた出来事」として扱われており、『2』と『3』の間に起きた出来事とされている。
心を宿した玩具というハートレスとの対比など、設定を絡めたストーリーの親和性も高くウッディもかっこよく描かれている。


MUGENにおけるウッディ・プライド

warioman氏が製作したものが氏のMFGフォーラムにて公開中。
スプライトは恐らくイラスト画像をトリミングしたものと思われる。
操作方法は2ボタン式で、攻撃手段はパンチ・キック・超必殺技である突進攻撃の3種類のみといささかシンプルすぎる仕様。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
参考動画

この他、同人ゲーム『TOY STORY.EXE』に登場する「呪われたウッディ」もピコビィ氏によって製作されている。
同キャラはホラー要素が存在するため使用する際は注意されたし。


「諦めなバート、お前さんはもう終わりだぜ!」

出場大会

  • 「[大会] [ウッディ・プライド]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
西部開拓時代のカウボーイ達の決まり文句。
意味としてはそのまま「ブーツの中にガラガラヘビがいる(There's a snake in my boot)」だが、
酔っ払ったり気が滅入ったりして変なものが見えてきたといったニュアンスのスラングで、
「ピンクの象が見えてきたぜ……」といった感覚で使われたものだとか。


最終更新:2025年05月03日 09:25