乙骨憂太

「でも僕が皆の友達でいるために
 僕が僕を生きていいって思えるように

  オマエは殺さなきゃいけないんだ」

呪術廻戦』の前日譚である『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』の主人公。読みは「おっこつ ゆうた」。
アニメ版での担当声優は 緒方恵美 氏。

元々は何の変哲もない一般人の少年だったが、10歳の時に将来を誓い合いながらも交通事故で死亡して呪霊化した幼馴染み「祈本里香」に取り憑かれる。
以来「乙骨に危害を加えた」と見なしたものを見境なく排除しようとする里香を制御できず、
強大な特級呪霊故に里香だけ祓う事も難しく、呪術界から(里香ごと)完全秘匿による死刑判決を下されてしまう。
乙骨自身もそれを望んでいたが、呪術高専の教師であった五条悟に横紙破りされる形で死刑を中止され、呪術高専へ転入。
同級生達との交流を経て、「里香の力を完全制御して里香の呪いを解く」事を目標に呪術師としての道を歩む事になる。

家族構成は非術師の両親と妹だが、上記の事情から両親からはほぼ絶縁されている状態らしく、本編時点は妹のみ連絡を取り合っている。
普段の価値観は非術師のそれなのだが、幼少期に里香と死別した経験から親しい人間を失う事を病的に忌諱しており、
害する対象の殺害も辞さないばかりか、即座に殺す覚悟を決めて襲い掛かる苛烈さも持つなど、良くも悪くも呪術師向けの性格の持ち主である。
冒頭の台詞も同級生を殺そうとした者に向けたものである。

+ 呪霊・祈本里香について

「…憂太 アイツ嫌い?」
「あぁ 大嫌いだ」

「じゃあ 里香も嫌いぃいい゛」

乙骨憂太に取り憑いている呪霊。読みは「おりもと りか」。アニメ版での担当声優は花澤香菜女史。
幼馴染の乙骨に母の形見である婚約指輪をプレゼントして将来の結婚を約束する等、
乙骨と最も親しい少女だったが、本編の6年前に彼の目の前で車に轢かれ死亡するという最期を迎えた。
しかしその場で呪霊化し、それ以降乙骨に取り憑いている。
人格は生前の里香と同じだが、呪霊化している影響で乙骨以外の者に危害を加える事を厭わなくなっている。

その力は特級に相当。おまけに無限かつ変幻自在な呪力を持ち、無条件の術式模倣を可能としている。
単純な強さは『呪術廻戦』に登場した特級呪霊達すら凌駕しており、勝ちの目があるのは宿儺程度。

これほど生前からかけ離れた変貌を遂げているにもかかわらず、乙骨はあくまで里香が他者を傷付けるのを恐れているだけで、
一貫して彼女を祓いたいと思っておらず、彼女に対する話し方も生前の頃にしていたのと変わっていない。
上記のように彼が人に近寄らないようにして自身の処刑を望んだのも「自分が動かなければ人を傷つけることはない」と人を思っての行動で、
本編時点では自己肯定感を喪失しているが、里香に対して負の感情も持っていなければ、死にたがりという訳でもない。

実の両親は原因不明の死別・蒸発をしており、父方の祖母から「両親を殺したに違いない」と疎まれて育ったというきな臭い経歴があるが、
五条悟によればいくら調査しても非術師の家系出身という結論を出さざるを得なかったらしく、
しかし非術師の霊が里香の様な強大な呪霊と化する現象はまず考えられないと言ってよいため、呪術師達の首を傾げさせていた。
唯一検証材料となるのは里香は生前から乙骨に強い想いを抱いており、死後もなお乙骨への強い未練を持っていた点だが……?

+ 作中における活躍
  • 『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』
呪術師として日々を送っていた乙骨であったが、里香の力を狙って非術師のいない世界を作ろうとしていた呪詛師「夏油傑(げとう すぐる)」が動き出し、
夏油は呪術高専を訪れ、12月24日の日没後に新宿と京都に1000の呪いを解き放つ「百鬼夜行」を予告して呪術界に宣戦布告。
しかし、これは五条を陽動するための布石であり、夏油の真の目的は高専にいる乙骨を殺害して「呪霊操術」により里香を自身の戦力に加える事だった。
夏油は手薄になった高専に乗り込み、守ろうとして戦った禪院真希狗巻棘パンダが相次いで敗れて殺されかけたのを見た乙骨は、
激昂して里香を完全顕現させ、夏油と壮絶な呪術戦を展開する。
圧倒的な経験の差がありながら自身に肉薄した戦いをする乙骨を見て夏油は改めてそのパワーソースに等しい里香の力に感嘆し、
出し惜しみ無しで乙骨を殺害するべく切り札である呪霊操術「極ノ番(ごくのばん)・うずまき」を発動。
熟練の呪詛師の切り札にはキャリアが1年にも満たない乙骨では本来は防げるはずもない代物であったが、
乙骨はここで「里香に全てを捧げる」と誓い、その証として呪霊の姿の里香に口づけする。

「憂太!!!!憂太っあ゛!!!!大大大大大大大大好きだよぉ!!!!」

この時点における乙骨は里香の呪いの力を貰い受けて武器に宿して戦うスタイルをしていた。
これは里香の呪いを解放するための、呪いの力を支配する手段でもあった。
当然、どれほど大きな水源があっても蛇口が小さければ出せる量も少なく、その差が乙骨と夏油との差であった。
しかし、乙骨は自身の身を捧げるという命を懸けた誓いにより、その制限を取り払い、
ついでに愛しい相手からのキスにより里香はラブパワー全開となり力を完全開放させたのである。

「そう来るか!! 女(たら)しめ!!」

「失礼だな 純愛だよ」

かくして「極ノ番・うずまき」を呪力の砲撃(ファンからの愛称は上記の台詞に肖って「純愛砲」)で打ち破り、
乙骨は夏油に勝利する事に成功したのであった。
戦闘終了後、先の誓い通り里香と結んだ約束を叶えるために死のうとするが、
その瞬間に里香の呪霊化が解除され、彼女は死ぬ直前の少女の姿に戻った。
+ ネタバレ注意
実は乙骨は日本三大怨霊の一人にして超大物呪術師である菅原道真の子孫であり、五条の遠縁。
非術師の生まれである里香がここまで強大な呪霊と化したのは、彼女が乙骨への未練から彼を呪って取り憑いたのではなく、
交通事故の際に里香の死を見てしまった当時の乙骨が「死別を拒絶する」あまり無意識に里香を呪霊へと変貌させてしまったためであった。
里香が元に戻ったのは、使役する術者が使役している対象に「全てを捧げる」と宣言した事でその主従契約が破棄されたためである。

意図せずとはいえ自分のせいで多くの人間を傷付け、あまつさえ里香まで呪霊化させて苦しめた事を乙骨は悔やむが、
里香はそんな乙骨を恨む事なく「里香はこの6年が生きてる時より幸せだったよ」と彼を励まして成仏。
かくして乙骨と里香のおぞましくも切ない「初恋」は終わりを告げたのであった。

当エピソードは劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』として映像化され、公開43日目で興行収入100億円を突破。
最終的には137億円の興行収入を叩き出すヒット作となった。
また、King Gnuによる主題歌「一途」もタイトル通り乙骨と里香の一途かつ狂気的な純愛を両立・体現したような歌詞と曲から好評を博した。

  • 『呪術廻戦』
本編初期は留学中という事で名前が出るのみで未登場だったが……。

劇場版で彼を演じた緒方氏は、里香に呪われてネガティブな思考に寄った状態ではない素の乙骨が出るのが、
幼少期の回想と夏油との問答の時程度だったため、「乙骨という人を理解するのが大変でした」、
「どうしても乙骨の素地が見えなかったので、監督や音響監督、スタッフの皆さんといろいろな話をしました」
とキャラを掴むのに大変苦労した事を語っている。


MUGENにおける乙骨憂太

SoulFire氏の製作した『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
性能としては主に刀を用いた近接戦を得意としており、当身技なども備えている他、
自身の動きに連動する形で攻撃する里香を一定時間呼び出す事が可能。
3ゲージ超必殺技では純愛砲を放つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
旧バージョン
最新版(DLは下記の動画から)

出場大会

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最終更新:2025年06月10日 02:03