ダンバイン


「俺は人は殺さない!その怨念を殺す!」

  • 全高:6.9メット(6.9m)
  • 本体重量:4.4ルフトン(4.4t)
  • オーラ係数:0.92
  • 必要オーラ力:10
  • 巡航速度:200リル(800km/h)
  • 最大速度:280リル(1120lm/h)
(HGAB 1/72 ダンバイン 説明書より引用)
おそらく「リル=1里」

1983年に放送されたサンライズ制作のロボットアニメ『聖戦士ダンバイン』の主人公機。
海と大地の狭間にあると言われる異世界「バイストン・ウェル」*1にて製造された、
人が持つ生体エネルギー「オーラ(ちから)を動力源とする、異形の人型戦闘用ロボット「オーラバトラー」の一機種である。

+ 『聖戦士ダンバイン』作品紹介
バイストン・ウェルの物語を、覚えている者は幸せである。心豊かであろうから。
私達はその記憶を記されて、この地上に生まれてきたにもかかわらず、
思い出すことのできない性を持たされたから。

それ故に、ミ・フェラリオの語る次の物語を伝えよう。

1983年2月から1984年1月にかけて、名古屋テレビ発のテレビ朝日系列で全49話が放送されたロボットアニメ。*2
本作は先年から発表されていた宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』の影響を強く受けており、そこに富野監督ならではの作風が合わさり、
現代日本人が中世ヨーロッパ風の異世界に召喚され魔法的な力で動く巨大人型ロボットに乗って冒険する」という、
それまで誰も見た事の無い斬新な世界観が作り出された。
実際に「ナウシカ潰そう」とか言ったり、メカデザに携わった出渕裕氏からは「ナウシカの影響を受けてるな」と言われたり
所謂「ファンタジーロボットもの」の元祖であり、現在における異世界転移異世界転生ジャンルの先駆けの一つでもある。
が、現在の異世界転生ものみたいなウハウハな展開は無い(一応マーベルや他国の女王から想いを寄せられてはいるが)。
そのメインヒロインにあたるマーベルも欧米人らしいバタ臭い顔つきだったりするので好みが分かれる所

ゆったりした曲に合わせ全裸の幼女(妖精)が走るエンディングは「家族の前で観ると気まずいエンディング」として長らく語り草となったが、
後に同じ富野監督作品『ブレンパワード』で登場する女性陣の全裸が乱れ飛ぶオープニングが制作され、監督のドスケベぶりの健在を知らしめた
(一応、『ブレンパワード』の放送枠はWOWOWなので地上波ではない事が幸いなのだが、
 当時は旧劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』の影響でWOWOW加入者にブーストがかかった状態なので…)。
後継作品にあたる『リーンの翼』でも、エ・フェラリオと呼ばれる小学生ほどの大きさの妖精が誘ってきたり、
不倫相手を詰める台詞で(しとね)は暖かいよなぁ!?(布団の意。転じて「ウチの女房とベッドでお熱くヤってんだろテメェ」)」と凄んだりと生々しい。

下記の特徴を持つ巨大ロボット「オーラバトラー」や、本格的に作り込まれたファンタジー世界バイストン・ウェルの世界観など、
その後のメディア作品に多大な影響を与えた部分も多いが、これらの要素は当時の視聴者層には受け入れ難い物があった。
特に昆虫をモチーフとした有機的かつ曲面主体のデザインは玩具化が難しい他、当時の視聴者層に気味悪がられた事等もあり商業展開が不振に終わった事、
そして最大の問題として、当時の日本のサブカルではファンタジー作品が浸透し切っていなかった(『ドラゴンクエスト』の発売も3年も後の事)
という事情もあり、異世界絡みの作劇を活かせず、テコ入れとして物語中盤から舞台を現代社会に移すなどした末に、
終盤ではチャム・ファウ以外の主要登場人物が主人公を含めて全員死亡という展開が語り草にもなった
(ダンバインの物語は生き残ったチャムによって語られたものであり、上記の文章の語り手は彼女から聞き取った事になる)。

後に全編を再編集した総集編OVAも販売されており、
そちらには700年後を舞台とした外伝作品『New Story of Aura Battler DUNBINE』も収録されている。
オーラファンタズムとも呼ばれるこの作品群は『ダンバイン』のリデザイン企画であり、
原典以上に生物的でファンタジックなデザインを追究している。

ちなみに後継機であるビルバインは「スポンサーのゴリ押しで出されたために世界観に合っておらず不評だった」という話もあるが、
デマの可能性が高い(そもそも逆に上述した生物的デザインが不評であり、それを受けてのデザインのはずである)。
オーラファンタズムで元のいかにもメカメカしいデザインを再考して生物的にリメイクされた「ヴェルビン」が発表された事で、
「本来はこういうのやりたかったに違いない」と思わせてしまったのかも知れない。
一方で中学生時代にリアルタイムで本作を視聴していたスーパーロボット大戦シリーズのプロデューサーだった寺田貴信氏は、
「自分のような年頃の視聴者からは初登場時は子供っぽいと不評だった」と証言しており、決してそういう空気が全く無かったわけでもない模様。
なお、寺田氏は「ビルバインのプラモデルのパッケージイラストでカッコいいと思うようになった」とも語っている。

バイストン・ウェルの物語はその後も『ガーゼィの翼』『リーンの翼』*3といった小説作品が富野由悠季氏自身の筆によって展開されており、
後にいずれもOVA化されている。
他にも『オーラバトラー戦記』があるが、あちらは下記のマーベルを始めとした一部登場人物は居るものの、物語の展開は本編と大きく異なっている
(特に主人公がショウではなく城毅(じょうたけし)(ジョク)である事や、バイストン・ウェルが最終決戦の地等)。

なお、本作の登場人物であるナの国の女王、シーラ・ラパーナは視聴者はおろか湖川友謙氏をはじめとしたスタッフから絶大な人気を集め、
特に彼女の登場回では作画の座を巡ってスタッフ達の争奪戦があったとか。シーラがそんなに好きかああああああああ!!
そして初期設定の彼女は監督の趣味で男性の老王だったのだが、人気を危惧したスタッフの助言により美少女になったとの事。
まあメインヒロインのマーベルは前述した通りな上、サブはあんまり人気の出なさそうなデコ娘と、
まともに美少女だが敵方の親玉の娘であんまり出番がない(一応ショウといい感じになりかけた事はあるが、思い人は別にいる)、
といった状態(しかもこのサブ二人でショウを差し置いて反乱軍のリーダーである領主の息子と三角関係)であったので…

+ オーラバトラーとは
前述の通りオーラ力で動く「オーラマシン」の一種で、特に人型のものがオーラバトラーと呼ばれる
(所謂ドダイが「ウイングキャリバー」、モビルアーマーのような非人型機が「オーラファイター」や「オーラボンバー」。
 艦艇も存在し、母艦型が「オーラシップ」、大型戦艦型が「オーラバトルシップ」。前者は乗組員全員のオーラ力で飛ばすが、
 後者は巨大すぎて乗組員のオーラ力だけでは間に合わないので、「疑似オーラ力発生器」が開発され搭載されている)。

オーラマシンはバイストン・ウェルの数ある国の一つ・アの国に召喚された天才ロボット工学者のアメリカ人、
いかにも兵器開発者でございと名が体を表しすぎな「ショット・ウェポン」が設計したオーラコンバーターを動力源としており、
バイストン・ウェルに棲む怪獣のような生物・強獣の脳を生体コンピューターとして使用し、甲羅や角を装甲に使っているために昆虫のような外見をしている。
また、一部ではあるがショットが持ち込んだ地上の技術で作ったICや機械を積んでおり、
他のパーツもある程度地上の機械で代替する事が可能になっている
(と言うより、バイストン・ウェルで調達できないパーツを前述のもので代用しているといった側面もある)。
オーラバトラー解説講座

パイロットは(オーラバトラーの場合)胴体部分のコックピットから、マジックミラー素材になっているハッチ越しに目視するのが基本になっている。
直撃を受けるとヒビが入り視界が完全に塞がってしまうが、小型スクリーンに投影される頭部のカメラ映像で対応も可能。
修理用のスペア素材も当然強獣なので、作中では戦闘以外に強獣狩りに勤しむ姿も見られた
(強獣は食肉加工をはじめ民生利用がされ続けてきたが、オーラマシンの登場により乱獲が進んだ)。
生体部品を主軸に作られている事から炎熱系の兵装に弱く、下記のオーラショットの実用化に伴い旧式化したフレイ・ボムも、
搭載面で制約を受けない等から現役で使われ続けた上、終盤では複数機がかりで巨大な火焔砲として放つトリオ・コンビネーションが編み出され、
シーラの座乗艦グラン・ガランを中破させたり数多の将兵が討ち取られる等、多大な損害を与えた。

開発主任はショットであるが、設計と製作作業を行っていたのはアメリカ国籍の地上(びと)「ゼット・ライト」であり、
実際はショットの提示した設計図をゼットが組み立てていた。
そのため、ゼット自身がテストパイロットを務める事も多かった。

オーラ力が強い地上ではバイストン・ウェルで使用していた時とは比べ物にならないほど高い性能を発揮した。
「オーラコンバーターは大気中のオーラを吸収し、搭乗者のオーラ力を触媒にして機体の動力にしている」と解説されており、
この極端なオーラ濃度の差異はバイストン・ウェルと地上界の総人口の差も影響しているのではないかと推測できる。
「オーラショット」一発で街一つを吹き飛ばし、核兵器の直撃を受けても「オーラバリア」で無傷という無敵ぶりで、
地上の軍隊はオーラマシン同士の戦いに殆ど介入出来ず、劇中では地上人の一人であるジェリル・クチビは、
そのオーラ力でギリシャ空軍を洗脳、彼らはジェリルを「20世紀のジャンヌダルク」と称賛した
(ジェリルが下記のハイパー化により自滅した後、軍はこの発言を撤回。
 また、有人機による体当たりは有効。一応、オーラバリアを無効化した直後に脱出する事により死なずに済むかもしれない)。
更には憎悪や悪意等の負の感情により増幅されたオーラ力はマシンの巨大化現象「ハイパー化」まで引き起こし更に戦闘力が上がる
(実際は機体が巨大化したのではなく、自機を守るオーラバリアが巨大化して自機を象ったもので、その外殻の中にはマシンが元のサイズのまま佇んでいる)。
ただし急激に増幅されたオーラ力に機体や人間は耐えられず、最終的には自滅する。
そして敵対するトッド・ギネスがハイパー化した際は、危うくショウも釣られてハイパー化しかかった事があった。

物語後半にはバイストン・ウェル全土に広がり続ける戦火に業を煮やしたフェラリオ(妖精)の長、ジャコバ・アオンが、
その命と引き換えに全オーラマシンを地上に放逐。
前述の通り地上界のオーラ力でインフレしたパワーのオーラマシン同士が、混乱のままに殺し合うこの世の地獄が現出した

最終決戦で全ての戦士達とオーラマシンはシーラにより浄化された(=全滅した)が、
魂の安息の地たるバイストン・ウェルに兵器を持ち込み、無用の死と混乱を齎したショット・ウェポンの罪は重く、
その呪われた魂は死ぬ事も許されず咎人として幾百年彷徨い続ける事になったとOVAで明らかになっている。
まぁバイストン・ウェルはオーラマシン登場前から戦乱の世であり「魂の安息の地(笑)」だったわけだが…
オーラマシンの登場によりドレイクをはじめ野心を煽られた愚物が続出し、兵器の近代化で死者数も桁違いに増え、
その上オーラマシン生産のために強獣の乱獲も進んだ事を鑑みれば、ジャコバ・アオンの激昂も理解出来なくはない。

ショット・ウェポンがオーラバトラー第1号機「ゲド」(レイヴンではない)をベースに開発した試作実験型オーラバトラー。
搭乗者のオーラ力によってオーラバトラーの性能に格差が生じる事に気が付いたショット・ウェポンが、
強いオーラ力を持つパイロット用のカスタム機として設計されている。
その結果、十分なオーラ力を持つパイロットが乗ればゲドや量産機のオーラバトラー「ドラムロ」を遥かに凌駕する性能を持つが、
「必要オーラ力」が高く(オーラ力がこれに満たないと動かない)、パイロットの状態に強さが左右され易く性能が安定しないという癖の強い機体となったため、
3機が製作されたのみに留まった。

そのため、コモン(バイストン・ウェル世界の人間)よりオーラ力の強い3人の地上人が「聖戦士」として儀式で召喚された。
水色の機体は日本(吉祥寺)のバイク乗りの高校生「ショウ・ザマ」(CV: 中原茂 )用、
ダークブルーの機体はアメリカ空軍のパイロット候補生「トッド・ギネス」(CV:逢坂秀実*4)用、
ダークグリーンの機体は旧ソ連のハリコフ(今日でいうウクライナの都市・ハルキウ)に住む、
元ソビエト軍戦車部隊で今は失業者の「トカマク・ロブスキー」(CV: 戸谷公次 )用となった。
トカマク機が第一話にしてあっという間に撃墜されてMIA*5、後にトッド機も早々に撃墜された後ショウ機の予備パーツに回されたため、
基本的に「ダンバイン」と言えば主人公機であり、長く現存したショウ用の水色の機体を指す。
前作の主人公メカ同様少数量産機でありながら、それぞれの扱いに大きく差が出ている…

しかしショット達を擁してオーラマシンの製造を指揮し、覇道を為そうとする一国の地方領主ルフト家の当主ドレイクに反発した、
同じ国の別の領主ギブン家が立ち上げた反乱軍に参加していたアメリカ人女性「マーベル・フローズン」(CV: 土井美加 )にショウは説得され、
ダンバインも諸共に反乱軍へと渡り、反乱軍のエースとしてドレイク軍に牙を剥くに至るのであった。
なお機体名称になっている「ダンバイン」とは、件のルフト家の守り神の名に由来しているという。はっきり言って皮肉としか言いようがない。
その後、反ドレイク軍勢力に加わったまた別の国にてダンバインをベースに開発された可変型オーラバトラー「ビルバイン」をショウが受領すると、
ショウのダンバインはマーベルが後を引き継いで搭乗するようになり、共に戦果を挙げていった。
カラーリングが淡い青紫と水色のダンバインから、はっきりした赤白のビルバインに乗り換えるというのは、
ショウ自身が誰が敵で誰が味方かフラフラと迷う時期を脱した象徴なのかも知れない。
さらに赤白はナの国近衛騎士団長のみに許される色との事で、これをショウに託した女王シーラの想いも汲み取れる。
最終決戦では戦場が海の上、さらに夜戦という事で、ビルバインも暗色の水上夜間迷彩に塗り替えられたけど

なお、ドレイク側でも「ビランビー」*6「バストール」といったダンバインの後継機の開発が進んでおり、
その系譜の最終段階に当たる機体「ライネック」にはドレイク軍に残ったトッド・ギネスが搭乗。ショウ達と死闘を繰り広げた。

また、外伝作品のOVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』では、ダンバインのプロトタイプ機「サーバイン」が登場。
ダンバイン以上に突き抜けた性能と、常人ならば乗っただけで干からびて死ぬレベルの莫大な必要オーラ力を要求するという、
ショットに封印されたのも当然の欠陥品であったが、ショウ・ザマの転生体の聖戦士「シオン・ザバ」と巡り会った事で、
幾百年の眠りから覚める事になった。
なお、同OVA作中のオーラバトラーは通常のセル画とは異なる「ハーモニー処理」という背景と同様の描画をされており、
それもあって重量感あるよな「封印から目覚めた人造の巨人」といった重々しさを醸し出している。
そのため近年のスパロボで俊敏に飛び回る様をして「捏造」と言われる事も

小説版『聖戦士ダンバイン』とも言える『オーラバトラー戦記』では、本機のかわりに「カットグラ」というオーラバトラーが主役機となる。
ドレイクの命令によりショット・ウェポンが開発、召喚された聖戦士の愛機となる、『オーラバトラー戦記』におけるダンバインである。
とはいえカットグラは史上初のオーラバトラーという設定のため、ダンバインよりはゲドの方が開発系譜上の立ち位置は近く、
出渕裕の手掛けた初期版の挿絵で描かれたカットグラも、触角があるなどゲドを思わせるようなデザインとなっている。
アニメでは軽く触れられるだけで描写されなかった前日譚であるガロウ・ランとの戦いで初陣を飾り、
ガロウ・ランとの戦いが終わった後に改修を施されてオーラバッテリーや四枚羽を搭載されたカットグラII、
終盤にかけてはさらに強化されたカットグラIIIへと改造され、主人公ジョクの愛機として最終決戦へ投入された。
単純な性能だけなら最初期型故、改修を重ねてもその他の機体には遥かに劣ったものだったが、
オーラロードを通過した際にフェラリオ達からの祝福を受け、聖戦士の剣を授けられた事で、
ジョクの強大なオーラ力も相まって最強のオーラバトラーとして戦乱の中で名を馳せた。
またアの国ではハインガットという名前で量産もされており、アニメ版におけるビランビーの立場を担っている。
カットグラIがゲド、カットグラIIがダンバイン、カットグラIIIがビルバインに相当する機体だと思われるが、
あくまで改造・改修が施されただけで、機体自体は最初にジョクが搭乗したカットグラ2号機のまま。
一貫して同じ機体が継続して主役として活躍したという点では、ある意味ダンバインを上回る奮闘ぶりだと言える。

+ パイロットについて、二名分

ショウ・ザマ

「聞こえるか、隊長さん!俺は宇宙人だ!ショウ・ザマの身体を借りている宇宙人だ!
 聞こえるか!俺はカシオペア座の第28惑星系の人間だ!
 あの人達は全く関係ない! 聞こえているか!?」

本作の主人公。漢字表記は「座間祥」(「座間翔」とする資料もある)。
1965年生まれの18歳で、東京都武蔵野市東吉祥寺(※架空の住所)在住の日本人。顎のバツ印の傷が特徴。

父親のシュンカは経済関連の仕事に執心するあまり、妻子を顧みず若い秘書ヨーコ(彼女とは無関係)と愛人関係を結んでおり、
母・チヨは各界で名の知れた教育評論家でありながら、自身の息子は放任し理解を示さず、自らの地位と名誉のためだけに生きている始末。
ただし父の愛人はショウにとっては姉代わりだったので、両親以上に心を許せる数少ない理解者でもあり、
彼女からしてもそんなショウの環境を心配される有様だった。
両親の地位もあって家庭は裕福で欲しいものは何でも買い与えられこそしたが、その代償として幼少期より親の愛情を十分受けられずに育ち、
その反動から趣味のモトクロスに没頭しており、愛車は親から買ってもらった大型高級ツアラーのゴールドウイング・アスペンケード。
モトクロッサーを将来の夢としていたが、モトクロス仲間との交流も少ないどころか金銭的充足故の妬みから嫌がらせを受け続けてもいた。

モトクロスサーキットからの帰路、高速道路のトンネルを走行中、仲間からの嫌がらせ行為(車の幅寄せ)を避けるため、
愛車で前方の車を飛び越そうとした所、突然「オーラ・ロード」が目の前に開きバイストン・ウェルへと召喚されてしまう。
その後は同じような経緯を辿ったトッドやトカマクと共にアの国の地方領主、ドレイク・ルフトに迎えられ、
ダンバインを与えられた事で潜在的なオーラ力を発揮。
途中、反ドレイク勢力であるギブン家のニー・ギブンやマーベルと対峙し説得された事や、
ドレイクの娘リムルとの邂逅により、自らの置かれた状況に疑問を持ち離反する。
やがてドレイク軍のガラリア・ニャムヒーとの戦いで互いのオーラ力をぶつけ合った結果、ダンバインと共に地上世界に放り出される。
一度実家に帰りはしたものの、ダンバインやチャムを見た両親は動揺し、ショウの話を聞こうとしなかった上、
更にダンバインとガラリアが乗るオーラバトラー・バストールの戦闘で東京の副都心が壊滅した事もあり、世間体を気にした母に息子と認められず、
銃を向けられる(一応、母とは違い父はショウを息子と認め、彼の話もすぐに信用したが)。
政府から両親を人質に取られた際に自分はショウの姿を借りた宇宙人として上記の台詞を口走り、両親を守るためにあえて決別する。
ここまで読めば分かる通り、幼い頃から蔑ろにされ、やっとの思いで異世界から地上に帰った際に事情を説明しても信じてもらえず、
母に銃を向けられた挙句、自らの意思で両親との決別を選ぶという、
両親と不仲ないし死別する事が珍しくない富野作品の主人公としても屈指の不幸ぶりである。

その後はガラリアを説得し、二人でバイストン・ウェルに戻ろうとしたが、ガラリア側のオーラ力の消耗故に彼女は死亡。
しかし、エレ・ハンムの霊力によって再びバイストン・ウェルに戻る事が出来た。
トッドとの戦いで迷いこんだ嵐の玉で、ナの国の女王シーラ・ラパーナを救出し、聖戦士と認められ、新型オーラバトラー、ビルバインを受領。
ジャコバ・アオンの激昂により全てのオーラマシンが地上に送られた後も反ドレイク勢力の精鋭として活躍し、
一度は己のオーラ力を制御出来ず、結果的にパリを崩壊させてしまったが、その後は良きオーラ力を保ち、マーベルの窮地には度々駆け付けた。
最後は黒騎士(バーン・バニングス)の怨念を断つため、冒頭の台詞を発し生身で突進して差し違えた。

「シーラ・ラパーナ……浄化を!」

直後にシーラが持てるオーラ力を解放し、全てのオーラマシンやパイロットはそれに呑み込まれながら消滅。
唯一の生き証人であるチャムも事の経緯を地上人に語った後、どこかに去っていった所でダンバインの物語は終わりを迎えた。

『New Story of Aura Battler DUNBINE』では自身の死から700年後、バイストン・ウェルのコモン、シオン・ザバに転生した。

PSのダンバイン版スパロボ的なSRPG『聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~』では、
ショウをドレイク軍に残留させつつ、主人公は反乱軍側につくようにすると、
バーンのように仮面を被って「修羅」を名乗り、ゲーム中最大の敵として悪堕ちしてしまう。

マーベル・フローズン

「善悪の見境もなしにドレイクに手を貸す馬鹿な男!
 この世界の事、このアの国の事が分かってドレイクに手を貸しているの!?」

ギブン家の聖戦士である、アメリカ合衆国ダラス出身の地上人。
18歳の大学生で、芯のあるしっかりした性格と強い正義感の持ち主。
日本文化にも明るく、座禅を嗜むという古風な一面もある。
ただし日本語はそれほど得意ではないようで、バイストン・ウェルでもショウには英語で話しかけていた
(バイストン・ウェルに広がるオーラ力の作用により、違う言語の話者同士でもテレパシーのように会話できている)。

地上人の殆どはドレイクが捕えて幽閉しているエ・フェラリオ、シルキー・マウのオーラ力でバイストン・ウェルに召喚されているのだが、
彼女のみナックル・ビーという別のエ・フェラリオの手でショウ達より先に召喚され、ゼラーナ隊に参加してダーナ・オシーを駆り、ドレイク軍と戦っていた。
その過程でショウに出会い冒頭の台詞で説得し、紆余曲折を経てショウをドレイク軍から引き抜いた。
戦歴の差から始めこそショウを指導する立場だったが、彼にはチャムの存在もあったとはいえオーラ力はすぐにショウに抜かれ、
以後は彼のパートナーとして共に戦っていく事となる。
中盤にショウがビルバインに乗り換えた後は、彼が乗っていたダンバインを譲り受け、ショウと息の合った抜群の連携で多大な戦果を挙げてきた。
最初はニー・ギブンに惹かれていたが、ショウと共に戦っているうちに彼への愛が芽生え、最終的には互いに想い合うようになる。
反ドレイク勢力の地上人はショウ以外にマーベルしかおらず、
その影響なのかドレイク軍の新型オーラバトラー勢の実力披露としてマーベルが先にピンチになり、それをショウが助ける場面が多く、
マーベル個人の戦績はあまり目立っていない
(尤も、ショウのパートナーをしっかり務めている事もあって相当の実力者であり、謁見前からシーラもマーベルを聖戦士として認めていたが)。
オーラ力が明確に強力だという描写は少ないが、ショウを含めた高いオーラ力を持つ者達が様々な形で度々制御不能に陥る中、
最後までオーラ力の波に溺れる事は無かった事から相応のオーラ力の素養はあり、ハイパー化寸前のショウと力を合わせて攻撃を繰り出したり、
終盤に単独でショット・ウェポンのスプリガンを半壊させ撃退する等もした。
機械にも強く、地上に上がった際には助手席にショウを乗せて自動車を運転し、ゼラーナに地上のレーダーを搭載した際には操作を担当し無線傍受など、
戦闘以外でも活躍してみせる。
最終決戦でショウとの連携でショット・ウェポンを討つも、黒騎士の乗るガラバの奇襲で致命傷を負い、戦線離脱。
心配するショウに気丈に振る舞い戦場に戻る事を諭し、少し嫌味を呟きながらも愛する者を想いながら戦死した。
ちなみにOVAのメインヒロインのレムル・ジルフィードはマーベルではなく、
ニーとくっついたリムル・ルフトの生まれ変わりである

「まったく……人が慰めてほしい時は、知らん顔していてさ……」

+ 武器・必殺技
  • ワイヤークロー
オーラバトラーの標準装備である両腕に内蔵された射出式のワイヤー付き鉤爪。
オーラショットを装着した際には引き金を引く役割を持ち(そのため、同じ腕でソードとショットの併用が可能)、射出する事は基本できなくなるのだが、
第27話でトッドの駆るオーラバトラー「ビアレス」に追い詰められた際にはオーラショットごと射出して爆発させている。

  • オーラショット
主に左腕に外付けされる並列4連装型の射撃兵装。
ミサイルと砲弾の両方を撃つ事ができ、マガジン式でリロードもできる。
反ドレイク軍が独自に開発したオーラバトラー「ダーナ・オシー」のミサイルを撃つ事ができたり、
ウィング・キャリバー「フォウ」に取り付ける事も可能。
OP映像では両手のオーラショットから火炎放射ともオーラのビームとも取れる赤いエネルギー波を放出している。

  • オーラソード
オーラバトラーが標準的に装備する実体剣である。
バイストン・ウェルにおける騎士の剣を機動兵器のサイズに拡大して製作するため、
刀鍛冶10人がかりで3日の工程を要して漸くオーラソード一振りが鍛造できたという。

基本形状は直刀だが、曲刀状や鎌状、短剣状の物も見られる。
なお、オーラ力を込めて攻撃すると光輝き、剣戟の軌跡は残光となる。

  • オーラ斬り
「必殺の、オーラ斬りだぁっ!!」

オーラ力を纏ったオーラソードで敵を斬る。
技名を叫んだ(命名した)のはショウの相棒であるミ・フェラリオ(小妖精)の「チャム・ファウ」であり、
劇中の描写を見るにその場のノリでそれっぽい技名を付けてみただけ*7といった雰囲気のもの。
なお、『スーパーロボット大戦』では捏造さらなる上位の必殺技として「ハイパーオーラ斬り」が用意されているため、
ENを消費する割に中途半端な威力に設定されたオーラ斬りは、やや使われにくい微妙な存在だったりする…。

また武器や必殺技とは違うが、操縦しているショウに空手の心得がある所為か度々蹴りを繰り出すシーンがあり
脚部に鉤爪が存在する事が有効打になる場面もあった。
ショウのオーラ力の高まりと共に機動力も向上している様子があり、原理は不明だが残像で翻弄する場面もあった為、
後のスパロボでも「分身(オフシュート)」として再現されたりもしている。

+ 外部出演
『スーパーロボット大戦』シリーズでは『EX』で初参戦。
スパロボオリジナル最古参勢の一つである『魔装機神サイバスター』が、『ダンバイン』の影響を強く受けている事はよく知られている。
実際、初参戦の『EX』はサイバスターの出身地であるバイストン・ウェルとは別の異世界が舞台となっているため、関わりは深い
(余談だが、サイバスターはダンバインとは逆に「精霊の力の薄い地上だと弱体化する」という設定があったりも)。
主に登場するのは水色のショウ機のみだが、紺色のトッド機も入手できる場合もあったりする。
トカマクとその乗機はやはり何処でも助からないらしい。ていうか序盤にショウやトッド共々敵として出て撃墜されそれっきりが二例もあるそうな
番組後半の主役メカである新型可変式オーラバトラー「ビルバイン」を早めに入手する事が多いため、
扱いとしては原作のメインヒロインであるマーベルの搭乗機という位置付けが強い。
スパロボマジックの例に漏れず、ショウ達が永久離脱する事なく最後まで使える一方、
原作の最終決戦についても『UX』や『X』で一部ながら再現された。

『EX』と『第4次』(及びリメイク作の『S』)では、飛行可能かつ分身持ちのSサイズユニットという高い回避力
(当時の『スパロボ』には「サイズ差によるダメージ補正」が無かったため、サイズが小さければ小さいほど回避補正が掛かって良いとされていた。
 逆にLサイズ以上のユニットは唯の的でしかなく、精神コマンドでがっつり守りを固める先制攻撃で殺られる前に殺るという戦法しか使えなかった)、
オーラバリアの防御力を表現したスーパーロボットに匹敵する装甲、ついでに原作に登場しないビームも無効化、
高火力のハイパーオーラ斬り(リメイク前のSFC版に至ってはENも無消費)等により猛威を振るった。
なお、『第4次』におけるオーラ斬り系は聖戦士でないと使えないにも拘らず、味方AB乗りの半数は聖戦士にならないため、その面々は実質戦力外であった。
おまけに聖戦士になるガラリアを仲間にするとシーラ様(とサブパイロットとして使える妖精2人)が仲間になるが、
ガラリアを仲間にしない場合はエレ様が聖戦士ではないニー、キーン(と条件次第でリムル)を連れてくるという展開になるため、
乗艦がマップ兵器持ちなのにエレ様はよくスルーされた。
一番の被害者は味方AB上位のスペックなのにガラリアが仲間になると手に入らないライネックかもしれない
また、『第4次』では前述の『New Story of Aura Battler DUNBINE』から隠し機体としてサーバインとズワウスが参戦しており、
欲しければダンバインのオーラコンバーターを用いて修復する事になるため、ダンバインを残すかサーバイン、ズワウスを選ぶかの三択となる。
二機の基本性能はダンバインどころかビルバインをも上回るが、オーラショットを持たないために最大射程が1しかないというデメリットもある
(サーバインは運動性特化型、ズワウスは運動性よりもHPと装甲を重視。なお移動力はサーバインが上)。
そしてこの隠しユニットが居るせいで、エレ様を仲間にしてもライネックは使われない可能性が高い

『F』では最高クラスの機動力と機体サイズS、「分身」による圧倒的な回避力と引き換えに、
装甲値が同然の「回避と接近戦に特化したユニット」となったが、今度は聖戦士補正が回避に反映されるようになったため、
ニュータイプと聖戦士以外は人にあらず」とまで言われるほど暴れ回る事に。
……それでも終盤は宇宙適応の低さに悩まされるし(当時は現行作品より1段階ごとの差が大きかった)、
何よりも本作はこれまでと違ってハイパーオーラ斬り(を含む必殺剣全般)も「切り払い」対象になってしまったため、
ここぞという時に「踏み込みが足りん」と弾かれる事も少なくなかった(なお、ファンネルも切り払い対象)。
また、全属性バリアのA.T.フィールドが登場したのに、
オーラバリアはビームしか防げないまま*8だったので、装甲値の低さと併せて原作の印象と乖離するようになった。
あと没データのイデバリアは射撃全般を防げたとか
余談だが『F完結編』では火力のインフレにより「精神コマンドでがっつり守りを固める」戦法は使えなくなっている
(なのでATフィールドも雑魚相手にさえ割られまくる羽目に。オーラバトラーと違って運動性(回避力)も低いし)。

流石に機体性能のバランスが悪すぎたためか、『α』シリーズ以降ではある程度落ち着いている。
尤もこの辺りからダンバインとビルバインの宇宙適応が強化されたため、パワーアップしていると見る事も出来るが
オーラバリアに関しても『IMPACT』以降は原作に登場しなかったビーム兵器用ではなく、射撃ダメージ全般に効果が及ぶ上、
強度もパイロットの聖戦士Lvにより補正されるようにもなった。
また、オーラバトラー同士で多彩な組み合わせの合体攻撃が用意されているのも強みである。
ただし『IMPACT』ではオーラ斬り系の火力は聖戦士技能込み故か、純粋な数値上ではそれ程高いものではなく(ビルバインのそれはダンバインよりも低い)、
弱い機体ほど改造段階が高く設定されている本作において、最高火力を叩き出せるのは量産機に過ぎないボチューンだったりする。
(ビルバインはルート分岐次第では夜間迷彩仕様になり火力面が改善されるが、東方不敗マスターガンダムとの二者択一。
 尤も、向こうは入手条件が厳しめなのに対してこちらは当該ルートさえ通れば入手確定なのだが)。
ただ、ボチューンは最大射程が2なので回避→反撃で削るという本作におけるオーラバトラーの王道戦闘スタイルを取りづらく、
機動力と豊富な射撃武器を兼ね備えたビルバインの方が活躍の機会は多かったりする(ボチューンの超火力はいわばロマンの領域と言えるだろう)。

『スクランブルコマンダー2』では初登場するなりコン・バトラーVに踏まれかけるシーンが印象的。
全高6.9mしかないダンバインと57mあるコンVが並ぶと完全に巨人と小人である。
本作では格闘偏重機がシステム上活躍しにくい仕様なのだが、ダンバインは二つしかない武装のうち、
中距離用のオーラショットがバリバリ連射出来るので割と活躍出来る枠。
接近さえすれば必殺技(システム的に必中)の「オーラ斬り」連打でなかなかの瞬間火力も出せる。
戦場に立つ男性の闘争心を暴走させるインサニアウイルス(『ゴーダンナー』出典)発覚により男性パイロットの出撃出来ないステージでは、
女性のマーベルが乗っているお蔭で、出撃候補に入っているのが地味に助かる機体である。
ちなみに設定上他作品も盛大に巻き込む規模感から『ゴーダンナー』参戦の最大の障壁とも言えた当該ウイルスだが、
コーディネーターが絡めば割とすぐ解決出来る手軽さから、次に参戦する時も『ガンダムSEED DESTINY』と同時参戦する事になった。

『UX』『BX』では機体に獲得経験値UPの効果があり、メインパイロットのマーベルが「努力」を持つため、
タッグシステムがある両作では、レベル上げのお供として最効率を誇っている。
またこの2作ではオーラ力と聖戦士技能が別枠になり、聖戦士技能は火力が増加するため、
レベル上げのお供ながら中々の火力で前線に出る事ができる。
あと『UX』ではマーベル、『BX』ではショウの新録が無いため、合体技でショウがやたらマーベルマーベル連呼する様を見られる
ちなみに『BX』における「ハイパーオーラ斬り」は、ハイパー化を制御したオーラ斬りという事が示唆されている。
またこの2作では、今まで仲間になるわけがなかったバーンが隠しで加入するため、
「ダンバイン搭乗バーンwithチャム」というかなり奇妙な光景を見る事ができたり。

現在はサービス終了したスマホゲーム『X-Ω』(スパクロ)では、ショウ搭乗版とマーベル搭乗版が実装。
初登場時はガチャにおいて「空を翔る騎士」のキャッチフレーズで宣伝されたにも拘らず、
「飛行」を持っていないというあんまりな性能だったが、これは設定ミスだったらしく2ヶ月後に修正された。
本作ではショウ版・マーベル版揃ってサービス開始初期~中期こそそれなりに活躍したものの、
それ以降はスマホゲーの宿痾であるパワーインフレに飲み込まれてしまい、ビルバインなど後発のオーラバトラーや、
期間限定参戦の『New Story of Aura Battler DUNBINE』の機体に完全にお株を奪われてしまった。
マーベル版に、『スパロボ』恒例のビルバインとの合体攻撃「ツインオーラアタック」が実装されていない事も不遇さに拍車を掛けている
(あるにはあるのだが、『UX』で登場したビルバインとズワァースが協力するバージョンのものしかない)。

『X』『T』ではパイロットの人数よりオーラバトラーの数の方が多くなる上、その中でダンバインが一番性能で劣るため、
ダンバインキャラを全員使用したとしても、リストラされやすいという哀しみを背負う事に……。
サブパイロットであったチャムがショウ専属となったのも向かい風。
一応『X』ではカスタムボーナスの都合でサーバインより火力だけは勝り、オーラバトラーで最速加入かつ、
改造しておけばビルバインとサーバインにも改造度が反映されて安上がりに全体強化できるので1軍残留も十分可能だが、
『T』ではサーバインのカスタムボーナス変更、パイロット全員同時加入のため改造度の優位性を失い、
更にビルバイン並みに高性能なヴェルビンが追加された事でダントツリストラ候補に…。
しかもビルバインが技能Lvの関係でハイパーオーラ斬りを使えない間にショウを乗せる繋ぎとしても、
既にダンバインよりちょっとスペックが上のビアレスがいるという…。

なお、前述の『New Story of Aura Battler DUNBINE』はストーリーがバイストン・ウェルだけでの展開という事もあり完全にファンタジーな世界観であり、
それが仇となったのか、長らくサーバインとズワウス、良くてシルキー・マウのみの出演と「いるだけ参戦」として扱われていた。
その後、『COMPACT3』でやっと原作ストーリーの再現が行われ本来の主人公であるシオン・ザバ達も登場。
しかしフルネームを「シオン・サバ」と誤植された上、そこから『T』までまたシオンらは出なくなるが
『BX』『X』でもいるだけ参戦ながらストーリーに大きく絡むなど、徐々に扱いが向上していき、
『T』で本格的に『ダンバイン』本編とのクロスオーバーが行われた。

また『UX』では同じくバイストン・ウェルを舞台にした『リーンの翼』と共演。
元々(後付けだが)設定的な繋がりがあるため、大きくクロスオーバーが行われている。
なお残念ながらチャムの「トリプルオーラ斬り」と台詞こそあるが、合体技は登場しなかった
(正確には『リーンの翼』のキャラ同士の合体攻撃ならある。片割れは隠しキャラだが)。
なお他にも『蒼穹のファフナー』の一騎脱走にチャムがついていってしまってマークザイン加入に絡んだり、
ファフナー・マークゼクスとそのパイロットが原作通り死んだと思ったら、
バイストン・ウェルに転移していて女聖戦士として名を馳せるという大胆な展開まで組まれた。誰が呼んだか「聖戦士ショウ・コハ・ザマ」
そして『BX』でも原作OVA終盤同様にMIAになったマジンカイザーSKLが、
ショウより先にバイストン・ウェルに来ていた事で同僚になったりしている。これも誰が呼んだか「聖戦士コウムイン
パイロット二人とも基本苗字でしか呼ばないキャラのため、やたら「ザマ」と呼ばれるショウは凄く新鮮である
(逆に自身も苗字呼びしかされない公務員二人がシーラ女王から下の名前で呼ばれるという、これまた珍場面も見られる)。

余談だが、ショウを演じた中原茂氏は、
新機動戦士ガンダムW』で共演したゲーマーとしても有名な緑川光氏子安武人氏置鮎龍太郎氏らから『スパロボ』におけるショウを絶賛されたのだが、
御本人がゲームを殆どやらない人物であったため困惑したというエピソードがあったりする。

+ 戦闘デモまとめ
『EX』版
『F』版
『α』版
『α for DC』版
『IMPACT』版
『OE』版
『UX』版
『BX』版
『X』版

『A.C.E.』シリーズにも第一作から登場。
設定上のサイズが完全再現された3Dアクションゲームなので、モビルスーツ等と比べるとその小ささが目立つ。
作中の武器も完全に再現されているため、ダンバインを自在に操れる事を喜んだファンも多いのではないだろうか。
そして武器欄に「ハイパーオーラ斬り」が存在しない事に驚いたスパロボファンも多いと思われる
『2』と『3』では『リーンの翼』と共演しているものの、片方がストーリー再現されると片方がいるだけ参戦になるという関係だったため、
ストーリー上の絡みは一切無い。

サンライズ作品のオールスターゲーム『サンライズ英雄譚』シリーズにも勿論参戦。
本作の舞台となる「惑星サンライズ」*9では物質を分解してしまう危険な雲海が大陸同士を隔てているため、
通常の航空機などは通過がほぼ不可能なのだが、オーラバリアを持つオーラマシンは数少ない例外であり、
バイストンウェル大陸から他大陸への侵略を行うなど、何気に物語に大きく関わっている。
ヒロインの記憶喪失の少女・ルンですら、登場時は奪ったドラムロで現れたのだから相当である。
また、オリジナル作品『機甲世紀Gブレイカー』の科学者がダンバインを模して作った機体「ガルストーム」が登場し、
『Gブレイカー』と『ダンバイン』のキャラクターが搭乗できる。
このガルストームは『Gブレイカー』が参戦した『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』にも隠し機体として登場している。

以上のゲームでは基本後期主役メカであるビルバインと一緒に登場となる事が常になっているが、
NINTENDO64で発売された3D格闘ゲーム『スーパーロボットスピリッツ』や、
PSの版権バーチャロン『リアルロボッツファイナルアタック』ではビルバインを差し置いて登場していたりする。

デラックスボンボンで連載されていた漫画『騎士ガンダム物語 特別版・エルガの妖怪』では、
かつて妖魔帝エルガ(元ネタは『重戦機エルガイム』)を封印した三人の聖魔道士の一人ダンバとして登場。
第二話以降は美少女の姿で行動している。な…何を言ってるのか(ry
変身魔法を得意とし、次々と姿を変えて騎士ガンダムと武闘家ネモを追い返そうとするが、
彼らの友情を認め、同時に侵入してきていたエルガ配下の暗殺モンスターと無関係である事も確かめ美少女に変身して旅に同行する。
変身した姿は共通して額にダンバイン特有のエンブレムがあり、本来の姿は法服を着てカニのような髪型のダンバイン。
4つのエレメンタルを揃えてエレメンタル封魔陣を完成させるためにエルガに特攻し命を落とすが、
最後に突き刺した杖がエルガのバリアに綻びを生じさせ、その魂は騎士ガンダムの持つ封印の書に宿る。……ただし口調は戻ったがビジュアルは女の子のまま。
なお、かつての仲間と再会する場面もあるが、相手は女の子になりきっているダンバに全く動じていなかった。
エルガによってモンスターに変えられていたためでもあろうが、恐らく作者からも本来は別の姿であった事を忘れられている
また、そのモンスターに変えられた親友アインの名も『ダンバイン』の後半に由来する可能性があり、
その息子達が姿を変えられたモンスタークロウラーの顔は、ダンバインの後継機から派生したズワァースにどことなく似ている。

+ 田畑畑!田畑畑!畑!田でけでけでけ田んぼ!
1985年には秋田大学アニメーション製作研究会という集団によって、『農耕士コンバイン』という自主制作映像が作られた。
内容はダンバインの曲で農家を歌う所謂替え歌であるが、一枚一枚手描きによって描かれた濃密なアニメーションと替え歌のセンスの秀逸さが話題となり、
その6年後となる1991年に「平成名物TV・三宅裕司のえびぞり巨匠天国」に取り上げられた事で、視聴者を通じて瞬く間に広まった。

同サークルではその他にも、
実写コマ撮りの「先公メッタ打ち ザ・ブンナグル」(『ダンバイン』の前作『ザブングル』OP曲の替え歌)や、
ケンシロウ顔を4000枚もコピーして作った「ひとりコーラス」、
特撮ヒーローもの「農協特捜ンダビョン」など、パロディながら好きな人にはとことん刺さる作品を世に送り出している。
アニメ好きの大人が白い目で見られ、インターネットも存在せず、
撮影機材や編集技術のノウハウが一般人に浸透していなかった時代にほぼ根気だけで作り続けた姿勢は、
令和の今だからこそ再評価されるべきなのかもしれない。正に才能の無駄遣い
なお、メンバーの一人は過去に「ボルテスVのうた」の替え歌をラジオに送った事がある。
秋田大学アニメーション製作研究会作品集

(以上、Wikipedia及びスーパーロボット大戦Wikiより引用・改変)


MUGENにおけるダンバイン

eyetypher氏による、『スーパーロボット大戦α』のドットを用いたちびキャラが存在。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

操作方法は6ボタン方式。
「ワイヤークロー」「オーラソード」「オーラ斬り」など、原作ゲームで披露していた技が一通り揃っている。
紹介動画(公開先へのリンク有り)


「オーラ力は生体エネルギーだ
 人それぞれに、オーラ力の色があるんだ
 それをおまえは、自分の欲望のために使った!」

出場大会

  • 「[大会] [ダンバイン]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
実はこの「バイストン・ウェル」というネーミングは、
当時のサンライズスタジオが存在した場所の近辺にある練馬区の「石神井」
西武線沿線の人なら「石神井公園」や「上石神井」でピンと来るはず)のもじりなのだとか
(石神井→stone well→さらにbyを付けて「バイストン・ウェル」。god(神)は隠されてしまったのだろうか。神隠しなんつって…)。
冗談みたいな話だが、「石神井」の地名は道祖神に由来するという話もあるので、神秘の世界に対する名付けにはピッタリだったのかもしれない。
そう考えるとgodが省略されてるのも、英語で言うキリスト教の唯一神と日本の八百万の神はノットイコールだからか…いやお禿様そこまで考えてないと思うよ?

*2
なお、4年前に本作と同じく富野由悠季監督が手掛けた機動戦士ガンダム』と同じ放送枠であり、
2年後の'85年に『機動戦士Ζガンダム』、翌'86年には『ガンダムΖΖ』が放送されている。
また本作の前後で同枠放送された『戦闘メカ ザブングル』と『重戦機エルガイム』も同じく富野監督が務めており、
5年間に亘って富野監督作品がこの枠を占めていたわけである
(『ガンダム』終了からの2年間は佐々木勝利監督作品だったが、当時は別の局で『伝説巨神イデオン』を作っていた)。

*3
ただし、『リーンの翼』は初代小説版とOVAでは別物であり、初代小説版はオーラマシン登場前の話なので、最初から最後まで生身で戦っていた
(主人公・迫水真次郎は太平洋戦争時代の特攻隊員である…のはともかく、剣術の修行もしていたため、普通に剣で戦えた)。
更にはエロい展開も多い。まぁ『ゴルゴ13』的なHシーンなので萌えないけど…。そしてOVA版のノベライズが登場する事に。
また、OVA作中で主人公達が過去の記録として東京大空襲の現場に飛んだり原爆を落とす場面を見させられたり、沖縄の血戦もまざまざと見せ付けられたり…。
この過去の大戦の記憶をめぐる場面は『スパロボUX』でも若干のクロス要素を含めて再現されており、
「『スパロボ』で史実を取り上げる」というレアケースが発生した。

*4
逢坂氏は本業が俳優兼振付師であった為か、本作を含めアニメへの出演はほんの僅かの作品数であり、
その関係からかOVAの総集編パートでは堀内賢雄氏(PSの『聖戦士伝説』や『A.C.E2』でも担当)、
『サンライズ英雄譚』では森田順平氏、パチンコ版では井上悟氏、と何故かコロコロ中の人が変わってたりする
スパロボでは『F』で既に引退していた逢坂氏を探し出し、直接オファーしてオリジナルキャストでの収録を行っている
(捜索には中原茂氏に加え、次回作『エルガイム』のダバ・マイロード役のこなたのお父さんこと平松広和氏も協力した)のだが、
捜索には半年程も掛かったとの事で、これ以降引退・去就不明になった声優に対して同様の措置は取られなくなった
なお、トッドに関してはこの『F』の時に収録した音声が一貫して使い続けられており、
『BX』では既存の台詞だけで合体攻撃の掛け合いを成立させるという荒業をやってのけていたりする
(同作では他にも担当声優が亡くなっている為新規収録が不可能になったドレイク・ルフトらの戦闘音声に合わせて、
 オーラシップのクルーとして号令やリアクション等を返す稲田兵一般兵の台詞が追加されていたりと、ないならないでの創意工夫を見せている)。

*5
「聖戦士なんて煽てられた所で所詮は捨て駒扱いの異世界人という黒富野節満点の一幕であるが、
撃墜されたとはいえ、行方不明となった主人公機の同型機というのに浪漫を掻き立てられるのか、
スパロボ関連のアンソロジーコミックで、実は生き延びていたトカマクがショウ達と共闘するifストーリーが描かれたり、
本編終了後の未来を舞台にしたゲームブック、『妖魔城塞ザーウェル』で、新たに出現した聖戦士の主人公にかつての愛機を託すトカマクが登場したりもしている
(なお、託されたダンバインは「装甲の塗装が剥がれて素材である甲殻の色が出た」という形で水色に変わっている。
 つまりショウのダンバインだけ無塗装だったって事!?)。
様々なif展開が可能なPSのゲーム『聖戦士ダンバイン ~聖戦士伝説~』でも、トカマクを仲間にする生存ルートが存在する
(ちなみに元戦車部隊という設定も同ゲームで出たもの。それならどちらかと言えば戦闘機寄りのオーラバトラーに不慣れだったのも頷けるか)。

*6
ビランビーは初のオーラ力増幅器搭載機であり、要はコモン(非聖戦士)向けのダンバインである
(ダンバインの必要オーラ力が10なのに対し、ビランビーは7)。

なお、オーラバトラーには必要オーラ力以外に「限界オーラ力」が設定されており、
ビランビーの限界オーラ力16は、ビルバインの必要オーラ力14と大差が無かったりする。
そして増幅器を持たないダンバインやビルバイン、更にはゲドやダーナ・オシー等の旧式機は「限界オーラ力無し」であるため、
素のオーラ力が強すぎると増幅器がぶっ壊れるのかもしれない
(一方で、オーラ係数0.78のゲドで1.2のビランビーと同じ出力を出すには、7割増しのオーラ力が搭乗者に求められる。
 最新型のはずのビルバインも増幅器を搭載していない事からオーラ係数は1未満(0.99)である)。
なおスパロボではコモンでも普通にビルバインを動かせる
(ただし「聖戦士」(『UX』以降は「オーラ力」)技能が一定レベル以上無いと(ハイパー)オーラ斬りは使えない)。

余談だが、OVA版『リーンの翼』以降の後付け設定により、
ビルバインには迫水真次郎と共にバイストン・ウェルに流れ着いた日本の特攻兵器桜花」のロケット技術が使用されているのだとか
(『ダンバイン』と『リーンの翼』はパラレルの関係にあり、後者ではサコミズ・シンジロウが治めるホウジョウ国にて桜花が動態保存されている。
 なお迫水の方は最終話で王位を求める相棒アマルガンに暗殺され、
 アマルガンは現場を目撃したヒロイン・リンレイ女王も殺そうとするも、リンレイに発現したリーンの翼に焼かれて死亡したが、
 OVAではサコミズを庇ったリンレイが死に、直後にサコミズが地上界に戻されてしまった事により、逆に二人とも生きているという設定になった。
 その後再度バイストウウェルに呼び戻されたサコミズが建国したのがホウジョウ国)。

*7
一応、リアルロボットアニメなので必殺技の名前とか叫んだりしないのが普通なんです
と言うか、叫んだのはあくまでもチャムであってショウではないので、要は実況と考えるべきだろうか。
スパロボだとショウやマーベルも技名叫んじゃったりしているがまあある種の様式美である

ちなみに同じ枠で放送された富野監督の前作『戦闘メカ ザブングル』でも、同様にそのノリで技名を叫んでみるというシーンがあり、
要するに旧来のスーパーロボットアニメにありがちな演出を茶化したギャグである。
(尤も、『ザブングル』はそういうメタネタを遠慮なく入れてくる作風だったからだが。「はっはっはっ、アニメだからね!」
 なお『ダンバイン』もほぼ同じスタッフな事からか、最終決戦で「(総攻撃するのは)最終回だからか!?」とかいうメタ台詞をぶっ込んでいる

*8
そのせいで原作では無敵だった実弾が弱点になる(核弾頭も素通しで直撃)という矛盾も生まれている。
まあ以降も高威力のビームが弱点のディストーションフィールドとか、ファンネルで貫通できないPS装甲等といったケースが発生している
逆にファンネルはIフィールドを無視出来る。切り払い対象な事である事も鑑みると、ルール的にはファンネルミサイルミサイル(実弾)扱いなのだろう。
ミサイルを切り払った所で至近距離で爆発して破片が飛んでくるから大差は無いと思うのだが、アムロが信管斬りをやってのけたせいだろうか
(まぁ実際は、時代劇(剣豪もの)でサムライが矢とかを刀で叩き落とすイメージだろうが)
実際は撃ち落とすのが正解というか一部の作品では原作再現になるのだが、撃ち落としは分家のエーアイスパロボでしか採用されんかった…
設定的には、ファンネルをIフィールドの内側に送り込んでから撃っているのだろう。「この距離ならバリアは張れないな!
逆に近付け過ぎたせいで切り払い対象になっているわけだが。
なお後年のスパロボでは武器毎に細かく属性を設定出来るようになったため、
ファンネル等のオールレンジ攻撃はビーム属性とIフィールド無効を両立した形になっている。切り払い?もう最近は実装されてないよ…

*9
『サンライズ英雄譚』シリーズの舞台となる世界。
雲海クラウドストリームによって大陸間の交流ができず、各大陸に独自の文化が育まれている。
この文化は各参戦作品がモデルになっており、例えばガンダムの世界観を持つテラ大陸では原作のスペースコロニーが大陸上の都市として扱われる。


最終更新:2025年04月17日 08:59