- 型式番号:MS-07B
- 分類:第1世代MS
- 頭頂高:18.2m
- 本体重量:58.5t
- 全備重量:75.4t
- ジェネレーター出力:1,034kw
- スラスター総推力:40,700kg
- 装甲材質:超硬スチール合金
- 武装:ヒート・ロッド、ヒート・サーベル、5連装75mm機関砲、シールド
(HGUC REVIVE 1/144 グフ 説明書より引用)
アニメ『
機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ(略してMS)と呼ばれる戦闘ロボット。
ジオン公国軍の開発した陸戦用MSであり、ザクより出力や装甲が強化された他、近接格闘戦に特化した性能を持つ。
武装は特徴的な大型のヒートサーベルと右手首に内蔵された電磁鞭ヒートロッド、5本の指が機関銃となっている左手のフィンガーバルカンなど。
画像で分かる通り、標準装備のシールドがザクより大型化している他、スパイクも大型化されたものが両肩に装備されている。
が、変に大型すぎてショルダーアタックはしづらくはないのだろうか?刺さって抜けなくなっても困るし
左手はバルカン砲と指機能を両立した
サイボーグ004ばりの超技術だったため、
後年の設定では「ヒートソード時の
左手は添えるだけ(柄を握ってはいない)」と言う事になった。
ジオングやサイコガンダムの指ビーム?武器を携行しない前提の機体だから問題ない
後述のグフ・カスタムでは「汎用性向上」と言う名目で普通の指になり、
代わりとして
ガトリング・シールドを装備したり、手甲に外付けの3連装ガトリング砲を搭載している。
この「一見指のような形の手甲型多連装砲」はグフイグナイテッドにも受け継がれた他、
『
アーマード・コア』シリーズなどでも「フィンガー」マシンガンとしてオマージュされている。
作中では歴戦のパイロットであるランバ・ラル(CV:
広瀬正志
、『THE ORIGIN』では
喜山茂雄
)の搭乗機として初登場し、
主人公アムロ・レイの駆る
ガンダムを大いに苦しめた。
ちなみにTV本編では、グフ初登場の第12話「ジオンの脅威」までジオンのMSはほぼ1クールずーっと
ザクだけ登場していた
(シャア専用や旧タイプなど多少違うのもあったが、いずれも「ザク」である。
尤も、グフもザクの強化型で見た目は大して変わらないので、完全な新型は
ドムの登場を待つ事になるのだが)。
このため、第12話ではジオン軍の上述の有名なセリフを放ったランバ・ラルだけではなく、
ホワイトベース側もアムロが「(ザクか?)違う、新型のモビルスーツだ!」と驚き、
これを聞いたブライトが「ジオンの新型モビルスーツ!」と返すなど、敵味方双方で新兵器だという事をアピールをしていた。
その後
マ・クベ指揮下の部隊が、固定武装がなく、ヒートホークやマシンガンで武装したり、
凄まじい推力を持つ爆撃機
ド・ダイYS
の上に乗ったグフを運用している。
他にも、オデッサ作戦の勝利に伴い、オーストラリア大陸での反抗作戦を描いたゲーム『コロニーの落ちた地で…』では、
「荒野の迅雷」ことヴィッシュ・ドナヒュー(CV:
平田広明
)の搭乗機にもなった。
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パイロットについて、二名分 |
ランバ・ラル
「お前の言う通り、今度の作戦はザビ家の個人的な恨みから出てはいる。
しかしだ、この戦いで木馬を沈めてガルマ様の仇を討ってみろ、わしは二階級特進だ。
わしの出世は部下達の生活の安定に繋がる」
一年戦争以前からゲリラ戦を戦い抜いてきたスペシャリストで、開戦当初において自機を青く染めていた事から「青い巨星」の異名を持つ。
優れた技量と人格を両立した名将であったのだが、ラル家がザビ家の政敵であるダイクン派に属していた事や、
父親のジンバ・ラルと共にキャスバル(シャア・アズナブル)、アルテイシア(セイラ・マス)の兄妹を保護した事から、
ザビ家が牛耳るようになったジオン公国においては日陰者の存在である事に加え、
その性格や戦闘スタイルから、ウラガンからは「戦馬鹿」とも揶揄されている。
一方で後述のホワイトベースへの白兵戦にあたり、遭遇したフラウ・ボウに対しては銃を叩き落した上で避難を促すというように、
女子供と戦うにあたり良識ある一面を持つ他、落雷を連邦の新兵器と誤解して狼狽する部下に「あれは地球の雷というものだ」と諭す等、
ある程度は地球環境についても理解していた模様。
彼にとって訪れた転機は、地球方面軍司令官であったガルマ・ザビが木馬との交戦で戦死し、その敵討ちを ドズル・ザビより命じられた事である。
ドズルからの命令は弟のガルマを討たれた事による私怨でしかないというのを察していたのだが、
ダイクン派に属する自身の出世は部下達、ならびに内縁の妻であるクラウレ・ハモンの生活の安定に繋がるとして命令を受諾し地球へと降下した。
降下直後の太平洋上における戦闘以来、ホワイトベース隊とは五度に渡り戦闘を行い、アムロとは三度も対峙している(彼の搭乗機は様々だが)。
続く砂漠戦や鉱山近郊での戦闘ではゲリラ屋の得意戦術でホワイトベース隊を翻弄し、
後者に至っては状況を楽観視してガンタンクで出撃したアムロを苦しめた。
その後、中立地帯であるソドンの街の飲食店にて、先の作戦での命令違反を叱責された事でホワイトベースを脱走したアムロと偶然遭遇。
子供が欲しくても出来なかったハモンから気に入られた事からアムロに食事を奢ろうとするも、物乞いではないとして断った様子を気に入る。
その後、アムロの後をつけてきたフラウを部下が捕えた事や、この時のアムロの反応から彼がホワイトベース隊の一員である事を察するも、
「良い目をしている」と見込んでわざと見逃す一方、ホワイトベースの位置を特定するべく尾行をも行っていた。
そして、ホワイトベース隊の襲撃の最中、対峙したガンダムのパイロットがアムロである事が分かると戦争の変化というものを感じながらも格闘戦を敢行。
迫りくるガンダムを切り伏せた……かと思いきや、ジャンプして躱したガンダムに逆に切り伏せられる。
撃破された自機から脱出したラルはアムロの実力を認めるも「その機体の性能のおかげだという事を忘れるな!」と捨て台詞を残した
(アムロからすれば負け惜しみでしかないと思っていたが、脱走の罪で独房入りされるまでの出来事からこの台詞が脳裏をよぎり、
あの人に勝ちたい、という思いが強まった)。
先の戦闘による消耗もあり、ラルはオデッサ方面軍司令官マ・クベ大佐に救援依頼を出すも、そのマ・クベは保有する鉱山での不貞の発覚を恐れた事や、
キシリア・ザビの派閥に属する彼の領分でドズル派のラルが動き回っている事が気に入らず、ラルの事を嫌っていた。
その為、ラル隊へと配属予定だった新型機ドムを「輸送中に撃墜された」と偽り、救援要請を握り潰された事により、MS抜きのゲリラ戦を挑む事となる。
そして、ホワイトベースに白兵戦を仕掛けて艦内に潜入し、激しい銃撃戦を行うが、今度は艦内でセイラことアルテイシアと遭遇。
彼女とのやり取りで動揺した隙を突かれて負傷し、戦いの中で戦いを忘れたと自嘲。
万策尽きた彼は手榴弾を抱え込み、ホワイトベースの少年兵達の目の前で飛び降りて自決。
戦いに敗れた者の運命を見せ付けた。
なお、一年戦争から遠い未来を描いた『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』ではラルの顔を模したMS用の被り物が存在。
ガンダム顔が縁起担ぎに利用されているように、過去の戦乱の偉人達もそう扱われているようだ。
ヴィッシュ・ドナヒュー
「私はアリス・スプリングス駐屯軍の指揮官、ヴィッシュ・ドナヒュー中尉だ。
連邦軍モビルスーツ隊の指揮官に提案がある。停戦だ」
オーストラリア駐屯軍アリス・スプリングス支隊のモビルスーツ部隊隊長を務める。階級は中尉。
主な搭乗機体はグフ、陸戦型ゲルググ。
機動力を生かした電撃戦を主に行い、通常の装備で倍の時間もの戦闘が出来る上に3倍の戦果を挙げる事と、
殿軍を好んで勤め無事帰還する事から「荒野の迅雷」の異名で敵味方に広く知られた。
モビルスーツの機動力による迅速な行軍に着目した彼は、部下との連携を重視し集団戦を徹底した独特の作戦指揮を執り *1、
個人ではなく一部隊として戦うよう部下に徹底させた事もあり、指揮官としての才覚は訓練教官として新兵育成にも遺憾なく発揮されている。
妄信的にジオン及びザビ家を崇拝する事も決して無く、戦争の大局についても「この戦争はそんなに長くない、今死ぬのは勿体ないぞ」と、
部下を諭していた事もあり、ジオンの敗北を予見していた。
その為、アリス・スプリングスの市街戦による甚大な被害を憂慮した彼は自分達の撤退や輸送列車の通過を見逃す代わりに同地域を明け渡す *2として、
上記の台詞でマスター・P・レイヤー率いるホワイト・ディンゴ隊に停戦を持ち掛けたり、漫画版では街を盾にして戦う友軍のやり方にも怒りを見せていた。
こうした点から人格面にも優れ、部下はおろかジオン占領下にある任地の住民にまでも慕われており、
時にはアリス・スプリングスの子供達に絵を描いてあげたりしており、子供達からは「アンクル・ドナヒュー」と呼ばれ親しまれる程であった。
その後は後方に下がり兵士の教育訓練に専念していたが、オーストラリア駐屯軍司令官ウォルター・カーティスの密命により、
生物兵器「アスタロス」を持ち出さんとするキシリア派の特殊部隊「マッチモニード」の妨害・抹消工作を行う。
その最中で、仮にも同じジオンであるマッチモニードよりも敵であるホワイト・ディンゴに大いに通じるものを感じ、友情にも似た感情を抱く。
そして最終指令「月の階段」が発令された後、ヒューエンデンHLV基地で友軍撤退に伴うHLV打ち上げの時間を稼ぐべく、ゲルググを駆り出撃。
ホワイト・ディンゴ隊との死闘の末に戦死するも、レイヤー個人としてもこの戦争が終わればドナヒューと友人になれたかもしれなかった故に、
終戦を知らせる放送がもっと早くに流れれば、と悔やむのであった。
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関連機体 |
OVA作品『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では飛行試験型のグフ・フライトタイプや、
実戦での運用データを元に汎用性を高めて総合性能を向上させたグフカスタムなどが登場。
特にノリス・パッカード大佐の乗るグフ・カスタムは、宇宙へ撤退する味方宇宙船を狙う量産型ガンタンクを破壊するため単独で出撃。
ガンタンクを護衛する08小隊を相手に巧みに裏をかく老獪な戦い方で次々とガンタンクを破壊していき、
主人公シロー・アマダとの一騎討ちで撃破されながらも最後のガンタンクを破壊して「勝ったぞぉ!」と言い放つシーンは視聴者に大きな印象を与えた
(所謂 「やったか?」系勘違いなどではなく、 自分の命と引き換えに勝利条件を達成したのである。
またこの直前、ノリス大佐はシローが自身にとって誰よりも大切な女性の想い人である事に気付いており、
彼を殺す事は出来ないが軍人として己の任務を放棄し、負ける訳にはいかなかったというのも大きいのだろう)。
シローも思わず「負けた…!」と呟き、機体の残骸に向かって敬礼をした程。
先述のランバ・ラルの活躍と合わせ「グフとは優秀なパイロットによって扱われる、熟練者向けの格闘機体である」というイメージがここで確立された、
とも言える。
OVA『MS IGLOO2 重力戦線』ではオデッサ作戦において参戦したのだが、戦場が開けた平地ゆえに『08小隊』のような八面六臂の活躍が出来ず、
陸戦強襲型ガンタンクとの戦闘では間合いを詰める事さえできずに撃破されたりといいとこなしの活躍だった。
『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』では同作の主人公であるイリヤ・ソラリが駆る無識別型ザクIIと、
名もなきガンダムパイロットが駆るガンダムEXとの戦闘の最中に双方が感応し合った事でガンダムが無防備になった所、
背後からヒートサーベルを突き立て撃破した。
『MSV』では固定武装完成前に生産されたグフ先行量産型、両手にフィンガーバルカンを装備したグフ後期改修型なども登場した。
双方ともTV版の作画ミスをフォローするために設定された存在である
その後、後期改修型をベースに歩兵部隊の直結支援という グフ本来の用途をかなぐり捨てたコンセプトを元にグフ重装型なんて派生機が生まれた。
そしてある意味『UC』屈指のネタ機体になった
また、上述のフライトタイプ開発過程で作られたグフ飛行試験型、グフ飛行型も存在する。
どちらも「MSの単独飛行」を目指して開発されたものの、 前者は重すぎてそもそも飛べない、後者は換装したエンジンに難がありテスト中に爆散した、
という悲運の試作機達である(擁護すると飛行試験型は下記の機体同様、ドム開発に生かされ、飛行型はテスト自体は良好だった)。
更にグフ試作実験機という機体もあるが、これは「 グフのプロトタイプ」 ではなく、
「 ドムのプロトタイプとして、データ収集用に改造を施されたグフ」である。
その次の段階がドム試作実験機なのがまた紛らわしい……。
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別世界のグフ |
コズミック・イラが舞台の『 機動戦士ガンダムSEED DESTINY』にも、ザフトの新型MSとして 「グフイグナイテッド」が登場。
高コスト故に主力機採用コンペティションでザクに敗れたものの、高性能だったためエースパイロットを中心に支給された機体とされる。
見た目や武装は原典を踏襲しているが、『SEED』をガンダム時代とすると『DESTINY』は Ζガンダム時代なので、
ビーム兵器を標準装備している他、MSが空を飛べて当たり前な世界なので空戦性能に優れる事が特徴。
劇中では T.M.Revolutionの西川貴教氏が演じるゲストキャラ、ハイネ・ヴェステンフルスの乗機としてオレンジ色の機体が登場し、
ランバ・ラル(役柄的には クワトロ・バジ-ナ)を思わせる活躍を見せたものの、
西川氏が本業で忙しかったので悲劇的な最期を遂げた事で視聴者に印象を残した。 主に後方不注意と遺影で
ちなみに西川氏は前作でもザフト軍エースパイロットであるミゲル・アイマンも演じたが、そちらも序盤で退場となった
また原典とは違い宇宙でも使用可能で、作品後半ではイザーク・ジュールがスラッシュザクウォーリアから白いグフイグナイテッドに乗り換えて活躍した。
一般兵の機体色はグフと同様の青色、こちらは基本的にやられメカとして登場だが、
劇中では前作主人公キラ・ヤマトの乗った 旧式機ストライクルージュを撃墜した他、
一瞬とは言え無敵の ストライクフリーダムガンダムを拘束した機体さえ存在する。
キラがストフリに乗り換えた直後だったからであって、動き出したら12機まとめて瞬殺されたわけだが
更に アスラン・ザラも 脱走時に一般機に搭乗する そして追っ手に撃墜されるなど、
善くも悪くもパイロットに恵まれた量産機だった。
また、劇場映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場するギャンシュトロームはグフの直系の機体でもある。
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『ガンダムビルドファイターズ』シリーズでは |
ガンプラで戦うホビーアニメ『ガンダムビルドファイターズ』シリーズでは、
ランバ・ラルそっくりのビルダー「ラルさん」が登場。
声優は元ネタと同じ広瀬氏だが、『トライ』第5話からは氏の長期療養に伴い 宝亀克寿氏が代役を務めた。
住所や職歴等は一切不明の謎の人物で、分かっている事といえば、
同作の主人公であるイオリ・セイの実家「イオリ模型店」の常連客である事と、35歳(自称)である事だけ。
「ラルさん」も渾名だと思われる……が、ラルさんの友人でセイの父でもあるタケシから「ランバ」と呼ばれていたりと、
本名が「ランバ・ラル」の可能性もある(ファンの間では、ラルは父・ジンバと呼び分ける場合などを除けば通例として「ラル」と呼ぶのが普通)。
性格としては、セイの母親・リン子にゾッコン *3である他、ガンプラアイドルのキララに声援を送ったり、
フィンランドの企業チーム「ネメシス」のエース、アイラ・ユルキアイネンを「乙女」と評する等と、ミーハーな一面を持つ。
しかしながら、ガンプラバトル界隈では元ネタ同様に「青い巨星」の異名を持つ実力者で、彼を慕う者達は多い他、
セイに加えガンプラ初心者のコウサカ・チナ(セイに惚れている)やアリーア・フォン・レイジ・アスナ(セイと ダブル主人公)らに親身に接したり、
セイ達が出向いた温泉旅館を恫喝する 地上げ屋や、別の回ではガンプラマフィアを相手に毅然として立ち向かうなど、
要所要所で大人としての威厳を示す所も
(なお、地上げ屋については元世界大会出場者に加え、彼もまたラルさんを尊敬する者の一人だった)。
主な使用キットは旧キット版グフや、HGUC版グフを 高機動型ザク風に改造したグフR35などのグフ系キット。
なお、R35は「ラル35歳」の略との事だが、7年後という設定の続編『ガンダムビルドファイターズトライ』でも、
新型機を ドムR35と称しているため、ラルさん本人の年齢かは怪しい所。 まぁ「
永遠の17歳
」ならぬ「永遠の35歳」なのだろう
(なお元ネタは『 機動戦士ガンダムF91』に登場した「ガンタンクR-44」。
こちらは「ロイが44歳時に入手」という意味であり、本編中のロイは60歳だったりする。 つまりドムR35も7年前に作った機体とか?)
「別にやめても構わんのだよ。
ガンプラ作りもガンプラバトルも、趣味の領域。
機動戦士ガンダムの作中のように、戦争状態でもなければ、命の駆け引きをする必要もない。
所詮は遊び、その通りだ。
しかし、いやだからこそ、人はガンプラにもバトルにも夢中になれる!
好きだからこそ、本気になれる!」
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戦場の絆では |
体感型対戦ゲーム『戦場の絆』においては、ジオン陣営の中コストの格闘機体として稼働時から参戦。
『rev1』中期までは160という中コストながら良好なバランスと扱いやすさ、戦場の選ばなさから、
連邦・ジオン両軍の全機体の中で二位に大差を付ける最高の使用率を誇った。
その点を連邦陣営のプレイヤーから大きく非難され、下方修正を望む声が上がってはいたが、
使用率一位だった理由は突出して強かったからでは無く、
ジオンの格闘機で必須テクニックであるクイックドローキャンセル
( 目押しコンボの締めに出る 強制ダウン攻撃をわざと外してコンボを継続するテク。以下「QDC」)
を実戦でまともに行える機体が、 本機しか存在しなかったためである。
他の格闘機はと言うと、同じコスト160のゴッグは足回りが絶望的に悪く、射撃の火力も当時は低い上に、
サブでQDCをしても絶大な硬直で相手を跳び越せず、目の前に着地して反撃が確定するため、「もはや土偶」と不名誉過ぎる言われ様。
アッガイは低コストの悪さがモロに出て水中が無い限り基本スペックが足りなさすぎる。
途中参戦のギャンはコスト240と高い性能に合わせた射撃の発射の速さが災いし、
QDCが平地、もしくは相手が自分より下にいる時に左斜め上側に機体を左回転させながらでないと外せず、
相手に当ててしまうという非常に限定的かつ高難易度でラグも天敵。
……これらの理由から「強いから」ではなく「消去法でグフしか選択肢が無くなる」という、ジオンの機体事情から来る悲しすぎる使用率一位であった。
アップデートでグフに微弱体化が入ったものの、他の格闘機の強化に加えて高水準にまとまったグフカスタムの参戦、
対戦の環境が中・低コストによる混戦から高コストによる性能の押し付けに変わった事で本機は選択肢から外れ、使用率は一気に下がっていった。
『rev2』に移行してからは、格闘機の全体調整として将官未満での格闘連撃回数の上限によるハメ防止からくるQDCの弱体化から始まり、
コスト160内で見てもシャア専用ザクが格闘機に移動してきた事、ゴッグの性能が火力方面にとことんまで尖り出したのに対して、
余りにも普通過ぎて尖った所の無いグフは、わざわざこれを使う必要性が無いという『rev1』の時の強みが足枷となって苦しめられる事となった。
『rev3』では薄れていた存在感が更に薄くなり、運営から性能をいじってもらう機会すら失ったまま運営終了を迎えた。
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MUGENにおけるグフ
Exclamation_Question氏による『機動戦士ガンダムEX-Revue』仕様のグフが存在した。
氏のTwitterで公開されていたが、現在はアカウント削除で入手不可。
WinMUGEN用とMUGEN1.0用のファイルが同梱されており、使用の際はdefファイルを選んで登録する形になっている。
技は原作のものを搭載している……のだが、その原作が
如何せんアレなので、
真面目なガンダムファンは「こんなのグフじゃねえ」と嘆くかもしれない。
ヒートロッドでリーチの長い攻撃を繰り出すのはまぁ良いとして、スライディングのモーションが完全に
ダルシムのパクリ。
おまけに「サンドワープ」と言う
ヨガテレポート砂に潜って別の場所から出現するという技まで持っている。
アニメではそんな事やってない?このゲームではよくある事だ。
ステージが砂漠で無くてもお構いなくワープする?
ガウ攻撃空母の上でもやる(空母の外壁をぶち抜いて内部に侵入してまた外に戻ってくる)くらいなので些細な事。
ガウはどうなるのかって?
DG細胞でも積んでるのか全く損傷が見られないのでOK。
……と言うわけで現役稼働当時は「
モビルファイターグフ」とか「
ガンダムファイターならぬグフファイターとしてダルシムが乗っている」などと囁かれた。
また、リーチの長い
通常技の先端部分に喰らい
判定が無かったり、吹っ飛び中に無敵になったりとかなり無茶な仕様となっているが、
これは
原作再現だそうなので
仕方ないね!
コンフィグで無敵(と目に優しくないフラッシュ)の有無を設定できるので、各自好みで調整されたし。
AIは搭載されていないが、AI製作・改変等は自由との事。
2019年5月には、ちゃんこ氏による外部AIが公開された。最終更新版にも対応済み。
なお、これ以前にもSUGIO氏による『EX-Revue』の前作、『機動戦士ガンダム』仕様のものが存在していたが、現在は入手不可。
昔の大会動画に出ているのはこちらのグフである。
出場大会
プレイヤー操作
*1
これに関しては『コロニーの落ちた地で』の作品コンセプトに深く関係する。
一年戦争を描いた外伝作品の起草にあたって、主人公の為にガンダムタイプを設定すると設定が崩壊しかねなかったり
(『第08MS小隊』放映当時の設定では陸戦型ガンダムはガンダムの余剰パーツを用いて組み上げられた上、総生産数は20機程度)、
ジオンサイドをメインにすると敵が連邦という事もあり、ジムやボールばかりで見栄えが悪いといった事もあり、
ジムであれば一年戦争の世界観に違和感なく没入出来るという事で白羽の矢が立った。
また、ジムを主人公に据えるという事は「何故連邦はジムやボールといったやられ役ばかりなのに一年戦争に勝利出来たのか?」、
という疑問への回答にも繋がり、ジムはガンダム程圧倒的な性能を有していない分、各種索敵能力を持つホバートラックを要とし、
MS3機による一個小隊を編成。
音紋照合等を駆使して情報を収集し敵機の配置や作戦目標から戦略を練り、攻撃時は僚機と常に多対一になるよう連携をとる戦法が主流となった。
逆にジオンサイドは個々の兵士の技量に優れるものの、情報収集能力の低さやチームプレーを軽視する傾向が強いためか、
機体間の連携があまり無く、そこを連邦に突かれる事が多かった。
味方機のアルゴリズムに関してはガンダム外伝の前作『
BLUE DESTINY』から大きく改善された反面、
自機もジムタイプであり先述の通りガンダムのように圧倒的な性能が無い為に一機で次々と敵機を撃破するという事は難しく、
出撃前のブリーフィングによく目を通し、プレイヤーや隊員達の機体や武装を吟味する事も重要な要素と言える
(というか、作中通してガンダムタイプが一切出て来ない異色の作品ともいえる。
一応、条件を満たせば量産型ガンキャノンが支給されたり、終盤にはジム・スナイパーIIという高性能機が貰えるが)。
なお、林譲治氏による小説版によるとジオン軍全体の傾向として個人の力量を競い合うように戦うきらいがあるらしく、
特にシャアのように腕一本で一介のパイロットから大佐にまで登り詰めたケースから、優秀な人物ほど明日のシャアを目指してチームによる戦闘を軽視。
ドナヒューとしても当時は新米達が一刻も早く一人前になるように短期間での育成をせざるを得なかった事もあり、
個人プレイでの競争を奨励していたが、いざ彼らが一人前になった際に指揮官が居ないという事態に直面。
その中で優秀な人物を指揮官にしてみたが、自分が突出するだけでチームプレイになっていなかった事から育成方針の失敗を痛感した。
レインボウ・ヴァレーでの戦闘においても彼らはチームによる戦闘をしていなかった為に、連邦軍の倍の兵力というアドバンテージがありながら、
チームで戦う連邦の部隊に各個撃破された挙句、ドナヒューの部下はレインボウ・ヴァレーの惨状を搭乗者の腕の差としか考えていなかった。
挙句、上記のマッチモニードはドナヒューからも「装備は一流、腕は二流、人間は三流」と酷評されるだけあって構成員達に仲間意識はなく、
互いを利用価値がある道具としか見ていないだけあって連携もお粗末で、キシリア傘下であるからか新型機であるドムを用いておきながら、
ホワイト・ディンゴ隊に軽口交じりで撃破される有様であった
(しかも兵士の中には仲間を捨て石にして、その隙に自分だけが逃げ出そうという魂胆の者まで居た。
一応、マッチモニードの指揮官は彼らが恐れる程に冷酷非道な人物ではあるのだが、
その人物は仲間を連れてトリントン基地に潜入し、貯蔵されている核兵器の奪取に専念していたのでMS戦に参加していない)。
*2
勿論、プレイヤーはドナヒューからの通信を無視して戦闘を続行する事や輸送列車の破壊も可能であり、その場合は当然評価が下がる事になるが、
輸送列車の積み荷は連邦軍基地より奪取したバストライナー砲であり、これがそのまま渡ると終盤に登場するMA「ライノサラス」に搭載される為、
輸送列車を破壊する事は武装面でライノサラスの弱体化にも繋がる。
また、小説版ではジオンはただ単にアリス・スプリングスを放棄した訳ではなく、この作戦によって連邦軍の戦力は北と南に分断され、
オーストラリア大陸中央部の兵力は極端に低下。
ジオンはその隙を突く形で大陸中央部の秘密基地や物資集積所に戦力を集中、その後は防備の手薄な連邦軍ブルーム基地を襲撃、
大量の船舶や航空機を確保。
宇宙への撤退ではなくアフリカへの撤退を選択し、その為にHLVの打ち上げ自体をも陽動に利用していた。
ウォルターは一連の作戦を「月の階段」と称したが、これは海面に月への階段のように月光が映り込む自然現象であり、
それが見られる場所がブルームであり、それこそが作戦の実行日と最終目的地を暗示していた。
*3
なお、リン子自身は夫・タケシと未だラブラブである。
逆にガンダムや模型の知識は皆無であり「
声優ネタとして
ノーベルガンダムで
助っ人に現れるのでは?」と言う視聴者の期待は裏切られた。
……代わりにアレンビー(
原作の正規パイロット)のそっくりさんが
緑色のノーベルガンダムを使った
が、チナに瞬殺された。
最終更新:2025年05月25日 00:29