概要
Aug.1999
後に“フォース”と名付けられた
未知のエネルギー体の衝突により
人類は その90%を失った・・・
傷ついた地球での 環境の変化
エネルギー体の影響による遺伝子変異
自身を防衛する為に肉体改造などにより
数多くの次世代人類が誕生した・・・
近未来SF対戦格闘ゲーム。
同社らしい独特の濃さを持ったキャラやグラフィックが特徴。
タイトルの元ネタは恐らくアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の人造兵士パーフェクトソルジャーからだと思われる。
マイナーだが、良好な操作性と攻め重視のシステムは対戦格闘ゲーム初期のものとしては佳作だった。
投げを含めて全体的に攻撃範囲が広めで、さらに前ダッシュはあるが後ダッシュが無いという仕様上、
2P対戦では攻撃的な駆け引きが主体になる。
対CPU戦はそこそこの難易度だが、ジャンプで飛び込んでのすかし投げがよく決まるので攻略はそれほど難しくない。
どんなゲームか知りたい場合はニコニコにプレイ動画があるので参照されたし。
キャラクター
近未来という世界観を反映してか、全キャラが改造人間かミュータントらしい。
キャラ性能は名前から大体想像できるそのまま。
やたら体の大きい食人鬼や常に腰をくねらせている25歳女性、
名前がやばすぎる原子力搭載サイボーグなど全キャラが非常に濃い。
その中でも露出度の高い
ベリーダンス風衣装の女性キャラ「桃色月面娘・アラビアンムーン」は、
やたらとお尻を強調した必殺技や勝ちセリフの天真爛漫さが一部にコアな人気を博した。
実際原作のEDで
ノリだけで生きていると断言されている
キャラである。
使用可能なキャラクター(「」内はキャッチコピー)
CPU専用キャラクター
システム
操作系はレバー+6ボタンで、パンチとキックにそれぞれ強・中・弱が割り振られている。
これは当時大ヒットしていた
ストII系格闘ゲームと同じ配置である。
移動システムの特徴として、かなりスピードの速い前ダッシュ、ダッシュ攻撃、横方向の大ジャンプがある。
ただし、バックステップは存在しない。
大ジャンプはダッシュ中にジャンプすることで横方向に大きくジャンプするというもので、
これが対戦格闘ゲーム史上はじめて実装された大ジャンプ操作である。
その他空キャンが出来たり、一部ダッシュ攻撃(専用技含む)が止まるまで2発出せ、かつ
必殺技でキャンセルできるので
ダッシュから投げと打撃と必殺技の選択が迫れたりと駆け引きは意外と熱い…かもしれない。
この時代はストII全盛期で、他メーカーも追随して対戦格闘ゲームがリリースされており、
中には対戦格闘として疑問視されるような出来のものまであった。
その為、たとえ良好なゲームバランスを保つ対戦格闘ゲームが出たとしても、それらに埋もれてしまい脚光を浴びずに消え去ったタイトルもあった。
このゲームも、そんな波に飲まれ消え去った対戦格闘ゲームのひとつであった。
MUGENにおけるパーフェクトソルジャーズ
余談・『R-TYPE』との関係について
本作は同社の代表的STG『
R-TYPE』と関連するかのようなネタが話題となった。
……が、圧倒的な知名度の差のため『R-TYPE』絡みの話ばかりが一人歩きし、
このゲームそのものの内容については全然話題にならない
語るべき内容も少ないし、そもそも実物を見た事がある人が少ない
という悲劇のゲームでもある。
まるでオープニングデモの事しか語られない『風雲黙示録』のような……
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R-TYPEとの関係(ネタバレあり) |
ストーリーにある地球環境を劇的に変えた物体「フォース」は、
R-TYPEではオプションのような物体として登場する。
また、最終ボスのセレウスは必殺技でR-TYPEの対空レーザーに酷似したビームを放つ他、
勝利後のエンディングでは倒れたセレウスの体から光球が抜け出し、
「ワレハ
バイド
ワガタマシイハ フ・メ・ツ」と言葉を残し、どこかへ消えていく。
ここに出てくる「バイド」とは、R-TYPEの敵勢力にあたるバイド帝国と共通する名前で、
どうやらセレウスは黒幕のバイドに操られていただけらしい。
また、『R-TYPE』初代のエンディングに登場する多数の僚機の中に アラビアンムーンが操縦する機体があるらしい。
この件についてはアラビアンムーンのページを参照。
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バイドとは |
『R-TYPE』は22世紀を舞台に地球を脅かすバイド帝国の異形の巨大生体兵器群と戦う横スクロールSTG。
『 スペランカー』や『絶体絶命都市』等で知られるアイレムソフトウェアエンジニアリングの出世作にして、同社を代表するシリーズの一つとなった。
謎の敵バイドの正体は長らく不明だったが、
STG最終作『R-TYPE FINAL』にて「26世紀の地球で作られた最終兵器の暴走した姿」だったことが示唆される。
暴走事故は空間跳躍技術で異次元に飛ばすことで辛くも解決したのだが
バイドは異次元をさ迷う中で進化を続け、時間を乗り越えて22世紀の地球に現れたのだった。
進化したバイドは、ありとあらゆる状況において即座に適応しその周囲の存在を侵食し取り込んでゆく。
更には生物の肉体のみならず、精神まで侵食する。
最終的にR-9戦闘機以降の波動砲により消滅させられることが判明したが、それまで永らく対抗手段が無かった。
シリーズ内では人類VSバイドを「バイドミッション」と称し、作品ごとに幾度と無く激闘を繰り広げてきた。
ただし、「バイドミッション」に参加した戦闘機及びパイロットは全員生存して帰還していない。
最もこれは設定上での発表であり、発表元は黒い噂の絶えない地球軍である。
実際どうだったのかというのはプレイして確かめて欲しい。
そして、『R-TYPE』のフォース自体も実はバイドの切れ端をコントロールロッドを打ち込んで制御しているものであり、
「バイドミッション」で敵中核と交戦中制御不能となり、封印を破ってバイド化した例も幾度か確認されている。
つまりセレウスのみならず、『パーフェクトソルジャーズ』世界を生み出した大災害もまたバイドの断片が原因であったということになるのだろう。
しかし、『R-TYPE』の舞台は 22世紀であるのに対して、
『パーフェクトソルジャーズ』世界ではフォースによる大災害は 1999年(まだぎりぎり20世紀)の事。
それから環境の変化や遺伝子の変異、肉体改造に時間がかかるとして、作中の時期はおおよそ 21世紀初頭と思われる。
この世界が『R-TYPE』の前史であるという確たる描写も無く、両作品の世界が完全に同一とは断定できない。
「『R-TYPE』の世界では26世紀から22世紀へと転移したバイドの一部が20世紀末に転移した並行世界」であるか、
あるいはバイドのゲスト出演のようなものと考える方が妥当だろう。
アラビアンムーンがR-9Aのパイロットの一人だと言う話も、両作品の時期設定が200年近くも離れているため、他世界からのゲスト出演でなければ、
彼女は200年近く生き続けて行くという事になる。勝ち台詞の「女も歳食ったら終わりね」という言葉が本人の身に降りかかってしまう……。
バイドが設定上無関係な他のゲームにゲスト出演した例としては、ファミコンのRPG『神仙伝』に、
古代中華風ファンタジー世界に場違いなバイド戦艦(3面に登場する巨大戦艦グリーンインフェルノ)が隠しボスとして登場した事がある。
こちらは完全に独自の世界であるため、『R-TYPE』と同一世界かどうかという話題は全く為されない。
また、アクションゲーム『重力装甲メタルストーム』の6面ボスの背景にグリーンインフェルノが3隻描かれているが、
完全に背景であり、戦うことは無い。
こちらもやはり同一世界という説は存在しない。
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最終更新:2024年08月27日 11:06