「ふふん。包帯と眼鏡なんかに負けないわよ。」
Leafが1996年に制作した18禁ゲーム『雫』のヒロインの一人。「しんじょう さおり」と読む。
オッス、オラ、さおりん!
実はPS版『To Heart』に(幼女の姿だが)こっそり登場している。
主人公の長瀬祐介とは同級の高校二年生で、バレー部の誇るエースアタッカー。担当声優(DVDリメイク版のみ)は鷹月さくら女史。
また、渡辺製作所の同人格闘ゲーム『
Queen of Heart』にも参戦している。
明朗活発な性格で、多くの人から好かれている少女。
愛称は「さおりん」、
「初代ふきふき」。
ロングヘアーでつり目がち。おしゃべりで話し上手、コロコロと表情を変え、見ていて飽きない美少女。
怪奇に翻弄されつつも、持ち前の明るさを維持し続けている希少なキャラクターである。
色々な意味で電波全開(主人公含む)な『雫』というゲームにおいて非常に珍しい常識人。
月島瑠璃子と対になるような存在であり、日常サイドの象徴的存在である。
あれやこれやと違って
裏は無い。
言わば瑠璃子が「陰のヒロイン」ならば、沙織は「陽のヒロイン」であり、
実際に雫においてはファン層も瑠璃子と並んで高く、双璧を成す人気を互いに保っている。
……えっ、
もう一人の彼女の事ですか?
彼女はどっちかというとその
お友達の方が実は人気が高かったり、本編では二人程印象が強い訳でもなかったし……。
えーっと、その、まあ言うなれば、平凡なイメージでまとめられているから印象が薄いのも仕方ないというか、相手が悪かったというか……。
そう、二人の個性が強い分、割を食っているというのが正しいかもしれない。うん。
メインライターの高橋龍也曰く、「中二病状態を乗り越えて明るくやっているキャラクター」とのこと。
物静かで非日常を象徴する瑠璃子との対比も狙ってされたものであり、
それが上記のような双璧となる人気を獲得している証拠ともなっている。
1996年11月に発売された、Leaf恒例のファン感謝ゲーム『Leafアミューズメントソフト』シリーズの
記念すべき第一弾は、彼女の名を冠し「さおりんといっしょ!!」という名でリリースされたほど。
ちなみに意外な事に
スリーサイズは不明(初期Leaf作品はほぼ不明)であるが、
左のイラストを見てもらえればお分かりのように、スタイル抜群なのは一目瞭然である。
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たたかえ!アストラルバスターズ! |
『雫』のおまけシナリオにおいては、
対異次元人戦闘のエキスパート「アストラルバスターズ」のサイボーグ戦士「さおりん」として「るりるり」「みずぴー」と共に登場。
気弾をスパイクの如く撃ち出す必殺技「火の玉スパイク」を引っさげ、三人娘の前衛役として活躍した。
三人での合体技「インフィニティ・スパイク」も、るりるりとみずぴーがトスしたエネルギー弾をさおりんが敵に叩き付けるというものなので、
彼女無しにアストラルバスターズは立ち行かない。やはり赤はリーダーの色なのであろう。
主人公? プリキュアのファンシー生物程度の存在感ですがなにか?
このアストラルバスターズのネタはファンディスク『初音のないしょ!!』収録の『Leaf Fight '97』にも持ち込まれており、
沙織の技に「火の玉スパイク」がある上、雫ヒロインズの合体技として「インフィニティ・スパイク」もばっちり存在している。
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もう一つ余談 |
風の噂では、某リーフ作品二次創作者の集まりが製作した『雫』『痕』『To Heart』『White Album』
クロスオーバービジュアルノベルに、後に 荒唐無稽ロボットアドベンチャーを製作する某氏も参加していて、
アストラルバスターズ対 エルクゥ軍団なんて素敵すぎるパートを担当していたとか何とか。
皆大好きキ印博士、 ドクター・ウェストの原型と見られるキャラもいたとかいなかったとか。
……噂ですよ?
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『QueenOfHeart』での性能
投げ技とバレーボールを駆使した戦いを得意とするパワーキャラ。元ネタは『
あすか120%』の
山崎竜子。
必殺技「火の玉スパイク」や
超必殺技「ハイパータックル」のモーションなどはそのまんまである。
また各種
通常技のモーションは
庵とほぼ同じ(「さおりん」と「いおりん」とをかけたため?)。
足が遅い上に梓とも違いダッシュがステップ型なので、相手を追いかけるような戦い方は向いていない。
反面、火力とリーチには優れ、特にサイドキックをかます立ち中攻撃などはかなり優秀。
主力技は小ジャンプから繰り出される中段打撃投げ「クイックドライバー」。
小ジャンプする性質上、相手がしゃがみチェーンで固めてきているなら、通常版でも割り込みに使える。
加えて、EX版は移動距離延長+無敵時間付きで割り込み性能が上がる上に波紋ヒットするので、
ヒット後にダッシュ小攻撃で叩きつけるだけでかなりのダメージを与えられる。
しかも打撃ヒットから投げに入るまででコンボ補正が一度切れるため、安定したダメージを叩き出せる。
また空中復帰不可にして打ち上げるダッシュ中や、叩き付け効果のあるジャンプ大、空中投げなど
バレー部らしくエリアルコンボを組みやすい技を豊富に持っている。
ちなみに「投げ→ダッシュ中→空中投げ→ダッシュ中→空中投げ→EXクイックドライバー」等で投げを4回決めるコンボが出来たりする。
ヒットアンドアウェイを狙う相手には、思い切って相殺
判定の強いダッシュ大攻撃で突っ込んでいく。
狙い所さえ間違えなければ、
マルチコレダーに自分からダッシュ大で突っ込んで相殺・攻めのターンを奪うなんて芸当も可能ではある。
ガン逃げする相手には「火の玉スパイク」で牽制しつつ隙を突いていけばよい。
とにかくコンボのシメにEXクイックドライバー+叩き付けを当ててダメージアップを図るのが狙い目である。
「ふふふ~ あたしを誰だと思ってるの? 元祖VNヒロイン、さおりんだよ!」*1
MUGENにおける新城沙織
月の剣氏による『Queen of Heart'99』仕様のものが存在していたが、現在はサイト閉鎖により入手不可。
原作『QOH』の体操服姿と違って制服を着ており、言うなれば「新城沙織制服バージョン」。
性能も大幅に改変されてもはや別物であり、原作とは180度逆の、高い機動力で遠距離からボールを当てていくキャラとなっている。
この他、SOS氏が原作準拠の体操服姿の沙織を公開していたが、こちらも現在は入手不可となっている。
出場大会
更新停止中
*1
VN=
Visual
Novel。Leafが『雫』で提唱したエロゲーのジャンル形式。
その前にはチュンソフトが「サウンドノベル」というジャンルを提唱していたが、
こちらは「サウンド」よりも「ビジュアル」を主体とするという意味合いで付けられた。
ちなみに、かつてこの「ビジュアルノベル」の名称をコナミが登録商標しようと騒動を起こした事がある。
これに対してアクアプラス(Leaf)は静観の態度を示しながらも反発の意を表し、
以前から特許や商標での著作権絡みでしばしば話題に上がっていたコナミを批判する周囲の反発も大きくなった。
結果的には、特許庁が拒絶査定を下したため、この名称の登録は認められなかった。
さらに余談になるが、ゲーム紹介サイトなどにおいて『雫』など選択肢が存在する形式のノベルゲームを「ビジュアルノベル」、
『
ひぐらしのなく頃に』など選択肢が存在しないものを「サウンドノベル」とジャンル別表記することが度々あるが、
「サウンドノベル」いう名称はチュンソフトの登録商標であることや、元々のコンセプトが「選択肢によって何度でも読めて、
新しい話が選択できる」というものであり、実際はこの表記は誤りである。
ひぐらしの場合は、厳密にはシステムサコムが提唱した「ノベルウェア」というジャンルに相当する。
最終更新:2025年04月16日 15:32