1973年公開の東宝映画『ゴジラ対メガロ』に登場した
ロボット。別名「電子ロボット」。
通常時のスペックは全高1.8m、重量150kg。巨大化時には全高50m、重量2万5千tとなる。
また、マッハ3.5で空を飛ぶ事も可能。
設定上は口から液体窒素を噴出する機能も持つようだが、劇中では使用されていない。
同映画の主題歌として「ゴジラとジャガーでパンチパンチパンチ」(唄:子門真人)も用意された。
本作は『ゴジラ』史上最低(主にシナリオが)との呼び声もある代物だがジェットジャガーは人生である。お忘れなきよう。
若き科学者の伊吹吾郎が開発した等身大の高性能ロボットで、元々は
日常生活のアシストを目的として造られた。
だが正面から見ると宇宙メカゴジラにも似た怖い顔をしている。
特徴としては「
良心回路」と呼ばれる機能を組み込まれており、本来は人間の行動や言葉に対する、
正確な行動を判断する程度のものだったが、これが後にジェットジャガーに大きな影響を及ぼす事になる。
普段は伊吹の研究所の電波操縦機で遠隔操縦される。
その高性能故に、人類の核実験への報復を目論む海底王国シートピアに目を付けられて強奪されてしまい、
王国の怪獣
メガロの進撃の水先案内人として操られてしまうが、伊吹によってジェットジャガーは奪還される。
伊吹は取り戻したジェットジャガーを怪獣島に向かわせてゴジラに連絡を取ったのだが、
怪獣島から帰還したその時、
不思議なことが起きた。
ジェットジャガーが良心回路の影響によって自我に目覚め、さらに
自らの意思による巨大化能力を発揮したのだ
(この巨大化能力は当初から搭載されていた機能ではなく、開発者である伊吹にとっても想定外の事態だった。
これを目の当たりにした伊吹は「メガロと戦おうという意思が巨大化させたのだ(意訳)」と口にしている)。
巨大化したジェットジャガーは怪獣島から駆け付けた
ゴジラと共に、メガロとその援軍である
ガイガンと交戦。
ゴジラと抜群のコンビネーションを発揮し、戦いの末に二大怪獣を退散させる事に成功。
全てが終わった後は本来の等身大サイズに戻り、良心回路の本来の機能を除いて自我も消えてしまった。
なお、数多くの
怪獣が登場した格闘ゲームである、
『ゴジラ 爆闘烈伝』『
ゴジラ 怪獣大決戦』のいずれにも
人型は作り易そうものなのだが登場していない。
ただし『ゴジラ 爆闘烈伝』のディスク読み込み失敗画面には、同じく参戦出来なかった
ミニラと一緒に、
こっそり劇中の他キャラと同じ画風の
ドットで登場している。
他にはPSのソフト『ゴジラトレーディングバトル』(ジャンル:カードゲーム)に登場。
戦闘シーンでは、
ヒーローの光線技っぽいポーズで体から液体窒素を出す劇中未使用の技を使ったり、
ミサイル、掌からのビームをバトルカードの技として使っていた。
ちなみにカードイラストはリアル風アレンジが効き過ぎており、戦闘シーンとは対照的に異様に怖い。
また『ゴジラ怪獣大乱闘 地球最終決戦』でもプレイアブルキャラクターとして参戦、
巨大化に加え
縮小化も習得し、更に
カイザーウェイブっぽいポーズで光線技を放つ。
さらに2014年発売のPS3ソフト『ゴジラ -GODZILLA-』にまさかの抜擢。
第2弾PVのトリを飾ったり、公式がツイッター上でジェットジャガー祭りと称してスクリーンショットを公開するなど謎の推されっぷりを受けている。
公式ツイッターで明かされた裏話によると「プロデューサーが指示もしていないのに、勝手に3Dモデルが作られていた」との事。
余程のファンがスタッフにいたようだ。
映画版とは違いその出自などは一切不明で、「何者かがゴジラを止めるために作ったのか」と推測されるのみにとどまっている他、
ジェットジャガーの名前が出てくるのも二度目の出現時にオペレーターにより命名される形となっている。
これまでのゲーム作品とは違って肉弾戦オンリーで、ドロップキックやフライングアタックなどで攻撃してくる。
そして、ジェットジャガーに計3回勝利すると挿入されるデモシーンでは…。
余談だが、『ゴジラ対メガロ』ドイツ語版では何故か名前が
キングコングになっているらしい……
(ポスターもキングコングを意識してツインタワーの屋上にゴジラとメガロが対峙している絵)。
(以上、Wikipediaより一部抜粋・改変)
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映画作品以外での活躍 |
TV番組『ゴジラアイランド』
TV番組『ゴジラアイランド』では、白い塗装に赤十字マークの医療用「メディカルジェットジャガー」、
全身赤で塗装された消火活動用「消防ジェットジャガー」といったバリエーションも登場しており、
いずれも『ハイパーホビー』誌上でフィギュアが限定発売された事もある。
「消防ジェットジャガー」は87話にて口から吐く白い消火ガス(効果音的には冷凍ガス?)で森林火災を鎮火しようとしており、
73年版の没設定の口から液体窒素を出すを元にした可能性がある。
アメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』(2013年)
2013年刊行開始の アメコミ『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』ではまさかの大活躍、
要所要所で美味しい所を持って行く準主役級味方キャラとして存在感を示した。
謎のロボットとして人類が研究する中、宇宙人の侵略を察知して、突如自律行動を開始、
以後さすらいのヒーローのように苦戦する人類やゴジラを助け始める。
ちなみに、本作での人類側の巨大ロボットにはジェットジャガー研究で得た知識が使われているらしい。
初登場ではFW版ガイガン、オルガのタッグ相手に苦戦するゴジラとMOGERAの前に突如出現。
ミクロ化してオルガの体内に飛び込んだ後巨大化して突き破るなど、大きさの変幻自在を能力としてフル活用し、
ゴジラとのタッグでガイガンを敗走させた後は、疲労したゴジラを海に放棄すると言う大金星を挙げている。
他にはデストロイアとの戦いで苦戦した際、人間サイズになって機龍に搭乗して操作するという名シーンが存在する。
その後も最終決戦にて侵略宇宙人クライオグの送り込んだ怪獣トリロポッド達と敵対し戦う。
投網と船のイカリで敵怪獣を攻撃するが、ゴジラの遺伝子を吸収し、能力をコピーしたトリロポッドに苦戦を強いられる。
しかしその最中にトリロポッドに敵対する地球怪獣の ジラが強襲、
ジェットジャガーがトリロポッドを抑え込んだ事で、ジラの攻撃が敵の喉笛に直撃しトリロポッドは倒された。
その後は宇宙人の宇宙船を攻撃、襲来したFW版ガイガンと1対1で死闘を繰り広げた。
本作は2017年に株式会社フェーズシックスより日本語翻訳版が刊行されており、ジェットジャガーは日本語版では2、3、5巻に登場する。
小説『GODZILLA 怪獣黙示録』(2017年)
2017年にアニメ映画の前日譚として書かれた小説『 GODZILLA 怪獣黙示録』では、
ジェットジャガーを意識したと思われるパワードスーツ「ジャガーJ」が登場。
正式名称は「38式機動戦闘服ジャガー日本仕様」。
異星人「ビルサルド」から提供された科学技術が使用されており、スペースチタニウムで構成された装甲と、
高い情報処理能力を持ち、 ビオランテ戦で一定の成果を上げた。
また、注釈で「惑星移民船用の土木作業ロボットにもこの技術が使われている」とジェットジャガーの存在を示唆する記述がある。
アニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(2021年)
大滝吾郎「体は鋼、頭脳は電子 泣く子も黙る、黙る子も泣く ジェットジャガーたぁこいつのことだ!」
なんと主役側の主戦力として抜擢される。
主人公の1人である有川ユンの働く「オオタキファクトリー」にて、
オーナーの大滝吾郎(通称「おやっさん」)の意向のもと「世界平和」を目的に開発されたロボット。
全高約5.4m。
外見は 「ジェットジャガーの頭をくっつけたクレージーゴン」とでも言うべき、作中で 「死ぬほどダサい」と揶揄されるほど不格好なもの。
「世界平和のために」作られた戦闘用ロボらしいが、そう戦闘など起きるはずもないのでもっぱらイベント用に出展されていた。
だが、怪事件に巻き込まれる内に ラドンや アンギラスといった名立たる怪獣達と激闘を繰り広げる事になり、改造を繰り返されていく。
胴体内部にはコクピットが存在し、通常はおやっさんが乗り込んで戦闘を行うが、
無茶をして気絶したおやっさんの代打としてユンの所有するAI「ユング」(CV:
釘宮理恵
)が制御する無人機として戦闘を続行する場合が多い。
アンギラス戦後はユングの制御を前提とした完全な無人機「ジェット・ジャガー・ユング」に改修された。
内蔵武装は無くアームによる格闘能力も頼りないものの、アンギラス戦では大滝の知人が持ち込んだ捕鯨砲を使用した他、
AIのデータ蓄積で安定性が増したため、 無許可で横領したアンギラスの角を先端に括り付けた武器「 ロンギヌス アンギラスの槍」を装備可能になった。
可愛らしいくぎゅボイスで「えい!やぁ!とう!」と画面狭しと暴れ回るジェットジャガーの勇姿は、一見の価値あり。
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シンギュラリティの果てに(※ネタバレ厳重注意) |
物語終盤、AI「ユング」は 特異点(シンギュラポイント)を超えて爆発的な成長を開始、
ゴジラ・ウルティマと接触した際には更なる驚異の現象を引き起こす。
ゴジラによる「世界の破局」(超物質「紅塵(アーキタイプ)」による既存の物理法則の崩壊)を止めるため、
オーソゴナル・ダイアゴナライザーの起動コードを求めていたもう一人の主人公・神野銘とAI「ペロ2」が
導き出した「答え」は、『起動コードは存在しない』という絶望的事実。
ジェットジャガーもゴジラの攻撃によって行動不能となり、皆が絶望しかけた時、
既存の物理法則を超越し、突如としてジェットジャガーが5m大から100m大へと巨大化、ゴジラと戦い始めた。
現代から過去に向けて演算を繰り返していたペロ2とユング(ジェットジャガー)は、
「起動コードが存在しないのなら、新しく作ればいい」という「答え」に辿り着き、
有川ユンが作成していた「ジェットジャガーを最強にするプロトコル」を元に、
怪獣達同様、紅塵を利用して物理法則を凌駕した最大最強のジェットジャガー、「ジェットジャガーPP」となったのだ。
そしてゴジラ・ウルティマとの激闘の末、自身諸共ゴジラを結晶化させて倒し、紅塵をも無害化させて世界を救ったのだった。
ジェットジャガーPP「ありがとう、有川ユン。そして、さようなら!」
……要はこの物語、「人工知能が成長した結果突如巨大化する」というかつてのジェットジャガーの荒唐無稽極まる行跡を、
SF的に徹底的に考察した上で物語の必然として構築し直した作品なのだ。
錯綜して縺れに縺れ切った謎の数々が、きれいに解き明かされた上で最後は巨大化したジャガーにより全てが引っくり返されるという体験は、
中々に得難いものであると言える。考察アニメ好きとかで興味が湧いた方は是非観て欲しい作品である。
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余談だが、前年の『 ウルトラマンZ』における セブンガーとは、
「過去の作品に登場したマイナーキャラが、主要キャラに抜擢され活躍する」という立場が共通している。
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余談 |
ジェットジャガーの前身となったキャラとして、
東宝と円谷プロと西友グループの共同企画「ちびっ子怪獣大学」にて一般公募で選ばれた「レッドアローン」というロボットが存在していた。
ただし、ジェットジャガーとは胴体以外大きく外見が異なり、竜のような翼があったり顔も鳥に似たものとなっている。
そして『ゴジラ対メガロ』にも登場予定であったが、胴体だけ流用され現在のような人型ロボットに変更された。
なお、初期のポスターでは「レッドアローン」を名乗っている台詞が吹きだしで合成されている。
また、『 新世紀エヴァンゲリオン』にはジェットジャガーをモチーフとした「ジェット・アローン」なるロボットが登場する。
色合いが若干似ていたりジェットジャガーの口のような意匠が見られる他、名前は上記のレッドアローンからもとられている。
このジェットアローン、旧作ではただ暴走してエヴァがそれを食い止めるだけのやられ役で、活躍らしい活躍は派生作品でしか見れなかったのだが、
奇しくも『ゴジラ S.P』と同年公開の『シン・エヴァンゲリオン』において、エヴァンゲリオン弐号機の補修パーツとしてまさかの再登場。
大破した機体の大部分(頭部と右腕以外)を補い、ほぼジェットアローン状態の弐号機が最終決戦に参加するなどの活躍を繰り広げた。
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MUGENにおけるジェットジャガー
怪獣キャラでお馴染みのカーベィ氏により『
ゴジラトレーディングバトル』の
スプライトを使用したものが存在。
当初は無限ロダのup4269で公開されており、同所の閉鎖後はデータ紛失により長らく入手不可能だったが、
作者が再うp願いを出した所、MUGEN関係ファイルうpろだのup0030に
ミニラと共に再公開された。
そちらも閉鎖された後はカーベィ氏曰く「準備中」の状態が続いていたが2013年1月30日に氏のサイトでβ版として再公開された。
その後2024年にkMIKEj氏が描いた
スプライトを用いたものに更新され、アニメーションの枚数が増えた他、性能も更新前とは大きく変わっている。
主にパンチやキックなどの肉弾戦を中心とした技構成になっており、ヤクザキックやドロップキックなどが搭載されている。
また遠距離の相手には劇中でもメガロに使用した目からの強烈なフラッシュによって行動を制限することもできる。
超必殺技は相手に強力なパンチを行う「ジャガーパンチ」、
某ヒーローのようなキックを行う「ジャガーキック」の他、
相手を背後から掴んだと思ったら
明らかに重力を無視したゴジラが画面外から飛んでくる「重力無視キック」の三つが搭載されている。
また、特徴的な巨大化シーンや印象に残るサムズアップなどの要素も再現されている、、
カラーによっては前述の『ゴジラアイランド』の「メディカルジェットジャガー」、と「消防ジェットジャガー」の姿も使用可能。
AIもデフォルトで搭載されており、テールランプで相手の動きを止めつつ隙あらばドロップキックや投げで攻撃してくるものとなっている。
同じくカーベィ氏によって同作に登場した1973年版ゴジラ(通称「メガロゴジ」)も製作されているため、
原作繋がりでタッグを組ませてメガロやガイガンと戦わせてみるのもいいかもしれない。
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更新前の性能 |
原作では主に肉弾戦が中心だったが、他のゲーム作品等の技も搭載されている。
必殺技では原作でも見せた目潰し攻撃である「テールランプ」が強力で、 全地上判定かつ一定時間相手の動きを止める事が出来る。
他にも『ゴジラトレーディングバトル』で見せた液体窒素が搭載されており、範囲は狭いが当たれば相手を凍らせる事が出来る。
超必殺技は三種類搭載されている。
「ジャガーミサイル~ジャガービーム」は最初に数発のミサイルを胸から発射した後に どこかで見たようなポーズでビームを発射するというもの。
範囲としてはほぼ画面の端まで届くため使いやすい技である。
「ジャガータイフーン」は『ゴジラ怪獣大乱闘 地球最終決戦』のように自らが竜巻となって攻撃する技である。
回転中は無敵、また左右に移動も可能であり、クリーンヒットするとかなりのダメージが期待出来る。
「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ!」は原作の動きを再現した投げ判定の技であり、
成功すると相手を拘束した上で かなり理不尽な態勢のゴジラが二回ドロップキックをしてくれるというもの。
原作のラストでメガロに行った動きの再現であり、原作ファンならニヤリとするだろう。
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2024年11月9日には、同じくカーベィ氏によって『フェス・ゴジラ 5 怪獣大決戦』に登場したジェットジャガーも公開された。
この他にも、同じくカーベィ氏によるコンプゲー『
AIメカゴジラ対戦格闘ゲーム』には、
AIによって描かれた画像を元に作られた
「AIジェットジャガー」が参戦している。
出場大会
削除済み
最終更新:2024年11月30日 20:48