ウルトラマンゼット


「押忍!」

「ご唱和ください、我の名を!

 ウルトラマンゼーット!!」

「ウルトラマンゼーット!!」

円谷プロの特撮作品『ウルトラマンZ』に登場する主役ヒーロー。
決してゼットンとフュージョンした訳ではないし、マジンガーZとも関係無い。
というか「宇宙恐魔人ゼット」という同名キャラがいる上に『ギャラファイ』でも共演した事で大分ややこしい事態に…

担当声優は 畠中祐 氏。
タイガ』~『UGF 大いなる陰謀』の間に宇宙警備隊に入隊した新人で、ウルトラマンゼロ自称(重要)弟子
年齢は5000歳で、地球人基準ではゼロよりやや年下の高校生程度(実はタイガよりは年上)。
前々作のウルトラマンブルはダブル主人公の片割れ、
前作のウルトラマンフーマは主人公が使い分けで変身するウルトラマンの一人であったので、
ウルトラマンコスモス以来となる、基本色が青の単独主役ウルトラ戦士となる。

ある日、デビルスプリンター*1対策用に自身も被験者として開発に携わっていた「ウルトラゼットライザー」「ウルトラメダル」が、
光の国に侵入してきた怪獣ゲネガーグに強奪される事件が発生し、
諸事情で追跡圏内にいたゼットがゼロと共に追撃に向かったのが物語の発端であった。
運悪くゼロがブルトンの異次元空間に捕らわれたため単身ゲネガーグを別の宇宙の地球まで追撃する。
その戦いで成り行きながらセブンガーを駆って共闘していたナツカワ・ハルキ(演:平野宏周 上記画像右の人物)が死亡、
自身も重傷を負って単独での戦闘が難しくなった事もあり、彼と同化してその命を救い、共にゲネガーグを撃破する。
当初はその戦いで各地に散らばったメダルを回収する目的で地球に滞在していたが、
その後何者かがウルトラメダルの技術を悪用した「怪獣メダル」を利用しているのを知り、
ハルキと共にその黒幕が起こす騒動に立ち向かうことになる。
おかげで新人のウルトラマンには明らかに荷が重すぎるボスラッシュを体験することになるのだが

ニュージェネレーションシリーズは『タイガ』で一区切りしたと公言されている事、
『ギンガ』が『Z』放送の2020年には既に年季が入った事もあり、当初こそ公式で『Z』がニュージェネ作品と称された事は無かったが、
メイン監督の田口清隆氏は「ほぼニュージェネ」「ニュージェネの総決算」と発言しており、
設定や作風自体もニュージェネ作品のそれを色濃く残している他、次作の『トリガー』も副題に「NEW GENERATION TIGA」が付けられるなど、
まだ広義でニュージェネのウルトラ作品と同列に扱われることも多かった。
その一方で、『ウルトラシリーズ』の王道を踏襲しつつも久々に防衛隊所属の変身者などの過去作への回帰や、
過去作の視聴者が仰天する爆弾がレギュラー内に潜んでいるなど、
『Z』以降の作品の物語はニュージェネ作品のノウハウを一部踏襲しつつセオリーを外した新たな試みが随所に見られるため、
上記のように公式でニュージェネと呼ばれていない事も手伝って『Z』以降は「令和ウルトラマン」など別の呼称で区別すべきという声もあった。
そして、2023年放送の『ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ』にて、正式に『Z』もニュージェネの括りとして扱われるようになった。

撮影当時は新型コロナウイルスの世界的流行の真っただ中にあり、色々と制約があったことを監督やスタッフが言及しているが、
変身者であるハルキの視点を主軸にして、平和を守ると同時に平和を脅かす存在でもある兵器の在り方に踏み込んだ物語構成や、
過去作からのリスペクトやゲストキャラクターを多く入れつつも、古参ファンを喜ばせながら初見組を置いてけぼりにしない絶妙な演出、
『ウルトラシリーズ』では久々にニコニコで配信され、上記の事情で在宅率が高かったことで視聴者が多かったこともあり、
同時期のシリーズ作品と比較しても非常に高い評価を得るに至っている。
そのせいで転売屋に目をつけられたり次回作のウルトラマンはとんでもないハードルを置かれたりする羽目になったが
なお本作には劇場版が存在しないが、(おそらく『シン・ウルトラマン』との兼ね合いで)当初から制作予定がなかったという事が言及されている。



キャラクター概要

+ 人物像
宇宙警備隊員としては地球赴任当時のウルトラマンメビウスよりも立場が下回る、
まだ研修期間も終えていない見習いレベルであり、ゼロ曰く「半人前以下の三分の一人前」。
ゼロを師匠と慕っているが、ゼロは「自分は弟子を持てる程立派ではない」と弟子入りを認めておらず、
その関係性はむしろこいつらに近い。
なお、ゼロから「弟子入りをするならウルトラ六兄弟とかもっと相応しい人がいるだろう」と言われた際、
ゼロへの弟子入り希望の理由として「(六兄弟は)大御所過ぎて恐縮してしまう」
「(ゼロは)近寄り難い程の地位も無いから」としていた(一応、「数々の戦いに勝利し、宇宙を救ってきた」等も理由に挙げている)。

下記の通り色々と敬語等が間違っていたりするのだが、ゼロ以降呼び捨てタメ口が当たり前となっていた中で、
オーブ以来となる、全ての先輩戦士に敬語を使う後輩系ウルトラマン。
更にウルトラ兄弟以外のメンバーでは珍しく、兄弟(師匠持ち除く)を「〇〇兄さん」と呼ぶ。
このためついに「メビウス兄さん」と呼ばれ、また「マン兄さん」が公式となった。
なお、変身者のハルキは他のウルトラマンの事を全然知らないため、基本的にゼットと同じ呼び方をする。
ジードに対しては「同じ師匠に師事する兄弟子」と認識しており、「ジード先輩」と呼ぶ
(ハルキは設定上リクより年上なので、「リクくん先輩」呼びで基本丁寧語)。

歴代のウルトラマン達と比較してもずば抜けて天然な性格をしており、
ゼロとの会話では割と無自覚に空気の読めない発言や地雷を踏む発言をしては怒られていた。
また、ハルキとの会話では敬語とタメ口と高尚な口調が入り混じったような珍妙な喋り方(通称「Z語」)をしている。
ボイスドラマなどでは敬語の使い方に難があるものの普通に会話できているため、
他のウルトラマンのようなテレパシーで伝えての自動翻訳ではなく、自力で地球の言葉(というか日本語)を話そうとしているのでは?と視聴者から推測されている。
テレパシーが苦手なのだろうか?
(セブンやレオ、80やメビウス等の「地球人とは同化していないウルトラ戦士」達も自力で日本語を話しているはずだが、
 彼等の場合は予習済みなのだろうか)
またバロッサ星人の卑怯な手段に「汚いですぞ!」とZ語で返していたため、日本語に限らず光の国の言語以外が苦手だと思われる。
なお変身者であるハルキ以外の地球人にはゼットの言葉は聞こえず、意思疎通を図りたい場合は気合とボディランゲージで頑張る必要がある。
へりくだっているのか偉そうなのか分からない変身時の決め台詞「ご唱和ください、我の名を!」も、恐らくはGoogle翻訳そういった理由からなのだろう。
おまけにハルキ一人に対してなのに「ご唱和」である(当然ながら一人で唱和はできない)。
特にハルキとのコント空間インナースペースでの会話がぶっ飛んでおり、
ウルトラマンは喋らない方が神秘性があっていい」という古参ファンも「ゼットくんは面白いからもっと喋って欲しい」と言ったとか。
基本的に礼儀正しい性格なのだが、本人は精神年齢が地球人で言う高校生くらいなのもあって、
5000歳という年齢を知ったハルキから(コテコテの体育会系のため、年上には敬意を払わないといけないから)、
第1話での言動を謝罪され、敬われ丁寧語という頭が低い態度に激変した時には、「気持ち悪いからやめてほしい」と若干引いていたりも。

口癖は今までありそうでなかった「ウルトラ○○」
ショックを受けた時に「ウルトラショック」と言ったり、日本語の難しさを「ウルトラ難しい」と形容するなど、
日本語で言う「超○○」のようなニュアンスで使っている事が多い。
これ自体はボイスドラマなどでも普通に使っているため、所謂「Z語」と違い単純にそういう言い回しが好きなだけのようだ。

なお、未熟ながらも意外な事に「ウルトラマンとして地球に対するスタンス」は確立しており、
超獣の技術から作られた空間を破壊する超兵器「D4レイ」の恐ろしさを危惧するハルキに対して、
地球人が自力で怪獣を倒せるならそれはいいこと」「(それをどう使うかは)この星の人類が決めることだ」と告げている。

+ 名前の由来
「ゼット」という名前はウルトラマンエースが名付けたもので、
「この宇宙から争いを無くし、平和をもたらす最後の勇者であれ」という願いを込めて、
地球の言葉で「最後」を示す「Z」の名を与えたらしい。
「ご唱和ください!」と自分の名前をアピールするのも、偉人であるエースが名付けてくれたという面が大きいと思われる。
ちなみにゼットはハルキに「エース兄さんには昔世話になったんだ」と説明している。

なおウルトラマンの日の記念動画で、ゼットが初代ウルトラマンへのメッセージを授かりに5兄弟、そしてウルトラマンに会いに行く流れがあるが、
エースだけゼットの肩を親しげに叩くという、他の5兄弟と異なり既知のような描写で伏線が張られていた。

+ ネタバレ・考察注意
そんなミステリアスの欠片も無いゼットだが、ゼロやタイガと異なり出自がよく分かっていない。
本人の言動から宇宙警備隊入隊前から光の国で生活していたのは間違いないが、
ゼロの口から光の国出身ではないことを示唆する発言が出ており(この際、本人は「その辺りは非公開」とやんわり断りを入れて話を遮った)、
本作がウルトラマンエースのオマージュが多めなこと、エースが名前を付けた(≒本名が別にある?)こと、
ゼットが他人の心情が読めないというより、読み方を知らないかのような言動から、
「ゼットも孤児なのでは?」という考察が挙げられている。
また、容姿という点ではオリジナルの時点で他のM78系ウルトラマンと違い黒が配色されている
(ベリアルとトレギアも闇に落ちる前は体の色に黒は配色されていなかった)。
更には今までエースの専売特許だったウルトラホールを所持している
(ゼット自身も指摘されるまでは、自身のそれがウルトラホールだと知らなかった)。
また戦闘能力も、仮にブルー族だとした場合、同じくブルー族のトレギアはフィジカルに難があり、
最高戦力のヒカリですら長期になると過労死しかねないのに、ゼットの総合的な戦闘力は異例といえるほどに高い。

+ 形態
戦闘では光の国で開発されたウルトラゼットライザーとウルトラメダルを三枚使用し
様々な形態にウルトラフュージョンして戦う。
ウルトラフュージョンするには特定の3枚のメダルが必要で、無作為にメダルを用いても変身できるわけではないらしい。
ゲームオリジナル形態の販促回のボイスドラマにて、ゼロと二人で考案した組み合わせをヒカリに提案しにいく下りがあるため、
基本的にヒカリによって決められている模様。
全形態で共通して「ゼスティウム光線」を必殺技とする。
また各形態で槍型の武器ゼットランスアローを使える他、
ウルトラゼットライザーを武器として使用することも可能で、
ウルトラメダルを読みこませる事で「ライトニングジェネレード」「M78(ナナハチ)流 竜巻閃光斬」などの必殺技を発動可能。
ウルトラマン三人分の力を利用できる事から、ゼットライザーはかなり強力なアイテムなのだが、
ゼット本人及び変身者のハルキが戦士としては未熟なこと、何より通常の怪獣として別作品のラスボス怪獣やら劇場版ボスが普通に出てくるため、
(一応、諸事情で弱体化していたりはするが)苦戦も多かった。

  • オリジナル
ウルトラフュージョンしていないゼット本来の姿。
非戦闘時は基本的にこの姿をしている他、何らかの事情でウルトラフュージョンが維持できなくなった際も強制的にこの姿に戻る。
また、ライザーにメダルを装填せず使用する事でも変身でき、本編では主に人間大の宇宙人と戦う際に使用していた。
一応この姿でも基本的な戦闘技術は駆使して戦えるが、本人の未熟さも相まって実力は御察し。
一応は基本形態なのだが、ファンからはウルトラマンネクサスのアンファンスのようなパワーアップ前の弱形態とされる事も多い。
+ ネタバレ注意
最終回ではデストルドスとの戦いでウルトラフュージョンできない程のダメージを受けこの姿になるが、
地球人達の声援を「光」として取り込み、残る力を全て振り絞りデストルドスを圧倒し、
ハルキと共にウルトラメダルの力を借りないままこの状態で撃破するという成果を上げた。
なお、この後飛び立とうとしたらエネルギー切れで墜落するという締まらないオチがついた

デストルドスは第1話でゼットが圧倒されたゲネガーグよりも遥かに強大な、
それこそ熟練のウルトラマンでも下手したら返り討ちにされかねない程の星1つ滅ぼせる強大な敵であり、
数々の戦いを経てゼットが大きく成長したことを証明する戦果であった。
以降は、この形態でも十分強敵相手に戦える実力を見せている。

このため、本編ではこの形態に直接変身することはなく、
ウルトラマントリガー』で初めてこの形態のぐんぐんカットが出ている。

  • アルファエッジ

 飛行速度:マッハ10
 走行速度:マッハ3
 ジャンプ力:880m
 地中潜行速度:マッハ2.5
 水中潜行速度:マッハ3.5
 腕力:10万t
 握力:7万5千t

「宇宙拳法、秘伝の神技! ゼロ師匠!セブン師匠!レオ師匠!」

ウルトラマンゼロ、ウルトラセブンウルトラマンレオのメダルで変身した形態で、
最初に登場したウルトラフュージョンかつ、実質的な基本形態扱い。
基本形態では珍しいスピードタイプで、身軽な身のこなしと、師匠譲りの宇宙拳法による攻撃スタイルを取る。
変身者のハルキが空手の経験者ということもあって相性がよく、最も使用頻度が高い。
なおハルキ自身も等身大の戦いではアルファエッジ同様の構えを取るため、
どちらかというとゼットよりハルキ向きの形態となっている。
ウルトラフュージョン最速のマッハ10の飛行速度を誇る他、頭部のゼットスラッガーや、
ゼットスラッガーをエネルギーで連結して光刀を備えたヌンチャクのように扱う「アルファチェインブレード」を備え、
ウルトラ戦士のスピード形態にありがちな攻撃力や耐久力不足がほとんど存在しない。
何気にゼットライザーとゼットランスアローを両方使った唯一の形態だったりする。
またハルキがヘビクラ隊長との稽古で心眼に目覚めたため、透明化やテレポートをする相手とも互角に戦えるようになった。
形態独自の必殺技はエメリウム光線の発展版「ゼスティウムメーザー」。
ただし、主なダメージ源は「技」であり、純粋なパワー勝負だと真っ向からは圧し負けることが多い。

  • ベータスマッシュ

 飛行速度:マッハ5
 走行速度:マッハ1.2
 ジャンプ力:600m
 地中潜行速度:マッハ3
 水中潜行速度:マッハ4
 腕力:15万t
 握力:10万t

「真っ赤に燃える、勇気の力! マン兄さん!エース兄さん!タロウ兄さん!」

初代ウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウのメダルで変身した形態。
赤い目元など円谷が生み出した鬼畜ヒーローにして「赤い通り魔」ことレッドマンを思わせる外見をしているが、
デザイナー曰くデザイン段階では目元は銀のままだったのが造形時に赤く塗られたとの事で(犯人は監督らしい)、意図して似せたわけではないらしい。
でもカネゴンが総集編回で「赤いアイツだー!」って呼んだり、
ゼットランスアローを「ゼットアロー」と叫んで使ったりと、露骨にそのネタでいじってきたがな
プロレスラーがモチーフであり、ラスボスであるデストルドスですら「ラリアットでゼットにカウンターをする」等、敵をもプロレス時空に引き込んでしまう。
またゼットは定番の「シュワッチ!」等とは別に、日本語にしか聞こえない掛け声をたまにするのだが、
ベータスマッシュは初登場からして「ウロトラマーンゼーットベータスマーッシュ!」としか聞こえない掛け声で登場するなど、その比率が圧倒的に多い。
ウルトラフュージョン最強の腕力15万トンのパワーと、ハイパーアーマー並みの頑強さを備えており、
全形態の中で最も肉弾戦を得意としている。
ただし、バリアが張れなくなるという致命的な弱点が存在する。
固有の必殺技は「ゼスティウムアッパー」。
実はウルトラマンにはパンチで怪獣に致命傷を与えたのはエースやタロウなど多くいるが、
パンチ系の必殺技持ちは映像作品未使用のアストラ程度で意外と少なく、希少な存在だったりする。
製作陣もキッズ達が下手にマネしないように意識したのか、アッパー以外の態勢で撃つことは無かった。
また、バラバ戦ではエースからエネルギーを与えられて、ゼット版スペースQに当たる究極技「スペースZ」を使用している。

  • ガンマフューチャー

 飛行速度:マッハ8
 走行速度:マッハ2
 ジャンプ力:720m
 地中潜行速度:マッハ2
 水中潜行速度:マッハ3
 腕力:9万t
 握力:6万2千t

「変幻自在、神秘の光…! ティガ先輩!ダイナ先輩!ガイア先輩!」

ウルトラマンティガウルトラマンダイナウルトラマンガイア(V2)のメダルを使って変身した形態。
神秘の力を駆使して戦う形態で、超能力や光線などウルトラフュージョン最多の手札を備えている。
上記のようにガイアはV2、つまりメダルには描かれていないがウルトラマンアグルの力も含まれている。
指パッチンでティガ、ダイナ、ガイアの実態を持つ幻影を出現させて戦わせる「ガンマイリュージョン」や、
光のカード状の光線から多彩な光線や念破を放つ「ガンマシャッフル」、肉体の縮小化を行う「ガンマリダクション」や、
超能力によって魔法陣を展開して物質透過や空間移動を行う「ガンマスルー」、冷凍光線「ガンマフリーザー」など本当に多彩。
特にガンマイリュージョンはタイプチェンジやヴァージョンアップ、TDスペシャル等、フュージョン元の3人ができる事ならなんでもできるため、
バリエーションが桁違いに多い(流石にグリッター化は無理かもしれないが)。
固有の必殺技「ゼスティウムドライブ」は右手からフォトンクラッシャー、
左手からフォトンエッジに相当する光線を一度に放つ。
アルファエッジ同様に純粋なパワー勝負は不得意だが、劇中でウルトラゼットライザーを用いて近接戦も行っているため、
この手の形態では珍しく接近戦をある程度こなす事も可能だったりする。
とはいえ、ホロボロスには圧倒されているためやはり相性差を覆すほどではないようだが。
また、何故かこの形態の変身時は決め台詞や掛け声がクールな物になる。語尾に(キリッ)とか付けるなよ!? 絶対付けるなよ!?

  • デルタライズクロー

 飛行速度:マッハ9
 走行速度:マッハ5
 ジャンプ力:1200m
 地中潜行速度:マッハ4
 水中潜行速度:マッハ5
 腕力:13万5千t
 握力:9万t

「闇を飲み込め、黄金の嵐! ゼロ師匠!ジード先輩!ベリアル!」

最強形態。
ゼロ、ウルトラマンジードのウルトラメダル、非正規品のウルトラマンベリアルの怪獣メダルがライバル同士の共鳴現象なるものを起こして変化した、
ゼロビヨンド、ジード(プリミティブ)、ベリアル新しい奴アトロシアスのライズウルトラメダルで変身したイレギュラーな形態。
パワー、スピード、光線技を高水準に備え、諸事情で手に入れた「幻界魔剣ベリアロク」を主要武器にする。
また竜巻閃光斬の準備段階であるゼットライザーの光剣と、ベリアロクの二刀流も披露している。
ベリアロクがあまりに強いのでそれが目立ち過ぎだが、素手や光線技も十分強く、
無手の時にはジードプリミティブのような荒々しい徒手空拳のスタイルを取る。
総合戦闘能力は間違いなくウルトラフュージョン最強であるが、スピードはアルファエッジ、
パワーはベータスマッシュ、手数はガンマフューチャーより劣っており、
場合によっては相性差などから個々の得意分野で勝る他の形態に出番を譲ることもあった。
弱点は主要武器のベリアロクが「独自の意思を持つ」ために扱いに苦労する点と、
あくまで「デルタライズクローでしか扱えない武器」のため、
ベリアロクにやる気があってもデルタライズクローの維持が出来ない場合はベリアロクが消失する点。

最終決戦前に黒幕にベリアルメダルを奪われたことで一時的に変身不可能になったが、
デストルドスの内部に捕らわれていたヨウコが成り行きでベリアルメダルを持ったまま空中に投げ出されてしまい、
やむを得ず飛び出したハルキがヨウコと共に空中でゼットライザーにメダルを押し込んで変身する形で再登場した
(直前の戦闘でハルキの身体が限界であり、他の形態に一度変身して助けてから再変化できるような状態ではなかった)。
全くの偶然だが、その際の態勢はまるでウルトラタッチ(エースの前期変身ポーズ)をしているかのようであった。

+ 他作品における活躍
  • 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』
『Z』の直前の時系列にあたるChapter3では、ゼロが時空を超えた混成チーム『ウルトラリーグ』を結成するために様々な宇宙を渡っていたためか、
ウルトラマンメビウスに稽古をつけてもらっていた。
その後、ウルトラマン80の救援要請を受け出動するメビウスとタイガに同行を願い、一度は断られるものの無茶をしない条件で許可された。
到着後は宇宙恐魔人ゼット率いるゼットン軍団に対して『ウルトラ銀河伝説』でのゼロの名乗り口上をオマージュした名乗りを上げて挑みかかるも、
メビウスの忠告やタイガの助言を無視した無茶した戦い方でゼットン軍団にボコられていた。
後から救援に来たグリージョ(ヒーラー寄りの能力持ちで戦闘能力は他の救援メンバーよりかは低い)が強化種と戦わず、
なるべく1対1の状況を作って戦っていたのと比べると無鉄砲ぶりが良く分かってしまう
その後、ゼロ達が救援に駆け付けた際にゼロから「一人で何でも出来る気でいる内は大事なことが分かってないって事だ」と、
かつての自分を踏まえたなんだかんだで師匠している助言を受けることになる。
この言葉と先輩達の連携が、宇宙恐魔人ゼット戦や『Z』第1話でのセブンガーとの共闘に繋がっていくことになる。
宇宙恐魔人ゼットとの戦いでは、タイガ・トライストリウムと連携して戦い、トライストリウムのお膳立てこそあったものの、
ゼスティウム光線を直撃させ少なからぬダメージを与えることに成功した。
なお、ゼット本人は宇宙恐魔人ゼットに対して「紛らわしい名前しやがって!」と(登場としては後発なのに)怒りを顕わにしていた。

宇宙警備隊はデビルスプリンター災害により人員不足真っ只中であり、
加えて最高戦力のウルトラ六兄弟はグアとジュダ(いずれも超ボス級)との戦闘の影響で『Z』本編途中まで一時療養、
さらにアブソリューティアン一行に王女ユリアンが誘拐されたことでその救出作戦にも戦力を割かねばならなかったことが描写されており、
結果的にではあるがゼットが戦いに参加し、その後単身追撃に向かった一連の行動は、アブソリューティアンとの本格的衝突の前に、
一大事の最中にさらなる追い打ちになりかねなかった危険分子の台頭を単身防いだファインプレーであった。
また、この行動を取る前に、ゼットン軍団にボコられていたり必殺光線を放っているが、
地球に到達するまでカラータイマーは青いままだった。この事から未熟だった頃から彼はかなり体力があることが窺える。


「ナイスチューミーチュー、私はウルトラマンゼット」

キングジョーSCを奪ったバロッサ星人(四代目)を追跡する途中で、
ブルトンの異次元空間に飲み込まれてウルトラマントリガーのいる次元に遭難してしまう。
中破したSCの再起動を試みるが叶わず、その最中正体不明のSCを調査するGUTS-SELECTと接触し、
トリガーの変身者であるマナカ・ケンゴとの邂逅を果たす。
当初は異次元転移のどさくさでバロッサ星人によってウルトラメダルを奪われた挙句ウルトラゼットライザーを破壊されて変身不能だったが、
ヒジリ・アキトにより代用として専用のGUTSスパークレンスとGUTSハイパーキーを譲渡され、変身能力を取り戻した。
ハルキが使い方をちゃんと聞かなかったため、『ゼット』第1話を彷彿とさせるグッダグダな変身シーンも披露

後に、準レギュラーのシズマ・ミツクニがトリガーの世界とは別のネオフロンティアスペース(ティガ&ダイナの世界)から来た遭難者だと発覚するが、
ハルキという「前例」と出会っていたGUTS-SELECTのメンバー達は、動揺こそしていたが一見荒唐無稽なこの事実を素直に受け入れるに到った。
また、リクとの出会いの際と異なり、ケンゴがウルトラマンの変身者であることを自力で感知できるなど、
ハルキが徐々に地球人離れしていると思しき場面がある。

  • 『セブンガーファイト』
時系列的には『ゼット』と『トリガー』の間にあたる第7話「帰ってきたいあいつ」でベータスマッシュ姿で登場。
今回はハルキのみ声ありだが、ベータスマッシュの掛け声自体は新録となっている。
なお変身前の姿は出せないという大人の事情もあってか、ハルキの声は宇宙セブンガーに搭乗しているヨウコとユカにも聞こえている。
怪獣軍団に囲まれてピンチになった宇宙セブンガーの救援に駆け付け、そのまま共闘。
初代『ウルトラファイト』の系譜の作品かつ、赤いあいつというサブタイトル、
相手を崖から投げ落とす新技「ベータフォール」を習得等、
プロレス技主体という部分を除くと完全に赤いあいつと化していた。

  • 『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』
諸事情でハルキと分離しており、単独行動。
ベリアル銀河帝国跡地でベリアル軍の残党に苦戦するジード、エックス、タイタスに颯爽と加勢。
その後、怪獣墓場にてジードと共にギナ・スペクターと戦うが、タルタロスによってギナがグア・スペクターに強制合体させられ、
グア・スペクターの相手は先輩達が合体したウルトラマンレイガに任せ、自身はグア・スペクターが召喚したメカバルタンとサイバーメカバルタンと戦い、
勝利するも消耗したところを襲撃したベリアルにベリアロクを強奪されてしまった。

しばしの休息の後に惑星ブリザードでの最終決戦に参戦し、ジードと共にベリアルに立ち向かう。
戦いの中、ベリアロクを取り返しただけでなく新たな形態「デスシウムライズクロー」に覚醒し、ベリアルを打ち破った。
なお、この際ベリアロクから「本来の持ち主」と言われており、ハルキだけでなくゼットの事も所有者と認められていることが描写されている。

戦闘終結後はレグロスとゼロの訓練を見学していたところでゼロから訓練に誘われるが、
興味は見せながらもバロッサ星人の不穏な噂を聞いたという理由から、
ハルキと合流してゼットの世界に向かうと断っており、その結果として『トリガー』の事態に巻き込まれたようである。
また『セブンガーファイト』ではヨウコ達(セブンガー)との久しぶりの再会であり、
戦闘後にバッテリー切れを起こしたセブンガーをZの地球まで運んでいるため、
『運命の衝突』→『セブンガーファイト』→『トリガー』という時系列だと思われる
(『トリガー』が『運命の衝突』より時系列的に後なのは本編にゲスト出演したリブットが言及していた)。

  • 『ウルトラマンニュージェネレーションスターズ』
メインの語り手ポジションとして登場。
光の国からウルトラマン達の記録が消えたため、失われたニュージェネレーションヒーローズの歴史を取り戻すべく、
ゼロから託された複製ディメンションナイザーを持って奔走した。
第16話ではストレイジの隊長であったヘビクラ=ジャグラス ジャグラーを因縁深いオーブと共に振り返り、
ジャグラーが(ゼットからすれば意味不明な)過去話をした時の出来事も語っているが、
事情を知っているオーブは未だジャグラーが『THE ORIGIN SAGA』の出来事を引きずっている事を悟って複雑そうな反応をしていた。

  • 『ウルトラマンニュージェネレーションスターズ(2025年版)』
同じくメインの語り手ポジションとして登場。
ゼロから指令を受けて惑星イアリムに来訪し、そこでエディオムと出会う。
なお、『運命の衝突』の後でハルキは多忙になったストレイジに復帰したため、同作時点では再会を約束して分離している。


MUGENにおけるウルトラマンゼット

BlackCat氏の製作したキャラが公開中。
デフォルトではアルファエッジの状態で戦闘を行うが、
更新によりベータスマッシュ、ガンマフューチャーにモードチェンジする技が搭載された。

アルファエッジはスピーディな動きから繰り出されるコンボと、
超必殺技「ゼスティウム光線」などの強力な飛び道具が特徴的な性能。
ベータスマッシュは動きが緩慢な代わりに高い火力を持ち、
「ベータボディ」により一時的にスーパーアーマー化できるなど近接戦向けの性能。
飛び道具は使用可能だが、アルファエッジよりやや性能は抑え目となっている。
ガンマフューチャーは飛び道具や「ガンマイリュージョン」による複数のストライカーによる弾幕戦を得意としている。
「ゼスティウムドライブ」をはじめとした広範囲攻撃が多いだけでなく、
「ブラックホール」で敵を引き寄せたり、「ガンマフリーザー」で敵を凍結させるなどトリッキーな技も持つ。

AIもデフォルトで搭載されており、演出等も相まって見応えのある戦いを見せてくれる。
だが、ゲージ技を含めた各種技が高火力かつ発生が早いため潰すのに困難技によっては喰らい判定が無いor無敵なので強さのランクは凶下位~凶中位
旧バージョン(アルファエッジ紹介)
旧バージョン(ベータスマッシュ紹介)
旧バージョン(ガンマフューチャー紹介)
旧バージョン(3ゲージ技紹介)
最終更新版(DLは下記の動画から)


「手を組まないか?私もお前の力が必要なのでございます。

 …言葉通じてる?」

「いや、通じてんだけど、言葉遣いがちょっと、変ていうか…」

「えっ…マジ?参りましたなぁ…地球の言葉はウルトラ難しいぜ…」

出場大会

  • 「[大会] [ウルトラマンゼット]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
かつてウルトラマンベリアルが宇宙警備隊などと戦った際に飛散した細胞が変化した物質。
上級レイオニクスであったベリアルの細胞はそれ自体が高濃度のレイブラッド因子の塊であり、
各地で怪獣を蘇生・狂暴化させる騒動を引き起こしていた。

なお、見た目はベリアルの目を思わせるオレンジ色の結晶体に黒い物質が付着しているようなものとして描かれているが、
視聴者からはこれがホクホクの焼き芋に見えるという声が続出。
デビルスプリンターを手にしているシーンの多いカブラギ役の野田理人(現・林カラス)氏など公式サイドからも言及される珍事を引き起こした。


最終更新:2025年04月29日 15:25