キングコング


1933年に公開されたアメリカのRKO製作の映画『キング・コング』に登場する巨大なゴリラ

本作は人形を使ったストップモーションによる世界初の怪獣映画であり、
ゴジラ』『ウルトラマン』で有名な円谷英二が特撮監督を志すきっかけとなった作品でもある。
キングコングの存在なくして日本お馴染みの怪獣モノ文化は生まれなかったと言えるだろう。

「巨大なゴリラが当時の最新鋭兵器である機銃を積んだ飛行機と戦う」という画期的な特撮、リアルなゴリラの造形、
世界初のトーキー(音声と映像が同期した作品)怪獣映画作品であること等、様々な点で映画史に残る作品である。
この映画のヒットにより経営が火の車であったRKOは一気に持ち直し、20世紀FOX、ワーナーマイカルブラザーズ等と並ぶ、
映画業界の5大トップ企業である「ビッグファイブ」の一角を担うこととなった。

本作において巨大ゴリラの「キングコング」が与えた影響は非常に大きく、正規ライセンスかそうでないかを問わず、
類似したキャラクターが後に多数の映像作品等に登場することとなる。

また、このモンスターに名付けられた「コング(KONG)」という造語は日本に限らずアメリカでも「ゴリラ」の意と勘違いされる程に認知されており、
気は優しくて力持ち」のキャラクターに対して付けられる典型的な名前としても定着している
(例:映画『特攻野郎Aチーム』のコング、ドンキーコング、『テイルズオブデスティニー』シリーズのマイティ・コングマンetc)。
特にドンキーコングはヒロインを浚ってビルの頂上へ登っていくも最後は主人公に敗れて地面へ真っ逆さまという、本作の一作目に似た内容だった。
なお「コング(KONG)」の由来は「K」という文字が好きだった映画監督のメリアン・C・クーパーが過去に構想していた、
コンゴから本物のゴリラを捕まえてきてコモド島のオオトカゲと戦わせて撮影する」企画が元になっている。


概要など

南洋のドクロ島にすむ巨大なゴリラで原住民には神として恐れ、崇められている。
勘違いされやすいが「キング・コング」とは「キング・アーサー」や「プリンセス・シシー」と同じく
「コングと言う名の王」と言う意味であって「コング(ゴリラ)の王」と言う意味ではない。
(英語では「コングの王」は「キング・オブ・コング」と表記される)。
キングギドラは「ギドラの王」と言う意味だったじゃないかって?そんな事俺が知るか!作者もとい宇宙人か古代人に聞け!

身長は、
  • ドクロ島では5.4メートル
  • NYでは7.2メートル
という設定になっている。大きさが違う?特撮ものにはよくあることだから気にするな!
なお、ドクロ島にはキングコング以外にも様々が生息しており、
中でもティラノサウルスはキングコングと激しい戦いを繰り広げた。
当時の人形アニメーションで表現されたこの死闘の迫力は凄まじく、
後の多くのストップモーションでの怪獣、恐竜の戦闘シーンや、
先述のように『ゴジラ』など初期の日本の怪獣映画に影響を与えた。

+大まかなあらすじ
野心家の映画監督カールは地図に載っていない島「ドクロ島」の巨大生物の話を耳にし、
そこで猛獣映画の撮影をしようと目論み女優のアンをスカウトする。

クルーは島へと辿り着いたが、原住民からこの島の主である巨大なゴリラ"コング"の話を聞かされる。
そしてアンは原住民に生贄としてとらえられ、彼女はコングにさらわれてしまう。
島にはコング以外にも恐竜などが生息しており、コングと戦いを繰り広げていた。
カール達はアンを取り戻そうとコングを追うが、島の生物に襲われ何人もが命を落としてしまう。
やがてジョンがコングの隙を突いてアンを連れ戻すことに成功、追ってきたコングは毒ガス弾で気を失い生け捕りにされる。

数ヵ月後、ニューヨークに見世物として連れてこられたコングだったが、ショーの最中暴れ出し、手枷足枷を破壊して脱走。
再びアンを手に抱え、ニューヨークを混乱に陥れたコングはエンパイアステートビルへと登っていく。
頂上で飛行機と戦いを繰り広げた末、銃撃を浴び続けたコングはアンをその手から離し、力尽きてビルから落ちていった…。

+リメイク版について
本作のリメイク版が1976年と2005年の2度にわたり製作されている。

1976年版はジョン・ギラーミンによるもので、コングはストップモーションではなく着ぐるみで演じられている。
演じたのは特殊メイクアーティストのリック・ベイカー氏。体当たりの演技であったがクレジットはされていない
(なお、氏は後述の2005年版にもカメオ出演している)。

オリジナルとの大きな違いとして舞台が現代(1976年)であり、
それにあわせてコングのよじ登るビルが世界貿易センタービルだったり、コングを攻撃する飛行機がヘリコプターになっている。
また、髑髏島でもコング以外の生物は大蛇が登場するのみにとどまっている。
大きな特徴としては、この頃になるとゴリラに対する「凶暴な生物」というイメージが誤解であると分かっていたためか、
ヒロインがただのさらわれ役に終わらず、ヒロインとコングが互いに心を開く様子や、
オリジナルでは単なる怪物として描かれていたコングにもより悲哀を感じさせるような描写がされている。

一部の変更点が災いしたのか評論家からの評価は低いものであったが興行的には成功しており、日本では配給収入30億を記録し、
10年後の1986年に続編『キングコング2(原題『King Kong Lives』)』も製作された。
前作後、実は昏睡状態でかろうじて生きていたコングに人工心臓を埋め込み復活させる計画が実行されるが、
手術の際には大量の輸血が必要であった為ボルネオ島から連れて来た雌「レディコング」から採血していたところ、
心臓移植手術に成功したコングがレディコングの苦痛の悲鳴に反応して目を覚まし暴れ出すという物語になっている。

2005年には『ロード・オブ・ザ・リング』で知られるピーター・ジャクソンによるものが公開。
こちらはオリジナルと同様1930年代が舞台であり、一部変更点はあるがかなり忠実なリメイクになっている。

コング、恐竜と言った髑髏島の生物やニューヨークの街並みに緻密なCGが使われており、
とくにコングはよりゴリラらしい生物感や躍動感、表情の豊かさなどがよく表現されている。
髑髏島において恐竜・バスタトサウルス(見た目はティラノサウルスに似ているが全く別物の架空の恐竜)との戦闘シーンは圧巻の一言。

また、オリジナルで撮影されたが没になったという、曰く付きのこんなシーンもCGのおかげで見事(?)陽の目を見た。
※グロ注意

ヒロインとコングが心を通わせる様子もより顕著に表れており(恐竜との戦いにおいて彼女を庇うようにしているなど)、
前2作のいいとこどりをしたような作品であると言える。
高い評価に反して興行的にはやや期待外れ(特に日本)に終わったものの、こちらも概ね成功を収めている。

この作品におけるコングは『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムなどで知られるアンディ・サーキス氏がモーションアクターを務めているのだが、
氏は奇しくもこの9年後の2014年、『GODZILLA』においてゴジラのモーションも担当しており、
日米を代表する二大怪獣を両方とも演じた映画史上2人目の人物となった(一人目は後述の中島春雄氏)。

3作のクライマックスシーン比較


また、日本国内においては東宝が権利を得たことで『キングコング対ゴジラ』と『キングコングの逆襲』の2作が製作された。
特に前者はゴジラシリーズ三作目にして、コングとゴジラというのはまさに日米を代表する怪獣同士の夢の対決、なんとも贅沢である。

『対ゴジラ』ではゴジラにあわせるため50メートルという巨大怪獣になっており、
生息地もドクロ島ではなくファロ島という島で、原住民からは魔神として恐れられているという設定。
初戦ではゴジラの放射熱線に恐れをなして退散するが再戦時は100万ボルトの電流を受けて帯電体質になっていたため、
ゴジラと互角の戦いを繰り広げた(後の作品におけるゴジラの体内放射はこの時の経験が元で編み出されたとする資料もあり)。
『逆襲』でも同じ着ぐるみを使用しているものの、こちらは別の個体で身長も20メートルと小さめ。
ヒロインに従順な態度を示したり、敵としてモンド島の恐竜「ゴロザウルス」や
悪の科学者ドクター・フー(演:天本英世)が作った「メカニコング」が登場するなど“正義の味方”として描かれている。
コングとゴロザウルスの戦いや、最終決戦で東京タワーによじ登るなどオリジナルのコングを強く意識した場面が多い。
この時コングを演じたのは昭和シリーズでゴジラを演じていた中島春雄氏。ゴジラとコング両方を演じた数少ない人物の元祖である。

後に『行け!グリーンマン』にも登場。この時には権利が切れていたため「ゴリラ」名義で出演している(着ぐるみは同じ)。
なお、東宝作品のコングの容姿は「原典とは違う顔にして欲しい」という申し出があった故に、
ゴリラというよりは日本の猿のようにアレンジされているのだが、本国のファンからはあまりいい評価を得ていない。

ゲームにおいては、コナミから発売されたファミコンゲーム『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』の知名度が高い。
囚われのレディコングを救い出す為、ビルや軍隊、何故か立ち塞がるモンスター共を野生のパワーでなぎ倒して突き進むという、
非常にシンプルかつ豪快さと爽快感を全面に押し出したトップビューのアクションゲームで、BGMも今なお名曲と数えられる物が多く存在する。
なお、タイトルに「2」とあるが、これは前述の映画『キングコング2』(1976年版の続編)のゲーム化という意味であり、
ゲーム作品として二作目という意味ではない。下記のMSX2版についても同様。
『キングコング2』劇中のキーアイテムである「人工心臓」も、ライフの上限を上げるアイテムとして登場している。
このコングは『コナミワイワイワールド』にもプレイヤーキャラの一人として出演。
他のキャラクターより一回り体格が大きく攻撃力が高いキャラになっており、シモンゴエモン
月風魔など並み居るコナミのヒーロー達の中でも、満を持して終盤に加入する強豪キャラという優遇されたポジション。
『怒りのメガトンパンチ』をプレイしていない子供にも、その勇姿とBGMは強く印象に残った。
残念ながら版権の都合のため、携帯アプリ移植版では『けっきょく南極大冒険』のペン太に差し替えられており、
コング並の体格に無理矢理当てはめられたペン太は異様にでかいペンギンと化してしまった
また、MSX2では同じくコナミから『キングコング2 蘇る伝説』が発売されている。
こちらは映画『キングコング2』のストーリーのうち、コングを復活させるまでの部分をゲーム化した作品で、プレイヤーはミッチェルという人間。
コングが操作キャラでは無いのでファミコン版『怒りのメガトンパンチ』ほどの知名度は無いものの、隠れた名作・名曲を持つゲームとして挙げるファンも多い。
コナミMSXに外れ無し一部例外ありである。

ちなみに、アクセル・ホークのテーマ曲の曲名が「キンクコンク」と、明らかにモチーフにしていることが分かる。


また、2010年代から展開されたハリウッドの怪獣映画シリーズ「モンスターバース」にも登場しており、
2017年に主演作となる『髑髏島の巨神』が公開された。
更に本シリーズには2014年公開『GODZILLA ゴジラ』も組み込まれているため、ゴジラとコングが同じ作品世界に存在している。
このことから、数十年の時を経ていずれは再び両者が激突するのか?とも言われていたが…。

+モンスターバースにおけるコング

『キングコング 髑髏島の巨神』(2017年)

モンスターバース2作目となるコング主演作。
未知の孤島・髑髏島に迷い込んだ主人公達が、コングを筆頭とした巨大生物達の洗礼を受けるというオリジナルの流れは概ね汲んでいるものの、
それ以外の設定はほぼ一新されており、また過去作との繋がりも無い完全な別世界の映画である。

本作のコングは身長31.6メートルに設定されており、『キングコング対ゴジラ』を除けば歴代で最も大きいコングとなっている。
見た目は直立二足歩行であり、ゴリラというより猿人の類に近い。
島を荒らしたり、危害を加える者に対しては一切の容赦をしないが、敵意さえ向けなければむしろ慈悲深い性格であり、
島の原住民であるイーウィス族からは自分達を守ってくれる守護神として敬われている。
島の外部からやってきた主人公一行に対しても一人一人を明確に識別している節があり、
無害な島の生物を助けようとした者や、島の環境に害を及ぼさないと判断した者なら危機から救うといった行動も見せている。
島の地底から現れた巨大爬虫類との戦闘時には、大木や廃船の舵などその場にあるものを武器として使用するという、
今までのコングにはない戦い方もしており、知能の高さが窺える。

『ゴジラvsコング』(2021年)


モンスターバース4作目であり、完結作。実におよそ60年の時を経て、ゴジラとの再対決となった。
モナークが島内に設置した第236前哨基地にて収容・管理下に置かれていたものの、100メートル級にまで成長した巨体故に島での生活が不可能になり
(小説によれば前作にあたる『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の終了後、
 怪獣カマソッソがギドラの置き土産の嵐を操作して島ごとコングを攻撃したため生態系が大きく狂ったのも生活困難になった原因らしい)、
加えてゴジラが暴れる原因究明のために、モナークとエイペックス・サイバネティクス社の手引きにより、
居住場所の移転も兼ねて怪獣たちの巣窟である南極の地下空洞の水先案内を求められて島を出る。
海輸の最中にタスマン海でゴジラに襲撃され、飛び道具である放射熱線の有無と地の利の差から劣勢に陥るが、
責任者の判断で輸送艦隊が迎撃を中断し全艦の動力を落とした事と、コング自身が戦闘力を喪失した事でゴジラは撤収。
これを受けて海上輸送は困難と判断され、ヘリで釣り下げられて南極の地底空洞入口まで空輸される
(初戦の敗北や空輸による移転など『キングコング対ゴジラ』のオマージュが見られる)。
帰巣本能に導かれて辿り着いた地底空洞中心において、太古の先祖が築き上げた宮殿と、祖先が倒したゴジラの同族の遺骨から作った斧と玉座型の巨岩を発見するが、
コングの存在を感知したゴジラが地上から地底空洞まで貫通させる特大の放射熱線を放ち、
それで生まれた穴を登って地上へと舞い戻って再度ゴジラに相対し、(視聴者視点で約半世紀ぶりの)「怪獣の王」の称号を賭けた一騎打ちに応じた。

髑髏島にゴジラの壁画があったのはかつてコングの祖先とゴジラの祖先が髑髏島でナワバリ争いしたためらしい。
本作で登場したコングアックスとも称される斧はG細胞による骨組織を素材にしているため非常に頑丈なだけでなく、
放射性物質をエネルギー源とするゴジラの体質故か、放射熱線のエネルギーを吸収する性質を持ち、
そのエネルギーを纏わせて刃の威力を大幅に高める機能を備えている。


MUGENにおけるキングコング

特撮系の怪獣やヒーローを多く製作しているmuu氏によるものが存在。
さらにmuu氏製作版の性能をなだげつ氏が調整したものも公開された。

+muu氏製作
  • muu氏製作
2005年のリメイク版を基にしたGBAのゲーム『Kong: The 8th wonder of the world(日本では未発売)』のスプライトを使用してmuu氏が製作したもの。
パンチや岩投げや地震といったパワフルな技を使うが、中にはどこぞのゴリラが使うものとそっくりの技もある。
まあ同じゴリラだししょうがない

ゴリラらしく攻撃力・防御力共に高く、飛び道具の岩投げや地震のおかげで遠距離戦も弱くはない。
腕を振り回しながら突進する技とローリングアタックは、技中完全無敵な上に前者は硬直が無い。
ローリングアタックは地上と空中で軌道や速度が異なり、地上版は斜め上に突進するので対空に使える。
というか、人操作なら「ジャンプしてすぐにローリングアタック」を繰り返すだけで大抵のキャラを容易に倒せてしまう。
また、ゲージが最大になると攻撃力が1.5倍となり、元々高めの火力がさらに強化される。
超必殺技の「Primal rage」はドラミングして周囲を衝撃波で攻撃する技で、
ゲージがMAXでないと使えず、使用後は全ゲージを消費するので攻撃力が元に戻ってしまう。
また、範囲は横には広いが縦にはあまり大きくなく、相手が空中にいる時などは上手く当たらないこともある。
その代わり威力が高く、全段ヒットした時のダメージは破格のものである。

AIもデフォルトで搭載されており、性能的には一般的な格ゲーキャラと比べると強すぎる部分も多いが、
画面内をかなりパワフルに動き回ってくれるので見栄えがする。
実際立ち回りも中々良いので今後の出番に期待したい。

+大会ネタバレ
MUGEN祭 大盛りシングルトーナメントにおいて、muu氏製の他の怪獣と共に登場。
本大会は「抽選王」を使って対戦相手とブロックを決めていたのだが、その結果、彼の周りにはゴリラが集まり
謎のゴリラゾーンが誕生した(しかも別枠で新たなゴリラまで現れた)。
しかもゴリラゾーン誕生回は記念すべきパート100。どういうことなの……。

そんな中、高火力通常攻撃と超火力ドラミングを駆使し、
最終的にキングコングがゴリラゾーンを勝ち抜いて名実共にキングコングとなった。
しかし、その後奇しくもまたゴリラと密接な関わりを持つ子供悟飯と対決し、接戦の末敗退した。

+なだげつ氏製作
  • なだげつ氏製作
なだげつ氏がmuu氏製作版を対一般キャラ戦向けに調整したもの。
無限ろだのup1795で公開されていたが、現在は同所の閉鎖により入手不可能。

技の構成や動作はmuu氏製作版と同じだが、エフェクト効果音が変更されている他、
一部の技使用中の食らい判定の拡大、技の威力の低下などの調整が施されている。
また、ゲージMAX時の攻撃力上昇値が1.3倍とやや控えめになり、ライフや防御力も一般的な値となった。
AIもデフォルトで搭載済み。


また、ますけんぷくん氏のゴリラの改変で『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』に登場するキングコングが、
Borewood氏によりパッチ形式で公開されている。

出場大会



最終更新:2021年08月05日 02:19