338 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:21:06.02 ID:3Bw9yObO0 [19/26]
>>337
18時まで投下しまっす
前回までのあらすじ――
超巨大ネウロイは四体のネウロイの集合体だった!一体を倒すも、ウィッチーズは魔力切れに追い込まれてしまう。
烈風丸を手に、そのネウロイに一人立ち向かう宮藤。自分の魔力の全てを烈風丸に流し、烈風斬を撃とうとしたその時
俺「まったく、宮藤の魔力を独り占めなんて欲張りすぎだろ烈風丸」
俺と宮藤の二人によって放たれた烈風斬が二体のネウロイを破壊、残る一体は俺の手によって破壊された。
こうして、俺とストライクウィッチーズの長い一日が終わった。
以下から本編
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ふう、と、ため息とともにペンはコトリと置かれた。
すっかり冷めてしまったコーヒーに口をつけながら、目の前の書類の事を考える。
まったく、うちの部隊にはクセのあるウィッチを引き寄せる魔法でもかけられてるのかしら。
顔を上げると、壁に掛けられた200機撃墜の勲章が目に入った。
ある出来事を思い出し、思わず笑ってしまった。
そうね、クセがあるのは私も同じかもしれないわね。
ミーナ「ふふ、書くのが躊躇われる戦果報告書というのも珍しいわ」
私の独り言に、ソファで扶桑茶を啜っていた美緒がこちらを向いた。
坂本「上に出す俺の報告書か。作戦も終わったばかりなのに忙しいなミーナ」
339 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:24:14.18 ID:3Bw9yObO0 [20/26]
じゃあ少し手伝ってくださる?などとは言わない。これは私がするべき領分の仕事なのだから。
美緒の正面に座って同じように扶桑茶を啜っていたトゥルーデもこちらに顔を向けた。
飲み慣れない扶桑茶に違和感を覚えたのか、口をモゴモゴさせている。
このコーヒーを飲み終えたら私も淹れてもらおうかしら……。
バルクホルン「情けないが、今回は本当に宮藤と俺に助けられた。特に、俺がいなかったら……」
敵戦力を見誤る。してはならないミスだったわ。しかし、観測員を非難することは出来ない。
融合型ネウロイを判別する事は、魔眼でコアを確認しないかぎり不可能なのだから。
美緒が湯飲みを置き、私の正面から書きかけの書類を覗き込む。
坂本「ほう。小型87、中型2、中型融合タイプが1か。はっはっは、まるで部隊の戦績だな!」
腰に手をあて笑う美緒を見て、ため息が出てしまった。
これがどれだけ大変な事か分かってないのかしら。
バルクホルン「しかし、これで俺は有名になってしまったわけだ。良からぬ連中に目をつけられないといいんだが……」
トゥルーデの心配は、恐らく的中する。一般人の男性に実用的な魔法力が発現したという現象だけでも、俺君をモルモットにするに足りるのだ。
その上さらにこんな成果を上げてしまったら……。
そんな心配から、最近基地の警備を増強した。
権力の前には、まったくの無駄になるでしょうけど。
坂本「ふむ……。ミーナ、何かいい考えは無いか?」
ミーナ「そうね……」
343 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:29:17.28 ID:3Bw9yObO0 [21/26]
無い、という事は無い。私と同じく俺君の身を案ずる人間が他にもいたのだ。
そして、彼らの提示した意見は俺君の身を守るには最善だった。
しかし、それに乗るのが俺君にとっては最善と言えるのか、私には分からなかった。
ミーナ「……二人には少し辛い思いをさせてしまうかもしれないわね」
私の言葉に、美緒とトゥルーデは首をかしげた。私は冷めたコーヒーを飲み干し、説明を始めた。
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宮藤「わあー、いい天気だねー」
空は快晴、海は穏やか。そのせいなのか、宮藤は上機嫌だ。
俺は天気も良いし作戦が終わって1日休暇を貰ったので基地の周りをぶらぶらと散歩することにした。
その途中で、同じく休暇を貰っていた宮藤に出合った。
宮藤は休暇を持て余してたようで、誘ったら嬉しそうに受けてくれた。
その瞬間俺は表では平静を装ったけど、心の中ではガッツポーズをとりながら叫んでいた。
そして今二人で海岸を歩いてる。やばい、幸せだ……。
宮藤「あ、これ綺麗だなー」
宮藤はしゃがみこんで貝殻を拾っている。
俺は打ち上げられたクラゲを棒でつついていた。
俺「クラゲってホントに生き物なのかな……」
クラゲ型ネウロイとかいないかな。昔は馬型やトカゲ型ネウロイが出たって聞いた事があるし、クラゲももしかしたら……。
宮藤「クラゲだー。プルプルしてるね」
俺「!?」
344 自分:主人公っぽい俺 支援ありがとうです![sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:35:36.39 ID:3Bw9yObO0 [22/26]
いつの間にか宮藤が俺の横にぴたりとくっついてた!
まずい、顔が熱くなっていくぞ。
宮藤はクラゲを見て楽しそうに笑ってる。
肩から伝わる宮藤の体温がこそばゆい。
急上昇する鼓動に気付かれないように無心でクラゲをつつく。
宮藤「ねえ俺君」
俺の肩がびくんと震えた。やばい、変に思われたかな……。
手や背中に汗が滲んできた。大丈夫だ、落ち着け俺。
俺「ど、どうしちゃっ?」
やってしまった……。
焦るあまり、変な言葉が出た。なんだよ、どうしちゃって……。
きょとんとする宮藤。当たり前だろ俺のバカ!。
くそ、落ち着け俺!ストライカーユニットのように心臓の鼓動もコントロールできたらどんなに助かることだろ。
俺「ゲフンゲフン!えっと、どうした宮藤?」
咳払いをして言い直すと、宮藤は楽しそうに笑いながらこう言った。
宮藤「クラゲって、おいしそうだよね?」
俺「……え?」
目をキラキラさせる宮藤に、俺はなんて返事をしたらいいか分からなかった。
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347 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:44:28.33 ID:3Bw9yObO0 [23/26]
俺「という事がありまして……」
椅子に座りうつむく俺に、向かいのエイラさんが呑気な声で言う。
エイラ「気にスンナ。扶桑人の感覚は変わってるんだ」
丸い机の上にはタロットカードが規則的に並んでいる。相談に来た俺を占ってくれるらしい。
エイラさんが俺にはよくわからない手順でカードを置いたりめくったりしている。
言ってしまえばただカードをめくるだけの遊びなのに、複雑な作業が入ると途端に不思議な力が宿ってくるような気がしてしまう。
エイラ「そんなことないって。占いなんて当たったり外れたりするもんなんだ。いい結果が出たら嬉しい、そんなもんさ」
そんなもんなのか。まあエイラさんが言うならそうなのかな。
それにしても、エイラさんの部屋って変わってるよな。
初めて入ったわけじゃないけどついついキョロキョロしてしまう。
小さい頃に母さんが枕元で話してくれた昔の魔女が住んでそうな……。
ところで、さっきから違和感が。
何かが足らないような、欠けてるような、そんな感じ。
部屋を見渡して丸っこいぬいぐるみが目に入った。ああ、分かった、いないんだ。
俺「そういえば、今日サーニャちゃんはいないんすね。どっか行ってるんすか?」
俺の問いにエイラさんは、んー、と親指で後ろのベッドを指した。
サーニャ「……すぅ」
気持ちよさそうに眠るサーニャちゃんの姿があった。
丸まって寝ているから細いな体がより小さく見える。かわいいなあ。
はっ、ダメだダメだ。俺には宮藤が!
348 自分:主人公っぽい俺 支援ありがとうございます お待たせしてすみませんでした[sage] 投稿日:2011/09/25(日) 17:51:38.79 ID:3Bw9yObO0 [24/26]
エイラ「なんか変なこと考えてるだろオマエー」
俺「いえ、なんにも?」
エイラ「まあいいや。サーニャも疲れてるだろうしさ、今日は好きなだけ寝させてあげようと思ってナ」
よっと、と言ってめくられたカードを見て、エイラは顔をしかめた。そういえば俺の何を占っているんだろう。
エイラ「あー、こりゃまた……」
俺「え、なんすかそのセリフと顔……」
何か良くないカードだったのか?どうしよう俺結構占いとか気になっちゃうタイプなのに。
エイラ「いやあ、別に悪いカードなんかじゃないって。むしろいいカードだぞ?」
あははと笑いながらエイラさんが答えた。引いたカードを表向きに机に置く。
エイラ「『運命の輪』の正位置。運命、幸運、宿命……。まあ、人生の転機って感じだな」
俺「人生の、転機?」
エイラ「お前がこの基地に来た時もお前を占ったんだ。その時に出たのがまさに――」
エイラさんが頬杖をつき、カードを指差しながらニヤっと笑った。
エイラ「このカードだったのさ」
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400 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:07:48.91 ID:6FZm1SNg0 [8/8]
整備俺「いや、そりゃ好きさ。好きに決まってるじゃない……」
シャーリー「じゃあなんでだよ!」
響く声は、怒声よりも悲鳴に近かった。
基地の裏にいるとはいえ、誰かに聞かれないかヒヤヒヤした。
青い瞳が潤みだす。どうにかして止めたいが、その方法がどうしても思い付かない。
本当の理由を隠して上手く嘘をつく方法なんてあるのか、なんて考えてしまう。
俺には今まさにその方法が必要だった。
シャーリー「なんでだよ……」
他人が見たら
修羅場と思うのだろうな。
今目の前の現実から思考を反らすのは俺が彼女に負い目を感じている証拠か。
整備俺「別に一生会えなくなるわけじゃないじゃない。ほんの数年だよ」
シャーリー「じゃあ……。お前は私に『ほんの』数年会えなくても平気なんだな……」
404 自分:主人公っぽい俺 >>396です どうしてこうなった[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:13:39.34 ID:IErOiGjX0 [2/6]
整備俺「あ、いや、そういう意味じゃ……」
シャーリー「そういう意味だろ。私、訓練あるから行くよ」
シャーリーさんの背中を見送る事しか出来ない。
彼女の背中を小さくさせてしまっているのは間違いなく俺だった。
ペリーヌ「追わないのですか?」
整備俺「んなっ!?クロステルマン中尉!」
中尉が俺の背後の窓からひょこっと顔を覗かせていた。
ペリーヌ「ちょっと、なんですのその幽霊にでも話しかけられたみたいな驚きようは。少し失礼ではなくて?」
頬を赤く染めて怒るその姿は、なるほどいつだったかユーティライネン中尉が言っていた『ツンツン
メガネ』だ。
それにしても、窓は閉まっているのを確認したはずだったけど、いつ開いていたのか。まったく気がつかなかったな。
俺を見下ろしながら中尉が言った。
ペリーヌ「覗き見する趣味はありませんけど、あんな大声を聞いたら確認しないわけにはいきませんでしょ?」
整備俺「あー、やっぱり聞こえてしまっていましたか……」
ペリーヌ「ええ。シャーリーさんにあんな声を出させるなんて、貴方一体何をしたのかしら?」
俺が彼女に何をしたか。答えは『この基地を離れ、技術部に異動することを伝えた』だ。
だけど、その動機をシャーリーさんに話す事はなかった。
405 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:19:50.09 ID:IErOiGjX0 [3/6]
俺は俺自身が怖かった。いつ欲に負けて彼女に襲いかかるか、自分の中の獣を制御できる自信がなかった。
仮にそれを彼女が受け入れたとしてもその先に彼女の幸せは無いと思った。
まったく、俺のヘタレはどうしても治らない。
整備俺「中尉は、例えば自分がいることで大切な人を不幸にしてしまうとしたらどうされますか?」
中尉の問いには答えず、質問をしてみた。
中尉はフワフワと風に舞う髪を押さえながら、自信ありげに笑った。
ペリーヌ「そんなの、不幸になる原因を解消するに決まってますわ」
なるほど、それも一つの答えなのだろう。でも俺の抱える問題は解決できないな。
整備俺「それじゃあちょっと質問を変えましょう。自分の愛を伝える行為そのものが相手を不幸にするとしたら?」
ペリーヌ「貴方が愛を伝える事が、本当に相手を不幸にするのかしら?」
整備俺「その確率は高い、と思われます」
中尉が大きく溜め息をついた。その表情からどうやら俺に呆れているようだ。
408 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:29:15.78 ID:IErOiGjX0 [4/6]
ペリーヌ「これだからカールスラント人は。愛を語るのに確率だなんてナンセンスですわ」
整備俺「はあ、馬鹿げておりますか」
ペリーヌ「ええ、馬鹿げていますわ。いいこと?」
ほんの数年前まで愛と美によって彩られていた国、
ガリア。
その国を愛する少女は髪をかきあげながら力強く言い放った。
ペリーヌ「純粋な愛が不幸をもたらす事など絶対にありえなくってよ?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
美緒に扶桑茶を入れてもらって一息つく。コーヒーよりも優しい味ね、仕事の合間にはちょうどいいわ。
さあ、そろそろ説明を始めようかしら。二人ともなんだかそわそわしてるものね。
ミーナ「実は本国の技術部から、正式に俺君の技術支援をする話が来ているのよ」
バルクホルン「技術支援?」
あの試作機の開発グループのリーダーだった人物は現在軍に出向してるメッサーシャルフ社の技術者だった。
今までは彼とその仲間が個人的に支援をしてくれていたのだ。
坂本「その男は信用出来るのか?」
ミーナ「ええ、ウルスラさんにも確認したけど、絵に描いたような技術屋らしいわ」
バルクホルン「なるほど。だが、ただの技術的な支援だけでは俺の安全は確保出来ないぞ?」
坂本「つまり、これはただの技術支援ではない、ということか?」
409 自分:主人公っぽい俺 支援サンクス![sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:35:26.86 ID:IErOiGjX0 [5/6]
美緒の問いに頷く。
ガランド中将から届いた手紙。そこに記されていた内容は、中将を騙った誰かのイタズラを疑わせるほどに破格な待遇だった。
ミーナ「イカロスを効果的に運用するための兵装群の構築。それに伴い特殊な兵装を施した巡洋艦一隻が俺君の為に運用されるわ」
バルクホルン「な……」
トゥルーデは言葉が出ないみたいね。当たり前だわ、私だって手紙を見たときは同じ表情をしていたはずよ。
流石の美緒も驚き、目が点になっている。彼女の珍しい表情が少しおかしくて笑いそうになってしまう。
坂本「ウィッチ個人の為の専用艦?随分と思いきったものだな」
その価値は十分にある。いや、むしろ必要なことだわ。
強力な力を得る事ができるオーバーブースト、そして他のウィッチの固有魔法を複数同時に使えるオーバードライブ。これらは三分という制限時間内でしか使えない。
その三分を可能な限り有効に使うためには火力支援も含めた後方支援が重要になる。
バルクホルン「確かにあれの制圧力は大したものだが……。それは局地的なものだぞ?」
坂本「いや、だからこそ艦がいるんだろう。移動可能な拠点としてあらゆる戦域で働くことができるようになるからな。ともあれ、大きな戦力になるのは間違いないな」
そう、俺君は例えるなら動くキルゾーンとなる。プランは既に固まっているらしく、あとは俺君が動き始めるのを待つだけの状態。
まだ確定では無いけど、ヴェネチアや扶桑からも支援の声が上がっているらしい。もしかしたら直掩用のウィッチも派遣してもらえるかもしれない。
そうなったら、まるで『
アフリカの星』の為にあるどこかの飛行隊みたいね。
この話の中心である俺君には今夜にでも伝えるつもりだ。快く頷いてくれたら良いけど、宮藤さんの側から離れたくないと言われたら。
ミーナ「上官命令なんて、あまり使いたくはないわね……」
私の呟きの意味を、トゥルーデは察したみたい。湯飲みの口を指でなぞりながら、そうだな、と呟いていた。
411 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/09/28(水) 00:38:39.64 ID:IErOiGjX0 [6/6]
ここまでです
支援と読んでいただきありがとうございました
書き貯めが底をついた……
最終更新:2013年01月28日 15:47